地震学

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9月6日3時7分頃,北海道胆振地方を震源とする地震があった.震源の深さは約37km、マグニチュードは6.7(暫定値)と推定されている.安平町で震度6強を記録,広い範囲で斜面崩壊や液状化,大規模停電といった被害が出ている.
(9/7追記:その後,北海道厚真町で震度7が確認された)

気象庁:震度分布
http://www.jma.go.jp/jp/quake/1/20180905181257395-06030805.html

気象庁:平成30年9月6日03時08分頃の胆振地方中東部の地震について(第2報)
http://www.jma.go.jp/jma/press/1809/06c/201809061030.html
NNE-SSW圧縮の逆断層型.

ちょうど震源より少し北側について,大規模な構造探査がされている.震源付近の地殻構造については以下の論文に詳しい.
伊藤(2000),石油技術協会誌:日高衝突帯−前縁褶曲・衝上断層帯の地殻構造
https://www.jstage.jst.go.jp/article/japt1933/65/1/65_1_103/_pdf
この震央で深さ37kmとなると,プレート上面よりも50km以上浅い.しかも,地表に多数発達する衝上断層帯は,深さ37kmまでは連続しない.メカニズム解は千島弧−東北日本弧衝突帯の一連の構造とは整合的だが,滅多に起きない場所の,珍しい地震のように思われる.

防災科研K-net: 2018年09月06日 胆振地方中東部の地震による強震動
http://www.kyoshin.bosai.go.jp/kyoshin/topics/html20180906030750/main_20180906030750.html
深い地殻内地震ゆえか,短周期成分が強い.液状化を起こしやすい振動のように思われる.

たまたま現在は北海道大学で地質学会の最中であり,日本中の地質学者が札幌に集まっている.
停電の影響で学会2日目のスケジュールが中止となった.去年の愛媛大会に引き続き,2年連続の中止である.
なんともまあ...狙ったようなタイミングで災害が発生してしまった.一刻も早い復旧を切に願います.

2018年6月18日7:58, 大阪府北部を震源とする地震が発生した.
震源の深さは約10km,マグニチュードは5.9である(いずれも速報値).
大阪府北部で深度6弱を記録し,広い範囲で被害が報告されつつある.

気象庁:震度速報
http://www.jma.go.jp/jp/quake/5/520/20180617230735395-18075838.html

防災科研F-net: メカニズム解
http://www.fnet.bosai.go.jp/event/tdmt.php?_id=20180617225700&LANG=ja
東西圧縮,横ずれ成分をもつ逆断層.

産総研:活断層データベース
https://gbank.gsj.jp/activefault/cgi-bin/search.cgi?search_no=j024&version_no=1&search_mode=2
震源付近には,東西走向の有馬−高槻構造線や,南北走向の生駒断層帯が推定されている.
この付近は活断層の分布が複雑なので,どちらが関与しているのかが良くわからない.現時点での余震は北東−南西方向に配列しているように見え,なんとなく生駒断層帯から有馬−高槻構造線をつなぐように分布している.

実は,今回の震源は,大都市大震災軽減化特別プロジェクトによる構造探査側線の直上に分布している.
H16年度報告書
http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/daidai/h16seika-hokokusho/honbun_final/H16_3_1_3-3(pp210-221).pdf
バイブレーターによる深度断面はp.212. 深さ9kmぐらいまで解析されているが,実際に見えているのは深さ2kmぐらいまで.
RP550付近が今回の震源にあたる.枚方撓曲(生駒断層の北方延長)が認められる位置と完全に一致する.
なお,広角反射(p.217-218)では深さ30kmまでよく見えている.

かなり以前に実施された探査ではあるが,再解析によって今回の地震発生領域の理解が深まる可能性が高い.

2018年6月17日15:27,群馬県南部を震源とする地震が発生した.
震源の深さは14km(暫定値),マグニチュードは4.6, 最大震度は群馬県渋川市で6弱を記録している.

気象庁:報道発表(第2報)
http://www.jma.go.jp/jma/press/1806/17a/201806171730.html
メカニズムは東西圧縮の逆断層形.

産総研:活断層データベース
https://gbank.gsj.jp/activefault/cgi-bin/search.cgi?search_no=j024&version_no=1&search_mode=2
活断層が知られていない箇所で起きている.

実は,この震源は2004年に実施された大都市大震災軽減化特別プロジェクトによる構造探査側線の近傍(というか,ほぼ直上)である.
H15大大特報告書
http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/daidai/h15seika-hokokusho/honbun_final/3_1_3_pp126_180.pdf
深さ5kmぐらいまでが詳しくわかるバイブレーターによる深度断面はp.148-151で見ることができる.
今回の震源はRP400付近.南に向かって緩やかに傾き下がる先新第三系基盤が,この付近で乱れている様子が認められる.実は何か断層があるのかも知れない.
深度15kmぐらいまでわかる広角反射による深度断面はp.188で見ることができる.
http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/daidai/h15seika-hokokusho/honbun_final/3_1_3_pp181_191.pdf
ただ,震源が推定されている深さ14km前後は,ちょうど透明になってしまっていて良く分からない.

今回の地震はたまたま大規模な構造探査の近傍で発生しているため,再解析によって地震発生領域の詳細な理解につながる可能性がある.

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