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追いつめられる(挨拶)

嫌な事を後回しにしていると、泣きを見ます。
私はその典型。

さて。
では、本題へ。

2016年が終了してしばらく経ってしまいましたが、2016年下半期の「旅」を振り返る企画展を開催します。
写真も一挙放出、開催期間中に200枚以上を貼っていきます。
お楽しみいただければ幸いです。



それでは、企画展9日目を投稿します。


2016年11月13日 神戸異人館と布引渓流の旅 <前半>(兵庫県)

 この日は、とあるキッカケを得たので、大学時代に行こうと思いつつ行けていなかった神戸の異人館の町並みを見に行くこととしました。

 いつもならば始発で出るところですが、今回は比較的近い場所なので、少し遅めに香川を出発。JR岡山駅で新幹線に乗り換え、8時前にはJR新神戸駅に到着しました。
 駅前から高架を通ってホテル内を通過し、坂道になっている車道を南西方向へ登っていきます。おおよそ5分で信号機のある交差点に至ります。ここから先の一帯が、重伝建に選定されている町並みです。

国選定重要伝統的建造物群保存地区「神戸市北野町山本通」北野通り
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 慶應三年十二月七日(1868年1月1日)、江戸幕府が諸外国と結んだ条約に基づいて、兵庫の港(現在の神戸港)が開かれ、開港場には外国人居留地が築かれました。しかし、神戸ではこの居留地の整備が大幅に遅れていたため、周辺部に雑居地を認めることとなり、六甲山麓の農村がその主な地域として選ばれました。外国人は日本人と任意に契約して土地や家屋を借りるとともに、新たに家を築き始めました。こうして出来たのが「異人館」の町並みとして有名な国選定重要伝統的建造物群保存地区「神戸市北野町山本通」(神戸市中央区)です。
 保存地区は、かつての山手雑居地の一部にあたる東西約750m、南北約400mの範囲で、この地区は明治二十年代(1887-1896)になって道路が整備されるとともに発展し、「異人館」などの洋風建築が数多く建てられました。一帯が高級住宅地になるに及び、そこに良質な和風住宅も加わって、調和のとれた独特の雰囲気をもつ町並みが形成されました。最盛期には200棟を超えていた「異人館」は、戦災や戦後の建て替えで減少したものの、今なお重要文化財に指定されている2棟を始めとして、質の高い「異人館」が30棟ほど残されています。
 優れた意匠の洋風建築が良く保存されるとともに、和風住宅が一体となって優れた歴史的風致を形成しており、国際性に富んだ神戸らしさを最も良く残す貴重な町並みとなっています。


 写真は、異人館の町並みの目貫通りである北野通り沿いの町並みです。「ベンの家」「洋館長屋」などの伝統的建造物として特定されている建物が並んでいます。


 保存地区の入口には8時10分頃に到着しましたが、それから12時頃までの計4時間ほど、この一帯をひたすらウロチョロと歩いて巡りました。よって、ここからは時系列を無視して、個別に「異人館」やその町並みを紹介していくこととします。


国選定重要伝統的建造物群保存地区「神戸市北野町山本通」北野天満神社 本殿及び神門
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 北野天満神社(神戸市中央区)は、平清盛が主導した治承四年(1180)の福原京遷都にあたり、その禁裏守護・鬼門鎮護の神として、京の北野天満宮より菅原道真の神霊を勧請したことに始まるとされる神社です。この神社が「北野町」の地名の由来となっています。毎年様々な祭礼が行われますが、人種・宗教・国籍を超えて行われる「北野国際まつり」は、異国情緒あふれる神戸の街らしい祭礼となっています。
 写真の本殿を始めとして、透塀、拝殿、鳥居、灯籠、石段などが、伝統的建造物として特定されており、町並みの重要な構成要素となっています。

国選定重要伝統的建造物群保存地区「神戸市北野町山本通」 
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 また、北野天満神社の境内からの眺めは、町並み散策の見どころの一つともなっています。写真の右側に移っているのは、次に紹介する国指定重要文化財「旧トーマス住宅(兵庫県神戸市生田区北野町)」です。また、ここからは神戸の中心街のビル群なども見えます。角度的にこの写真には写っていませんが、港町神戸の象徴でもある国登録有形文化財「神戸ポートタワー」も遠望することができます。


次に、『風見鶏の館』として有名な異人館を御紹介します。
国指定重要文化財「旧トーマス住宅(兵庫県神戸市生田区北野町)」
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 国指定重要文化財「旧トーマス住宅(兵庫県神戸市生田区北野町)」(神戸市中央区)は、ドイツ人の貿易商 ゴットフリート・トーマス(1871〜1950)が建築主となり、ドイツ人の建築家 ゲオルグ・デ・ラランデ(1872〜1914)が設計した邸宅で、明治三十六年ないし三十七年(1903〜1907)あるいは明治四十二年(1909)に建てられました。
 石造・煉瓦造・木造を組み合わせた塔屋付の建物で、屋根はスレート葺とします。全体にドイツの伝統様式を採り入れながら、19世紀末から20世紀初頭にかけての新しい芸術運動(アール・ヌーヴォー)の動きを感じさせています。1階には玄関ホール、応接間、居間、食堂、書斎などがあり、2階には夫婦の寝室や子供部屋、客用寝室、朝食の間などを設けます。

国指定重要文化財「旧トーマス住宅(兵庫県神戸市生田区北野町)」風見鶏
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 旧トーマス住宅の塔屋の先端には風見鶏が付けられており、そこから『風見鶏の館』の別名で特に知られています。風見鶏は、風向きを知らせる役目を果たしますが、その他にも、雄鶏の警戒心の強さに因んで魔除けの意味合いがあったり、キリスト教の教勢を発展させる効果があったりします。
 『風見鶏の館』は、重厚な意匠を持つ、神戸における洋館のなかでも独特の雰囲気をもつ、優れた遺例の一つです。

 さて、『風見鶏の館』は内部が公開されていますので、内部の写真を何枚か御紹介します。

国指定重要文化財「旧トーマス住宅(兵庫県神戸市生田区北野町)」内部 1階 応接間
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 ポーチを通って玄関から入ると、ホールが広がっています。そのホールの東側南寄りにあるのが、応接間です。トーマス夫人のサロンとして使用されていた15畳の部屋で、天井の装飾や照明器具のメダリオンが目を引きます。

国指定重要文化財「旧トーマス住宅(兵庫県神戸市生田区北野町)」1階 食堂
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 応接間の西側には居間(ホールの南)があり、さらにその西側に食堂(ホールの西側南寄り)があります。ドイツの宮廷や城によく見られる城館風の造りで、20畳の広さがあります。食器棚も重厚感があり、豪華な感じです。天井の小梁も特徴的です。

国指定重要文化財「旧トーマス住宅(兵庫県神戸市生田区北野町)」1階 書斎
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 ホールの北東にあるのが書斎です。どの角度からも光が入るよう、五角形のベイウインドウになっており、天井は蝙蝠傘を広げたようなデザインになっています。スキップフロアーにはアール・ヌーヴォー調の風刺画が描かれています。また、龍の彫刻がついたイスは、トーマスの一人娘であるエルゼさんから寄贈されたものです。

国指定重要文化財「旧トーマス住宅(兵庫県神戸市生田区北野町)」2階 子供部屋
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 ホールの北側西寄りの階段を登ると、2階になります。2階にもホールがあり、その南側にあるのが、一人娘であるエルゼさんの子供部屋です。写真は、子供部屋の中程から南東方向を撮ったものなので、実際にはこの写真で見るよりも、もっと広く、一人娘の部屋とは思えません。また、陽の光もよく入ります。愛情が注がれていたことが感じられます。

国指定重要文化財「旧トーマス住宅(兵庫県神戸市生田区北野町)」2階 ベランダ
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 子ども部屋の西側南寄りに設けられているのが、屋内化されているベランダです。ここからは、神戸の町がよく見渡せます。


 『風見鶏の館』をあとにし、続いてはその南西側にある『萌黄の館』を見学することとします。
国指定重要文化財「小林家住宅(旧シャープ住宅 兵庫県神戸市中央区北野町)」
(保存修理工事中)
イメージ 11

 国指定重要文化財「小林家住宅(旧シャープ住宅 兵庫県神戸市中央区北野町)」(神戸市中央区)は、駐神戸アメリカ総領事であるハンター・シャープ(1861〜1923)の邸宅として明治三十六年(1903)に建てられたものです。コロニアル様式を示す、木造、寄棟造、桟瓦葺の邸宅で、2つの異なった形のベイ・ウィンドウを設けた側面の意匠や、玄関ホールの空間の扱いなどが秀逸で、神戸に残る洋館の中でも特に優れたものの1つです。
 1階には、応接間や食堂など、接客や日常生活の公的な部屋が配置され、2階には寝室や化粧室、子供部屋などを設けます。各部屋の暖炉のマントルピース(暖炉周辺の飾り)は、それぞれ違った意匠を見せており、注目されます。また、2階のベランダの空間は邸宅の豊かな内部空間を象徴するものでもあり、ここからの眺めは高い人気を誇ります。
 なお、小林家住宅は、復原された壁面の色から、『萌黄の館』の別名で知られます。


 現地を訪れて『萌黄の館』を遠望した時、「ん?」と思いましたが、どうやら訪問時は保存修復工事中のようでした(工期は平成29年1月末となっていたので、もう終わっているかと思われます)。足場の壁面には、本来の外観の写真が印刷されており、保存修復工事中の景観への配慮がなされていました。文化財の保存修復に際して、こういう配慮がなされることが増えてきましたね。


 さて、この『萌黄の館』も、『風見鶏の館』と同様、内部が公開されています。保存修復工事中でしたが、内部は見ることができました。ここからは、内部を御紹介します。

国指定重要文化財「小林家住宅(旧シャープ住宅 兵庫県神戸市中央区北野町)」
1階 ホール
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 こちらは玄関ホールの中程の様子です。折れ曲がりの階段の壁面なのですが、腰掛けのような場所が設けられています。規模が大きいわけではないのですが、このホールは雰囲気が良かったです。

国指定重要文化財「小林家住宅(旧シャープ住宅 兵庫県神戸市中央区北野町)」
1階 応接室
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 玄関ホールの西側南寄りにある応接室です。南側と西側の窓から陽の光がやわらかく差し込んでいます。

国指定重要文化財「小林家住宅(旧シャープ住宅 兵庫県神戸市中央区北野町)」
2階 子供部屋 暖炉のマントルピース
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 こちらは、2階の子供部屋の暖炉です。先述のとおり、各部屋の暖炉のマントルピース(暖炉周辺の飾り)はそれぞれ違った意匠となっているので、各部屋の意匠を見比べるのも楽しいです。

国指定重要文化財「小林家住宅(旧シャープ住宅 兵庫県神戸市中央区北野町)」
2階 ベランダ
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 そして、こちらが『萌黄の館』でも最大の人気を誇るであろう、2階ベランダの風景です。柱や建具の萌黄色、天井や壁面の白色、床面木材の茶色、これらの色合いも見事です。また、洋風の意匠を見せるベランダにあって、照明器具が釣燈籠であるという点も面白いですね。
 訪問時は、足場が組まれていたので、ベランダからの景色はあまり見られませんでしたが、足場がない状態ならば見事な景色が見渡せて、より素晴らしい場所となっているでしょう。


 さて、続いて紹介するのは、日本にある『ホワイトハウス』です。

国選定重要伝統的建造物群保存地区「神戸市北野町山本通」旧アメリカ領事館官舎
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 北野通りに面する石垣上に、アメリカ領事館官舎として、明治三十一年(1898)に建築されたものです。主屋と付属屋からなり、構造は木造平屋建、寄棟造、桟瓦葺で、外壁は下見板張(南面は改修によりモルタル吹付と平石張)。その白い壁面から『ホワイトハウス』と呼ばれています。現在は、神戸北野美術館として活用されています。


 その『ホワイトハウス』の反対側(西側)にあるのが、『ラインの館』です。
国選定重要伝統的建造物群保存地区「神戸市北野町山本通」ラインの館
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 大正四年(1915)にJ.R.ドレウェル夫人により建てられたものです。主屋と付属屋からなり、構造は木造2階建、寄棟造、桟瓦葺で、外壁は下見板張・オイルペンキ塗です。下見板の横線(ライン)が美しいということから、『ラインの館』の通称で親しまれています。
 現在、神戸市が所有者となり、内部が公開されています。しかし、平成27年6月1日より耐震対策・保存修理のために見学が中止となっています。工期は平成30年度までを予定しているようですので、しばらくは内部の見学は出来ません。公開再開を待ちましょう。

国選定重要伝統的建造物群保存地区「神戸市北野町山本通」路地
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 なお、『ホワイトハウス』と『ラインの館』と間の路地は、どことなく異国を感じさせ、雰囲気が良いところとなっています。お気に入りの路地を求めて散策するのも異人館の町並みの楽しみ方の一つかもしれません。

国選定重要伝統的建造物群保存地区「神戸市北野町山本通」神戸北野サッスーン邸
イメージ 19

 こちらは、神戸北野サッスーン邸の門と板塀で、主屋や付属屋とともに、伝統的建造物に特定されています。外国人貿易商デヴィッド・サッスーンの私邸として明治二十五年(1892)に建てられました。現在は結婚式場やレストランとして活用されていますが、通常は非公開です。

国選定重要伝統的建造物群保存地区「神戸市北野町山本通」民家
イメージ 20

 こちらは、保存地区内にある浄光寺の南側にある民家で、主屋・付属屋・車庫・門・レンガ塀が伝統的建造物に特定されています。写真は主屋ですが、この民家は車庫も面白いです。異人館らしい建物ですね。

国登録有形文化財「北野物語館(旧M.J.シェー邸)」
イメージ 21

 こちらは、神戸市中央区北野町にある国登録有形文化財「北野物語館(旧M.J.シェー邸)」です。「異人館」の一つですが、重伝建の選定地区の外にあります。
 構造は木造2階建、寄棟造、桟瓦葺で、外壁は下見板張・オイルペイント塗。コロニアル様式の典型例を示す洋館で、明治四十年(1907)に建てられました。阪神・淡路大震災による被害が大きく、解体されることになったことを機に神戸市が寄附を受けて部材を保管し、平成十三年(1938)になって現在地へ移築・復原しました。現在は、スターバックスコーヒー 神戸北野異人館店 として活用されています。


 異人館の町並みについては、以上のとおりです。当日は日曜日だったからか、結婚式や披露宴があちこちで開催されており、おしゃれな街神戸らしい場所でしたね。


 さて、ここからは、次の場所に向かって移動していきます。そちらへ向かう前に、近くにある登録有形文化財に寄っていくこととします。
 北野町から一旦南下して、加納町3丁目交差点の信号から1つ北側にある信号で30号線を渡り、ひと区画東へ行った後、北上します。すると、通り沿いに洋風の建築が見えてきます。

国登録有形文化財「フロインドリーブ本店(旧ユニオン教会)」礼拝堂棟、玄関及び鐘塔
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 国登録有形文化財「フロインドリーブ本店(旧ユニオン教会)」は、ヴォーリズ建築事務所の設計による教会建築。鉄筋コンクリート造3階建、スレート葺、塔屋付きの建物で、昭和四年(1929)に建てられました。正面中央の玄関上部に鍾塔を建ち上げ、北側にゴシック式の礼拝堂棟、南側にハーフティンバー・スタイルの牧師館棟を建てています。

 ただ、牧師館棟は何らかの工事が行われているようでした。これら3棟による街路沿いのファサードが、どんなものなのか、また見てみたいと思わせる建物でした。
 なお、現在はパン・洋菓子店フロインドリーブの本店として活用されています。


この後は、JR新神戸駅の方面へ北上し、次の目的地へと向かいます。
……といったところで、写真の枚数の都合により、ここで一旦区切りとします。
旅のまとめの10日目に続きます。

☆この日の主な文化財
※10日目の旅のまとめの方で記載します。

10日目の旅は、布引渓流の自然美と建築美を御紹介します。

今日はこれまで。
ではではー。

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