戦争協力させない東京ネットワーク

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◆海外派兵恒久法を急ぐ与党
 与党(自民党とその脇腹にしがみつくコバンザメ=公明党)は海外派兵恒久法の制定を急ぎ始めた。以下は2月10日付『産経新聞』からの引用である。

 〈高村正彦外相は2月10日、ミュンヘンで開かれている安全保障政策の国際会議で演説し、従来の国家の枠を超えた「地球規模」の安全保障の確立の必要性を訴えた。外相は、伝統的な安全保障に関する議論だけでは不十分と指摘した上で、「テロや大量破壊兵器拡散など国家の枠を超えた地球規模の課題に対処していく必要がある」と強調した。
 国連の平和維持活動(PKO)についても言及。「日本は国力的にもまだ努力の余地がある」とし、現行制度下で参加可能な派遣を積極的に推し進める方針を示した。外相は、世界の平和と繁栄の実現を目指し、「日本の持つマンパワーを柔軟に国際的な平和協力活動に生かしていく」とも語り、今後、必要な法制度の検討を進める意向を明らかにした。〉

 日本の外相がこういう異様に高揚した演説をぶつようになったのは、2006年6月29日に現ブッシュ大統領と小泉首相(当時)が共同宣言「新世紀の日米同盟」を発したからである。その一部を引用するが、この共同宣言は現在の日米関係の根底をなしているので、全文を繰り返し読んでほしい。

 〈日米両国は、テロとの闘いにおける勝利、地域の安定と繁栄の確保、市場経済の理念・体制の推進、人権の擁護、シーレーンを含む航海・通商の自由の確保、地球的規模でのエネルギー安全保障の向上といった利益を共有している。両首脳は、テロとの闘いにおける最近の成功や、イラク新政府への支援、イラン問題を含む不拡散面での協力といった幅広い地球的規模の活動に関し、両国の共同の取組みを改めて評価した。大統領は、アフガニスタン及びイラクにおける日本の人道復興支援、並びにインド洋での多国籍軍に対する日本の支援を賞賛した。両首脳は、「世界の中の日米同盟」が一貫して建設的な役割を果たし続けるとの認識を共有した。両首脳は、日米間の友好関係や地球的規模での協力関係が今後とも益々発展していくことを共に希望した。〉

つまり高村外相のいう「地球規模の安全保障の確立」は「世界の中の日米同盟」が一貫して建設的な役割を果たし続けることによってなされ得るのである。上の引用文において「テロとの闘いにおける勝利」あるいは「テロとの闘いにおける最近の成功」という言葉が重要な意味をもっていることに読者は気づくだろう。外務省仮訳の「テロとの闘い」は、ブッシュ大統領がそれを戦争と考えている以上、「テロとの戦い」とすべきだろうが、それはともかく、この共同宣言によって日本の「テロとの戦い」への参加は「地球的規模」にまで拡大された。高村外相の発言はそれを改めて確認したのである。

 しかしそうであれば、日本の「テロとの戦い」はこれまでのように、ことが起きるたびに時限的な特別措置法(特措法)を作るにわか仕込みの対応であってはならず、一般法(恒久法)を整備して、「いつでも、迅速に」実施されなければならない。だから与党は今通常国会内に法案を提出しようとしているのである。

 その場合不可欠にして必要最小限のことは、武器使用基準の大幅な緩和である。それは民主党のアフガン派兵法案にも明記されている。《それゆえ》自民党幹部は堂々と緩和をブチ上げている。すでに言及したように、戦闘しないが武装した実力組織を治安の回復や維持のためではなく「復興支援」のために送り込むという魔法か手品のようなことを強行しようとしているのだ。しかしブッシュ政権に迎合してアフガン派兵をめざすなら、「非戦闘地域」においても戦闘を覚悟せねばならない。アフガンの軍事情勢は急速に転変する。当面の「非戦闘地域」はどこも「戦闘地域」に転じ得るのであり、しかも「非戦闘地域」は掃討作戦という軍事行動によってしか生まれない。


◆アフガン戦争とは何か
 ここでもう一度、米英が始めたアフガン侵略戦争の基本的性格を振り返ろう。2001年9月11日に米国で起きた惨劇はウサマ・ビン・ラーディンらイスラム原理主義者によって引き起こされたと、ろくに調査も進まないうちに断定して、米英はアフガン侵略を強行した。しかしビン・ラーディンらをかくまっていると非難されたタリバーンの政府は米国政府との交渉を申し出ていたのだ。ブッシュ政権はそれを無視して空爆を開始した。外交による解決をまったく放棄して先制攻撃に踏み切ったのだ。これは典型的な国際法違反である。

 米国政府は自分に都合のいい政府なら独裁政権であっても進んで癒着し、その政権が倒される最後の瞬間まで軍事的・経済的に支援する。それについてはインドネシアのスハルト、フィリピンのマルコス、ルーマニアのチャウシェスクとの関係を想起すれば十分だろう。サダム・フセインが「中東の怪物」になったのは、イランで起きたイスラム革命が周辺諸国に波及するのを恐れて、米国政府がイラン・イラク戦争(1980〜1988)でフセインに軍事的支援を続けたからである。米国政府は化学兵器を含め大量の新鋭の兵器をフセインに提供した。しかし戦争が終わり、武力を蓄えたフセインが米国政府のいうことを聞かなくなると、フセインをつぶすために湾岸戦争を仕掛け、ついで〈9・11〉を口実にイラク侵略戦争を始めた。

 タリバーンがアフガニスタンを実効支配するようになったのも、同様に米国政府・CIAの策略の結果である。ソ連(当時)のアフガン侵攻を押し戻すため、CIAはムジャヒディン(イスラム聖戦士)に武器を提供した。ビン・ラーディンはムジャヒディンだったが、湾岸戦争で自分の母国、サウジアラビアが米軍の出撃基地にされたことをイスラムの聖地の冒涜と受け止めて反米に転じたといわれている。1979年に始まったソ連のアフガン侵攻は89年のソ連軍の完全撤退で終わったが、その後のアフガン内戦でタリバーンが台頭し、北部を除いて同国を実効支配することになったのである。

 つまり米国政府は自らがまいた種から生まれた予期せぬ結果に対処せざるを得ず、その事実を隠蔽しながら「テロとの戦い」を拡大しているのである。
 日本にビン・ラーディンの一味と思われる者たちが潜入したと思われるのに、日本政府はなかなか逮捕して引き渡そうとしない。それで日本への空爆を始めた……。米英のアフガン侵略はそれと同じことである。2003年3月に始まったイラク侵略もそうだが、ブッシュ政権は国際法も国連も世界の世論もまったく無視して、「攻撃したいから攻撃した」のである。米国は自らが至高の法であり、それ以外はどうでもよかった。単独行動主義(ユニラテラリズム)は米国が至高の法であるという思い上がりによって正当化され、それは今も変わらない。核使用を含む先制攻撃は米国だけに許される。なぜか。米国は世界最大の軍事力をもつ最強の国であり、他のどの国も服従させられる。だから米国は自ら至高の法なのである。一極集中は終わり始め、世界は多極化に向かっているという意見も台頭しつつある。しかしそうであるなら、米国の支配層はよけい自らが至高の法であることにしがみつき、威を振るおうとするにちがいない。

 米国は徹頭徹尾国際法を無視し破壊しつつ、大規模な「国際テロ」を続けてきた。小泉首相(当時)はこの明白な「国際テロ」(アフガン侵略・イラク侵略)をもろ手を挙げて支持し、それに加担した。それは安倍政権でも福田政権でも変わっていない。傲慢で尊大な力の論理を振りかざす最も野蛮な国家に跪(ひざまず)き、どこにもどのような正当性も見出すことができない人類に対する巨大な犯罪をあがめるのが、この国の「日米同盟」外交である。

 野蛮な最大の「国際テロ国家」への追従国家が、いま、主人と命運をともにするために、アフガンをうかがい、派兵を常態化する法(海外派兵恒久法)を制定しようとしている。それはポチ・日本が主人に尾っぽを振りながら、自らも「後進国際テロ国家」に成り上がっていくことでもある。これが私たちの眼前で起きていることだ。

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【付記 北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の核開発をめぐる6ヵ国協議で日本はもはや蚊帳の外に置かれ、米国政府は北朝鮮を「テロ支援国家」のリストからはずす問題を拉致問題の解決とリンクさせないと公式に表明した。日米同盟墨守の路線さえ、すでに破綻しつつあるのだ。それでもワシントンの主人にひたすら尾を振るポチ・日本の首脳たちは、決して自らの姿を鏡に映して見ようとしない。しかしその無様な姿は東アジアの国々やアラブ世界からはよく見えるはずだ。その結果、この国が単なる侮(あなど)りのレベルではないリアクションに見舞われる日は遠くないかもしれない。】

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