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平成20年(ワ)第●●●●●●号 地位確認等請求事件
原告 ●●●●
被告 エルメスジャポン株式会社
意見陳述書
平成20年8月29日
東京地方裁判所民事第36部●●係 御中
1 本件裁判の意義
私は、本件訴訟の原告です。今はまだ被告であるエルメスジャポンに勤務していますが、1ヶ月後の9月末には解雇され、職を失おうとしています。まずは、私がなぜ今回の裁判を起こしたのか述べたいと思います。そして、裁判所には、この裁判が、私だけの問題ではなく、多くの労働者の実情を象徴する事件であることを理解して頂きたいと思います。つまり、会社は労働者に対し、必要なときは、「正社員にするから」、「長期雇用が前提だから」と甘い言葉で誘っておきながら、不要になれば「あなたは契約社員だから。契約期間が満了したから」というひと言で、簡単に切り捨てるのです。そして、契約形態が身分と結びついているため、見下され、差別を受けているのです。他の正社員とまったく同じ仕事をしているのに、賞与もありませんし、給与も低いです。しかし、特別の事情がないかぎり、身分の不安定な有期の社員を望む人などいません。多くの人は、正社員になりたいと思っているのです。でも、会社と個人では、雇ってもらう個人の方が立場が弱いのです。そういう弱い立場につけ込んで、正社員採用をちらつかせ、適当なことを言って、期限の記載のある書面にサインをさせ、必要がなくなれば「期限が満了したから、もう要らない」、「あなたは自分で、契約書にサインをした。はじめから契約社員だと納得しているのでしょう」というやり方がまかり通っている現状はおかしいと思います。特に、本件では、被告のエルメスは、「正社員登用」を仄めかす、というのではなく、求人広告に「正社員募集」と明示しています。ところが、会社(被告)は、「おめでとうございます。合格の連絡です」と電話をしてきて、「時計販売の経験がないから、とりあえず嘱託で」というひと言で、いつのまにか、私を、有期の非正規社員にし、さらには、契約書に「嘱託」とか「雇用期間」が記載してあり、それに私が、サインしているのだから、私も合意しているはずだと述べています。しかし、私は、有期雇用で採用されることに合意をしていません。私は、正社員になりたくて、正社員募集の求人に応募し、合格したのだから、当然、正社員で採用されたと思っています。
2 事件の経緯・概要について
(1) 簡単に事件の経緯について述べたいと思います。
私は、2004年7月、インターネット求人情報「アサヒ・ジョブネット」に掲載されたエルメスの正社員募集の求人広告を見て応募し、採用されました。人事から、「合格」との電話連絡があり「とりあえず最初は嘱託社員でお願いします。9月16日から働けますか?」と言われたので、試用期間を意味するのであろうと思い「はい」と答えました。契約書が自宅へ届き、「サインをし、送り返すように」と指示が書かれていました。以来、半年毎に自動的に契約書が自宅へ郵送され、「サインをし、送り返すように」と指示が書かれていました。このように、自動的に郵送されてくるだけの現状に「私は正社員として採用されたはずではないのか」と不安に思い、上司に話しました。それで、初めて人事面談をすることになりました。2004年9月に採用されてから既に2年経過した2006年8月のことでした。面談では、入社以来の日頃の売上成績を高く評価されましたが、「正社員の件についてどうなっているのか」と質問しても、「様子を見させて欲しい」と言われ、面談が終了しました。半年後、第2回人事面談が行われ、前回同様、売上成績を高く評価されました。しかし、私が、正社員のことを口にすると、やはり「様子を見させて欲しい」と告げられるだけでした。前回も、今回も「様子を見させて欲しい」と言われたので、私は「具体的に言ってもらわないと理由が分りません」と言いました。人事の女性担当者は「そんなに聞きたい?じゃあ言うけど」と、面倒臭そうな口調で、私に対し「今年でいくつだっけ?」と年齢を尋ねてきました。私が「35です」と答えると、その女性は、口角を上げ馬鹿にした表情をして、「ああ、そう。とても35には見えないよねぇ」と言いました。私は、意味がわからず、黙っていました。すると、その女性は、私の容姿等を馬鹿にしはじめました。エルメスの人事の方が、こんなに酷いことをいうのかと、彼女が話している最中、屈辱と情けなさとショックで、涙が溢れました。私は俯きながら、彼女の侮辱に耐えました。耐えていたというより、侮辱的な言質で、平然としゃべりつづける彼女の姿が、現実のものとは思えず、茫然としていました。私が、泣き顔を上げると、その女性は、更に「悔しくて泣いているのよね」と言いました。そして、更に、酷いことを言い続けました。私は、涙が溢れて止まらない状態になり、面談が中断しました。後日、改めて第3回人事面談に呼び出されました。今度は何を言われるのかと思っていると、「オフィスの人達と話すのはやめろ」と言われました。そして、私が「正社員の件は、どうなっているのか」と質問すると、「まだ様子を見させて」とか「今までは半年毎だったけど、今後は1年にしてあげる」と言われました。「様子を見させて」と本採用を期待させる言葉を繰り返し、私が、具体的に「正社員にしない理由」を聞けば、容姿等を馬鹿にし、オフィスの同僚と話すのはやめろ等と回答になっていない対応を繰り返すのです。私が「それなら他の会社を探します」と退職する意思を告げると、今度は一変して、引き止め、契約書にサインとしてほしいと言ってきました。本採用の可能性がないのであればサインをする意思がないと告げ、答えを保留すると、第4回人事面談に呼ばれました。前回同様、私を引き止める発言を繰り返し、「給料を上げる」、「有給を20日にする」、「1年後には良い返事ができそう」、「だから、サインして」と言われました。
(2) 2008年3月に、私は人事から呼び出されました。そして、エルメスジャポン全体の経営状況について、私の認識を説明するように言われました。私は、2007年から全社的に売上不振になり、多くの社員が突然解雇され、厳しい処分の通知等を見ている、と答えました。すると人事は「そうなんです。2007年から現在までに退社した多くの社員も、お考え頂いた」と言いました。人事は、「解雇」するという言葉を一切使わずに「お考え頂きたい」と言い続ける「圧迫面談」でした。私が、「お考え頂きたいというのはどういう意味なのか」尋ねても、「皆さんにもお考え頂いたから、貴女にもお考え頂きたい」としか言いません。そして、「他社員はお考え頂いて、面談してから1ヶ月で辞めていくが、貴女は特別に6ヶ月間猶予を与えるから、今から就職活動して良い」と言いました。面談は一方的に終了し、後日、速達で「半年後に辞めなくてはいけないと記載された契約書」が自宅に届きました。いつものとおり、サインして送り返すように指示が書かれていました。返送期限までの猶予は3日しかありませんでした。私はサインを保留しました、すると会社の経営状況の悪化を理由とする「整理解雇」の主張を一変し、解雇の理由は私の不適格性にあると、「私への人格攻撃」に切り替わりました。今までは売上成績を高く評価していたのに、突然、能力が無いと言われ、様々な事実を捏造し、未だに、私の人格を攻撃し続けています。
3 会社に対する思い
私は、本件提訴時に、この裁判の意義と自分の思いについて、マスコミに記者会見をしました。それは、エルメスのような世界的企業が、いとも簡単に従業員を切り捨て、従業員の生活などまるで考えていないこと、えげつないやり方で従業員を退職に追い込んでいることが許せないからです。エルメスは「話し合いにはこれまで積極的に応じており、法的な範囲内で誠実に対応していく」とマスコミ向けにコメントを発表しています。しかし、実際は、違います。これまでに、3度、団体交渉の場を設け、更に東京都労働委員会で斡旋を2回しました。しかし、会社は、人事面接等では一度も触れたこともない、私の不適格性をしめす事実を次々にでっち上げ、私がいかに問題のある人物であるかという主張を続けています。また、話し合いの最中、私や組合の人が話している時に、嘲笑したり、「そちら(私)の主張及び要求は受け入れられない」と繰り返すのみです。そして、会社の代理人は、組合の方に「お前は煩わしい」、「お前は品がないんだよ」、「下品、下品」等と罵倒し、会社の人は、それを黙って見ています。これがエルメスのやることなのかと、団交のたびに、苦しくなります。会社は、「経営状態が悪い」と言いながら、私に解雇通告した後、前の社長がフランス本社の役員に就任することを祝う盛大なパーティを行いました。おそらく、パーティの費用は、私の年収以上の経費がかかっているでしょう。私はエルメスが大好きで、エルメスの社員として勤務できることに誇りを持っています。そのエルメスを相手にこのような裁判を起こす結果になりとても悲しいです。どうか、会社には、ブランドに恥じないよう、社員一人一人の生活を大切にし、誠実に対応してもらいたいです。そして、裁判所には、様々な甘言を用いて、労働者を安く利用し、要らなくなったら、手段を選ばず、振り払うように、使い捨てるという、会社の行為に対し、厳しい態度で臨んでほしいと思います。
以上
原告は2008年7月14日にエルメスジャポン株式会社に対し
地位確認・解雇差止提訴をした35歳女性社員です。
同日、午前11時より厚生労働省記者クラブにて会見を開きました。
共同通信社、毎日新聞社、日本経済新聞社、読売新聞社、東京新聞社、朝日新聞
テレビ東京、日本テレビ、TBSテレビ、フジテレビジョン、テレビ朝日
上記報道機関から取材を受けました。
参考記事等
【名ばかり正社員:AERA 2008/09/21発売 2008年9月29日号】
http://blogs.yahoo.co.jp/hermes_net_union/2663765.html
http://www.aera-net.jp/summary/080921_000335.html
【報道】
http://blogs.yahoo.co.jp/hermes_net_union/2663846.html
http://blogs.yahoo.co.jp/hermes_net_union/2663888.html
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はじめまして
エルメスが提訴されたニュースは当時ネットで見ました。
かなり多くの新聞社で扱っていましたよね。
エルメスが「誠実に対応していく」というコメントもネットで読みました。
エルメスはこんなに酷いことをしているのですね。呆れました。
イメージとは全く逆ですね。
エルメスは憧れのブランドだったのですが内情は社員を騙し非人道的な扱いを社員におこなっているのかと思うと虫唾が走ります。
エルメスの顧問弁護士も嘲笑したり罵倒したりするなんて…。
エルメスはとても下品ですね。
私の母や友人達の多くはエルメスが好きなのでこのブログを教えようと思います。大変驚くと思います。
裁判に勝つことをお祈りしております。
絶対に勝って下さい。頑張って下さい。
2008/12/25(木) 午後 2:48 [ ber**berry*s*raw*err*000 ]
本日(12月27日)付「しんぶん赤旗」によれば、「OKIセミコンダクタ多摩」から、12月末で「雇い止め」を通告された男性が、JMIUに加盟し、会社を相手に仮処分申し立てを行ったという記事がありました。
この男性も、35歳で「勤続一年で正社員登用との条件で採用され、臨時工として二年五ヵ月働き」とあるように、いわゆる「名ばかり正社員」だそうです。
人をモノのように使い捨てにして、一方では莫大な金額の株主配当を行う多国籍大企業やその関連会社の横暴を許さないためにも、ともにガンバロウ!
2008/12/27(土) 午後 7:26 [ 高チッチ? ]
>ber**berry*s*raw*err*000さま
はじめまして!!
当時の報道をご覧頂いていたのですね。
私達に対するエルメスジャポンの対応は誠実さの欠片もありません。
私達はこれまでエルメスジャポンに対し
数度にわたる団体交渉及び東京都労働委員会での斡旋を行いましたが
団体交渉の席上・文書回答での度重なる不当な人格攻撃、
団体交渉形骸化などの一連の不当・違法行為をしております。
そのような対応を繰り返すエルメスジャポンに対し、
厳重に抗議し発言と文書での撤回を申し入れると共に文書での謝罪を求めているところです。
これまでに大量解雇を強行し、挙句の果てには人格攻撃や人権侵害、
不当配転、でっち上げの虚偽報告文書等、酷い対応を繰り返しています。
非正規労働者の処遇を巡って是正が求められていることや、
人格攻撃、人権侵害、でっち上げを繰り返しているエルメスジャポンに対し、
社会的関心も高く共闘組織の結成の動きも起きています。
次々にエルメスジャポンを提訴し私達は闘っております。
温かいご声援ありがとうございます!!
2008/12/27(土) 午後 11:07 [ hermes_net_union ]
>高チッチ?さま
情報ありがとうございます!!
先程、「しんぶん赤旗」に掲載された記事をブログにupしました。
2008年7月14日にエルメスジャポンに対し、
地位確認等請求事件として提訴した35歳女性社員と同じ
「名ばかり正社員」なのですね。
私達は「OKIセミコンダクタ多摩」の35歳男性社員を応援していきます!!
2008/12/27(土) 午後 11:15 [ hermes_net_union ]
やはり、不当解雇の訴訟は、会社側は人格攻撃で対抗してくるのですね。
私も会社を提訴しましたので、覚悟しておきます
2009/7/23(木) 午後 10:06 [ ??? ]
> bdh*s3*7 さま
いろいろと記事等を読んでいると、どの会社も人格攻撃をしてくるようです。
不当解雇に正当性があったということにしたいんでしょうね。
提訴したのですね。
様々な人格攻撃をして精神的に追い詰めていく手口で
対抗してくると思いますが頑張ってください。
2009/7/30(木) 午前 11:11 [ hermes_net_union ]