企業法務+中国法務+日記

主として、自己の法務業務の論点整理、リーガル・トピックスの情報整理用ですが、公開可能な内容は、公開するかもしれません。

コーポレートガバナンス

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全2ページ

[1] [2]

[ 次のページ ]

【独立役員たる監査役
/「監査役の職責・機能」と「独立役員として期待される役割」との整合性】

【山口利昭弁護士ブログ/東証「独立役員」は社外監査役でも務まるのだろう
か?(100519)】
http://yamaguchi-law-office.way-nifty.com/weblog/2010/05/post-d74b.html


一般株主の利益が「上場会社の価値向上」の名のもとで、毀損されかねない場合
として、3つの場面が具体例として掲示されております。ご承知のとおり、MBO、買収防衛ルール、第三者割当増資、という典型的な場面であります。上記「期待される役割」では、これら3つの場面において共通している内容として、一般株主を保護するためには、意思決定プロセスの中に独立した立場の者の客観的な判断を取り込むことが必要であるとされており、一般株主の利益に配慮
した公平で公正な決定のために独立役員の存在は有効かつ必要である、とされています。

しかし、(私も社外監査役たる独立役員でありますが)社外監査役としての立場となりますと、すこしイメージが違うのではないでしょうか。ここで述べられているのは「意思決定のプロセスの中に独立した立場の者の客観的な判断が必要」とされておりますが、監査役は意思決定のプロセスの中で判断する立場にはありません。あくまでも会社における重要な意思決定のプロセスをチェックするだけであり、経営判断には関与しないのであります。たしかに「期待される役割」のなかで紹介されているとおり、買収防衛ルールにおいて、社外監査役が一定の役割を担うこともありますが、それは「企業価値委員会」や「社外調査委員会」などにおける組織の構成員として意思決定に関わるものであり、会社の最終的な「企業価値」に関する意思決定に参加するわけではありません。そうしますと、この「期待される役割」の文章は、社外監査役を含めて「独立役員」として就任できる制度とは矛盾していることにはならないでしょうか。さらに、上記「期待される役割」を最後まで読み進めていきますと、「留意点」としてなお、独立役員が監査役である場合には、会社法上の権限との関係で、取締役とは異なる面がありうる。と説明されております。しかし、上記のとおり「異なる面がありうる」どころか、会社の重要な局面において会社の意思決定への関わり方には大きな違いがありまして、私の理解では、重要な局面における社外監査役たる独立役員には、重要な役割は期待できないのではないか、と考えます。むしろ、これをディスクロージャー制度のひとつとして捉えるのであれば、東証の定めた独立性の要件を満たした「社外取締役」が存在する企業と、独立役員に「社外監査役」を選任している企業とでは、上場会社のガバナンス評価としては差がある、と認識してもよいのではないでしょうか。(もちろん、個々の企業の事情がありますので、これはあくまでも「有事」を前提とした一般論としての評価でありますが)


【米国/独立取締役・取締役会の機能、コーポレートガバナンス
/池永朝昭弁護士ブログ・とも弁護士の備忘録
/『米国での独立取締役の「oversight」の中味』より・・・

http://aristo1954.cocolog-nifty.com/blog/2010/04/oversight-b2c4.html


やはり英文の文献がいいだろうということで、米国法曹協会(American Bar
Association)から出版されている「会社取締役ガイドブック第5版」(Corporate Director's Guidebook Fifth Edition)を参照してみました。この本は、一般の取締役向けに書かれた非常に定評のある本でして、その昔、第2版を私と谷健太郎弁護士が雑誌「国際商事法務」のために翻訳し、別冊商事法務190号に掲載されております。最新版の第5版を一読して、やはり素晴らしい本だと思いました。

「事業会社の核心的な目的は、株主のために富を創造し増殖させることである。
取締役は、この目的のために、二つの主要な機能を通じてリーダーシップを発揮する。一つは意思決定(decision making)、今一つは監督(ovrsight)である。」

「取締役の監督機能は、例えば、財務パーフォーマンス、経営パーフォーマンス、及び法的義務及び会社の規則のコンプライアンスを含む会社の業務及び事務を監視(monitor)することである。」

「(このために)取締役は、個人として、あるいは集団として、様々な責任と権利を有している。」

こういったあとで、その取締役会の「責任」について、各州の会社法が、経営の監督の責任を強調しており、個別に何をすべきかを規定しているわけではないが、いくつかの任務が取締役会に課されていると述べて、6項目を挙げています。会社の業績の監視等といった良く見る項目の他に、特に以下のような事項を掲げているのが目立ちます。
      CEOを選任すること、CEO及び他の上級執行役(senior executives)のゴールセッティングを行うこと、彼らの報酬を評価し決定すること、適切ならば変更を行うこと(ここの変更はCEOや上級執行役を変えることも含むと読めます)CEOとトップ上級執行役のサクセッションプランを検討、承認、実行すること倫理的行動について効果的なコンプライアンス体制と方針を確立すること

6項目挙げられている中の3項目が上記の項目ですから、彼我のコーポレート・ガバナンスにおける力点の違いがとても感じられます。CEOに対する権限とコンプライアンスの強調は日本のガバナンス論にあまり見られません。企業価値向上というお題目に隠れて何が主要な機能として大切なのかの議論がみえにくいのです。

また取締役会の責任について、まずこう書き出しています。

「取締役会の主要な責任は、会社のトップマネジメントを選出し、トップ交代時の承継を計画し、企業の戦略と経営陣の業務上の行為に対する一般的指示とガイダンスを提供することにある。このために、取締役会は会社の財務及び業務の目的について大きな検討を加えなければならない。それと同時に、取締役会は会社がその業務を法律を遵守して遂行しているかどうかを監督しなければならない。」

これが社外取締役が多数を占めている取締役会の主要な機能なのですから、本当に日本の企業の今のやり方とは相当違うといわざるをえません。アメリカ型はとても強力なCEO個人の強いリーダーシップを期待する軍隊型の企業組織形態を前提とし、そのCEOの権限が適正に、法にのっとって行使されているかをモニターし、もしされていないならばそれをも交代させてしまい、承継についてもCEO一人では決めさせないという権限を、社外独立取締役が多数を占める取締役会に与えるという構造になっていると考えてよいと思います。

これに対して、社長になるためにはつつがなく減点がでないように人間関係もうまくやって順調に出世階段を上がって行く必要があり、その結果、人事権を絶対手放そうとせず、かつその決定については取締役会とは相談しない社長がいて、長期の経営方針については経営企画に依拠しており、実質、経営企画担当取締役と部長以下の若手で計画を練り上げていく、という「神輿方式」が日本の大企業のスタイルであると思います。

もしこのやり方に日本企業の閉塞状況の原因があるならば、経営革新のために取締役会の権限として何を与え、誰を構成員にするのかを議論すべきであるというのが議論の筋道です。

その議論の結果が、取締役会による実質的なCEO承継者の決定、独立取締役が多数をしめる取締役会であるならば、それはそれで説得力があると思いますが、今はそこが曖昧な議論に終わっているので、いつまでたっても議論は空回りです。この徹底的議論がもっと世間の目に見える形で必要ではないか、そうでないと、日本の企業はどこをめざすために何が必要なのかが見えないのではないかと思います。

■日本監査役協会ケース・スタディ委員会、「新任監査役ガイド(第4版)」を
公表(29日)
 http://www.kansa.or.jp/siryou/elibrary/el_007_090529.html

商事法務メルマガより・・・

【プログ管理人メモ】


取締役間での電話の議論によって、
決議事項の執行中止(決議の取り消し)を決めた



電話会議による取締役会の運営

議題について
構成員全員が自由に意見交換しうるものである場合、
許容される
(前田庸、会社法入門)


監査役は
取締役会への出席義務がある

監査役が
電話連絡に参加している・・・
自由な意見交換を確認している・・・
ことが必要

(監査役による
取締役会の意思形成過程のチェックが不可欠)


【日本・会社法
/取締役会・通信表決
/事例
/山口利昭弁護士プログ、ビジネス法務の部屋より・・・】

JASDAQの富士テクニカさんが「自己株式取得事項決議取消のお知らせ」だそうであります。

12日午前中の取締役会にて、自己株式取得事項に関する決議を行い、その旨の開示を行ったところ、取締役会に欠席されていた社外取締役さんが、決議内容を知った後、(今後、業績修正などの重要事実が発生する可能性もあり)インサイダー取引に関する社内リスクが大きいため、自己株式取得はやめたほうがいい、との意見を口頭で伝えてこられたそうで、その後取締役間での電話での議論によって、決議事項の執行中止(決議の取消)を決めたとのこと。ちなみに、電話会議による取締役会の運営につきましては、当該議題について構成員全員が自由に意見交換しうるものである場合には、これは許容される会議方法である・・・とされておりますが(「会社法入門」11版 前田庸 447頁)、監査役は取締役会への出席義務がありますので、こういった電話連絡に監査役も参加している、もしくは自由な意見交換を確認していることが必要になるものと思われます。(とりわけ、かなりイレギュラーな会議方法ですので、監査役さんによる取締役会での意思形成過程のチェックは不可欠ではないかと思われます)

全2ページ

[1] [2]

[ 次のページ ]


.
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

過去の記事一覧

検索 検索
gcy*h*18
gcy*h*18
男性 / A型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について

標準グループ

スマートフォンで見る

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

スマートフォン版Yahoo!ブログにアクセス!

よしもとブログランキング

もっと見る

プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事