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スティールからの買収提案を受けているサッポロですが、他社との提携やMBOによる対抗策を考えているようです。「サッポロ MBO、株買い戻しで強行突破?」(ゲンダイネット・2007年2月21日)

さて、ここで問題です。そもそも対抗策は「How」の議論です。そもそもその前にある、「サッポロの経営陣は誰から何を守る責任があるのか」が抜けています。

スティールの提案の詳細が公開されていないので、あくまでも報道されている内容からの推測になりますが、彼らの主張は、

(1)サッポロビールとしての成長性は今のままでは限定的
(2)サッポロの不動産事業は成長可能性があるので、不動産業と組んで事業を伸ばすべき

というように整理できるかな?と思います。

(1)についてはその通りでしょう。人口が減っている国、日本でのビール販売は、成長分野とは言いがたいです。そんな中、アサヒやキリンと提携しても、独占禁止法上の問題が発生するだけで、収益上はあまり意味をもたないでしょう。

それでも収益力を向上しようとするならば、国内で重複する工場、営業などの大幅な削減が避けられない、「従業員」にとって最悪の選択肢になりそうです。

勿論、海外、特に人口と経済力が大幅に伸びている中国のような国で事業展開が出来るならば良いですが、総じて日本のビールメーカーは海外営業力が強いとはいえません。世界展開が上手いビール事業者の積極的な協力が不可欠でしょう。

もし、私がサッポロの経営者で、サッポロとしてビール事業を強化したいと考えるならば、サッポロ株価上昇と言う共通の興味を持つとともに、海外ビール事業者との関係があるといわれているスティール側に「世界展開が上手いビール事業者と提携なり、同事業者の傘下に入って世界展開を目指したいので、良い事業者を紹介して欲しい」と逆に提案するでしょう。

次に、(2)についてはですが、日本国内での更なる成長を考えれば、正論でしょう。サッポロは一等地に大量の不動産を所有していて、ビール事業を上回るような収益を不動産事業から既に上げています。

不動産運用ノウハウ力がある大手不動産事業者と組むことで、この不動産からの更なる収益を得るというシナリオは全く違和感がありません。

こうしてみてみると、今回のスティール側の提案は、正論でサッポロ株主として失うものは何もないように思われます。社員にとっても取引先にとってもそんなに大きな問題があるとも思えません。

逆に今回検討されているMBOなどすれば、現在の株主はいやおうなく今の株価で売却をしなくてはならなくなります。また、会社としても有力な資金調達手段を失うことになります。失うものが大きすぎます。

一体全体、サッポロ経営陣は、誰から何を守ろうとしているのでしょうか。


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