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私も今日からGWに入りました。 早い方でしたらもう後半になるんでしょうね。 皆様いかがお過ごしでしょうか? さて、前回の続き、第十三回建築探訪in滋賀県の第二回目です。 この回の目玉であります2007年9月にオープンしたこの建物です。 佐川美術館「楽吉左衛門館」 設計:楽吉左衛門・竹中工務店 所在:滋賀県守山市水保町北川2891 用途:美術館 佐川急便創業50周年を記念して建てられた美術館です。 企画・設計に携わった千家十職の一人、15代目楽吉左衛門氏の 作品と展示する美術館で、その作品である茶碗を展示するだけではなく 使ってこそ茶碗であると、茶室も作られたそうです。 コンセプトの一つに利休が語った 「守破離」 ・・・規矩作法 守り尽くして 破るとも 離るるとても 本を忘るな の精神があるそうです。 佐川美術館から水庭の下へと潜る階段が伸びあたりは一気に暗くなります。 次第にその暗さに慣れたところにもう一段下がる階段があります。 そこに展示室が設けられ、水盤越しに設けられた一筋のトップライトが 柔らかく壁面を伝いホールを包みます。 ここへは一般の方も見学可能です。 今回は事前に予約を取り、お茶室見学をしました。(撮影不可でした。) 水上から地下へと降りる階段の奥に茶室への道があります。 まずは廊下。 薄暗く足元のみを照らす間接照明が、赤い枕木の古材をより赤く 浮き立たせます。廊下は奥に狭く、実際の距離より長く感じ、 この後に待つモノヘの期待と緊張が高まります。 その緊張を解すかのように設けられた待合があります。 微かに聞こえる水しぶきの音に益々期待が膨らみます。 次に通されたのが、水路地です。 杉板型枠を逆隣状に使い、伝う水が膜を張るように工夫されています。 水が弾け合う音だけが耳に届き、辺りは澄んだ空気が流れます。 先ほどまで離れていた世間を再確認するかのように、私は用意された 腰掛に掛け、円形に切り取られた青い空を眺めていました。 いよいよ躙口をくぐり、中潜りを上ると、 靴底と同じ高さに設けられた手水鉢があります。 人はそこにしゃがみ込み、薄く設けられた縦スリットの窓から 一筋の光を感じながら、今自分がいる水底を確認することができます。 その脇には三畳半の小間、「盤陀庵」が設けられています。 スリット窓から入る光が越前和紙を張ったアクリル柱を抜け 小間を薄暗く包みます。時間の変化が楽しそうな空間です。 最後に通されるのが広間、「俯仰軒」です。 これまで水底に沈んでいた自分の身が、一気に開放されるかのごとく 水面へ浮上します。辺りは水盤が広がり、琵琶湖を思わせる 葦や蒲が群生しています。 水盤からはわずか15cmほどしか床面は上がっておらず、 縁先に設けられたアフリカ産黒御影石のごつごつとした割肌は 大地を思わせ、そこには雄大に広がる水辺の世界が存在するようでした。 荒々しい岩肌と対峙するように穏やかな水面。 私の視線、心がその世界に吸い込まれそうになりました。 壁は、土壁ではなく現代を象徴するコンクリート壁。 杉板を型枠に使い、木目を浮かせ、空間の明暗をより象徴的にするため コンクリートに酸化鉄を含有させたブラックコンクリートです。 その強い壁と張り合うように掛けられた床の間垂壁は アフリカの木材であるウェンゲの大板た使われています。 障子も開放感を際立たせる跳ね上げ式を採用しており、 眼前に広がる自然を感じずにはいられませんでした。 予てより訪れたかった建築を見ることが出来て本当に感動しました。 光を使った非日常的空間を体感しましたし、茶室へのアプローチで 巡る自分自身の心境の変化が本当に面白かったです。 目や耳、肌、鼻そして心で楽しませてくれる建築でした。 さて、次回も第十三回建築探訪in滋賀県の続きを書きたいと思います。 では皆さん良いGWをお過ごしください。 |
◆滋賀県にて
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いつもながら気まぐれな更新を送っております。 今回からは久々に第十三回建築探訪in滋賀をUPしていこうと思います。 確かこの回の建築探訪は去年の6月くらいでしたのでおよそ1年前の 探訪記です。新鮮な感想じゃないですが、未だに残っているモノを 書こうと思います。 まず今日は、予てより気になっていましたこの美術館を・・・! 佐川美術館 設計:竹中工務店 所在:滋賀県守山市水保町北川2891 用途:美術館 この佐川美術館は佐川急便の創業40周年記念事業の一環として1998年開館された 日本画家・平山郁夫氏と彫刻家・佐藤忠良氏の作品を中心に展示されています。 その他、さまざまな文化事業を通じて芸術・文化の振興と発展に少しでも 貢献できればと活動されているそうです。 周囲には、比叡山・比良山を仰ぎ、目前に琵琶湖がその雄大な姿を見せてくれます。 その琵琶湖を思わせるような穏やかな水盤の中に、この佐川美術館は建ちます。 大きな切妻屋根が二棟平行に並び、広く取られた軒下には、 寺社かはたまたギリシャ神殿を思わせる柱が並び、エントランスへと導かれます。 どこか日本的でありながらも、スケールの大きさはそういった神殿を思わせ 厳かな空気感を漂わせています。 内部は、間接照明の利いた屋内空間と中庭の水面に揺れる自然光が入る 回廊とが、美術に触れるときと緊張を解きほぐしてくれるときとの onとoffのような一瞬を感じられました。 施設内には、caffeやshopもあり、そよぐ風に揺れる水面を見ながら ゆっくりと落ち着いた時間を過ごす事が出来そうでした。 さて次回は、同じ敷地に2007年に開館した
「佐川美術館 楽吉左衛門館」を紹介しようと思います。 |
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ようやく気温も下がり本来の秋のペースに追いついてきたように感じますね。 さて今回は、6月に訪れました建築探訪in愛知県の第一回目です。 愛知県と題しながら一つ目は滋賀県の北西部に建つこの建築です。 たいさんじ風花の丘 設計者:岡田哲史+陶器浩一 所在地:滋賀県高島市安曇川町田中4922-2 主用途:地区集会場 細く長い山道(もっと行きやすい道がありそう)抜けると、広がる田園風景に出会います。 そんな田畑の中に一際異彩を放つのがこの「たいさんじ風花の丘」です。 この建物は、高島市食と農の交流施設としての位置付けとして 都市住民と市民が交流を深め、安全で新鮮な農産物を利用者に供給する施設として 建設されたそうです。 施設Mapに見て取れるように、四枚の木の葉型のエレメントが構造体となり その上に屋根を架けたものとなっています。 エントランスは、二枚のエッジの効いた木の葉に吸い込まれるように訪れるものを誘い、 内部へと導いてくれます。 内部は、外部とは対照的に白で統一されており、外部で感じた威圧的な要素とは全く異なるもので、 また、エッジの鋭さから、カーブのソフト感にイメージが変換されました。 天井もR形状でとても穏やかで、一面を開口部とし、 あたりの田園を建物の風景として取り入れていました。 1階は、多目的ホールや地域食材供給室、野菜直売所などで構成され 2階は、研修・交流室があります。 研修・交流室の手摺は地域の子供達が加治屋さんの体験授業で作ったものを施工してあります。 室内で感じた木の葉のR壁が安藤忠雄氏が用いる手法とリンクし、招き、奥への好奇心、期待が 膨らむ空間でした。 しかしながら、こういった施設はやはり地域の方に使われてこそだと思っています。 実際は、なかなか難しいように感じられました。田舎の田園で野菜を売っても・・・ 今後、どう使われていくのか、どう施設として存在していくのかを見守りたいものです。 さて、雲行きも怪しかったこの日ですが、次なる建築を求めて出発です。
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