調査隊,オランダを行く

モザイクの欧州見聞録。2006年、オランダ王国ユトレヒト市から帰国しました。

全体表示

[ リスト ]

イメージ 1 ミッフィーファンの方にとっては常識でしょうが,ミッフィー/Miffyの作者ディック・ブルーナ氏/DickBrunaはユトレヒト出身の絵本作家です。ブルーナ氏の絵本やイラストは,世界中の言語に翻訳されて出版されていますので,例え子どもを持たない方でもおそらく一度は目にしたことがあるでしょう。なので,ブルーナ氏が「ユトレヒトの偉人」10傑に数えられることは間違いないと思われます。ブルーナ氏は現在もユトレヒトに居住しておられ,毎朝セントラムのカフェで一息ついてからアトリエへと出勤(?)されるとのこと。私の日本人の知り合いにも,氏の姿を見かけた人が数人います。
 また,ユトレヒト旧市街地を流れる運河アウデグラヒト/Oudegrachtの最も北に,ナインチェ広場/NijntjePleintjeがあり,そこにはディック・ブルーナ氏のご長男さんが製作したミッフィー像がひっそりと立っております。

 ところで,このうさぎミッフィーの本来の名前についてですが,オランダでは「ナインチェ/Nijntje」といいます。その由来は,「うさぎ」というオランダ語が"konijn(コナイン)"だから。子うさぎだと小さなものに用いる"tje"を付けて"konijntje(コナインチェ)"となります。ナインチェはそのうち「コ」をとったものですから,日本語で「うさぎ」を「うさちゃん」と言うようなものですね。「ミッフィー」という名前はイギリスで英語に翻訳されるときに付けられたそうです。なお,私が子どもの頃は「うさこちゃん」と呼んでいた記憶があります。

イメージ 2 当然ながら,オランダでもミッフィーは大人気。オランダの住宅は通りに面した窓が大変大きく,みんな思い思いのものを出窓に置いて飾っていますが,以前,私の家の窓辺にミッフィーの人形を4つほど置いてみたところ,通りがかりの親子連れに好評でした。小さなお子さんは我が家の窓の前で「♪ナインチェ,♪ナインチェ〜」と踊ったりしてくれ,そういう光景を見ることが私達の楽しみのひとつでもありました。

イメージ 3 ミッフィーのよさといったら,そのシンプルさ。線もそうですが,色使いにも同じことが言えます。絵本などを見ても,使用している色は,白・赤・黄色・青・緑・茶色・灰色,それと,輪郭の黒のわずか8色。原色を多用しているにもかかわらず,華美になりすぎず,それでいて目に鮮やかな配色は,動物の可愛らしさを引き立てていると思います。また,シンプルなのに豊かな動物の表情は,――例えば,ミッフィーが涙をポロリと落とした表情など,涙一粒を描き足しただけなのに,こちらがオロオロするくらいに悲しんでいる様子が伝わってきて,――本当に子どもの好むものを考えて作られているなあ,と感心させられますよね。

 先日(といっても,かな〜り前ですが…),ユトレヒト中央美術館を訪問し,ディック・ブルーナ(ミッフィー)の展示室に行ったところ,ミッフィーファンにとって,大変嬉しいお知らせが原作者の紹介文とともに壁面に記載されていましたので,今日はそれをお届けしますね。

壁面記載事項
《モザイク的超和訳》
ディック・ブルーナ
 このユトレヒト生まれのイラストレーター,そして,子ども向け絵本作家であるディック・ブルーナ(1927生)は,世界中の老若男女に著名な数少ない生存するオランダ人芸術家の1人です。彼は,1950年代にグラフィック・デザイナーとしての訓練を受け,"Zwarte Beetjes"/『ブラック・ベア』シリーズのブックカバーをデザインした後,子ども向け絵本に力を傾注するようになりました。彼の作品は,その単純で直接的な視覚言語によって特徴づけられます。1953年以降,ブルーナは,ミッフィー,ポピー・ピッグやボリス・ベアを含む100冊以上の書籍を出版しました。そして,彼の著書は,世界中で40種類以上の言語に翻訳され,その売り上げはほぼ8500万部にものぼります。
 ユトレヒト中央美術館は,ディック・ブルーナ・コレクションを恒久的に貸与され所有しており,それらのごく一部がこの美術館で展示されています。そして,2005年末には,ユトレヒト中央美術館の向かいに,ディック・ブルーナ・ハウスが開設され,ディック・ブルーナ作品の恒久的な本拠地になると期待されています。
 ディック・ブルーナ・ハウスの開設は,ユトレヒト市会議,ユトレヒト州,K. F. Hein基金及び個人による寄付等により実現しました。

《原文(オランダ語と英語がありましたが,英語の方を…)》
Dick Bruna
The Utrecht-born illustrator and children's writer Dick Bruna (1927) is one of the few living Dutch artists who is well known the world over among both young and old. Having trained as a graphic designer in the 1950s, he designed book jacket for the Zwarte Beetjes ('Black Bear') series after which he concentrated on picture books for children. His work is characterised by its simple and direct visual language. Since 1953, Bruna has published more than 100 books, including Miffy, Poppy Pig and Boris Bear. His books are translated into more than 40 languages and nearly 85 million copies have been sold worldwide.
The Centraal Museum holds the Dick Bruna collection on permanent loan. A small selection of this collection is displayed here. From the end of 2005 it is hoped that Dick Bruna's work will gain a permanent home in the Dick Bruna House opposite the Centraal Museum.
The Dick Bruna House was made possible by contributions from, amongst others, the Utrecht City Council, the Province Utrecht, the K. F. Heinfonds and private donations.

 上記については,実は今年2月半ば頃,ユトレヒト市の地域新聞"StadsBlad"にて報道されていましたが,オランダ語の和訳をしようと思い保管していたはずの同新聞を引越のごたごたで失ってしまい,記事にできずにいました(^^ゞ
 ともあれ,ディック・ブルーナ・ハウスの完成がとても楽しみです。完成したら,またお知らせしたいと思います。




〔リンク〕

ユトレヒト中央美術館 http://www.centraalmuseum.nl/
ディック・ブルーナ公式サイト http://www.miffy.com/
同上(日本語) http://www.nijntje.nl/japan/
boek handel Utrecht(「ユトレヒト」という名前のE-bookshopです。)
「人名リスト ディック・ブルーナ」 http://www.utrecht.jp/person/?p=49

この記事に

閉じる コメント(18)

お久しぶりです!トラバしていただいてありがとうございます♪ あの塔はnijntje pleintjeのすぐ近くにあったと記憶しています。その塔に行く途中に見つけたものですから(^-^)

2005/5/19(木) 午前 9:12 maiko_in_japan 返信する

TBありがとうございました。すごく参考になりました。ミッフィーちゃんも奥深いんですね

2005/5/19(木) 午後 0:29 ako 返信する

去年かな?彼の活躍をスペシャル番組でやってましたよ。絵本を使った子供の教育にも熱心だって言ってました。ディックブルーナハウスなんて出来るんですね〜。そうそう世界に流通しているミッフィーのぬいぐるみは、日本製が多いらしいです。タグをみるとMadeinJapanって書いてません?ww

2005/5/19(木) 午後 1:33 [ - ] 返信する

顔アイコン

maiko_in_japanさん,訪問有難うございます。それでは,あの水圧塔は私の家の近くですよ〜。そして,駅からすると,中央美術館とは全くの別方向。どおなってんでしょうねえ,オランダらしいですけど(笑)

2005/5/19(木) 午後 6:14 mozaiek 返信する

顔アイコン

akoさん,訪問有難うございます。何気に奥が深いですよね。だからこそ,世界中で愛されているのでしょうが。

2005/5/19(木) 午後 6:15 mozaiek 返信する

顔アイコン

のほほんさん,こんにちは。ユトレヒトの小学校や公園はブルーナさんの絵がたくさん飾ってありますよ〜。窓辺においていたものは中央美術館で買ったものです。さっき確認するとドイツ製でした。でも,日本にもミッフィーグッズたくさんありますものね。私も文房具などよく買ってました!

2005/5/19(木) 午後 6:18 mozaiek 返信する

顔アイコン

ミッフィー生誕50周年で日本でも展覧会やイベントが開催されています♪ユトレヒト出身だったんですね〜。カフェでお会いできるかもしれないと聞いて、ちょっと行ってみたくなりました。

2005/5/19(木) 午後 10:29 ara*cio**513 返信する

顔アイコン

arancione513さん,こんにちは。生誕50周年の記念にミッフィーの記念硬貨が発行されるそうですね〜,お値段12万円とか…。カフェに行かれるのは朝7時台だそうですよ〜。座る席も決まっているそうです。私は毎朝お弁当を作らないといけないので無理…(涙)。

2005/5/20(金) 午前 5:05 mozaiek 返信する

顔アイコン

私も子供の頃、「うさこちゃん」の絵本持ってました。あさひ銀行のキャラはミッフィーだったのに、りそなになって、変わっちゃいました。残念。

2005/5/20(金) 午後 5:24 yuki 返信する

顔アイコン

yukiさん,こんにちは。今,ミッフィーがイメージキャラクターになっている銀行はないのでしょうか? もしあったら,口座を開設したくなっちゃいますね!

2005/5/20(金) 午後 7:57 mozaiek 返信する

顔アイコン

TBありがとうございます。ミッフィーを知ってオランダにも興味がわいたので、オランダ情報一杯のこちらで色々勉強させて頂きます♪ブルーナハウスにも行きたいなぁ…在住の方が羨ましい限りです! 削除

2005/5/21(土) 午前 8:30 [ ブルー ] 返信する

顔アイコン

ミッフィーは好きなのに、知らないことばっかりで「へぇー」の連続でした。ミッフィーはユトレヒトうまれだったんですね〜。

2005/5/21(土) 午後 2:59 そら 返信する

顔アイコン

ブルーさん,はじめまして。遠いところからご訪問有難うございました。こういうことをきっかけにオランダに興味を持っていただけると大変嬉しいです。今後ともどうぞよろしくお願いします。

2005/5/21(土) 午後 4:05 mozaiek 返信する

顔アイコン

soraさん,こんにちは。ミッフィーがオランダ出身だとは意外と知られてないですよね。ユトレヒト,結構スゴイっしょ?(笑)

2005/5/21(土) 午後 4:07 mozaiek 返信する

顔アイコン

はじめまして。私も子どもの頃は「うさこちゃん」でした。去年だったか、毎朝7時半頃テレビで「ミッフィー」が放送されていましたよね。もう放送が終了してしまったので残念ですが。

2005/5/21(土) 午後 6:12 flu*f*cat_j* 返信する

顔アイコン

fluffycat_jpさん,はじめまして。「うさこちゃん」だったのに,いつの間にかミッフィーになってる,って感じでしたよね〜。(笑) そのミッフィーちゃん,オランダでは夕方放送されているのを時々見ます。日本でも,また,放送されるといいですね。

2005/5/21(土) 午後 10:07 mozaiek 返信する

顔アイコン

初めまして。いつも楽しく拝見しております。実はこちらの記事とうさぎのミッフィー(ナインチェ/Nijntje)とディック・ブルーナ/DickBrunaの記事をトラックバックさせていただこうとしたのですが、何度やってもエラーになってしまうので、通常のリンクにさせていただきました。事後報告でもうしわけありません。 削除

2006/3/3(金) 午後 6:00 [ jipenjanneke ] 返信する

顔アイコン

jipenjannekeさん,はじめまして。いつもご訪問いただいているとのこと,有難うございます。トラックバックの件ですが,どうやらヤフーの不具合のようですね,この記事にはもういくつかトラバいただいた記事があったはずなのですが,それも消えてしまったようです(涙)。お手数をお掛けして申し訳ありません。リンク,有難うございます。報告なんて,とんでもないです。基本的にリンクフリーと考えておりますので。これは厚かましいお願いなのですが,差し支えなければ,私も記事を読ませていただきたいので,URLを教えていただけないでしょうか。どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。

2006/3/4(土) 午前 0:16 mozaiek 返信する

コメント投稿

顔アイコン

顔アイコン・表示画像の選択

名前パスワードブログ
絵文字
×
  • オリジナル
  • SoftBank1
  • SoftBank2
  • SoftBank3
  • SoftBank4
  • docomo1
  • docomo2
  • au1
  • au2
  • au3
  • au4
投稿

開く トラックバック(3)


.


みんなの更新記事