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大槌町で震災前まで営まれていた
ジャズ喫茶「クイーン」のマスター佐々木賢一さんが
5日に亡くなったとの報せが届いた。 店はジャズの愛好者が多い岩手の中で最古のジャズ喫茶。
マスターは私のことを「Pちゃん」と呼び
私は「マスター」と呼んでいた。
ジャズ喫茶のオーナー仲間たちは「クインの賢ちゃん」と呼んでいた。
店の名前は正式にはクインテットの「クイン」だという説もあったが
店の前にあった看板にどう書いてあったかは思い出せない。
穴蔵のような狭く暗い店内には
本やらレコードやらCDが山と積まれ
壁には名だたる国内外のジャズミュージシャンの写真やら
サインが貼ってあった。
在りし日のクイーンの店内
本やCDが「雪崩」を起こすこともあったらしい。
店は2011年3月11日の津波で全て流失してしまったが
マスターは避難して津波を免れた。
震災後は花巻市で避難生活を送っていた。
マスターと私は入院生活を共にした「戦友」である。
震災の前年2010年4月のこと。
病を得て入院した私は手術を前に不安を抱えながら
窓の外を眺めていた。
不意に後ろから「Pちゃん」と声を掛けられた。
振り向くとそこに病院服で点滴の支柱にすがるマスターの姿が。
聞けば体内に石が溜まって取り除く手術を受けるのだという。
マスターは手術を終えたばかりのツライ体で
手術後の私を集中治療室に見舞ってくれた。
そして同じ大部屋で入院生活を送ったのだった。
院長回診時に「彼はすごいドラマーなんだよ」と
医師たちにご紹介いただき(笑)恥ずかしいやら嬉しいやら。
マスターの体内から出て来た石を見せてもらったら
親指の頭ほどの大きさで驚いたことを覚えている。
手術後に体内の手術あとから出る体液を抜くドレーンが
「何本ある?」と聞くから「1本だよ」と答えると
「俺は2本だ」と自慢げにニヤリと笑った。
マスターはその時すでに体のいろんなところにガタがきていたようで
腹には過去のでっかい手術痕があった。
2011年2月にお店で撮影したマスター。
なかなかカッコよく撮れたのでプレゼントしたら
気に入ってくれたようで避難先の家に飾ってくれていたとのこと。
「Pちゃんのタイコはいいなー」といつも褒めてくれたマスター。
これからも一生懸命頑張ります。
マスターありがとうございました。
岩手・大槌のジャズ喫茶クイーンを知っていることは私の誇りです。
どうか安らかに。
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