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【中華人民共和国契約法の適用の若干の問題に関する最高人民法院の解釈(二)
/090424公布、090513施行 /最高人民法院 法釈[2009]5号】 【中国・契約法/司法解釈(二) /090521、090611The Daily NNA[中国総合版] /中国法律基礎講座Q&A 第402回、第403回 /曾我貴志弁護士】 【090615、NBL(No.907) /中国の契約法に関する新しい司法解釈について /遠藤誠弁護士、胡?律師】 【1】契約の締結地 [司法解釈§4] ■ 契約上の約定締結地>実際の署名押印の場所 ↓ ■ 契約上の約定締結地が存在しない場合 ↓ 最後に署名or押印した地点が 契約締結地であるとみなされる ↓ 契約上の約定締結地の記載があっても 実際に赴く必要はないことが明確になった 【2】認可・登記を発効要件とする契約⇒手続履行義務、義務不履行の信義則違背性 [司法解釈§8、契約法42(契約締結上の故意・過失)] ■ 認可・登記申請等の手続を行う義務を有する当事者 ↓ ● 法律、契約上の約定どおりに認可申請手続を 行わない場合 (法律、行政法規の規定に従い 認可または登記を経なければ効力を生じない契約が成立した後、 認可申請または登記申請等の手続を行う義務のある一方当事者が 法律の規定もしくは契約の約定に従い 認可申請をしておらず または 登記申請をしていない場合) ↓ 契約法§42(契約締結上の故意・過失)第3号所定の 信義則に違背する行為とみなす ↓ ①人民法院に対する手続履行の申し立て可⇒手続執行命令 ②上記①により生じた費用・実損額賠償請求可 ↑ <意義・趣旨> ※ 契約は発効していない ⇒契約締結上の過失の論理で、相手方を保護 ※ 契約を締結したにもかかわらず、 契約を遵守しない不誠実な当事者を保護することになる一方、 相手方当事者は 違約当事者に対し 何ら法的責任を追及することができないことになってしまう 【3】法律・行政法規の強行規定に違反する規定⇒効力性 [契約法§52(契約の無効事由)、司法解釈§14] ■ 法律・行政法規の強行規定 ↓ 「効力性」の規定(§司法解釈14) ↓ 公法上の規制違反が 私法上の行為(契約)の効力を否定する趣旨 ①「効力規定」 公法上の規制違反が 私法上の行為(契約)の効力を否定する場合 ②(単なる)「取締規定」 公法上の規制違反が 私法上の行為(契約)の効力には 影響を与えない場合 ↓ 但し、 ①②の振り分けについては、 (日本法と同様) 個別に立法趣旨、 取り締まりの必要性の強弱等 の事情を参酌して決められることになる ↓ 実務上、 管理的規定と効力的規定との区別基準が不明確・・・今後の検討課題 ■中国・強制性規定(強制規定) ①管理的規定・・・私法上の効力を否定しない ②効力的規定・・・私法上の効力を否定 ↓ 司法解釈§14において、 契約法§52(5)でいう 『行政法規の強制性規定』とは、 「効力的強制規定(中国語原文:効力性強制性規定)} を指すと規定された (⇒管理的規定は含まれない) ■意義・趣旨 中国の法規定には 強制規定が多く含まれている ↓ すべての強制規定違反行為を ただちに「私法上無効」とすると、 あまりに法的安定性を害し、 正常な経済活動の遂行に支障をきたすおそれがある □「管理的規定」の例 商標法§40③ | 「商標使用許諾契約は、商標局に届出なければならない」 ↓ 「商標民事紛争事件の審理における法律適用の若干問題に関する解釈 (最高人民法院審判委員会 [2002年10月12日制定・公布、 2002年10月16日施行])」 | 「 商標使用許諾契約が届出られていない場合、 当該許諾契約の効力には影響しない (§19①後段) 」 「 商標使用許諾契約が 商標局に届け出られていない場合、 善意の第三者に対抗することができない (§19②) 」 ↓ 商標法§40③は、 「管理的規定」であるといえる 【4】詐害行為取消権/価格基準 [司法解釈§19②、契約法§74(債権者取消権)①] ■契約法§74(債権者取消権)第1項 ● 債務者が、 期限の到来した自己の債権を放棄し 又は 財産を無償譲渡したことにより、 債権者に損害を与えたとき ↓ 債権者は、 人民法院に対し、 債務者の行為の取消しを訴求することができる ● 債務者が 『・・・明らかに不合理な低価格・・・』 をもって財産を譲渡し、 債権者に損害を与え、 且つ 譲受人が当該事情を知っていたとき ↓ 債権者は、 人民法院に対して 債務者の行為の取消を請求することができる。 ↓ ■司法解釈§19② ● 『・・・不合理な低価格・・・』の一般的な基準 ↓ ★市場価格等の70%に達しないこと ★譲り受けの場面において、市場価格等の30%を上回ること ↓ 「明らかに不合理な価格」 ↓ 詐害行為なり得る 【5】違約金と実損額とで乖離が生じている場合の調整 [司法解釈§28、§29、契約法§114(違約金支払の違約責任)] ■ 違約金の上方乖離 ↓ 実損額の30%を超える場合⇒「高すぎる違約金」 ↓ 人民法院において調整 【6】事情変更の原則/導入 [司法解釈§26] ■ 契約成立後に生じた客観的状況が、 (不可抗力事由にまで至っていないものの) 契約締結時に予見し得ず、 且つ 商業上のリスクに属しないような 重大な変化をもたらし、 契約履行の継続を強いるならば 明らかな公平に陥り、 又は 契約の目的を実現し得ない場合 ↓ 契約の変更or解除を訴求することができる ↓ この場合、 人民法院は、 公平原則に照らして 具体的状況に応じて その可否を決定する ↓ ※ 契約に違反した場合、 不可抗力が認められない限り 違約責任を負うという厳格責任を採用する契約法下、 不可抗力以外の免責を認めるものとして 注目される (従来から存在する信義則的な意味での事情変更の原則を 確認したものにすぎない・・・ともいえる) ↓ 契約を守らない側に 言い訳が与えられる契機となり得ることが 懸念される ↓ 契約において、 予見可能性の存在を示しておき、 事情変更原則による抗弁を阻止するといった 契約上の対策が必要となる |
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