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ミネルヴァの梟は黄昏がせまってその飛翔をはじめる

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活動的生活§2

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5、理性的であるということから、合理的という概念が生じ、ここにプロテスタントによる職業倫理というものが派生してきます。(マックスヴェバー著作参照)
 価値観ないしは価値意識は、人間の行動の動機を形成し、現代の技術的社会においては、目的合理性の目的がそのまま、その体系に所属する者にとっての価値となっています。パーソンズ(アメリカの社会科学者)は、行為の総合理論において現代における価値志向の主たるタイプとして「業績」と「所属」とを掲げています。業績とは効率と言い換えてもよく、これが現代社会の目的の一つになっています。所属といわれるものは、別の表現を用いれば、「組織」に対する個人の帰属意識といわれるものです。
 宗教的職業倫理から市民的職業倫理へと世俗化した職業倫理はピューリタンの求めた「神の国」ではなく、「地上の国」(陰謀の土地)としての「組織」に価値志向を定位していくのです。
このことから、スポーツ性を帯びるに至り、職業責務を評価する基準は得点としての「業績」であり、業績という実質的なものが価値基準となってきます。
 以上のような価値志向から、ここにいわゆるOrganization Manの倫理が成り立ち、そして、これはまた「集団の倫理」といわれ、組織の倫理、官僚機構の倫理ともいわれるものが当然のごとくに現出します。
この倫理が提起する命題としては
    創造性の根源としての集団の信仰
    個人の根源的欲求としての帰属性の信仰
    帰属性を達成するために科学を適用することの信仰(科学は一つの結果を求める)
が、一種の伝統として組織という名の下に、特別権力関係という名の下に、影に日向に付きまとい示されてくるのです。このような集団信仰の背後にあるものとは、全体は部分の総和よりも大きいという信仰であり、組織にとっての目的がそのまま組織のなかの人間にとっては最高の価値をもつものとして意識されるのです。(全体主義の起源参照) 
 原理的な普遍性よりは、実質的な有効性により多くの価値が認められ、そのような価値観を背景にして生まれてきたのがPragmatismusであり、戦後、日本はこれを受容して今日の産業社会を築いたが、実際的な価値が優先され、先験的な価値が見失われたこと、また科学技術の進歩発展は日々これを更新しその影響と有用性は我々の社会生活の隅々まで浸透し氾濫しています。しかし、人間の思想の進歩発展はこれらと相対的・作用連関的には発展していないことを見るのは、歴史と概念が教えるところです。
 そこには、形而上学的基礎を忘れた人間の単なる姿が、そして具体的事物についての価値判断と原理的な価値判断とを混同もしくは取り違えたhomosapiensではなくhomofabelの姿を、歌を忘れたカナリアを見るでしょう。しかし、ミネルヴァーの梟は黄昏が迫ってその飛翔を始めるのです。
6、生活にとって人間知は確かに有用且つ必要です。特に、諸個人の我執やわがままや気ままやが支配している劣悪な政治的状態、特別権力関係を頼みとした抽象的な組織人物が事象の本性に頼らずに、むしろ狡猾に利用された他人の特有性を頼みとし、且つこれらの特有性によって自分の偶然的な目的を達成しようとしているような領域であるところの陰謀の土地においては、人間知は有用且つ必要なものと成るでしょう。(ヘーケル著作集参照)
 このことに関してハデガーの次の言葉は、まさに示唆的なものです。
『「今日では存在忘却と存在者の組織化、悪用という迷誤が地上を覆っている。そしてだからこそ、そこに「指導者」というものが必然的に要求され、存在者を大規模に濫用する「指導」の任務がその人に課せられ様々な計画や企ての追及によって空虚を埋める試みがなされるようになる。かくして「大地は迷誤の巣食う怪物のような世界となって現れる。」」
 現代の技術的社会においては、理論も行動も全て一定の目的合理的秩序に従って形成され、あるいは為されています。現代社会の構造も、そこに生きる人々の価値意識も、その社会について形成される理論も、全てこの技術的社会というものの存在に拘束されざるを得ないという、まさに各人はその時代の子であるのです。そして、この目的合理性の体系ともいうべき現代社会は、まさしくその目的によって規制され、ひとつの「閉じられた社会」を形成しこれを発展させます。(ここから未来倫理学というものが生じてきます。ハンス・ヨーナス著作参照)
 このような社会にあっては、全ては目的―手段の系列として存在し、個別的な目的のそれぞれが価値として認識され、目的そのものは相対的であるから、それを志向する価値意識もまた相対的であることになり、ここに「価値の神々の争い」が生じてくるのです。(マックスヴェバー著作参照)
 技術革命とその絶えることのない発展とによって、さらには、人為的に作り出される消費とによって、人間の生活は合理化せられ、その合理化の著しい特徴が「計算企画」にあり、これは物へと同様「人間」にも及び、この人間を管理操縦する「能率主義的」な「官僚機構」が「人的・物的な集団管理として免れたいものである」として登場することをウェーバーは述べています。しかし、問題は誰が現存する官僚的機関を支配するかにあります。具体的な目的を指示する者自身は、合理的な計算に縛られない。そしてそこに、非合理的なもの、偶然的なもの、恣意的なもの、私念的なもの等などが入り込んでくるのです。(これもまた歴史が証明しています)
 人間が計算的企画の対象となる、人間を道具的支配の対象とする、このような人間の存在と問いを忘却したものは、ハイデッガーがいうように「欠乏の組織である」、ニーチェいうところの「正常状態としてのニヒリズム」であると言えないだろうか。(京都哲学撰書参照)

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官僚組織は集団的エゴイズムによって私的利用が横行し 経済至上主義は具体的目的や合理性を失い混沌としています。すでに従来の権威的価値観は崩壊しているのではないでしょうか?

2006/3/21(火) 午後 8:49 [ ちー ]

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現代社会における真の危険は、現代生活の機構官僚的、技術官僚的、脱政治的な構造が無頓着を助長し、人間を、識別することのない、批判的思考のできない者にする、という現象を広げていることではと思われます。

2006/3/21(火) 午後 10:51 [ hegelundaufheben ]


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