今回は、陳放(チェンファン)「天怒」(監修・長谷川慶太郎、リベロ刊)。 1995年4月、汚職の審査を受けていた常務副市長の王宝森が自殺し、北京派のトップ・陳希同にも汚職の疑惑がかけられるという出来事を背景に書かれた実録小説です。 汚職摘発事件の内幕を暴露することによって、江沢民VS陳希同の抗争を描いています。 本書では、自殺した何啓章副市長が女性のために数百万元の車や家を贈ったりしていました…。 この本は1995年に出版されたものの、政府高官の汚職を暴いたことから発禁処分!!! 中国的には痛いのかも。 その後、海賊版が出回って、今までに500万部以上も売り上げた地下ベストセラーです。 日本で発行された訳書も発行部数が5万部に上りました。 この数字は、中国小説ではある意味、快挙と言えます。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 中国のきな臭い内部が分かって、読んでいてワクワクする内容です。 何啓章副市長の自殺を他殺もあり得るとして命がけで調べる汚職取締局部長の陳虎。それを恋心を抱きながらサポートする市規律検査委員会委員の陶素玲。 そのふたりが副市長の死亡現場を訪れて、こんな場面も。 ≪”ああ、あなたは仕事はとても丁寧なのに、感情はどうして鈍感なのかしら。私はあなたがいとおしいのよ!”陶素玲は心の中でそう思ったが、それをおくびにも出さなかった。(中略)陶素玲は、突然、陳虎の胸に飛び込んだ。怖かったからなのか、それとも、ウサギがチャンスを与えたからなのか、自分でもはっきりとはわからなかった。≫ ハードな内容なのにソフトな面もふんだんに盛り込まれてます。 かなりおもしろい本です。 また、続編の「天怒人怨」(2005年発売)も中国で発禁処分になっています。 |
中国文学発禁本





