ぴくちゃあ通信

日本映画を映画館にて見る、ということを基本にしています。特に、役者さんへの目配せを心がけています。

松竹

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全12ページ

[10] [11] [12]

[ 前のページ ]

 シネマアートン下北沢にて『はだしの花嫁』(松竹大船1962:番匠義彰)を見る。
 これまた楽しい作品。恋の三角関係から四角関係、五角関係に発展するかと思いきや、倍賞千恵子と早川保は当初の予定通り結婚し、鰐淵晴子と寺島達夫はゴールイン間近というハッピーエンド。
 山本豊三だけがひとりかやの外。狂言回し的な作家の南原宏治がいい味を出している。

 シネマアートン下北沢にて『千客万来』(松竹大船1962:中村登)を見る。
 中村登監督は、たまに『夜の片鱗』(松竹大船1965)のような失敗作も撮るが、概ね平均値以上の作品が多い。『千客万来』は平均値以上、上出来の楽しい作品である。
 クレジットの一枚目は佐田啓二と岡田茉莉子のふたり、二枚目が桑野みゆき、鰐淵晴子、岩下志麻の3人。主演は?と問えば、しいてあげれば岩下志麻になろうか。
 岩下志麻と川津祐介の結婚生活を中心に志麻の叔父・佐田啓二と岡田茉莉子夫婦の生活ぶりを対比させながら展開する。
 桑野みゆきが志麻の同僚として登場するが、岩下志麻と比べて断然うまい。みゆきは目がいきいきと輝き、表情豊か。志麻の目はしっかりと据わってはいるが、まだ表情は硬い。
 このふたりの立場が逆転するのは、この1962年あたりかもしれない。志麻が『秋刀魚の味』(松竹大船1962:小津安二郎)や『古都』(松竹大船1963:中村登)などの代表作となる作品に出演していったからである。
 『千客万来』に話を戻すと、この作品、小津のパロディに満ちあふれている。山村聡の父親に三宅邦子の母親、娘が岩下志麻で妹が鰐淵晴子、父親の弟夫婦が佐田啓二と岡田茉莉子、父親の友人に伊藤雄之助、その奥さんが水戸光子。志麻は伊藤の会社で働いている。伊藤の仲人で、憎からず思っている同僚の川津祐介と結婚する。
 山村と伊藤がバーで、「これがよく効くんだ」と精力剤を飲んだり、三宅と水戸が旦那のグチを言い合ったり、と小津作品を思い浮かべて楽しくなってしまう。

 ラピュタ阿佐ヶ谷モーニングショー・桑野みゆき特集にて『さよならはダンスの後に』(松竹1965:八木美津雄)を見る。
 倍賞千恵子のヒット曲をベースに展開される純情メロドラマ。当然、倍賞が主演と思いきや、桑野みゆきの主演作品である。『下町の太陽』(松竹大船1963:山田洋次)などの主演作があるとはいえ、倍賞千恵子では大人の恋愛もののヒロインはまだ早いと思われていたのだろうか。でも、実年齢は桑野みゆきがひとつ年下である。ちなみに、岩下志麻が一番年上で、彼女の一学年下が倍賞、その一学年下が桑野という順番である。
 さて、桑野みゆきのヒロインはいいとしても、相手役が沢本忠雄ではちょいと魅力に欠ける。こんなところにも、松竹の男優不足がうかがえる。

 ラピュタ阿佐ヶ谷モーニングショー・桑野みゆき特集にて『ぜったい多数』(松竹大船1965:中村登)を見る。
 なんともすっきりしない消化不良の作品。青春の躍動感もなければ、恋愛の喜び悲しみもない。
 4年制大学を出た桑野みゆきは、都会で生活をする意義を見いだせず、田舎に帰ろうとする。ひょんなことから、青年実業家・伊藤孝雄と知り合い、彼の経営する歌声喫茶「仲間」に勤務することになる。ふたりの関係は結婚を前提にしたものに。
 でも、伊藤との恋愛にも煮え切らないみゆきは、“忠犬ハチ公”とあだ名していたアルバイト従業員たちの待遇改善要求ストに加わったりする。なにをしたいのかよくわからない人だ。
 ラストは、原作者・曾野綾子お得意のキリスト教的死を田村正和に与えて、ジ・エンド。
 なんとも、やるせない。

 ラピュタ阿佐ヶ谷のモーニングショー『その口紅が憎い』(松竹1965:長谷和夫)を見る。
 主演は三流業界紙社長・内田良平。偽ドル事件に興味を持った彼は、航空会社のソリスター・桑野みゆきに近づく。ソリスターという職種を初めて知った。海外旅行が制限されていた頃の職種かな。偽ドル、闇ドルも海外へ持ち出せるドルが制限されていたために起きた事件かも。
 桑野みゆきは内田良平を抱き込んで、組織の偽ドル30万ドル(1億2千万円)を横取りしようと企む。まんまと成功したかに見えた土壇場で、内田が良心の呵責に苛まれ(彼の妹が偽ドルの嫌疑をかけられて自殺したという過去があり)、警察に通報する。みゆきは組織の殺し屋・園井啓介に羽田空港で射殺されてしまう。
 桑野みゆきは悪女に挑戦したのだろうが、徹し切れていない。たたずまいはさまになっているが、しゃべりだすとどうもいけない。あの子供っぽい声では、やさしい女になってしまう。内田に惚れつつも、計画を成功させる非情さ、という二面性を演じなければいけないはずなのに。
 彼女自身も自分の資質を充分に認識していたのだろう。後輩の岩下志麻や倍賞千恵子に追い越されて、自分の居場所がなくなったこともあり、結婚引退という道を選んだのかな。
   

全12ページ

[10] [11] [12]

[ 前のページ ]


.
ぴくちゃあ
ぴくちゃあ
男性 / O型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
検索 検索
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

標準グループ

ブログバナー

過去の記事一覧

友だち(4)
  • 翠はるかに
  • 翠はるかに
  • uet**n51
  • 母屋
友だち一覧

Yahoo!からのお知らせ

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト『さとふる』
11/30まで5周年記念キャンペーン中!
Amazonギフト券1000円分当たる!
話題の新商品が今だけもらえる!
ジュレームアミノ シュープリーム
プレゼントキャンペーン

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事