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▼「国内に落ちました」鳥取県が市町村にファクス重大ミス
(2009年4月6日03時04分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080115-899562/news/20090406-OYT1T00016.htm
鳥取県では5日、エムネットで北朝鮮のミサイルに関する情報を受け取った後、「国内に着弾した」と読み取れる文書を県内の市町村にファクスするミスがあった。
県によると、日本海にブースターが落ちたとの情報を受け取った際、準備していた「国内にミサイルが落ちた。被害を確認中」という文書を、「日本海に落下物が落ちた」と手書きで修正してファクスした。しかし、文書の別の個所に「国内にミサイルが落ちました」という原文が残っており、「間違いでは」という問い合わせでミスに気づいたという。
▼「国内にミサイルが落ちました」 鳥取県が誤報ファクス
2009年4月6日12時35分 朝日新聞
http://www.asahi.com/politics/update/0406/OSK200904060055.html
北朝鮮から「ミサイル」が発射された5日、鳥取県が県内19市町村に緊急ファクスを送信した際、「緊急連絡、国内にミサイルが落ちました。被害を確認中です。屋内に避難してください」とする放送参考文案を記載したまま送るミスがあった。本文は同一の文章を手書きで「国内」を「太平洋」に修正し、「屋内に避難してください」との部分を横線で削除したが、用紙の下側にある参考文案の修正を忘れて送信したという。
県危機管理チームによると、防災行政無線で住民に情報を放送するよう求めるため、政府の情報伝達システム「エムネット」とは別にファクスも準備。「発射」「落下」「被害発生」など五つの段階での文面を用意し、修正しながら使う計画だった。
送信は計4回あり、午前11時45分の第3報で「国内に落ちた」との参考文案を修正しないまま送信し、同57分に「県内の地上では被害報告はありません。屋内避難を解除します」との第4報を送信した。誤った文案を放送した市町村はなかった。県の担当者は「情報はエムネットで判断することで市町村と確認していた。誤解を招いたことは反省している」と話している。(白田さやか)
▼北ミサイル発射 情報待ち、自治体手探り 前日誤報で東北地方 住民『TVで知った』
2009年4月6日 東京新聞朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2009040602000099.html
発射の誤報騒ぎから一夜明けた五日、情報伝達に不安が残る中、北朝鮮が「衛星ロケット」と呼ぶ弾道ミサイルが発射された。日本の領域に落ちることはなく、はるか上空を通過した東北地方の住民らはほっとした様子。市民や拉致家族会のメンバーからは「敵意を感じる」「国際的な制裁が必要」などと怒りの声が上がったが、一方で「危機をあおりすぎ」「必要以上の準備や措置では」と政府の対応を批判する声も聞かれた。
東北地方の市町村などは住民への情報伝達に手探りで臨んだ。四日には政府の誤情報で混乱。地震などの災害と異なり、自治体独自で情報の真偽を確認できない困難にも直面した。
「情報の出所や対応は、県ではまったく手が出ず、非常に厳しかった」。五日午後、秋田県庁。記者会見で佐々木誠危機管理監はこう漏らした。
同県大潟村住民生活課の庄司都志哉主事も「情報が国から一方的に流れ、独自に真偽を確認できなかった。災害なら正確性を期すが、今回は速報重視だった」と話した。
政府は今回、緊急情報を自治体に一斉に知らせる「Em−Net(エムネット)」を使用。ただ情報を住民に伝えるかどうかは自治体に任され「危険がないのにいたずらに混乱を招いてはいけない」(岩手県釜石市)と、発射しても広報を見送った市町村も多かった。伝達内容も「ミサイル」「飛翔(ひしょう)体」と呼称などが分かれた。
大混乱に陥った四日の誤報騒ぎ。大潟村は五日、「エムネットを確認してから情報を流そう」と意思統一した。
四日は秋田県から市町村の担当者あての電子メールの内容だけで誤情報を住民に伝えており、同県八峰町の嶋津宣美総務課長は「命令系統は一本化しないと駄目だ」と教訓を語った。
誤報騒ぎを受けて八峰町では、職員から「発射情報の末尾に『もようだ』を付けよう」との提案があった。しかし「次は大丈夫だろう」と信じ、五日は断定調で伝えた。
一方、肝心の住民に情報は届いたのか。男鹿市の漁業大高金義さん(70)は「発射はテレビで知った。防災無線は聞こえなかった」と話し、新たな課題を残した。
▼発射情報めぐり今回も混乱 一部の自治体
2009年4月5日22時15分 朝日新聞
http://www.asahi.com/politics/update/0405/TKY200904050165.html
発射情報は、緊急情報ネットワークシステム「エムネット」などを使い、午前11時32分から断続的に国から各自治体へ伝わった。一部ではこの日も混乱が起きた。
秋田、岩手両県では、多くの市町村が情報を受信した直後に防災行政無線などで住民に速報した。だが、秋田県大潟村は住民への通知を3分ほど遅らせた。前日に2度の誤報を住民に伝えた反省からテレビの速報を待ったという。
エムネットからの情報は、発射直後の約30分間に8回届いたが、北海道は、うち3回分について市町村へのファクス送信をしなかった。「印字している間に次々と情報が入ったため、省略した」という。新潟県もエムネット未整備の市町村への電話連絡が4回分間に合わなかった。
長崎県佐世保市と同県川棚町は、ともにエムネットで発射情報を受信できなかった。受信用のコンピューターの不具合が原因とみられる。
▼ずさん極まる危機管理 防衛省誤報 識者『チェック何重にも』
2009年4月5日 東京新聞朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2009040502000054.html
発射されてもいない北朝鮮の弾道ミサイルをめぐり、政府が「発射」と公表した誤情報騒ぎ。「情報は確認する」というごく当たり前の基本を怠ったことが原因だった。ミサイルが日本の領域内に落下した際は迎撃するとして厳戒態勢で臨んだ防衛省。情けない危機管理ぶりが露呈した。
軍事評論家で元航空自衛隊一等空佐の熊谷直さんは「日本の防衛情報の伝達システムは、多数の人間が介在するので、人的エラーが生じやすい」と指摘。「間もなく発射するという事前情報があり、そろそろ米国側から情報が入るだろうと皆が思っていた時間帯だったこともミスが重なった要因では」と話す。
誤情報の直接の原因は防衛省の大型レーダーがキャッチした何らかの航跡情報に、空自の担当官が、ありもしない「SEW入感(米軍の早期警戒衛星による熱探知)」という情報をつけ加えたことだ。
だが、この誤情報が防衛省の中央指揮所へと伝わる過程で、真偽は一切確認されなかった。通常、米軍の早期警戒情報が出れば、空自航空総隊で警報が鳴る。その警報がないのに「SEW入感」の言葉が飛び交う事態に、誰も異常を感じず、「発射」宣言を出した。
防衛省幹部は「『SEW入感』と言ったのは担当官の勘違いが原因」とし、「『SEW入感』を『発射』と言い換えたのは不適切だ」とも。だが、危うい“伝言ゲーム”を続ければ、探知情報が「発射」にすり替わる要素は最初からあった。
拓殖大客員教授で軍事評論家の江畑謙介さんは「どうして米国の早期警戒衛星のデータが来ていないにもかかわらず、勘違いをしたのか」と首をかしげる。「米国の衛星は、上空からグルグルと円を描くように地上を見ている。しかも、日本海上ではイージス艦も控えていた。一方、防衛省の大型レーダーは地上で、本来は最後でないと探知しないはず」。江畑さんは「いかにハイテクでも、人間がかかわればミスが生じうる。二重、三重のチェックをすべきだ」と指摘する。
防衛幹部 気色ばむ一幕も
防衛省では四日午後、浜田靖一防衛相が厳しい表情で謝罪。単純ミスの積み重ねに幹部も苦渋の表情を浮かべ、万が一に備えた安全確保に万全を強調しておきながら、早くも機能不全に陥った格好だ。
浜田氏は午後五時二十分ごろ、防衛省本館の玄関で取材に応じ、「早く国民に伝えようと前のめりになった」と誤報の原因を説明。「正確さが足りなかった」と平謝りしたが、今回のミスによる迎撃態勢への影響を問われると「北朝鮮を利することにはならない」と語気を強めた。
誤報の経緯を説明した幹部も、お粗末な単純ミスの連鎖に「申し訳ありません」と苦渋の表情。
省内のチェック態勢の甘さを指摘されると「きちんと確認すべきだった」とうなだれる一方で、報道陣から「説明になっていない」「言っていることが違う」と指摘された場面では「そんなことはない」と気色ばむ一幕もあった。
誤情報を住民に 33市町村が伝達
北朝鮮のミサイルが発射されたとの政府の誤情報が地方自治体などに流れた問題で、落下物などを警戒中の東北地方では、青森、岩手、宮城、秋田、福島の計二十六市町村が情報を防災無線などで住民に伝えていた。ほかに新潟、長野両県の計七市町村も含まれ、いずれも直後に訂正した。
秋田県によると、県内二十五市町村のうち十六市町村が誤情報を住民に伝達。岩手県内では三十五市町村のうち五市町村が、新潟県内では三十一市町村のうち五市町村が伝えていた。
青森県は三沢市と鰺ケ沢町が、宮城県は白石市と南三陸町が、長野県は飯山市と諏訪市がそれぞれ誤った情報を伝えた。
福島県只見町は「発射されたもよう」という緊急情報を防災無線や屋外スピーカーで住民に伝達。誤報と判明後、取り消した。
航空情報なども 国交省
北朝鮮ミサイル発射情報の誤報に絡み、国土交通省は四日、航空関係者に注意を呼び掛けるノータム(航空情報)を誤って出した。
国交省航空局は同日午後零時十八分、ノータムを出したが、同二十一分に取り消した。
海上保安庁も同二十分、船舶に注意を呼び掛ける「航行警報」を出したが、同三十六分に取り消した。
政府の「エムネット」で緊急情報が伝わると、即座にノータムや航行警報を流す準備をしていた。
自治体続く緊張、徒労感
いつ終わるのか−。北朝鮮がミサイルを「間もなく」発射すると発表した四日、発射時間帯の午後四時をすぎると、東北地方の自治体には徒労感が漂った。政府の誤情報にも終日振り回された。各自治体は五日も厳戒態勢を維持する構えだが、続く緊張にいら立ちを強めている。
岩手県総合防災室ではしきりに首をかしげたり背伸びをしたりする職員の姿が見られた。宮舘寿喜副知事は「今日中に(発射が)あると思っていたのだが」と疲労困憊(こんぱい)の様子。
秋田県庁では午後四時のテレビニュースが始まると、職員らは無言のまま画面を見つめた。県幹部は誤情報について「非常に遺憾」と述べた。
二度の誤情報に翻弄(ほんろう)された同県八峰町。職員から「今日はなしか…」とため息が漏れた。別の職員(49)は「また誤報があり得る。断定を避けたアナウンスを検討しなければ」と困惑気味。岩手県警幹部は「おおかみ少年じゃないけど、住民も次の情報を信じていいか迷うだろう」と皮肉った。
就職活動のため秋田駅に来ていた仙台市の男子大学生(21)は「ミサイルに気付かないよりはましだが、誤報はやめてほしい」と顔をしかめた。
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