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アトールは1970年代「フランスのイエス」と呼ばれていたプログレ(ユーロ・ロック)グループです。
しかし、僕は全くイエスとは共通点は見出せませんでした・・。
このバンドは、70年代に確か4枚のアルバムを出しているが、この1975年リリースのセカンド・アルバム「夢魔」がやはり代表作品だろうと思います。
当時、このバンドが日本で結構人気があった理由としては、やはり、ヴォーカルのアンドレ・バルツァーの力量だと思います。
アンドレは、フランス語のエキゾチックな響きをともなう素晴らしい歌唱力で、日本人が勝手にイメージする、フランスの香りを充満させ、リスナーに対し色彩やかな景色を現出させるといった力量を持っていました。
各演奏者のテクニックはそれなりに高かったが、ヴォーカルを打消し気味の他のプログレバンド程、前に出た演奏はしていませんでした。
演奏の特徴としては、ヴァイオリンを効果的に使い、よりいっそうの「フランス加減」をかもし出していました。
しかし、ヴァイオリン奏者の、リチャルド・オーベルトは、『夢魔』発表後グループから脱退している。したがって、“おフランス”なヴァイオリンが聴けるのは、このアルバムだけです。
つまり、彼等は、日本人がイメージする、“フランスのロックはこうあるべきだ”という音を出してくれるグループなので、それゆえに日本で人気があったと思います。
当時、ヨーロッパ各国では、人気の主流はあくまでも、英米のメジャー・グループなのだが、それらをお手本とし、それぞれの国の言語で歌うグループが必ず存在したものです。
そして、その種のグループが国内で熱狂的な支持を受けたという事実がありました。
これは、現在の日本における、J−POPと同じような状況ですが、当時はヨーロッパ各国でこのような状況になっていました。
そして、当時フランスにおけるその存在がアトールであったのです。
僕はフランスのバンドの持ち合わせた、いい意味の「上品さ」は結構好きで、80年代の「トラスト」と言うバンドも結構好きでした。
このバンドも歌詞がフランス語でした。
とにかく、アトールは少しでもプログレッシヴ・ロックに興味がある人は一度聴くべき価値があるグループだと思います。
『夢魔』はもちろん、その次の『サード』もかなりお勧めです。
もしかしたら、『サード』のがポップなので、聞きやすいかも。
80年代に入ると、アトールはギタリストのクリスチャン・ベヤを中心に活動を続け、1989年には来日も果たしました。
しかし、なぜかヘヴィ・メタル色が強くなっていて、『夢魔』の頃とは全く別物のサウンドになってしまっていました・・。
最後に・・僕はヴァイオリンが好きです!
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