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超過勤務

残業が月100時間、あるいは2〜3ヶ月平均で80時間を超える従業員は産業医の面談を受けるように労基署から指導されています。これは過労死帽子対策として始まったものですが、今はメンタルな問題でうつ対策も含まれてきています。
 
いくつかの企業の産業医をしていますが、やはり多すぎる残業は影響あるようです。
ある業界大手(けっこう言えば知っているところです)の某企業では、80時間を超える時間外が続いた人は数ヶ月後に「体調不良」で休むことが増えています。
また、業績急進中のある企業では、ちょうど訪問した時に社員が倒れたということで救急車で運ばれるところでした。倒れた人を確認すると、前回の訪問の時に面談した人でした。勧告したにもかかわらず超過勤務を続けた末の救急車ということでした。
 
もちろん個人差もあるでしょうが、その差を予測する手段がないかぎりは、80時間の超過を目安にするとよいようです。もちろん、週休2日としての換算です。
 
もっとも医師に適応したら大半はオーバーしているでしょうけれど。
 先月以来新しい労働衛生の施策方針がいろいろ公表されてきています。それを説明して当院での取り組みも紹介したいと思います。
 
まずは、定期健診結果の有所見率について
 
健診の結果はどの項目について異常所見がどれだけあったかを監督署に報告することが義務づけられています。その際にはその所見を産業医が確認して印鑑を押すことになっています。かねてより疑問だったのですが、どれだけ異常があるか、ではなく、どれだけ健康指導や相談、治療など事後措置が行われたかが重要であるのでそちらを報告させるべきだと思っていました。実際のところ統計データをとるだけに報告され、そのデータは活用されていないと言えます。今回は厚労省より通達としてこの有所見率を減らすために啓蒙や指導への取り組みを計画を策定して実施するように促すものです。
 これは私にとってはやっと時代が来た、というところです。通達では労働衛生コンサルタントを活用するように書かれています。しかし、このような計画策定に詳しいコンサルタントばかりではありません。実は私も労働衛生コンサルタント資格を持っていますが、更にアメリカの大学で保健計画策定のノウハウを学んできています。
 ぜひ活用していただきたいものです。
 
もうひとつの話題は、定期健診にうつに関する項目を入れるというものです。
 
まだ構想の段階で、入れるには法律改定が必要ですが、実際には技術的困難もあります。血液検査のように何か検体を見てわかるものでなく、質問紙法だとどれが適切か議論も出てくるところです。
 しかしこれも私にとってよい話で、かつて大学でストレスチェックの質問紙開発に関わり(論文もあります)、一部の自治体や企業では健診時に採用しているということです。もし、項目としてメンタル検査が入っても方法の限定がないなら使いやすさから利用が増える可能性が高いものです。もちろん、今でも希望の方には実施していますし、パソコンで使えるソフト(CBT)もあります。もっとも、このソフトはWindow98までしか対応していないので改良が必要ですが。 

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