紹介文
小さなまちで、男の目を引く「いいからだ」を持て余しつつ大人になった地味な性格のアカリ。色目を使われたり「むんむんちゃん」などのあだ名をつけられたりしない静かな生活を送りたくて、大きなまちに引っ越し、美容関係の仕事を見つけた。しかし、新しくできた屈託のない親友、奇妙な客、奇妙な彼氏との交流が、アカリの心の殻を壊していく-。読む者の心をからめ取る、あやうくて繊細でどこか気になる女のひとの物語。
感想
前作「あれれ?」といった感じでちょっと微妙だった朝倉さんの最新作です。表紙では何故かビキニを着た女性がトナカイが引くソリに乗っているというなんとも言えず不思議なものとなっています。
大工である父、気立ての良い母、なにかにつけ厳しいことを言う祖母そんな家庭に生まれたアカリは12歳の時に母を病で亡くし、母に似たアカリは13歳のときにすでにピンナップガールさながらの「いいからだ」となっていた。
祖母に厳しく育てられたアカリは地味、まじめ、おとなしい、几帳面、奥手なのだが「いいからだ」だけは隠しようがなくそれを持て余すようになる。
20歳になったアカリは父と祖母に頼み込み一人暮らしの許可を得るとともに実家のある小さなまちを出て大きなまちで暮らすようにある。
23歳になったアカリはヘアサロンの受付係として働き、同じ年のエステシャン、さくらという友人を得て平凡な日常を送っていたがある日偶然であった飛沢郁夫との出会いから数奇な人生を送ることとなる。
再び「あれれ?」といった感じのする作品。前半部分では話の先行きが見えずダラダラとした展開で後半部分では妙に痛々しい展開となっている。
なにより落ち着かないのが主人公であるアカリがまったくイメージできない。地味でまじめで目立たなそうな性格なのだが幼い頃から大人顔負けの「いいからだ」でありそれを持て余している。初めは「容姿が優れていてもある程度自己主張の強い性格がなければ生かせないものなのかな」などと思いながら地味なアカリの物語を追いかけていたのだが後半は変わらず地味なのだがどこかで壊れてしまったという印象を受けます。
メインとなるのはアカリの「いいからだ」でありそことアカリの性格に関しては作中何度も触れているものの登場人物をイメージするために必要な「顔」に関する記述がほとんど見られない、唯一アカリの顔に関して触れているのは祖母が「いいからだ」を持つアカリに対して顔つきを注意する場面のみで具体的な目、鼻、口については何も語られていない。
アカリを取り巻く登場人物たちは全員クセが強く、特にアカリと同棲生活を送ることになる飛沢郁夫には何一つ魅力を感じることがなく受けるのは嫌悪感のみ。なぜアカリがこの男に引かれこの男のために自分の人生を投げ打ってまで世話をしようとしたのか、全くその気持ちがわからぬまま読み終えてしまった。
終盤にかけては年とともに「いいからだ」を失い、そして幼い頃にも発症したことのある発作が再発したアカリなのだがこのあたりからはもう自分の理解の範疇は超えてしまいました。この発作の内容も『?』ならばアカリが最後に3つの選択肢から選んだものも『?』といったところ。
最終的に得たアカリの人物像は小さい頃に母を亡くし精神的におかしくなってしまったのだがその部分の発露を自分自身の力で押さえ込んでいたのだが飛沢郁夫の出現によりその状態に狂いが生じ始めたというもの。前作では女性ではないとちょっと作品に共感できないという感想をもったのだが今作では「できればアカリには共感したくない」というのが本音です。
※「田村はまだか」を読んで以来追いかけている朝倉さんだが内容によってはちょっと好みではない作品もあるようなので今後は作品内容を吟味して読もうと思います。
マンゾク度:★☆☆☆☆
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やっと朝倉かすみを読んでみたのですが。
1作目にこれを読んだのは、ミス、でしょうか?( ̄m ̄*)
私は女ですが、アカリの気持ちがいまひとつ判りませんでした。。。
判らなくてもいいのですが、確かに何となく気持ちが落ち着かない変な読後感でした。
ううううん。。。
判断は保留で。
『そんなはずない』を昨日買ってしまったのですが。。。
どうでしょう???((p>ω<q))
2009/5/7(木) 午前 11:41 [ 夜景 ]
>neaさん
個人的には朝倉作品はいつも「田村はまだか」と比較、同一の期待を持って読んでしまうのですが今作はちときびしい感想をもちました。
「そんなはずはない」は未読なのですが朝倉さんは暫くお休みしようかと検討中です^^;
2009/6/9(火) 午後 10:02