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『びわ湖通信』No.203,2012年2月発行より
豊島汚染土壌の大津市・山崎砂利商店搬入の問題点
畑 明郎
1991年の発覚当時、国内最大規模の産廃不法投棄とされた香川県豊島事件の汚染土壌7万トンを、大津市伊香立の山崎砂利商店に搬入する計画が進んでいます。豊島事件は、2003年に産廃特措法の対象となり、2004年から10年計画で約50万トンの産廃の全量撤去と、隣接の直島に新設された溶融炉やキルン炉で焼却・溶融処理が行われてきました。2011年3月までに約45万トンが処理されたが、その後の調査で汚染土壌も含めた産廃は、推計で約90万トンにのぼることが判明しました。 このままでは、産廃特措法期限の2012年度中の全量処理が困難となるうえ、早くても2016年度までかかるので、汚染土壌は時間と費用のかかる焼却・溶融処理を、安く早く処理できる水洗浄処理に切り替えました。香川県は、県内に土対法の許可を受けた水洗浄処理施設がないので、県外の業者4社で一般競争入札し、大津市の山崎砂利商店が通常1トン当たり1〜2万円と言われる処理費よりも安い入札予定価格の12,000円の約半額6,405円という超安価で落札しました。この計画は次の問題点があり、産廃特措法の期限延長の動きもあるので、白紙撤回すべきです。
1.廃棄物処理は都道府県内処理が原則であり、県外に持ち出すことは汚染の拡散になり、好ましくありません。香川県は:県外の水洗浄施設を持つ4社で一般競争入札し、もっとも安い山崎砂利商店にしたが、近畿1400万人の飲用水源である琵琶湖岸の大津市で処理すべきではありません。ちなみに、豊島を上回る規模の青森・岩手県境産廃不法投棄事件の廃棄物処理は、青森県内と岩手県内の処理業者が処理し、県外には一切持ち出していません。
2.水洗浄処理の方が焼却・溶融処理より処理期間短縮とコストダウンできるので、採用しています。しかし、鉛やヒ素などの重金属類は粘土質土壌に付着しており、水洗浄すると粘土微粒子が水に移行して、残る砂礫質土壌はきれいになりますが、大量の濁水が発生し、それらを完全に沈澱させることは技術的にも困難ですし、重金属類を含む濁水を放流することになります。さらに、濁水を沈澱処理すると、重金属を含む汚泥が大量に発生し、「汚泥は別の業者が処理してセメント原料にする」としますが、重金属汚染された汚泥はセメント会社が引き取りたがらないので、はたして適切に処理・処分されるか疑問です。
3.山崎砂利商店は2010年4月に水処理業の許可を受けた新規参入業者で処理実績も乏しいにもかかわらず、入札予定価格の1トン当たり12,000円の約半額6,405円という超安値で落札させました。大阪港から阪神高速→名神高速→湖西道路→国道477号と約80kmも陸送するので、輸送費が1トン当たり3,000円以上はかかると推定されるので、実際の処理費は半分の約3,000円となります。このような低価格で処理が適切に行われるとは到底思えません。
4.山崎砂利商店と大津市は、「洗浄処理水は全量循環利用しており、場外には一切、洗浄処理水は流出させない」と説明しています。しかし、雨水も含めて場内水を一切場外に出さない工場など、世界中でも見あたりません。たとえ見かけ状の排水がなくても、場内敷地から地下浸透して地下水汚染も起こりえます。循環利用・排水処理すると、かならず大量の汚泥が発生するので、その処理・処分地が必要となります。いわんや、山崎砂利商店は、過去に土砂崩れや汚泥・濁水の流出事故などを度々起こしており、排水を出さないという原則が守られる保障はとてもありません。
5.香川県は、「豊島から持ち込む汚染土壌は鉛やヒ素などの重金属類のみが含まれる」としていますが、豊島産廃不法投棄場所では、PCB、ダイオキシン類、揮発性有機化合物(VOCs) などで汚染された土壌も見つかっており、これらの汚染土壌が混入する可能性があります。PCB、ダイオキシン類、VOCsなどは、水洗浄処理施設では除去できず、濁水や汚泥に残留します。これらを処理するためには、加熱・溶融処理施設などが必要ですが、山崎砂利商店は、水洗浄処理施設と化学脱着処理施設しかなく、処理できません。
1月23日に伊香立上龍華自治会館で地元土地改良区主催で住民説明会が開かれ、私も参加しました。地元住民の関心は高く、約120人の参加で会場は搬入阻止の熱気に包まれていました。香川県・大津市・山崎砂利商店による説明がされましたが、住民の鋭い質問に答えられず、平行線でした。そして、当初2月に搬入予定でしたが、豊島汚染土壌掘削工事の遅れから3月搬入予定となりました。
1月29日にも、伊香立学区の自治連合会主催の住民集会が開かれ、約130人が参加し、香川県に対して豊島汚染土壌の搬入中止を求め、滋賀県と大津市に対しても香川県に搬入中止の要請する決議をしました。
私たちは現地住民の案内で2月1日に現地調査を行いました。山崎砂利商店の事業場は、高いフェンスと有刺鉄線で取り囲まれ、監視カメラと警備員が常駐し、私たち数人が近付くと、数人の職員が張り付いてきました。入口付近、排水口、河川などを調査しましたが、入口付近のダンプカーの出入りは激しく、周辺道路の表面は泥だらけで、排水口からは灰色の濁水が絶えず流出し、周辺河川も灰色に濁っていました。排水口付近に小さい沈砂池がありましたが、あまり沈澱効果はないようでした。
(びわ湖の水と環境を守る会顧問・元大阪市立大学教授)
沈砂池から流出する白濁水(筆者撮影)
山崎砂利商店の航空写真
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