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◆視聴者に愛されたコント番組 番組制作費低下で“金喰い虫”と敬遠される事態に かつては、ザ・ドリフターズの『8時だョ!全員集合』(TBS系/1969〜1985年)や『コント55号のなんでそうなるの?』(日本テレビ系/1973〜1976年)など、お笑い番組と言えば“コント番組”のことであった。その後も、『志村けんのバカ殿様』(フジテレビ系/1986年〜)や『ダウンタウンのごっつええ感じ』(同/1991〜1997年)、『笑う犬シリーズ』(同/1998年〜)、『ココリコミラクルタイプ』(同/2001〜2007年)などに受け継がれ、コント番組は多くの視聴者に愛されてきたのである。 しかしバブル崩壊以降、番組制作費も下がり、セット費用もかかるコント番組は“金喰い虫”と敬遠され、継続することが難しくなっているのが現状だ。実際、コントは笑いを目的とした“劇”であるから、さまざまなセットが必要になり、しかもそのセットはそのコントでしか使い道がないような非効率なものが多い。実際、コント番組の最高峰『全員集合』のセットは大掛かりで本格的なものだった。同番組の人気キャラ・ジャンボマックスにしても、身長約3mの巨体ながら表情が変わったり、意外に動きが軽やかだったりと、実は超高価な“高性能着ぐるみロボット”だったのだ。 ◆コスト削減で復活を目指すスタッフ 各局で見られる様々な策略 そうした逆風が吹く中でも、コントに新しいスタイルを持ち込む番組が増えてきている。たとえば、くりぃむしちゅーの有田哲平がMCを務める『全力!脱力タイムズ』(フジテレビ系)は、元TBSアナウンサーの吉川美代子や学者などの“全力解説員”と有田らが繰り広げるニュース風コント番組だが、舞台は「ニュース番組のスタジオ」という“ワン・シチュエーション”なので、大掛かりなセットは必要としない。 また、『澤部パパと心配ちゃん』(テレビ朝日系)も“新感覚・舞台・情報バラエティ”と銘打ち、吉本新喜劇のような家庭的なセットはあるものの、各局のトレンドにもなっている“豆知識”とコントとの融合を試みている。劇団ひとりやバカリズムが出演する『ウレロ☆シリーズ』(テレビ東京系)でも、コントでありながらバラエティ枠ではなくドラマ枠で放送することにより、ドラマセット=コントシチュエーションを確保しているし、『超ハマる!爆笑キャラパレード』(フジテレビ系)では、人間性やキャラクターに着目しながら、できるだけ小道具を駆使してコントの世界観を上手く作り出そうと模索しているのだ。 こうした取り組みからは、コストをかけられないながらも知恵を絞ってアイデアを出し、何とかコント番組を作り出そうとしている芸人やスタッフの気概が感じられる。 ◆番組“外”で始めた壮大なコント“クリエイターズ・ファイル”が台風の目に!? 中でも“最新型”コントとして異彩を放っているのが、ロバートの秋山竜次による「ロバート秋山のクリエイターズ・ファイル」だ。そもそもはフリーマガジンの『honto+』で連載され、“ロバート秋山がさまざまなキャラになりきって演じるコント”とも言えるものだったが、その中のキャラのひとつであるトータル・ファッション・アドバイザー・YOKO FUCHIGAMIは、宝島社から『♯RED』と『♯BLACK』の2冊がオマケつきのブランドムックとして同時発売されるほどで、勝手にキャラが“独り立ち”し始めたのである。 そして、同じくロバート秋山演じるところの子役キャラ・上杉みち(6歳)にいたっては、『ゴロウ・デラックス』(TBS系)に上杉みち名義で出演した際、遠近法を使って子どもを小さく見せるなどして、書籍の紹介をからめた情報バラエティ番組にもかかわらず、まるで“コント番組”になるという事態まで招いたのである。 しかしこうして見ると、ロバート秋山のクリエイターズ・ファイルはある意味壮大なコントとも言え、制作陣の悩みのタネであるセット費用など、今後のコスト問題にも新たな光を投げかけるかもしれない。そしてまさに秋山のコントには、少ない予算の中でも何とかコントをやっていきたい……という芸人側による情熱の表われといえる。 やはり、“面白いコントを作りたい”という熱い想いは、番組制作陣はもちろん、芸人側も当然高い。その相乗効果で生まれた新たなムーブメントが“コント復権”の道しるべとなるはずだ。 |

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