ぴくちゃあ通信

日本映画を映画館にて見る、ということを基本にしています。特に、役者さんへの目配せを心がけています。

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 ラピュタ阿佐ヶ谷にて、『続・図々しい奴』(東映東京1964:瀬川昌治)を見る。
 第一部で西村晃が演じた大陸浪人の右翼馬賊は、なぜかしら多々良純に代わっている。単に西村晃のスケジュールが合わなかっただけと思うが、このほうがよかったと思う。戦後の明るい世の中では、多々良純のような暖かみのある味を出せる人のほうが適役である。
 巨砲の持ち主である谷啓の色事は、言葉では示されるが、あまり具体的には描かれていない。1964年製作という時代のせいもあるかもしれないが、切人少年を演じた子役に遠慮したのかな?

 ラピュタ阿佐ヶ谷にて、『図々しい奴』(東映東京1964:瀬川昌治)を見る。
 小学6年で母親が死に天涯孤独になった小田切人(おだきりひと)は、岡山の若様(杉浦直樹)と知り合い書生となる。岡山一中を5回も落第した切人は、勉学に見切りをつけて、東京に遊学している若様を頼って上京。ここから成人した切人の谷啓が登場、抑えた演技でよい。
 図々しい奴というよりも誠実な奴というほうがあっている。これは瀬川監督の資質のせいかもしれない。

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 ラピュタ阿佐ヶ谷にて、『馬喰一代』(東映東京1963:瀬川昌治)を見る。
 いやあ、力強い傑作です。斎藤一郎の『眠狂四郎』ばりのビヨヨーンの旋律がさえわたる音楽に乗って展開する父親と息子の一代記。三國連太郎が絶品です。それに絡む新珠三千代が素晴らしい。
 後半はこの二人に子どもとのアンサンブルで、涙、涙、涙、涙、涙。
 瀬川監督、ここでも映画手法の王道を見せてくれる。『無法松の一生』(大映1943:稲垣浩)でもおなじみだが、時の経過を表す手法として人力車の車輪の動きをオーバーラップさせていた。『馬喰一代』では、赤ん坊から小学校に上がるまでの時間の経過を、子どものおもちゃをオーバーラップさせることによりあらわしている。それも、赤ん坊のおもちゃから次は幼児のおもちゃ、そして男の子のおもちゃ、という具合に、子どもが成長していった様子がわかるように。うまい。
 続いて、小学1年から6年への成長過程は習字の上達ぶりで表している。つまり、2年、3年、4年、という具合に貼ってある習字作品を見せていくわけだ。これまた、うまい。オーソドックスな手法をきちんと使いこなしてこそ、見るものに感動をあたえるのだ!!

 ラピュタ阿佐ヶ谷にて、『次郎長社長と石松社員』(ニュー東映東京1961:瀬川昌治)を見る。
 初見である。これまた楽しく愉快な作品である。
 下着メーカーの新入社員・石松(中村賀津雄)は社長・長五郎(進藤英太郎)の顔を知らない。そんな二人がひょんなことから知り合い親しくなる。こんな設定は、『釣りバカ日誌』シリーズにも通じている。原作者や映画のスタッフはこの『次郎長社長と石松社員』シリーズから影響を受けたのだろうか。
 いや、そもそもこの作品、東宝の『社長』シリーズに対抗してというよりも、自分のところの京都撮影所が作る『一心太助』や『水戸黄門』シリーズから着想を得たのだろう。太助(中村錦之助)が大久保彦左衛門(月形龍之介)と出会うところ、あるいは水戸黄門(月形龍之介)と助さん格さん(中村錦之助か賀津雄)、そして月形龍之介の愛嬌ある敵役・進藤英太郎の存在、これらの下地があったればこそ、この『次郎長社長と石松社員』が誕生したのだろう。
 実際、楽屋落ち的セリフもある。女子社員たちがトイレで賀津雄の噂をする。「用度課の新入社員、ちょっとイカすわよ。ほら錦之助に似ていて」てな具合に。
 瀬川監督、ここでもおもしろい手法を使っている。歌声喫茶で中村賀津雄と佐久間良子が会話している。回りの歌声で何を話しているのかわからない。そこで二人の会話を字幕で説明する。愛の告白になってきた時、歌声が終わる。それまで怒鳴りあうようにしゃべっていたのが、周りが静かになったものだから、佐久間の「私はあなたが好き!」という叫び声が、みんなに聞こえてしまう。二人は大いに赤くなるという落ち。うまい。

 ラピュタ阿佐ヶ谷にて、『ぽんこつ』(東映東京1960:瀬川昌治)を見る。
 これまた、楽しい快作、瀬川監督のデビュー作である。
 自動車解体業(ぽんこつ屋)の住み込み工員である江原眞二郎は、女子大4年で医者の娘・佐久間良子に一目惚れ。佐久間と小林裕子の卒論「交通事故について」の8ミリ映画製作に協力することにより、江原と佐久間の仲は急接近する。
 恋を告白するシーンが楽しい。小林裕子を入れての三人デート、やっと二人きりになれ、いっしょにゴンドラに乗る。背中合わせになり、いい雰囲気で佐久間が話している。すると江原が流されていく。二人が乗ったゴンドラは一人用のものであったのだ。当然、彼女は怒って帰ってしまう。このギャグ、今まで何度も使われたものであっても、しっかりと撮れば、やはりおもしろい。
 もうひとつ使い古されたギャグ。小林裕子と佐久間良子が、同時に江原真二郎に電話をかけ混線する。画面は三分割で中央に江原、左が小林、右が佐久間、二人からの話しかけでオロオロする江原が笑える。同様のシーンは、『ひばり・チエミ・いづみ/三人よれば』(東宝1964:杉江敏男)でも見た。よく使われる手ではあるが、上手に撮ればギャグの手として有効である。
 この作品には明るい未来がある。主人公の江原には、今はしがないポンコツ屋でも機械工学のことをもっと勉強して将来の技術革新にそなえたいとする向上心がある。そんな江原の情熱に魅かれた佐久間良子、二人はめでたくゴールイン。
 ほんとに、心が洗われるような楽しい作品である。


 


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