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街道筋より幾体もの石像物が置かれ、恰も、誰かを山の麓より頂上へ導いているかの様に思えたのだ。
 
当初は、頂上には社が祀られているものと思い込んでいたが、其れにしてはあり得ない数の道祖神が置かれ、供え物までも村人に由って供えられていた。
 
余程、信仰が厚い村だと思ってはいたが、農家の脇には必ずといっていいほどに道祖神が置かれており、気になっていた事であった。
 
この話を聴いた権座の驚きは尋常ではなく、翠雲の顔を見つめ茫然とし、
「お主、気付いておったか・・・」
 
翠雲は、権座の驚きと、口にした言葉に確信を得た。
 
其れは、前々から思っていた事ではあったが、疑心暗鬼の推測を抜け出せないでいた事柄で、高田城三の丸に眠る金塊の一件であった。
 
翠雲は立ち上がり、湯呑茶碗を石の上に置くと、道祖神が祀られている農道を歩き出した。
 
その後ろ姿を追う様に権座が付いて歩いて行くと、農夫の姿をした幾人の者が翠雲の行く手を阻んだ。
 
すると、権座は、農夫姿の者達を制止し、翠雲を案内するかの様に山道を登り始めた。
 
権座に導かれる様に背を追い駆け始め、その翠雲の後ろには、農夫姿の権座の配下が続いた。
 
道祖神の話をしただけで、権座が翠雲の言葉に反応を示し、意外な展開になって行くのに驚いたのは翠雲であったが、権座が翠雲を何処へ案内するのかまでは不明であった。
 
山の頂上へ通じる道脇には、石像道祖神四体彫られた物が幾体も見え、山道より脇道に逸れ始めた時には、道祖神が彫られた石仏は五体に増えており、その先には社が見えた。
 
その社の両脇にはこんもりとした塚が見え、塚の頂上には大きな石を台に、徐々に小さな石が積まれた物が見え、権座は、塚に向い指を指した。
 
「道祖神は、我等と共に塚を守る氏神様である。塚の中には己の意志に反し、多くの同士が眠っている」
 
権座の言葉を借りるならば、己の意志では無くして、斬られたと言っていると解釈した。
 
翠雲は、権座が何を伝えたいのか判断できずにいたが、
「儂は、お主を信じ、此の場へ連れて参った。正種殿を信じ事に当たれば、お主は救われる」
 
権座は、一体何を言いたいのか、翠雲には測りかねていた。
 
「秀忠様の世になれば、忠輝様は容赦ない仕打ちを受けるであろう。忠輝様だけでなく、やがては伊賀の人々も重宝される事無く壊滅への道を辿るであろうな。だが、武蔵忍衆は生きて往かねばならぬ。翠雲様、この塚は、城兵を葬った塚であり、我等は守り人である」
 
翠雲は、権座が申したい事は、戦死した兵士を葬る塚であると言っているのか、あるいは、翠雲が思い描いていた金塊の行方を隠す塚なのか判断に悩んだが、権座が、早とちりした事に総てを賭け、口を開いた。
「やはり、金塊は三の丸にあらず。この場所に隠されていたのか・・・。だが、何故、金塊を此の場に埋めたのだ」
 
翠雲は、権座にカマを掛け、次なる言葉を待った。
 
すると、重い口を更に開き、
「天土様は、用心深い侍である。本多長安様より預けられた金塊は、一時、三の丸に運び込まれたが、ある夜、城内の兵士を使い密かにこの場に運び込んだのじゃ。そして、金塊を運んだ城兵を悉く切り捨て秘密を隠匿した。その後、金塊の守り人として我等を遣わしたのだ。天土様は、お主の父親と同じくして我等を信じ、道祖神を祀り、命を奪った兵士からの穢れ、災いから逃れるために道祖神様に祈っていた」
 
金塊の隠し場所を聴き出した翠雲ではあったが、その金塊の使い道に興味があり、天土が幕府顛覆のために忠輝を担ぎ出すのではないかと疑念を持っていたのだ。
 
本多長安は、流浪の身を送っていた服部正重(天土)を拾い上げ、当時、昵懇であった忠輝にお目道理を願い出許されるや、高田城の要職にまで抜擢を図ってくれた。
 
恩義ある越後高田城主、忠輝が、如何に新しい幕府体制より外れ様が、除者扱いされている忠輝に愛着を感じ、改易、召し上げとなれば救いの手を差し伸べぬ筈がないのだ。
 
その上に、敵と味方かは区別がつかぬ武蔵忍衆の信頼を得て配下に納め、金塊を密かに運び出し、この地に埋めたとなれば、その真意を知りたくなるのが人情というものである。
 
翠雲は、権座に向かい合い、この件を訪ねたが、天土様が思うが儘、と受け応えた。
 
先代の翠雲が、小田原城陥落の折、多くの金銀を城から運び出し、赤壁の地に隠した一件とよく似ていると思わざるを得ない。
 
秀忠が、忠輝に改易を申し付け、流人の身にでもなれば、必ず天土は動き、この地に埋め隠した金塊を用いて、一波乱起こす気でいることは勘繰りであろうか。
 
もし、その様な事が起きれば、武蔵忍も共に滅びる道を選択するであろうと予測できた。
 
何としても武蔵忍衆を救わねばならぬ、何故だか翠雲の心に訴え掛けるものが芽生えた。
 
其れには、服部半蔵が天土に差し向けた刺客に天土を討たせたとすれば、金塊と共に武蔵忍衆は生き残ると考えた。
 
だが、今、半蔵より天土に刺客が放たれていることを知った権座は、天土が討たれるのを見逃す事は出来ぬと判断を下し、ならば、天土が刺客より逃れ、忠輝が改易になった非常事態を想定して、事を動かさねばならぬと思った翠雲であった。
 
「権座様、金塊の隠し場所を知っておられるのは、天土様以外に何方かおられますか・・・」
権座は神妙な顔つきで、
「家老職の者ならば金塊の隠し場所を存じておろう」
 
此れこそが天土の手を離れ、金塊を悪用する者達の最後の望みであり、この金塊が幕府顛覆に用いられたならば、多くの大名を巻き込む一大事と成り兼ねないのである。
 
もし、此の場に埋め隠された金塊が忽然と消えたならば、高田城要職に就く家老が悪用するにも使用が出来ないのであった。
 
その為には権座を説得し、金塊を他の場所に移さなければならないと考えた。
 
「権座様、儂は、死ぬのを止める事に致す。順を追って話をすれば、刺客より命を狙われた天土様を助ける事に致す。その代わりと言えば語弊があるが、金塊を誰も知らぬ場所に移して頂きたい」
 
翠雲はこの様に頼み、先に浮かんだ己の考えを述べたのである。
 
悩み込む権座ではあったが、其処へ、太郎座が訪れ、父親である権座の顔を見つめ、何かの異変に気付いた。
 
面を上げた権座は、太郎座に翠雲の申し出を話しすると、太郎座は即座に金塊を移す、と答えたのだ。
 
その答えは余りにも即答で、武蔵忍衆の生き残る道といえば、金塊を誰にも悟られず手に入れ、公の人々の記憶から金塊の一件が遠のくのを待つ事であり、高田城の要職に就く者達と共に滅びるのは忍びないという事であった。
 
 
あくる日、翠雲は、小次郎、幽翠を引き連れ高田への帰路に着いたが、道すがら考えていた事は、正種が、刺客の命を受けた伊賀上忍である玄海の出現により、刺客としての内容を聴き出せば動揺を起こし兼ねない事である。
 
正種個人の問題だけでは無くして、伊賀忍衆の生きる道を絶たれる恐れがある事に関わり、一族の村長としては決断に迫れる事にあるのだ。
「正種様とは、争いたくはない」
 
正種との付き合いは長く、兄とも慕っている者ゆえ、悩みは尽きないのである。
 
一族を捨て去る難しさは、翠雲ならずとも答えは出ており、正種が翠雲に牙を向ける時こそ結論を出さねばならぬ時であった。

権座が話すには、二人の旅人は駿府より参られた旅人と太郎座を互いに紹介し、土間の方を見て何者かの姿を探す様に、
「翠雲様をお連れしたか・・・」
 
こくりと頷いた太郎座ではあったが、権座と浸し気に話をしている者が何者かと疑いの目で見ていた。
 
権座は、太郎座に翠雲を屋敷に迎える様にと申し付け、旅人の二人と雑談を交わし始めていた。
 
其処へ、翠雲が姿を現わし、旅人の二人を見るや、翠雲の顔に驚きの表情が浮かんだ。
「小次郎・・・」
言葉を発し、傍に控えている若者の顔を見、再び、驚きを隠せなかった。
 
「源五郎ではないか」
「兄上、久し振りで御座います」
 
源五郎は、初代翠雲と瑠衣との間に産まれた子で、翠雲とは腹違いの兄弟であった。
 
 
翠雲と敦姫、千姫が駿府で会い、その時、源五郎と小次郎(風魔一族)をも赤壁より伴って来てはいたが、敦姫は、翠雲と千姫を会わせる事を優先し、城下で待たせていた源五郎と小次郎を翠雲に会わせる機会を失っていたのである。
 
駿府より急ぐ旅立ちをした翠雲に、源五郎と小次郎との再会は出来ずに終わったが、敦姫は、二日遅れで翠雲の後を追う様に命じ、武蔵国を入った所で権座の配下に捕捉され、屋敷で足止めを余儀なくされていた。
 
小次郎は、一刻も早く高田相模屋に到着せねばとの焦りか、権座に事情を話した。
 
すると権座は、翠雲様ならば、この屋敷へ参られる、と源五郎、小次郎に伝え、翠雲が来るのを待っていたのである。
 
小次郎が伝える所に由れば、幽翠(源五郎)を翠雲の下で働き、翠雲の片腕に成長を願っていた。
 
「兄上、源五郎改め、幽翠の名を母上より頂きました」
 
翠雲は、源五郎が遅くなった元服を済ませた事も知らぬ儘に越後高田で奮闘し、幽翠に申し訳ないと感じ、頭を下げた。
 
小次郎は、一時は武蔵忍に身柄を捕捉され心配したが、翠雲に会えた喜びに浸り、
「幽翠、教えを乞うお方に兄上はない。翠雲様と御呼び致せ」
小次郎は、幽翠に厳しく言葉を述べ、翠雲へ頭を下げた。
 
 
赤壁の誰もが五歳になれば、忍の技を身に着ける事が要求され、御多分に漏れず源五郎(幽翠)も風の穴へと入り、其処で修業を重ねた上に瑠衣の考えであろうか、無理やり小次郎に頼み込み、更なる技に教えを乞うたのだ。
 
翠雲も小太郎の時代に風の穴に入り、幾戦もの経験を積み重ね、現在に至っている。
 
 
源五郎は、風の穴を卒業すると共に、元服を済ませ、幽翠の名を与えられた。
 
しかし、如何に訓練を積み重ね、技を磨いたとしても実戦を経験しなければ仲間の足枷になり、その点、幽翠は実戦に乏しく、未知数といってよかった。
 
 
「小次郎、お主の姿を見た時、心強い味方が現れたと安心致した。他の者は・・・」
「敦姫様が赤壁へ戻られた後、龍太(風魔一族)の一群が此方に向かう予定であります」
 
翠雲は、権座に向き直り、山伏一行の顔検めの件を話し、天土に差し向けられた刺客であると断言した。
 
太郎座は、天土への心配であろうか、翠雲の話を聴き終え、見る間に顔色が変わり、翠雲の顔を拝むように見つめ、考え込んでしまった。
 
「最大の敵は、伊賀忍衆であるが、無闇に手を出せば武蔵忍は崩壊致す。父上(初代翠雲)も幾度となく伊賀者と戦いを繰り返し、表向きは家康様の配慮に由り小康状態を保ってはおるが、今回は、ちと事情が異なる。服部半蔵は、伊賀忍衆の命運を賭け、己の息子である天土様を葬り、何もかもを消す事で、伊賀の郷を守る考えである。勿論、儂への刺客も覚悟せねばならぬ。伊賀の郷を背負う宿命であろう」
「では、正種様の御立場は・・・」
「正種様は、苦境に立たされるであろうな。何故なれば、現在率いておられる配下は、俄か集めの伊賀忍衆であるからだ。玄海が如何なる探りを入れ、正種様の存在を知るかが鍵になって参ろう」
「権座様、儂の願いは、高田藩が御取り潰しになろうと意に返さぬ。只、父と繋がり、儂が高田へ乗り込んだ後、協力を惜しみなく注いで頂いた武蔵忍衆を御守り致したい」
 
翠雲は、権座、太郎座を前に本音を語り、天土の命は二の次であり、武蔵忍が生き残る道を模索せよと言っているのである。
 
だが、玄海が天土を討ち果たした後は、刃が己に向く事は確実であり、最早、刺客が差し伸べられていると読んだ。
 
服部半蔵が差し伸べた刺客より己の身を守るには、天土と武蔵忍衆を守る手立てを見出さねばならぬ所まで追い込まれてきていた。
 
仮に、正種が味方に付いたとしても、配下の伊賀者が反旗を翻した場合、正種の命も消える立場にあると思わねばならぬと考えられるのだ。
 
己に差し向けられた刺客とは、半蔵と直接話が出来る者を思い浮かべて見た。
 
自らが、出向いた駿府の事を照らし合わせれば、半蔵と接触が出来る伊賀者といえば一人しかおらず、三姉妹の次女で涼と見当を付けた。
 
だが、高田に帰っても涼の行動には怪しい動きが見られず、果たして涼が刺客であるか半信半疑であったが、涼が刺客であるならば、凛、蓮も疑いの目を向けねばならなかった。
 
天土へ半蔵より刺客が放たれた事を正種に知らせ、後は、正種の判断に任せる事にした。
 
太郎座に、天土へ刺客が放たれた事を正種に告げる様に命じ、自らの手元に合った徳利と湯呑茶碗二つを持ち上げると、権座を外に連れ出した。
 
権座は、翠雲が手にした湯吞茶碗を受け取り、茶碗に並々と酒が注がれるのを待ち、二人が座れるほどの石に腰を掛け、話とは・・・、と翠雲に語り掛けた。
 
翠雲は、天土の命、己の命を守る良い方法が見つからぬ、と悩みを権座に打ち明けた。
 
一気に茶碗の酒を飲み干した権座は、即座に、死になされ、と一言漏らしたのだ。
 
確かに死ねば刺客に狙われる事無く無縁に生きて居られるし、半蔵が涼に命じた刺客の一件から涼は逃れる事が出来る、当に、一石二鳥の名案であった。
 
だが、翠雲を葬るほどの者といえば身近にはおらず、嘘が即座に判明する事だけが悩みと残った。
 
権座は、その事にも触れ、儂に寝首を狩られた事にすればよい、と述べた。
 
腹の決まった翠雲は、権座に笑みを返し、話とは全く関係の無い事を口にした。
 
その事とは、初めて権座の屋敷を訪れた時に不審に思った事を述べたのである。
 
それは、屋敷よりやや離れた場所に祀られた幾体もの石像道祖神を目にした事であった。
 
今まで幾体もの道祖神を目にして来た翠雲ではあったが、石に彫られた石仏が四、五体にも及ぶ物は見た事がなかった。
 
其処で、此の珍しい石仏道祖神の訳を持ち出したのだ。

長い間の別離の狭間を埋める口づけであり、二人の間に束の間の幸せが蘇った。
 
其れは、翠雲が戦いの為に赤壁を離れる前日、翠雲と千姫は狂わんばかりに互いの躰を求め合い、永遠の愛を誓い合った出来事であった。
 
ゆっくりと互いの唇が離れ、すると、翠雲の顔に笑みが見え始め、千姫は、そっと右手を翠雲の太腿に当てた。
 
翠雲は、千姫の顔を見れば、心配していますとの表情が顔に出ており、千姫の手を握り締め、躰を己の胸に引き寄せた。
 
千姫は、敦姫の心情が有難いと思っており、一日も早く翠雲の子を宿したいとも考えていたのか、急に感情が込み上げて来たのであろう、胸に抱かれながらも上目遣いに翠雲の眼を見つめ、ゆっくりと目を閉じた。
 
翠雲の唇が千姫の唇に触れ、右手が、千姫の襟元を潜り抜けて行くのが解り、固くなった乳房に触れると千姫の躰は反応した。
 
熱いため息が千姫の口から洩れ、襟元を開ければ興奮の為に白い肌は赤く染まっていた。
 
 
翌日になり、正信より呼び出しを受けた翠雲は、正信の口から家康の言葉が伝えられ、天土となる者の命と、金塊を手に入れる様に、と受け賜わった。
 
翠雲は、正信の前を退席した後、千姫の待つ部屋に戻り、難しい顔をしていた。
 
千姫は、翠雲が只ならぬ事を命じられたと悟り、命をも賭けねばならぬ事態に追い込まれた顔をじっと眺めていたが、昨夜の余韻が残っている躰を翠雲の前に曝け出した。
 
千姫に取っては一大決心であろう、はしたない行為だと知りつつも翠雲の心を癒すには女の身を差し出す他はないと悟ったのである。
 
翠雲は、千姫の心情が可愛らしく思い、再び、千姫の躰を抱き、
「儂の子を産むのじゃ、千」
 
千姫は、嬉しさの余り一筋の涙を流し、
「譬え離れていても、千の心は翠雲様の元に御座います」
 
己の子種を千姫の躰の中に残した翠雲は、死が訪れたとしても、愛する者の躰に宿る子が育てば血は受け継がれるとの思いからか、晴々とした気持ちが訪れた。
 
二人は、身支度を整え、敦姫の居る部屋を訪れ、心遣いを感謝すると共に、千姫を敦姫に託した。
 
 
翠雲は涼を伴い、再び、越後高田の地を訪れ相模屋に舞い戻った。
 
迎えに出た凛と正種に会い、腹を割り、家康の言葉を伝えた。
 
正種は、天土を葬るのは、翠雲の立場からすれば簡単である、と伝えたが、三の丸に隠されているとされる金塊を手に入れ、運ぶには其れなりの人出が必要で、不可能に近いとの判断を下した。
 
翠雲は、思案に思案を重ねたが、金塊を運ぶ手立てが見つからぬ以上、天土を討取るのは伸ばせねばならぬと考えた。
 
 
あくる日、高田城に登城した翠雲は、家老である花井義雄に会い、再び、職務に着く事を報告し、三の丸に出向き、太郎座を交えて天土と顔を合わせた。
 
天土の顔を見つめていた翠雲は、ふとした事から、服部半蔵の顔が浮かび、半蔵が己の次男が仕出かした事実を知った時の顔を思い浮かべた。
 
表情を顔に出さぬ半蔵の顔色が曇った一瞬を見逃さなかった。
「半蔵の立場なら・・・」
この思いが脳裏を離れる事無く付き纏い、如何なる手段に打って出るか思案した。
 
「天土を討ち取り、闇に葬る。或いは、総てを知っている刃を己に向けるのか・・・」
 
半蔵ならば、何方の思い当たる考えを実行すると思われた。
 
何故であろうか、その様な思いに馳せた時、目の前に居る天土を守らねば、との心が叫び、前に座る天土の顔を見つめた。
 
すると、天土が口を開き、何か悩み事でも、と心配した口の利き方で話し掛けて来た。
 
「柳生を追い払い、城内に平穏が訪れておるが、何か心配事でも・・・」
「天土様、柳生が求めて攻撃を仕掛けて来たのには、金塊の所在を探ると共に、天土様を亡き者にとの企てで御座います。何れにも失敗したとなれば、柳生は、幕府を動かし、次なる手段に打って出る事は間違いが御座いません。その手立てとは、伊賀忍衆を用い、天土様を亡き者に・・・」
「翠雲様、儂は、伊賀衆より命を狙われる事はなかろう。心配なさるな」
 
天土は、伊賀忍びである以上、伊賀者より命を狙われる事はないと言っているのであり、伊賀者であるからこそ狙われ、抹殺される事が念頭にないのである。
 
この事を天土と話し合えば、いつまでも平行線であり、結論は出ないばかりか、己の危険が迫ることすら否定していた。
 
自らが、金塊の在処を話さねば、我が身は安全であり、金塊を狙う者からすれば生かして捕らえる他はないとも受け取られ、忠告も意に返さぬ態度であった。
 
 
服部半蔵の命を受けた玄海の動きは素早く、駿府を離れ、江戸より三国街道を下り、一気に越後高田を目指していた。
 
この不穏な動きは、武蔵国を通る旅人に脅威を与え、権座の耳に入らぬ訳がなかった。
 
「権座様、山伏集団が、高田を目指しておられます。おそらく忍かと・・・」
手下よりこの様な報告を受けた権座は、下手に手出しをすれば配下を失うばかりか、己の身にも危険が及ぶ事を恐れ、自らが出向き、報告された山伏一行を一目見、確かめる事にしたのである。
 
手に鍬を持ち、農夫に変装した権座は、足の運びから山伏集団の先を行く間者と思われる二名の者を捉え、その後に続く山伏一行を畑より眺めた。
 
足の運びからして、間違いなく忍であり、それも、皆手慣れた者であると判断を下した。
 
その時、ふと脳裏に浮かんだ顔は翠雲であり、高田相模屋に居ることを祈り、この山伏集団の存在を知らせる事であった。
 
手慣れた忍集団を高田に侵入させれば、息子である太郎座の命に関わる事となり、其れを避けるには翠雲の手を借りなければと思い立ったのである。
 
権座の手下は一目散に高田相模屋を目指し、無事に翠雲に会う事が出来た。
 
権座の言葉を翠雲に伝えるや、居合わせた太郎座と共に旅支度し、権座の元へと駆け付けたのである。
 
権座の配下が急を告げる言伝を齎せた時、瞬時に、自らの思いが蘇り、天土を抹殺する刺客が半蔵の下で動き出した事を知り、如何なる伊賀者が刺客として高田へ乗り込むか、己の眼で確かめずにはいられなかった。
 
 
矢張り忍であろうか、三国街道を駆けに駆け、権座の手配した仲間と落ち合い、即座に農夫への変装を済ませ、目指す刺客一行を待ち構えていた。
 
権座の手下が、翠雲の耳元で囁き、あの者二名は露払いと思われます、と伝え、その後に続く山伏一行を待ち続け、山伏一行が姿を現わした。
 
集団の先頭に立つ男の顔をじっくり眺めると、何処かで見た顔立ちであった。
 
思わず声を上げそうになった翠雲ではあるが、此処は押さえて、その男の正体を思い出した。
 
岩村城攻防戦の折、徳川本陣に連れ去られ、翠雲を本陣より大坂まで道案内をした玄海という忍であることに気が付いたのである。
 
「半蔵の配下に間違いない。天土様を討ち取る為に派遣されたか・・・」
 
山伏の姿に変装した刺客の顔を確認した翠雲は、遂に、半蔵の手に由り刺客が放たれた事を知ったのだ。
 
「天土を刺客の手に渡し、金塊を奪い去れば事は成就出来る。だが、天土、太郎座、権座をむざむざ殺させ、高田藩までも滅亡へ導くかは己の判断に委ねられている」
翠雲は悩んでいた。
 
それも其の筈、越後高田に乗り込んだのは、正種を始め、凛、涼、蓮、総てが伊賀者で、自らの味方といえる赤壁衆は誰も存在しないのである。
 
伊賀滅亡となれば、伊賀衆が結束するのは間違いない事で、周囲は敵ばかりと翠雲の眼には映り、家康よりの命令を反故にしてまでも高田藩を護り通さねばならねばならぬ義理はないのである。
 
義理があるとすれば、権座、太郎座の武蔵忍衆が父である初代翠雲との関わり合いで築いた絆だけであり、その御蔭で越後高田藩への地位を得たのであった。
 
腹を決めれば、前途には武蔵忍が見えて来ており、周囲が伊賀衆ばかりでないことを悟った。
 
太郎座へ、
「権座様に会いたい。直ぐにでも案内を頼む」
己の口から出た言葉は、権座に総ての事を話し、協力を求める事であった。
 
 
翠雲と太郎座は、父親である権座の屋敷へ参り、土間に入った所で、真新しい草鞋を見つけ、先客が訪ねている事に気付いた。
 
太郎座は、翠雲に危害を及ばす者が訪ねて来てはいないかと心配し、翠雲に屋敷の外で待つ様に言い、囲炉裏のある部屋に入って行った。
 
其処には、見慣れぬ二人の旅人がおり、会釈を交わす太郎座に旅人は会釈を返し、権座の言葉を待った。
家康の下を離れ、城内の一室に案内された、翠雲、敦姫、千姫は、お互いに顔を見合わせ、徐々に湧き上る再会のためか、強張った顔に笑顔が戻り始めた。
 
「伯母上、千姫、心配をお掛けした、この通り、相済まぬ」
 
二人に深々と頭を下げた翠雲の手を千姫が握り、無事でいてくれた事への喜びか、握り締めた手に力を込め、大きく、泣き崩れたのである。
 
泣き崩れた千姫の肩にそっと手を添え、背を摩り始めた。
 
敦姫は、二人の様子を微笑ましく窺い、静かに部屋を後にした。
 
泣き止まぬ千姫の背を摩りながらも、いない間如何程の辛い思い、苦労を重ねたか、千姫の震える背が物語っていた。
 
千姫の顎に手を添え、懐から取り出した油紙で、真っ赤に腫らした目の涙を拭き、そっと唇を合わせた。
 
千姫は、温かな唇が小太郎、否、翠雲であるか確認するが如く目を開け、愛しい主人である翠雲の顔を眺め、
「御会いしとう御座いました」
はっきりとした口調で、己の本心を曝け出した千姫であった。
 
「千、儂が居ない間、苦労を掛けたな。再会する事が出来、儂も嬉しいぞ」
 
あらん限りの力を両手に込め、千姫を抱き締めた翠雲であった。
 
敦姫が立ち去った部屋には、翠雲と千姫が積もる話に花が咲き、空腹を覚えたその時、翠雲の口から意外な言葉が出た。
「凛、部屋付きの侍女に夕餉の支度を申し付けよ」
 
千姫は、翠雲が如何なる者に命じたのか訳が分からず狼狽えていると、翠雲は、部屋の外に控えていたのは、同志であると伝え、話を赤壁の事に戻した。
 
千姫は、翠雲が姿を消してから、翠雲の母である瑠衣、敦姫より、武芸、乗馬を習い、日々、鍛錬を行っていた事を話し、上田より駿府まで馬で来た事も付け加えた。
 
翠雲は、ひ弱な千姫が馬に乗り駿府まで駆けて来たことに驚き、千姫の手の平を眺めた。
 
手の平には、幾つかの小さな豆が出来ており、苦労した痕が滲み出ていた。
 
すると、部屋の外より声がし、敦姫様も御一緒なさるそうですので、膳を運ばせて頂きます、と侍女の声がし、襖を開いた。
 
「千姫、翠雲と話が出来ましたか・・・」
優しさを含んだ敦姫の声に、千姫は、元気を取り戻したかのように笑みで応えた。
 
 
家康の寝床を、翠雲、正信よりも一足先に退席した半蔵は、一旦、己の部屋に戻り、城内の警備に当たる者より耳打ちを受けた。
「翠雲様の御伴に涼が参っている様で御座います」
 
半蔵は、天土となる者が、我が次男と驚きをもって聴き、退席後もこの言葉が脳裏を離れなかった。
 
天土が、服部正重で、幕府の金塊を横領した張本人だとは夢にも思えなかったのだ。
 
此の侭、翠雲が高田に戻り、正重の悪事が公になれば、己の身ならず伊賀忍衆の崩壊に繋がると考えていた。
 
「涼を、儂の下に呼んで参れ」
配下に命じた半蔵は、翠雲が、如何程までに調べ上げているか、を訪ねる心算であった。
 
部屋で、翠雲の帰りを待っていた涼の元へ半蔵の配下が訪れ、半蔵の言葉を伝えるや、その言葉に誘われるかのように半蔵の下へ姿を現わした。
 
涼より、詳しい事情を聴き出そうとした半蔵ではあったが、天土と金塊の繋がりに付いては、涼は知らぬ事であったのだ。
 
半蔵は、涼が嘘をついているとは思えず、涼に、翠雲が生きていれば、伊賀の壊滅に繋がる危機を訴え、その対策として、翠雲を亡き者にすれば伊賀は救われる、と説いたのである。
 
涼は、悩んだ末に出した答えは、譬え、急場凌ぎであると承知で、半蔵の命令を承諾する事であった。
 
部屋に戻った涼は、半蔵の言葉を反芻したが、我身が賊に襲われた時に、己の身の危険を顧みず助けてくれた翠雲の恩を思えば、半蔵の言葉よりも翠雲の行動に重きを置かざるを得ないのである。
 
 
服部半蔵は、涼に翠雲を討ち取る様に命じ、屋敷へと戻ると直ちに配下である玄海(半蔵の配下、上忍)を呼び寄せ、思案の末出した言葉を口にした。
 
其れは、考えに考えた苦渋の選択で、己の次男である天土(正重)を討ち取る命令であった。
 
半蔵にすれば、金塊の事など念頭になく、己の身、伊賀の郷を守るべき手段に出ただけである。
 
天土が半蔵の次男である事が露見すれば、金塊を横領した首謀者に加担されたと勘繰られ、良くても遠島、悪ければ、領地召し上げの上、切腹を幕府より言い渡される可能性があるのだ。
 
その様な事から逃れるためには、翠雲を討ち、天土の存在を消さねばならない。
 
玄海に十名程の配下を与え、越後高田へ向かう様に伝え、高田藩、天土と名乗る男を抹殺する様に申し渡した。
 
 
部屋に運ばれた膳に箸を付け、敦姫が、翠雲の留守の間に千姫が如何なる武芸を身に着けたか話をし、翠雲は笑みで応えていた。
 
「小太郎様・・・、翠雲様でしたね」
千姫の胸の内には翠雲の名が馴染めず、苦労をしている様子であった。
 
「御一緒に赤壁へ帰れますか・・・」
「明日、正信様より沙汰が言い渡されると思うが、今一度、高田に戻り、事を解決せねばならぬと考えておる」
 
この様な話で暫しの和んだ時は流れ、膳が片付けられ、その間にも別室では、布団が敷かれていた。
 
敦姫と千姫は、案内された部屋に入りはしたが、敦姫の粋な計らいが千姫に齎された。
「積もる話もあるであろう。千姫、翠雲の部屋へ私と共に今一度参る」
 
敦姫は、千姫を連れ翠雲の寝床の前で襖を開け、千姫の肩を後ろから押し、勢いで部屋に押し込まれた千姫は翠雲の顔を見つめるなり口を開く間もなく、敦姫はその場を去って行く。
 
放り出された格好の千姫は、翠雲の顔を見つめ顔を赤らめ、総てが、敦姫が仕組んだ心遣いであると伝えたが、言葉途中で翠雲の唇が千姫の口を塞ぎ、言葉を遮った。
その場に姿を現わしたのは敦姫で、侍女らしき者を連れ、家康の見舞いに参ったのだ。
 
敦姫から見舞いの言葉を受けた家康ではあったが、敦姫が連れて来た侍女に気を奪われていたのか、上の空で聴いていた。
「敦姫、連れて参った侍女は・・・」
 
面を伏せていた侍女の顔を見ることは出来ず、苛立つ家康であった。
 
正信も、敦姫が連れて来ていた侍女の名を聴いておらず、正信の近習に由れば、家康に目通り願いたい、の一点張りで、名は伝えていなかった。
 
「大御所様、此方に控えております女子は、大御所様が良く御存知の御方で御座います。面を上げ、お顔を大御所様に御見せ致せ」
 
千姫は、ゆっくりと面を上げ、家康に顔を晒したのである。
 
家康は、千姫の顔を見ても誰なのか思い浮かべる事は敵わず、
「敦姫、何者であるか・・・」
「大御所様、今一度、姫の顔を御覧下され」
 
家康は、苛立ちを覚えたのか、敦姫ではなく、直接、女に問い、名を申せ、と迫った。
 
「御爺様、御久し振りで御座います。御気分が優れぬ御噂を耳に致しましたので、お見舞いに参上致しました。千姫で御座います」
 
千姫の口から名を聴かされ、驚きを隠せないのは家康ではなく、正信であった。
「何故、何故に、千姫をお主がお連れしたのだ・・・。殿、千姫様が、お見舞いに・・・」
 
千姫と名乗った女の顔をじっと見詰めた家康は、幼き頃の千姫を思い出し、その面影を見出した。
 
「解かっておるわ。千、何故に敦姫と参った。お主は、確か、姫路、本多忠刻の元へ嫁いだ筈だが・・・」
「御爺様、其れには深い事情が御座います。大坂城より助けられ、暫らくの間、二条城に身を隠しておりましたが、父上の御命令で江戸へと向かいました。その途中、賊に襲われましたが、ある者の手に由り救われました」
「では、江戸へ到着した者は何者で・・・」
「正信、千が、説明している時に横槍を入れるではない」
「江戸へ到着致しましたのは、私と瓜二つの千代と申す者で御座います。若しもの場合を考えまして、影武者に二条城にて教育を致しました。賊に襲われました時、千代と私との籠が御座いましたが、当初より千代を私と思っていた護衛の方々は、その輿のみ助け、私は危うく賊の手に渡る所を助けられ、一行の者と分かれ離れになりました。私を助けて下さいましたのは、赤壁城主、小太郎様で御座います。小太郎様の優しさに心身ともに癒され、私は、小太郎様の妻になる事を決め、伯母上で御座います敦姫様に相談を致しまして婚儀に至りました」
「千、その様な事が許されると思っているのか・・・」
「御𠮟は、御尤もで御座います。私は、千姫として生きて行く事を捨てた者で御座いますが、御爺様の病状が心配で、敦姫様に無理やり御願い致しまして、駿府に参りました」
 
千姫の話を聴いた、家康、正信は、突然、家康の見舞いに訪れた者が、千姫だと知った驚きは尋常ではなく、千姫が話した事が事実であれば、千姫を名乗った女を処罰しなければならず、思わず絶句した二人であった。
 
「敦姫、この様な申し立て、儂が認めるとでも思ったか、佐渡、敦姫より赤壁を取り上げよ」
「殿、もし、その様な事実が公になりましたならば、敦姫だけでなく、秀忠様の汚点にも関わる問題で御座います。赤壁の件は取り下げ、事を穏便に済ませねばなりませぬ」
「佐渡、妙案が浮かんだ様じゃな」
「はい、秀忠殿には内密に、千姫様を此のまま敦姫の元で暮す手立てを講じなければなりませぬ。翠雲は、別室で控えておりますゆえ、お連れ致します」
「・・・、佐渡に任せる」
 
正信の口より、翠雲の名が出た事で千姫の鼓動は高鳴り、自らの顔を赤らめた。
 
「小太郎様が、駿府に居られる・・・」
千姫は、小太郎に会ったならば、何を話すべきか考えてはいたが、いざ、その時が迫れば、頭の中は真っ白になり、無事でいてくれていた嬉しさか、一筋の涙が頬を濡らした。
 
正信に連れられ、家康の前へ登場した翠雲ではあったが、家康の傍にいる二名の女性を見た時、千姫と敦姫であると認識した。
 
しかし、表情には出さず、家康に再び面を伏せ、
「御呼び頂き、参上致しました翠雲で御座います」
面を上げ、家康の御傍へそぞろ歩きで向い、敦姫と千姫に軽く会釈し、家康の下へと行き、再び面を伏せた。
 

「翠雲、お主は、儂に秘密にし、千姫を娶った。本来ならば切腹を申し渡す所ではあるが、今回の件で手柄を上げ、褒美として許す。今夜は、積もる話もあるであろう、城に泊まるとよい。佐渡より、今後の沙汰は、明日、申し渡す。下がってよいぞ」
 
家康の顔を拝むことなく言葉を聴き、正信に会釈した後、家康の下を離れた。
 
翠雲に続いて、敦姫、千姫が退席し、家康が正信に言い渡したのは、翠雲と千姫の事は公にせず、千姫の化粧料として五万石を翠雲に与える、この様に申し渡した。
 
翠雲が退席後、家康は、正信に高田城三の丸に隠されているとされる金塊は、翠雲が手に入れ、幕府に差し出す様に命じたのである。

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