環境問題を読み解くhechikoのブログ

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今日はちょっと毛色を変えて、天皇制の話題。


= 皇室典範改正勉強会 「Y染色体」の重要性指摘 男子皇族、代々受け継ぐ =

 超党派の保守系議員でつくる日本会議国会議員懇談会(平沼赳夫会長)は二十九日、国会内で皇室典範改正問題に関する第二回勉強会を開いた。この中で、父方の系統に天皇を持つ「男系」による皇位継承の重要性について、遺伝学の立場から説明する際に用いられる「Y染色体」理論をどう考えるべきかが取り上げられた。「男系でなければ血を継承できない」(八木秀次・高崎経済大助教授)一つの根拠とされる「Y染色体」とは何なのか。専門家の話を交えて検証した。

                  ◆◇◆

 「男系の意味をどう理解するか。Y染色体で説明すれば国民の理解は進むのではないか」(自民党の石田真敏衆院議員)

 「女性の立場からすると、Y染色体論はむしろ分かりにくい」(同党の稲田朋美衆院議員)

 この日の勉強会では「Y染色体」をめぐって意見が割れ、講師の大原康男・国学院大教授が「それよりも男系で二千年間継続してきた重み、事実を考えなければならない」と引き取った。「Y染色体」については、「皇室が成し遂げているのは千数百年にもわたり、ほとんど同じ『Y』を受け継いだということ。われわれが直面しているのは、千数百年もの間純粋に受け継がれてきた『Y』を、いま絶えさせていいのかという問題だ」(動物行動学研究家の竹内久美子氏)など、重要性を指摘する向きもある。ただ、一般にはまだなじみが薄い。

竹内久美子が出てきたのは驚いた。こんなところに出没していたのか。知らない人のために書いておくと、彼女は動物の行動を進化的に説明する本をいっぱい出しているが、その理論は専門家からはかなり問題視されている。いや、問題にすらされていないというのが正しいか。なにしろ、この記事ですら彼女の談話の後で「専門家はどう見ているのか」と区切られた上で専門家の談話が載ってしまう程度の扱いである。産経新聞でも非専門家の扱いなのか。それでいいのか、産経新聞。私は構わないと思うけど。
具体的にどう問題なのかは、山形浩生の解説あたりを参考にどうぞ。

話が逸れた。本題に戻ろう。天皇家がほとんど同じ『Y』を受け継いでいるというのはまあいいとして、女系天皇になったら『Y』が絶える、というのは誤解を生みそうだ。絶えるといっても、文字通り受け継がれてきたY染色体が消滅してしまうわけではない。単に天皇家の中にY染色体が受け継がれなくなるだけで、Y染色体そのものは天皇家の男系の子孫である旧皇族に受け継がれていく。

次は専門家の意見。

 専門家はどう見ているのか。同志社大ITEC(技術・企業・国際競争力研究センター)の蔵琢也研究員(進化生物学)によると、女子のXX型は遺伝子が混じり合うため、世代ごとに祖先の遺伝子が薄まっていくが、男子のXY型はY染色体が親から子へと完全な形で伝わる。

 このため、蔵氏は「血のつながりとは、科学的に言えば遺伝子の共有率だ。男子皇族だけに代々受け継がれてきたY染色体は姓や家紋に似ているといえる。しかし、体の細胞に刻印されているという意味で、はるかに強い実体をもつ」と説明。さらに「皇室には、(初代)神武天皇以来、Y染色体という刻印が連綿と受け継がれてきた。国民や世界の人々はそれでこそ皇室の中に二千年の歴史の重みを感じる。女系相続は、過去と現在の遺伝的なつながりを断ち切るという意味で間違いだ」と話している。

これだけかよ。っていうか、これ以上の話は出てこないのはわかっていたけど。
Y染色体が男系にのみほぼ完全な形で受け継がれ、女系相続によってそれが断ち切られる、というのはその通りだが、この程度の理屈は高校の生物学の知識があれば簡単に理解できる話で、わざわざ専門家の談話を載せる必要はない。調べてみるとこの人、自身のサイト女帝は日本の象徴たれるか(生物学からの論考)なんてのを書いている、バリバリの男系継承主義者だ。要するに、産経新聞としては専門家の解説が欲しかったのではなく、男系による皇位継承制度に科学的な装飾を施すために、男系継承が生物学的に見ても重要だと言ってくれる専門家が欲しかっただけのだろう。

科学は事実を規定するが、価値判断をしてくれるわけではない。皇位継承の話で言えば、天皇のY染色体が純粋に受け継がれてきたというのは科学でわかることだが、それにどのような価値を見いだすかの判断は科学的事実だけで決定されるわけではない。「へー、それはすごい、男系継承って重要だね」と判断しようが、「それがどうしたの?そんなんイラネ」と判断しようがそれは個人の自由だ。そのあたりを蔵氏は考慮していないのではないか。「皇室には、(初代)神武天皇以来、Y染色体という刻印が連綿と受け継がれてきた。国民や世界の人々はそれでこそ皇室の中に二千年の歴史の重みを感じる。」のくだりはそれを最もよく表している。蔵氏がY染色体に二千年の歴史の重みを感じるのは構わないが、みんながそう思うとは限らない。勝手に国民や世界の人々を代弁しないで頂きたい。
ついでだからつっこんでおこう。血のつながりが科学的に言って遺伝子の共有率で表されるとしたら、現天皇家と遺伝子の共有率が高くなるのは、直系の子孫による女系相続と男系の傍系の親戚による男系相続、いったいどちらかな?それを理由に直系継続を主張されたらどうするのかな?


正直言って、私は男系継承だろうが女系容認だろうがどうでもよい。ここで言いたいのは、科学的に見たからといって男系継承が正しいというわけではないということ、また科学的に見て男系継承が正しいといわんばかりの主張には気をつけましょうということ。

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皇位継承では、Y染色体まで持ち出し、靖国神社の分祀問題では、神霊の理を説かれる。ほんに日本は、様々でございます。もう国民の象徴制をなくして、天皇家も日本の一名家となられたほうが、ご子息も幸せな人生かとも思います。

2005/11/30(水) 午後 9:47 xxr*t9*5 返信する

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