戦争協力させない東京ネットワーク

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(以下、前半より続き)

▼艦隊派遣を急ぐ麻生政権のアクロバット的な法の運用

 すでにのべたように、海上警備行動の発令ではるか遠方の海外で海賊に対処することは筋違いである。そこで政府が考え出した対策はまことに奇妙なものだ。ソマリア周辺・アデン湾に派遣する海上自衛隊の護衛艦に海上保安官を同乗させ、その保安官の権限を活用して、「日本船籍の乗船者に対する殺人や逮捕監禁など重要犯罪を行った海賊の身柄を拘束し、刑法の国外犯規定を適用して逮捕・起訴する」という(1月3日付『産経新聞』)。
 海上自衛隊の隊員にはない権限を海上保安官に行使させて法的な辻褄合わせをしようというのである。しかしこんなことが許されるなら、海上保安官を同乗させた海上自衛隊の艦隊が「海上警備行動」を名目に世界のどの海にも展開することになる。さらにこういう情報もある。
〈アフリカ・ソマリア沖の海賊対策を求められている防衛省が、海賊に乗っ取られた船舶の解放を想定して、護衛艦とともに海上自衛隊の特殊部隊「特別警備隊」の派遣を検討していることが1月16日、分かった。特殊部隊の派遣により、海賊対策の実効性が増す一方で、武器使用の可能性が高まることになる。
 特別警備隊は、能登半島沖で起きた北朝鮮の工作船事件をきっかけに2000年3月、広島県の江田島基地で編成された。三個小隊約八十人からなり、高速ボートやヘリコプターで工作船に乗り込み、武力で制圧する。

 政府は、日本関係の船舶を護衛艦がまとめて引率するエスコート方式をとる方針だが、船団から外れたり、個別に航行する船舶が襲撃されるおそれはある。防衛省関係者は「そのとき『何もできない』では許されない」として、特別警備隊の活用が浮上した。
 防衛省の検討では、護衛艦に乗艦させる特別警備隊は1個小隊(20数人)程度で、高速ボートも搭載する。護衛艦に搭載しているヘリも活用する。〉(1月17日付『東京新聞』)
 これは海上自衛隊が直接海賊に対処するということだが、それには当然根拠法令が必要となる。そもそも日本周辺での工作船への対応がいきなりアフリカ沖の海賊行為に対して適用されること自体にムリがある。上の記事にはまたこうある。
 〈政府は自衛隊法の海上警備行動を発令して海上自衛隊を派遣する方針で、武器使用は正当防衛・緊急避難に限って許される。それでも相手が「国または国に準じる組織」だった場合、特別警備隊が救出に向かえば、憲法九条で禁じた武力行使となる「駆けつけ警護」にあたるが、政府は「国際法上、海賊は『民間』と規定されている。武力行使にはあたらない」という。〉

 法の抜け穴を見つけて、とにかく一刻も早く派兵しようというのだが、問題はそれに留まらない。海上警備行動では日本船籍と日本企業が管理する「日本関係船舶」しか護送できない。しかし政府は「日本籍船のほか、(1)日本企業が運航を管理している外国籍船(2)日本人が乗船している船舶を海自艦艇で護送することが可能と判断した」という(08年12月24日付『産経新聞』)。これもまた強引な拡大解釈だ。外国籍船に一人でも日本人が乗っていれば、護衛艦が駆けつけるというのだろうか。防衛省内には「長期の海外派遣を実施するには82条(海上警備行動)の条文はスカスカ」との違和感が広がっているというが(1月17日付『毎日新聞』)、それはわかりやすい話だ。麻生首相は海上自衛隊の艦隊を一体いつまでソマリア沖・アデン湾に張りつけておくつもりなのだろうか。


▼麻生首相が派兵を急ぐ理由

 麻生首相がこれほどムリにムリを重ねて海賊派兵を急ぐのは、何も中国への対抗意識だけによるのではない。彼はこの際、自衛隊による武器使用基準を緩和し、集団的自衛権行使の既成事実を作り出したいのである。

1月8日に明らかになった、政府が今国会提出をめざしている「海賊行為対処に関する法律案」(仮称)の概要はこうである。
 〈(1)海外派遣時の自衛隊の武器使用基準を緩和(2)国籍や犯行場所に関係なく日本の刑罰法令を適用(3)外国の船舶、船員も保護対象とする。現行の正当防衛や緊急避難に限定している武器使用基準については「自衛隊の任務遂行に必要な武器使用などの権限」を検討する。外国船舶、船員への海賊行為への対応は「わが国が自ら措置を講じ得ることが必要」とした。〉(1月9日付『共同通信』)

 海上警備行動は法的には警察行動だから、武器の使用は正当防衛と緊急避難の場合に限られる。しかしロケット砲まで持っている凶悪な海賊に対処するのにそういうシバリがあるのはおかしいと世論を煽って、自衛隊が武器使用を自由に行なえるようにしたいのである。それがアフガニスタン派兵、さらにそれに続く派兵をにらんだ布石であることは明らかだ。「海賊」をダシに使って自衛隊に米軍並みの武器使用を許そうというのだ。

 ソマリア周辺・アデン湾で他国の軍艦とともに行動することに、集団的自衛権行使の先例作りの意図が含まれていることも確かだろう。麻生首相はあえて海賊対処は「集団的自衛権の問題とは関係ない」と強弁しているが、それがかえって問題の所在を明らかにしている。国連安保理決議を大義にかかげ、海上自衛隊の艦隊が数十隻の諸国艦隊に混じって行動する。麻生首相にとって、それは事実上「集団的自衛権行使」の先取りなのである。ソマリア沖の海賊対処では諸国の海軍とともに活動し成果を挙げた、それこそ国際貢献であり、今さらなぜ「集団的自衛権の行使が違憲だ」などと言うのか、とブチあげたいのだ。

 麻生首相が正面から改憲を語らないのは、未曾有の世界大恐慌に対応するのに精一杯だからであり、隙あらば改憲の道筋をつけたいと思っていることは想像にかたくない。本シリーズ「反戦の視点・その66」で筆者は「財界も含めた改憲派は、ビニール袋に入った金魚が袋を突き破ろうとするように必死に出口を探している。」と記した。麻生首相は、解釈改憲によるか明文改憲によるかにかかわりなく、大不況の下で日本経済が生き残るためには海外権益を日米の軍事力で守るしかないと思っているのである。それは米国政府の意にまことにかなうことでもある。

 〈オバマ次期政権の発足に伴い退任するシーファー駐日米大使は1月14日、都内で記者会見し、現行の憲法解釈では禁じられている日本の集団的自衛権行使について「解釈を見直すべきだ」と繰り返し言明。日米両国でミサイル防衛(MD)を運用するに当たり、日本政府が憲法解釈の変更に乗り出すべきだとの見解を示した。
 またアフガニスタン情勢に関して、医師や技術者、看護師、教師などの文民派遣により、日本がより積極的な人的貢献を行うよう要求。ソマリア沖の海賊対策にも主体的に取り組むよう促した。〉(1月15日付『共同通信』)

 この記事には「退任直前とはいえ、集団的自衛権をめぐって現職米大使が"解釈改憲"の必要性に踏み込むのは異例と言える」とあるが、日本政府に対しついにかんしゃく玉を破裂させたということだ。シーファーの後任のジョセフ・ナイは「アーミテージ報告」(2000年)の共同執筆者で、彼もまた同報告で日本に「集団的自衛権の禁止の撤廃」を求めていることを私たちは忘れるべきではない。 
海賊行為対処に関する与党プロジェクトチーム(PT)はもともと「まず派兵ありき」の姿勢で、麻生首相はPTの結論を得次第、海上警備行動を発令する。


▼「海賊退治」ではなくソマリア社会の再建を支援すべき

 ソマリアでは、ひたすら無秩序と暴力が支配し経済も社会も崩壊している。91年の内戦以来、全土を統治する政府は存在せず、多数の氏族間で抗争が続いている。同国は「アフリカの角」と呼ばれる戦略上の要地であり、海洋資源や石油資源が豊富であるため、たびたび大国や隣国の介入を招いてきた。ソマリアの人びとは社会の再建を自力で図る機会を奪われてきたのである。国連安保理の決議はその現実を直視せず、国際社会としての責任を果たそうとしない。軍事介入ではなくソマリア社会の自力での再建を支援することが何より大切なのだ。「海賊退治」ではなく海賊を無数に生み出す土壌に目を向けねばならない。外科手術ではなく漢方的対応が不可欠なのだ。

 海賊派兵は、大不況対策で行き詰まった麻生政権が、お定まりの手法だが、私たちの目を自らの失策から外にそらさせるための景気づけである。同時に自衛隊に自由な武器使用を許し、事実上集団的自衛権の行使に踏み込むための策謀にほかならない。そこに潜むのは、日本の海外派兵を新たな段階に押し上げようとする危険な意図である。

 今こそ、今すぐ、声を上げねばならない。「海賊派兵」に断固として反対しようではないか。


※声を上げる方法※
 首相官邸のホームページに「ご意見募集コーナー」があります。そこから各府省に抗議文や要請文を送ることができます。

(転載歓迎)

反戦の視点・その68

【緊急アピール】 どさくさまぎれの海賊派兵を許すな!
        
                 井上澄夫(市民の意見30の会・東京、
                  沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック)
                       
▼オバマの戦争拡大と日本の海外派兵拡大

 イラクからの陸上自衛隊の撤退に続き、昨年末、航空自衛隊もクウェート─イラクから撤退したことで、マスメディアは一時期、これで海外派兵は一段落したかのように報じたが、とんでもない話だ。昨年末の国会ではもめたものの、アフガニスタンでの米軍の作戦を支援する給油新法改正案はとうとう成立させられ、海上自衛隊のインド洋での給油活動は今年1月から一年間延長されることになった。そのアフガニスタンをまもなくアメリカ大統領になるオバマは、大統領選で「主戦場にする」と公約した。ブッシュ政権のゲーツ国防長官はオバマ政権で留任する。

 AP通信によると、米陸軍第10山岳師団の第3戦闘旅団(約3500人)がまもなくアフガンに派遣される。さらに今春、AH64攻撃ヘリコプター18機を含む軍用ヘリ約90機を主軸とする陸軍第82戦闘航空旅団(約2800人)が送り込まれる。マレン統合参謀本部議長は昨年末、現在展開中の米軍部隊3万1000人を、今年夏までに約6万人まで倍増させる方針を示した(08年12月23日付『読売新聞』)。遠いところの話ではない。沖縄では米海兵隊がIED(即製爆発装置)の直撃に耐えるとされる路上爆弾対策を施した装甲車エムラップの走行訓練を行なっている。言うまでもなくアフガン増派のためである(1月9日付『沖縄タイムス』)。

 この米軍の増派戦略は〈オバマの戦争〉が始まることを意味している。アフガン東部に展開する米軍はすでにパキスタン西部国境地域を繰り返し越境攻撃している。明らかに戦火は拡大しつつある。その米軍を海上自衛隊はインド洋・アラビア海での洋上給油で支援し続けるの
だ。
 〈昨年末に再可決された改正給油新法をペシャワール会の中村哲医師は「ナンセンスの一語に尽きる」と言う。「空爆のための油が日本からもたらされていることを、報道によってアフガン人は知ってしまった。誰もいい気分はしないでしょう。彼らの正直な思いはもう支援も軍隊もいらないから、人を殺すのをやめてくれ、ということなのだから」。〉(1月16日付『東京新聞』)。

 米軍の殺戮と破壊に加担しつつ、日本政府は復興支援を強化する。
 〈政府は1月9日、アフガニスタン中西部のチャグチャランでリトアニアが展開している「地方復興チーム」(PRT)に今春、外務省職員数人を派遣すると発表した。日本はこれまで、国際協力機構(JICA)の職員らが現地で技術協力を行ってきたが、政府職員の派遣は初めて。学校建設や医療支援などの調整や現地のニーズを調査する見通しだ。

 PRTは外国軍の防護下で文民が地域復興に当たる枠組み。アフガンとイラクで実施され、地域ごとに軍が治安維持などを担い、文民が教育・保健分野の復興支援に当たる。リトアニアが昨秋、職員派遣を日本政府に打診。チャグチャランは「アフガン国内では治安が比較的安定している」(外務省安保課)ことから派遣を決めた。〉(1月10日付『毎日新聞』)
〈政府はアフガニスタンの復興を支援するため、新たな貢献策を固めた。復興の鍵を握る首都カブールの再開発計画を日本主導で策定、2025年までの完了を目指して資金・技術面から協力する。現地で復興支援に当たる政府職員の新規派遣やテロ対策への資金協力も盛り込み、治安と経済の両面から貢献する姿勢を示す。〉(1月11日付『日本経済新聞』)
〈オバマの戦争〉に加担してアフガンの人びとを殺し、国土を破壊しつつ、一方で「復興を支援してあげましょう」と言うのだ。


▼麻生首相が強引に進める海賊対策

 東アフリカ・ソマリア沖で起きている海賊事件に対応するため、NATO(北大西洋条約機構)加盟国が次々にソマリア周辺海域・アデン湾一帯に軍艦を派遣している。すでに英、仏、ドイツ、ギリシャ、スペイン、イタリア、ベルギー、オランダなどが派兵している。さらに中国も艦隊を派遣し自国籍船だけでなく台湾の商船も警護している。アデン湾を含むソマリア沖海域には各国の軍艦が何十隻も集結している。すでに英海軍は海賊との銃撃戦で海賊2人を射殺し、インド海軍は海賊に乗っ取られたタイの船舶を撃沈した。

 世論調査のたびに支持率が下がる麻生首相は、ここで頽勢挽回とばかり、海賊派兵を強行する気である。「バスに乗り遅れるな」というわけだ。その前のめりの姿勢は、2001年の〈9・11〉直後の小泉首相(当時)にそっくりだ。〈9・11〉が起きるや、小泉はただちに訪米してブッシュの報復戦争に全面的支持を表明し、テロ対策特措法案が国会で成立する前に(!)海上自衛隊の艦船をインド洋に派遣した。その名目は「情報収集」だったが、はなはだ根拠を欠いた恣意的な軍の運用というほかない。小泉首相は国会でろくに審議をせずに強引にテロ対策特措法を成立させた。そして洋上で待機する艦隊に同特措法に基づく措置を命じ、さらに艦隊を増派したのである。

 麻生政権は当初、(1)「海賊行為対処法」のような一般法を制定する(2)海賊対処特措法を制定して対応する(3)海上警備行動を発令して海上自衛隊の護衛艦をソマリア沖に派遣するという3種の対応を考えた。しかし一般法の制定には法的な課題が非常に多く、しかも現在のいわゆるネジレ国会では(1)も(2)も早期実現は望めないので、(3)を当面の政策として押し出し、突っ走ろうとしている。

 事態は急を告げている。1月15日付の『中国新聞』はこう伝えている。
 〈アフリカ・ソマリア沖の海賊被害対策で、呉市の海上自衛隊呉基地所属の護衛艦2隻が、自衛隊法に基づく海上警備行動による派遣をにらんで準備を始めたことが1月14日、海自関係者の話で分かった。派遣が決まった場合、部隊は400―350人規模になる見込みという。
 2隻は、さざなみ(4650トン)と、さみだれ(4550トン)。遅くとも昨年12月下旬には、防衛省海上幕僚監部から指示が出ているとみられる。海自隊艦艇の海外派遣の準備には通常2カ月、最短でも1カ月かかるとされ、防衛相の発令があればすぐに出発できるよう備えているという。〉
 

▼強引な拡大解釈による艦隊派遣

 海上警備行動は自衛隊法第82条(注参照)に規定されているが、それはもともと海外での海賊取締りを想定したものではない。日本の周辺海域で発生する事態に備えるものだ。河村官房長官は昨年12月24日、記者会見で「海上警備行動は原則、日本の領海内を想定している」と言明している。

 海上警備行動はこれまでに2度発令された。それらはいずれも領海内に入った不審船(99年)と中国潜水艦(04年)への対処だった(いずれも事態に間に合わず対処できなかった)。麻生首相は、日本を遠くはなれたアフリカ沖での海賊対処のために海上警備行動を発令する気なのだが、それが自衛隊法のまったく恣意的な解釈によることは明らかである。

 海上警備行動は閣議で決定することができ、国会の承認を必要としない。それゆえ、防衛省幹部でさえ「安易に使われると世界中どこにでも行け、となりかねない」と懸念しているほどだ(昨年12月26日付『毎日新聞』)。麻生首相が前のめりで強気である背景には、国連安保理が昨年10月、加盟国に対してソマリア沖への海軍派遣を要請する決議を行ない、同年12月にはソマリアの領土・領空での海賊制圧を認める決議を採択したことがある。しかし海賊行為に対して国連憲章第7章(平和に対する脅威、平和の破壊及び侵略行為に関する行動)を適用するのは明らかに過剰な対応である。いかに社会や経済が破綻していると言っても、一国の領海・領土・領空に踏み込んで好き勝手にふるまうことは許されない。中国が艦隊を派遣したことが日本政府・外務省を焦らせ、派兵強行を決断させたという報道があるが、そんなことで軍隊を動かすのであれば、今後どんな派兵が強行されるかわかったものではない。

※注:自衛隊法第82条 防衛大臣は、海上における人命若しくは財産の保護又は治安の維持のため特別の必要がある場合には、内閣総理大臣の承認を得て、自衛隊の部隊に海上において必要な行動をとることを命ずることができる。


▼海賊への対処は海上保安庁の任務である

 海上警備行動は、海上保安庁では対応が困難な場合に職務を代行することになっている。しかし海賊への対処が「海上保安庁では対応が困難な場合」に該当するかどうかなどこれまで検討されなかったし、それゆえ当然のことだが、海上自衛隊は海賊対処の訓練をしていない。海賊への対処は一義的に海上保安庁の仕事である。海上保安庁法は第2条で同庁が「海上における犯罪の予防及び鎮圧、海上における犯人の捜査及び逮捕」を任務とすると定めている。
 〈マラッカ海峡の海賊対策では、海上保安庁がアジアの沿岸各国と情報を共有する体制を築き、人材育成を支援してきた実績がある。〉(08年12月26日付『北海道新聞』)。
 〈日本は、東南アジアの海賊対策で「アジア海賊対策地域協力協定」策定を主導し、マラッカ海峡周辺国に海上保安庁の巡視船を提供するなどして海賊封じ込めに成功した実績がある。〉(08年12月27日付『毎日新聞』)

 実際、同海峡での海賊事件は激減した。「2003〜07年のデータを見ると、海賊事案は東南アジアでは5年間で半数以下になっている」(外務省のホームページ)。だからソマリア沖での海賊事件についても、海上保安庁はイエメンやオマーンなど沿岸諸国に働きかけてマラッカ海峡での経験を活かそうとしている。そもそも日本政府の「海賊対策」は沿岸国イエメンの要請に応じ巡視船や巡視艇を供与する方向で調整を始めるところから始まったのだ。
 〈巡視船艇供与は2006年6月に閣議決定したインドネシア向けに続き2例目。イエメンの海上警備能力の向上が狙いで、政府開発援助(ODA)の無償資金協力の枠組みで実施される見通し。既に海上保安庁が今月(12月)、現地に職員を派遣し、巡視船艇導入の効果などを詳細に調査している。〉(08年12月24日付『共同通信』)

 ところが麻生首相が突出して海上警備行動発令を持ち出し、まず護衛艦隊を派遣し、その後「海賊行為対処に関する法律案」(仮称)を成立させることになった。浜田防衛相は一般法(海賊対処法)を整備した上での艦隊派遣を望んでいるが、麻生首相は押し切るかまえだ。

▼イスラエルが「停戦」宣言 ハマスも条件つきで
http://www.asahi.com/special/09001/TKY200901180163.html
2009年1月18日23時21分 朝日新聞

 【エルサレム=井上道夫】イスラエルのオルメルト暫定首相は17日夜、イスラム過激派ハマスが支配するパレスチナ自治区ガザへの攻撃を18日午前2時(日本時間18日午前9時)から停止すると発表し、実行した。ハマスも18日午後、条件付きで即時停戦入りを発表。ガザからの1週間以内のイスラエル軍撤退と、ガザ封鎖の解除をイスラエル側に求めている。

 だがイスラエル側は先に、軍はガザに残り、ハマスから攻撃を受ければ攻撃を再開する方針を明らかにしている。軍撤退の日程もガザからのロケット弾攻撃が完全に止まるまで「考慮しない」立場だ。

 昨年12月27日のイスラエル軍による攻撃開始以来、23日間のパレスチナ側の死者は1300人、負傷者は5300人。停戦に向けた国際的な圧力が高まるなか、その実現に向けた重大な局面に入っており、イスラエル、ハマス双方の駆け引きが続きそうだ。

 17日深夜に演説したオルメルト氏は、攻撃による武器密輸トンネル破壊やハマス幹部の殺害で、ハマスの統治力や軍事力に大きな打撃を与えたとし、「我々は目標を達成した」と強調。また、ハマスの再武装化を阻止するため、エジプトとの境界管理で米国や欧州などの支援を取り付けたことに触れ、攻撃停止が妥当であると説明した。

 だが、攻撃停止はイスラエルの一方的な「停戦」宣言で、エジプトが仲介に乗り出していた停戦協議とは別物。イスラエルの存在を認めないハマスを政治的交渉の相手にしたくないのが本音で、ハマスとの何らかの合意があったわけでもない。

 ハマスなどパレスチナ各派はイスラエルの攻撃停止直後の18日昼過ぎまでに、10発以上のロケット弾をイスラエル側に発射。イスラエル軍も発射拠点への空爆で応じた。だが、18日昼の段階では限定的な攻撃にとどめている。

 ハマスが攻撃を続ければ、イスラエル軍の攻撃が「報復」として正当化される可能性があった。停戦に応じる形をとったのは、イスラエルの攻撃がハマスの想像を超える激しさだったため、との見方もある。

 ハマスの政治部門幹部マルズーク氏は、停戦を発表した18日のテレビ演説で「ガザ市民に人道支援や生活に必要な物資が届くように、イスラエルはすべての境界検問所を開けるべきだ」と、ガザ封鎖の解除を訴えた。



▼イスラエル軍、一部の地上部隊の撤退開始 ガザ情勢
http://www.asahi.com/international/update/0119/TKY200901190087.html
2009年1月19日11時30分 朝日新聞

 【エルサレム=井上道夫】パレスチナ自治区ガザへの攻撃を停止したイスラエル軍は18日、一部の地上部隊の撤退を始めた。オルメルト暫定首相も同日の会見で「できるだけ早く撤退させたい」と述べた。イスラエルは今後、ガザを支配するイスラム過激派ハマスの出方を見据えたうえで、駐留規模の縮小や完全撤退の時期を検討するものとみられる。

 イスラエル軍の報道担当者は朝日新聞に対し、「軍は徐々に撤退を始めている」と語った。またAFP通信は、ガザ市周辺に展開していたイスラエル軍の戦車や歩兵が、境界線に向けて撤退を始めたと伝えた。

 同通信などによると、オルメルト氏は、ガザ情勢を協議するため同国を訪問したサルコジ仏大統領ら欧州首脳との共同会見で「我々はガザにとどまることを望んでいない。情勢が安定すれば、軍を撤退させる」と語った。

 一方、イスラエル軍の1週間以内の撤退やガザの封鎖解除を要求し、18日に停戦に入ったハマスのハニヤ首相は同日のテレビ演説で「敵(イスラエル)は目的に達することに失敗した。民衆の勝利だ」と述べた。また、ハマス側の停戦表明については「思慮ある、責任をわきまえた判断」と語った。

 ただ、イスラエル軍が1週間以内の完全撤退や封鎖解除に応じるかは不明。要求が満たされなければハマス側が攻撃を再開する可能性もあり、安定的な停戦が実現するかどうかは予断を許さない状況だ。

高田健@市民連絡会です。
「許すな!憲法改悪・市民連絡会」の市民憲法講座のお知らせです。
*重複送信ご容赦下さい。*転送は大歓迎です。よろしくお願いします。
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第38回市民憲法講座 イラク戦争を検証する

お話:吉岡 一さん(朝日新聞元中東アフリカ総局員) 
 
航空自衛隊のイラクでの活動が終了し、自衛隊はイラクでの活動から撤退することになりました。アメリカによる攻撃と占領はイラクで15万人以上の人々の命を奪い、生活を破壊しました。そしていまも混乱が続いています。このイラク戦争を「終わったこと」にしないために、戦争がもたらしたものは何だったのか、日本の「貢献」は何を残したのかをあらためて考えてみたいと思います。
 今回の講座では、現地を取材し「イラク崩壊ー米軍占領下、15万人の命はなぜ奪われたのか」を書かれた朝日新聞元中東アフリカ総局員の吉岡一さんにお話をうかがいます。ぜひご参加下さい

日 時:2009年1月24日(土)6時半開始
場 所:文京区民センター 3C会議室
参加費:800円
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主催◆許すな!憲法改悪・市民連絡会
    東京都千代田区三崎町2−21−6−301
03-3221-4668 Fax03-3221-2558
http://www.annie.ne.jp/~kenpou/
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高田健@許すな!憲法改悪・市民連絡会です。
ソマリア海賊問題で自衛艦派遣の動きが急迫しています。また与党PTは新法制定の準備を始めました。以下の共同声明を出したいと思いますので、ぜひ賛同してくださいますよう呼びかけます。転送・転載にご協力下さい。
なお、与党・海賊対策等に関するPTメンバーのFAXは以下の通りです。
●自民党 中谷 元(党海賊対策等に関するPT座長)3592−9032
     岡田 広(内閣部会長)5512−2410
     淺野勝人(国防部会長)3508−9724
     桜井郁三(法務部会長)3508−3326
     松浪健四郎(外交部会長)3508−3350
     福井 照(国土交通部会長)3519−7713
●公明党 佐藤茂樹(党海賊対策等に関するPT座長)3508−3510
     赤松正雄(外交安全保障調査会長)3508−3412
     高木陽介(国土交通部会長)5251−3685
     田端正広(内閣部会長)3508−3227
     大口善徳(法務部会長)3508−8552
     浜田昌良(外交部会長)5512−2731
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【共同声明】
ソマリア沖に海上自衛艦を出すな! 海賊問題に名を借りた海外派兵新法に反対する!

 麻生内閣はアフリカ東海岸・ソマリア沖などでの海賊被害に対処するとして、とりあえず現行自衛隊法の「海上警備行動」(82条)を拡大解釈して海上自衛艦を派遣しようとする一方、一般法としての新法「海賊処罰取締法」と称する、海賊対策に名を借りた憲法違反の「海外派兵恒久法」を今国会で成立させようとしている。

 この背景にはイラク、アフガニスタン情勢の変化のもとで、「なにはともあれ自衛隊を派遣したい」との日本政府の強い願望がある。国連安保理では08年6月と10月に、日本政府が共同提案国になった「海賊対策決議」が行われ、12月にはソマリア領土内で「あらゆる必要な措置をとる」ことを求める決議がだされた。海賊対策は第一義的に海上保安庁の責務である。にもかかわらず政府は、欧米諸国や中国などの艦艇派遣を引き合いに出して「派兵で肩を並べる」ことを目的に、自衛隊法82条を適用して、海自艦を領海内からはるかに遠いソマリア沖に派兵しようとしている。しかしそれは、「専守防衛」を前提にしてきた自衛隊法の立法趣旨を逸脱するものである。また、小型の火器しか持っていない漁民などの「海賊」に重武装した自衛艦による軍事行動を対置するのは、憲法第9条の精神に真っ向から反するものと言わなければならない。先般来日した隣国イエメンのアルマフディ沿岸警備隊長をはじめ、各方面から、海自艦の派兵が海賊対策に役立たないとの指摘もされている。麻生内閣の立場は「まず派兵ありき」の極めて危険な動きである。

 そもそもソマリアの海賊問題は欧米各国の介入がつくり出したソマリアの内戦による無政府状態と漁民など住民の貧困、大国の海洋支配への反発が根本原因であり、この解決なくして「海賊問題」の解決はない。いまソマリアの近隣諸国は海賊対策で海上での警察力を強化しようとしている。憲法第9条をもつ日本の政府がまずなすべき事は、アフガン戦争以来、極めて安易になった列強の軍事介入に加担することではなく、アフリカ諸国の和平努力に協力し、沿岸諸国の自主的な努力に協力し、この地域の貧困と破壊を食い止めるためのあらゆる可能な平和的援助の努力である。

 麻生内閣の「まず派兵ありき」の「ソマリア海賊対策」に反対する。自衛隊法82条を適用した海上警備活動派兵は行うべきでない。海賊対策に名を借りた憲法違反の派兵法「海賊処罰取締法」に反対する。武力で平和はつくれない。軍艦の派兵ではなく、平和的な民生支援を。

以下、団体・個人の連名(第1次締め切り2月10日)

【呼びかけ団体】
アジア連帯講座/新しい反安保行動をつくる実行委員会/アンポをつぶせ!ちょうちんデモの会/「憲法」を愛する女性ネット/憲法を生かす会/市民運動ネットワーク長崎/市民自治を創る会(札幌)/戦争への道を許さない女たちの会さっぽろ/日本山妙法寺/VAWW-NETジャパン/ふぇみん婦人民主クラブ/不戦へのネットワーク/平和憲法21世紀の会/平和を実現するキリスト者ネット/平和をつくり出す宗教者ネット/許すな!憲法改悪・市民連絡会

【賛同連絡先】FAX03−3221−2558 メールkenpou@annie.ne.jp

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許すな!憲法改悪・市民連絡会
高田 健 <kenpou@annie.ne.jp>
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