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私がLSで設計したコッキング式ハンドガンは3挺です。ベレッタM92FとS&W M645そしてCz75セカンドバージョン。これらはLSコッキングハンドガンの第二世代にあたる物で1987年に発売されました。第一世代はその前年1986年から発売されたコルトガバメントとコンバットコマンダー。もっともこの2製品だけだったんですけどね。それと言うのもその機構がヨネザワのパクリだったんでヨネザワからクレームが付いて作れなくなったんです。で、私のところに新しいものを作ってくれとお鉢が回ってきた訳です。
当時のLSのカタログ、っていうか店舗用のPOPみたいなものです。ここにある製品はポンプアクションバージョン以外全部私が設計しました。もっとも長物は内部メカだけですけどね。
私が設計したLS第二世代コッキングハンドガンの特徴(特長?)はグリップ内にポンプ(シリンダー&ピストン)があって、カムでコッキングすること。通常のハンドガンはスライドの中にそれがありますからね。でもこれは六人部さん(六人部登氏)のアイデアだったんです。それで六人部さんの了解を得て使わさせてもらいました。
グリップ内ポンプの利点はバレルの振動が少ないので命中精度が高まることと、スライド内より大型でストロークの長いポンプを設けられることです。六人部さんが最初に作ったグリップ内ポンプのマルシンM92Fも命中精度が高かった。同じくマルシンの電動ハンドガンもグリップ内ポンプで、パワーは0.4Jもないくらいなのに命中精度は高かった。今の東京マルイの電動ハンドガン(18歳以上用)もグリップ内にポンプがあって命中精度は高いですね。
その反面のデメリットとしてはエアルート(流路)が90度近くに曲げられるので、エアの流れが悪くなるというのがあります。しかしバレルの短いハンドガンではこの影響はまずない。バレルの長いライフルなんかだと影響が出てきますけどね。長いバレルでBB弾を加速しているうちに、エアの流れが悪いとエア供給不足になって弾速が上がらなくなる。
そんなこんなで3挺を設計したんですが、今、当時の図面を見ると冷や汗ものです。もし今、私の助手がこんな図面を描いてきたらダメ出しの連続でそっくりやり直しさせてますよ。まあ、当時は私もキャリアがそんなになかったですからね。M92Fは六人部さんがマルシンで作った物の丸パクリみたいなものなんで、それなりにできてますが、Cz75は寸法の詰めや構造設計が甘すぎますね。いやホント。当時の私を
「お前はまじめに設計してるのか!」
と叱り付けたくなります。
もっともこのCz75は日本で最初のトイガンモデルだったんですよ。当時はCz75なんて一部のガンマニアしか知らないマイナーな銃でしたから。モデルガンでもエアガンでもそれまでCz75は無かった。その点だけはちょっと自慢です(‐^▽^‐)
また日本ではCz75のファーストバージョンよりセカンドバージョンがポピュラーですが。それも最初のCz75が私の設計したセカンドバージョンだったからだと思ってます。
しかし最初ということは参考にできる製品が無いということでもあります。内部メカはいいんですが正確な外観寸法が分からない。専門誌には写真もあるんですが、写真はパースがついていたりレンズの収差で歪んでいたりして正確な寸法が出ない。それで外観に関しては六人部さんに実銃の資料をもらって設計しました。それでも私の杜撰さでちょっと(1㎜ほど)デブってますが( ̄ω ̄;
Cz75でもう一つ残念だったのは外観が私の描いた図面通りになっていなかったことです。今はCADで設計してデジタルデータでやり取りするんで間違いは無いんですが、昔は手書きの図面から金型屋さんが型図を起こしてたんですね。それも複数の人間の手でやることもある。伝言ゲームみたいなもんでその過程で元図とは違った金型ができてしまうってことも、ままあったんです。それで製品になったLSのCz75の外観は少しおかしいです。とくにトリガーガードのカーブは狂ってますね。
あと、もうひとつLSコッキングハンドガンでおかしかったことは、S&W M645がブラックモデルだったこと。モデルナンバーが三桁になったS&Wのセカンドジェネレーションの一桁目は銃の材質を表しています。「6」はスライドもフレームもステンレスの意味ですからシルバーモデルでないと間違いです。しかし製品にメッキをかけるかどうかは製造元のLSの判断なので、設計者には権限が無い。メッキすればそれだけ製造コストも増しますから、LSとしてはメッキ無しにしたんでしょう。当時はまだそんなことも許される時代だったんでしょうね。
設計したけど製品化されなかったのもいくつかありますよ。下の写真のブローニングM1910とかイングラムM11とかですね。
【どうでもいい薀蓄話】
最初に「3挺」と描きましたがこの「挺」はよく「梃」に間違われます。ネットの辞書でも「梃は銃の単位」なんて書いてある。しかし「挺」が正しい。銃というのは武器で自分の手の変わり、手の延長ですから「扌」(てへん)の「挺」が正しくて「梃」は間違いです。
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2017年05月25日
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2月の末ころからヤフオク始めました。ヤフオクにはそれまで興味が無くて、やってる人を横目で見てただけだったんですが、仕事の必要でジャンクのトイガンを探してて、ヤフオクで始めて入札したんです。いやー、やってみると面白いですね。ゲーム感覚で入札するタイミングや額を決めるのが楽しい。しかしそうやってウォッチしていたら自分が設計したトイガンも結構出てました。それが高額で落札されるのも嬉しいんですが、壊れてたり作動が良くなかったりでジャンク品になってるのも多い。あ、言いそびれましたが私はフリーのトイガンデザイナーやってます。
自分の作品はある意味自分の子どものようなものですから、それが壊れているのは悲しい。で、それを落札してちゃんと直したりメンテしたりして、もう一度ファンの手に戻して楽しんでもらいたいと思ったんです。それで毎晩ヤフオクにアクセスしてジャンクになった自分の作品を落札しています。東京マルイのSPAS12なんてもう5挺も落札しましたよ。(マルイのエアショットガンSPAS12とM3は私の設計です)
自分の作品だけじゃなく色々と思い出深い製品も落札してます。例えば六人部さんの作とかタニコバさんの作とかですね。あと私はライター家業もしていて、今までに多くの製品のレポートも書いてきたし、本も出してきました。その中で印象深い製品も多い。今は一部のマニアしか覚えていないけれど、トイガン史上とても価値のある製品もある。それらの壊れて動かなくなってるのを直して、もう一度ファンの手に戻してあげたい。その願いで毎晩ヤフオクやってます( ◜◒◝ )
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