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内閣総理大臣 麻生太郎 様
北朝鮮の人工衛星打ち上げを口実とした危機煽りと「制裁」の追加・延長をやめ、制裁解除・日朝交正常化早期実現を求める申し入れ書
2009年4月5日
4月13日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に対して日本政府が延長を繰り返してきた「制裁」の期限が再び切れようとしています。現在日本政府は、北朝鮮の人工衛星打ち上げを口実として「追加制裁」を含む5度目の延長を、4月10日にも閣議決定すると報じられています。
私たちは、いたずらに制裁延長を繰り返すのではなく、制裁を解除し、対話により日朝国交正常化のプロセスに速やかに入るよう強く求めるものです。
●北朝鮮の人工衛星打ち上げを口実とした危機煽りは許されない
北朝鮮は4月5日午前11時30分人工衛星打ち上げロケットを発射しました。この間、北朝鮮は4月4日から8日までの間に試験通信衛星「光明星2号」を銀河ロケットで打ち上げると予告し、国際海事機関(IMO)と国際民間航空機関(ICAO)に事前通報し、宇宙物体登録条約などにも加盟しました。これに対して政府は「日本の領空通過は許さない。迎撃すべきだ」などと危機感と敵意を煽り、「日本の領土・領空に落下する可能性」に備えるとして自衛隊に「破壊措置命令」を発令しました。私たちは、人工衛星打ち上げを口実としたこのような軍事的対応に強く反対します。
政府は「たとえ人工衛星打ち上げであっても、弾道ミサイルと同じ」と主張していますが、それは種子島から打ち上げられる日本のH2ロケットがまさに弾道ミサイル開発と表裏の関係にあることを、自ら明らかにするものです。この論理からすれば日本政府もマスメディアも、H2打ち上げを「弾道ミサイル」発射というべきではないでしょうか。
しかし、他方で民生用の人工衛星打ち上げが、気象衛星「ひまわり」や通信・衛星放送などのように私たちの生活に密接に関わっていることも明らかです。北朝鮮も人工衛星開発に数十年来取り組んできたこと、98年には「光明星1号」の打ち上げ実験がおこなわれたことは周知のことです。この時は米国・中国・ロシア・韓国なども「人工衛星」打ち上げと認めており(それが失敗だったとする米国などと成功と主張する北朝鮮との間に見解の違いはありますが)、「ミサイル発射」としているのは日本だけです。さらに人工衛星打ち上げのためには、地球の自転の関係から東方に向けて打ち上げるのは常識です。北朝鮮の地理的状況から、日本の上空(領空ではない)を通過するのはやむをえないことだといえます。
また、かつてクリントン政権時代の米朝ミサイル交渉で、米国側は、北朝鮮が「(米国が代行する)民間衛星の年間2〜3個の打ち上げと引き換えに、射程5百キロ以上の中・長距離弾道ミサイルの実験、開発、製造、配備を凍結する」という提案をおこなっていることを明らかにしています。これらの経過を反故にしたのは、いうまでもなくブッシュ政権の登場によってでした。そのブッシュ政権も末期に対話に転じました。
これらのことは、人工衛星打ち上げロケットと弾道ミサイル開発とは表裏の関係にあることは事実だとしても、民生用の宇宙開発は国際的ルールで認められており、北朝鮮もまたこれを追求してきたということであって、それをあたかも日本に向けた「ミサイル発射」のように喧伝するのは、まさに北朝鮮敵視政策以外の何ものでもありません。私たちは、今回の人工衛星打ち上げを口実とした一切の対北朝鮮「追加制裁」に反対します。
●在日コリアンへの不当な弾圧・人権侵害を中止せよ!
私たちはとくに、日本政府による対北朝鮮「制裁」が、祖国への自由往来への制約をはじめ、在日コリアンの人々に重大な人権侵害を及ぼしていることを繰り返し警告してきましたが、このような人権侵害は即刻中止すべきです。また私たちは、麻生新政権の官房副長官に漆間巌・元警察庁長官が就任したことも注視しています。安倍政権時代、警察庁長官であった漆間氏が在日コリアンへの弾圧を繰り返してきた張本人であることは記憶に新しいことです。微罪か犯罪ですらない行為を北朝鮮と関連付けて緊張を煽り、在日コリアンをことさら狙い撃ちした公安弾圧を断じて許すわけにはいきません。
いうまでもなく国連加盟国の中で日本が国交を持っていない唯一の国が北朝鮮です。かつて侵略・植民地支配によって多大な被害を与えた北朝鮮と未だに国交がないのは異常なことです。その背景には、戦後の朝鮮半島の南北分断の不幸な歴史と米朝を軸とした準戦時状態の継続という事態が横たわっています。戦後日本は、米国の指揮の下で北朝鮮に対して敵対的な位置を占め続けてきました。
6ヵ国協議や米朝交渉の核心は、この準戦時状態を一刻も早く終わらせ、朝鮮半島の平和と統一、非核・平和の東北アジア実現への展望を開くことにあります。
日朝正常化早期実現への道は、戦前・戦後を通じた日朝の敵対関係に終止符を打ち、東北アジアの平和確立を促す上でも重要な意味を持っています。
日朝ピョンヤン宣言も6ヵ国共同声明も、不幸な過去を清算し、懸案事項を解決して速やかに日朝国交正常化の措置をとることを確認しています。
あらためて、祖国への自由往来の制約など在日コリアンに人権侵害を及ぼしている制裁を解除し、今こそ和解と平和、日朝正常化のプロセスに入るよう強く求めます。
一、4月13日で期限が切れる対北朝鮮制裁の延長をせず、制裁を解除すること
一、日朝ピョンヤン宣言を基礎に、和解と平和、日朝国交正常化のプロセスに直ちに入ること
3・1朝鮮独立運動90周年 〜100年にも及ぶ不正常な関係に終止符を!〜
和解・平和・友好の実現を求める3・1集会実行委員会
【連絡先】(順不同)
日韓民衆連帯全国ネットワーク(03-5684-0194)
新しい反安保行動をつくる実行委員会(03-5275-5989)
「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク(VAWW−NETジャパン) (03-3818-5903)
基地はいらない!女たちの全国ネット(03-5670-4837)
許すな!憲法改悪・市民連絡会(03-3221-4668)
在日韓国民主統一連合(03-3862-6881)
(郵便送付先 東京都文京区小石川1-1-10-105 日韓ネット気付)
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