戦争協力させない東京ネットワーク

世の流れの早さと身の回りの慌ただしさに滞っております。

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▼4.18過防備都市TOKYO2009
〜防災・防犯・国民保護態勢にNO!を

【日時】4月18日(土)18:00開場 18:20開始
【会場】中野商工会館3F大会議室
http://asp.netmap.jp/map/k330101010176.html
(JR中野駅北口からブロードウェイを抜ける。徒歩7分)
【参加費】500円

【問題提起】
・自衛隊が敵を撃つ日:長野県国民保護訓練/八木航
・対テロ・防災・国民保護:東京都の動きから見えるもの
 /藤田五郎(山谷福祉会館労働者活動委員会)
・蠢く海上保安庁:千葉県沖対テロ訓練を追う/山本英夫
・ソマリア・田母神・ミサイル防衛ーヤマサクラ(日米共同方面隊指揮所演習)
を踏まえて日米安保の行方を探る
 /池田五律(戦争協力しない!させない!練馬アクション)
・安全安心まちづくり条例改悪ー街頭表現規制は何のため?
 /首藤久美子(デイストピアTOKYO)

恒久派兵法に海賊退治、ミサイル防衛、日米共同演習ヤマサクラと戦争政策おしすすめ、対テロと言っては国民保護=有事訓練やら治安管理に共謀罪、街頭情宣も「迷惑」だと安全安心まちづくり条例を改悪し、原潜来たら被爆事故を想定した日米合同訓練、田母神論文で文民統制騒ぎ、裏では防衛省「改革」……そして改憲。
この国はどこへ向かうのか?

【主催】戦争協力させない東京ネットワーク
http://blogs.yahoo.co.jp/hi_kyouryoku
e-mail:hi_kyouryoku(アット)yahoo.co.jp 
(アットを@にかえてください)
090-5344-8373(茂木)

転載・転送歓迎

▼ソマリア「海賊」問題を考える−自衛隊派兵で解決するのか?

【日時】4月25日(土)18:00開場 18:30開会
【会場】中野勤労福祉会館 創作室
(一部で「なかのZERO」と誤って流してしまいましたが、勤福が正しいです)
【参加費】700円
【講師】稲場 雅紀さん(アフリカ日本協議会)
    http://www.ajf.gr.jp/
    池田 五律さん(戦争協力しない!させない!練馬アクション)

 3月14日、海上自衛隊・特殊部隊を含む400名の自衛隊員を載せた護衛艦「さざなみ」と「さみだれ」が呉基地を出港し、「海賊から日本の船を守るため」ソマリア沖アデン湾海域に向かいました。

 ソマリア沖では昨年来、GPS(全地球測位システム)を搭載し、携帯ロケット砲で武装した海賊によって民間の船舶が襲撃され、船員が人質となり多額の身代金が要求される事件が頻発、日本の船も被害に遭っています。これに対して、EU諸国や米国などは海軍を派兵して取締りを強化し、国連安保理事会も海賊対策の決議を可決しています。

 しかし、だからといって、「専守防衛」が基本のはずの自衛隊が、「日本関係船(日本が関係している外国船も含む)の護衛」に遠くアラブの海域まで派兵されていいのでしょうか?「民間船を襲う海賊退治だからいいのでは」と言えない危険な問題点が多くあります。

 派遣の根拠とされる自衛隊法の「海上警備行動」は、あくまでも日本近海で、沿岸警備を担う海上保安庁では手に負えないとなった状況下で自衛隊がやむなく取る行動であり、しかも近年わずか2回しか発動されていません。それがいきなり、しかもアラブの海に武装して出かけていくのは、どう見ても法律の主旨を逸脱しています。

 さすがにそれだけでは根拠が不十分と考えた政府は、今の国会で「海賊対処法」を作って、後から派兵を正当化するというまさに“泥縄”のやり方を取る始末です。

 当初は海上自衛隊の派遣に慎重だった政府は、昨年12月、中国が派兵を決めるや、あわてて「中国に負けるわけにはいかねえんだよ」と麻生首相の音頭で派兵へと舵を切ったと言われています。「バスに乗り遅れるな!」というムードで、憲法違反の疑いのある行動を、国会の審議もろくすっぽしないまま強行することは許されません。ましてや今回は武力行使、つまり他国民を殺し、自衛隊員も殺されるかも知れないことが十分想定されます。政府は、「海賊は国の組織ではなく民間人なので武力行使には当たらない」と言っていますが、詭弁以外の何者でもありません。

 日本はかつて、「海外邦人(日本人)の保護」「日本の権益(生命線)を守るため」と称して、軍隊が中国・アジアへの侵攻を繰り返し、悲惨な侵略戦争へと突き進んでいった歴史があります。戦後、その反省の下に、「武力による国際紛争の解決」を否定し、「戦争放棄」をうたった現憲法を制定したはずです。誤った歴史を再び繰り返すのでしょうか?

 「アメリカからの要請」「国連決議」を口実に日本も参戦したイラク戦争は、今では、当のブッシュ前大統領すらが、「間違った情報に基づくものだった」と判断の誤りを認めていますが、日本政府は間違いを未だに認めていません。そして現在も「テロとの戦いのため」としてインド洋上での海上給油活動を続けているのです。どう解釈をねじ曲げようが、明らかに憲法違反である自衛隊の海外派兵を、これ以上許す訳にはいきません。

 政府機能すら喪失した「破綻国家」といわれるソマリアの現状を招いたのは誰でしょうか? ソマリアを植民地にしてきた英国、イタリアや、内戦に介入してきた米国の責任は重大です。外国漁船が魚を乱獲し、大量のゴミで海が汚染されたため仕事を失った漁民が海賊になったとの事例もあると言われています。巨大ビジネス化している海賊行為が、国内の混乱、民衆の貧困化によるものである以上、武力ではなく、社会の安定化、民衆の生活支援をすすめることこそが求められているのではないでしょうか?十分には知られていないソマリアの問題は、私たち自身の問題でもあります。共に考えましょう。


【主催】戦争に反対する中野共同行動
090-5344-8373(茂木遊)

ミサイル防衛システム発動に対する抗議・要請文

内閣総理大臣 麻生 太郎 様
防衛大臣   浜田 靖一 様

 朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)の人工衛星ロケット発射に対応して、ミサイル防衛システムを発動し、不測の事態がおきれば迎撃するという「破壊措置命令」が出され、イージス艦やPAC3ミサイルが戦後初めて実戦配備されたことに対し、この間、何度か発動中止の要請や抗議を行いました。
 政府はミサイルでも人工衛星でも国連決議に違反すると声高に言い、危機を煽ってきました。しかし、北朝鮮は、宇宙条約と宇宙空間に打ち上げられた物体の登録に関する条約に加盟し、国際民間航空機関や国際海事機関へ発射の情報提供を行っています。また、ミサイルでも人工衛星でも国連決議違反としていますが、国連決議を正確に読めば弾道ミサイル計画の停止を求めているのであって、平和目的の人工衛星なら非難されるべきものではありません。日本の人工衛星は何の問題もせず、また、宇宙の軍事利用に道を開く宇宙基本法の制定など、日本の軍事化には一切言及せず、北朝鮮だけ敵視し、脅威をあおるのは多くの人たちに誤解を与え、排外主義を植えつけるものに他なりません。
 今回の、ミサイル防衛システムの発動の真の狙いは、自治体や民間企業も巻き込んだ、日本の有事体制構築のための壮大な実験と、日米両政府が進めてきたミサイル防衛システムの世界初の実動訓練です。4月4日の朝日新聞では、「今までPAC3をここまでおおっぴらに展開したことはなかった。BMDシステムにとっては壮大な訓練だ」という防衛省幹部の発言を掲載しています。また、ゲーツ国防長官は「今回の事態のプラス面は、日米間の運用上の調整や協力を改善する機会でもあることだ」と発言したと報じています。
 私たちは、ミサイル防衛システムに反対をしてきました。ミサイル防衛システムは、「防衛」とは名ばかりで、盾と矛の関係にあたり、常に相手の軍事力を上回ることが必要とされます。その意味で、軍拡と地域の不安定化と緊張をもたらします。また開発のための巨額の費用は軍事産業を潤しそれに群がる政治家や官僚の利権の温床になります。更に今回の事態で明らかになったように、自治体や住民を巻き込んだ有事体制を構築し、戦争体制に向かわせるものです。何よりも平和憲法の理念を破壊するものです。

 日本政府は、一貫して北朝鮮への敵視政策を続けてきました。「拉致問題」を口実に強硬姿勢をとり続け、日朝の対話の糸口もないまま、一方的に制裁や軍事的圧力で対処しようとしています。このような態度は、北朝鮮を更に追い込み、軍事的な対応をエスカレートさせることになります。
日本政府がやるべきことは、日朝の不幸な歴史を清算し、対話による平和構築を始めることです。更に、在日米軍の存在や自衛隊の軍事力強化の政策をやめ、地域の軍縮へと向かうことです。
今後一切、今回のような一方的な北朝鮮脅威を煽り、軍事的な対応をしないよう強く申し入れます。

2009年4月6日
       不戦へのネットワーク
         代表  水田 洋 (名古屋大学名誉教授)
          名古屋市昭和区鶴舞3−8−10
 労働文化センター2F
           Tel 052-731-7517 Fax 052-875-5130

ミサイル防衛と連動した危機対策を今後止めることの申し入れ
愛知県知事 神田真秋様
                  不戦へのネットワーク 代表  水田 洋

 愛知県知事は経済危機による失業者の増大やさ様々な防災に対する対処など県民の平和で安全な暮らしを守るために努力されていることに敬意を表します。 
 私たちはこの地域が戦争協力をしてはいけない、憲法の趣旨にそって平和を守ろうと活動している市民の集まりです。平和を願う私たちから見て、ここ数日の愛知県の対応に不安をおぼえましたので以下申し入れします。
 
昨日、打ち上げられた北朝鮮の人工衛星に関して、愛知県は防災局内に危機対策チームを立ち上げ政府―防衛省の情報を県内自治体にも連絡しました。
 今回の騒動について愛知県は飛行コースにもまったく関係ないにもかかわらず、あえて対策チームをつくり
政府―防衛省のミサイル防衛騒ぎに加わったことは、まったく不必要な行為であるといいわざるをえません。
 今回の事態は地震などの自然災害ではありません。戦争行為という政治の問題なのです。回避することが可能なものです。平和外交を積極的におこなえば回避できるものです。国際条約に基づく通知もなされているものをあくまでミサイルに見立てて敵意をむき出しにしたのは麻生総理と浜田防衛相です。
 政府―防衛省は2月末に突然「迎撃」方針を表明し、自衛隊に迎撃命令をだし、イージス艦の派遣とPAC3ミサイルの移動展開を行いました。首都圏、浜松基地のPAC3部隊を大々的に移動させ、マスコミにも公開するということも行いました。2月配備されたばかりの岐阜基地からも機材の一部を移動させました。
 大量の軍事車両が日本全国の高速道路や市街地を走り回る姿を見せることで軍事展開を慣れさせる目的が見えてきます。
 政府―防衛省は「ミサイル」の日本への落下の危険性は非常に少ないといいながら、万が一に備える、発射失敗に備えると大々的に国民の不安を煽り立てました。関係自治体のみならず、全国の自治体にも危機情報の伝達システムの構築を求めました。
 その結果、5日当日の発射時には防災放送や広報車で「空襲警報」発令のような「ミサイル発射」の広報が行われました。まさに「国民保護法」の発動と同じことがおこなわれたのです。
 「国民保護法」は「武力攻撃事態」を想定したものですが、なんら「攻撃」も想定されない今回の実質的発動は法に基づかない違法行為であるといえます。
 愛知県の対応はこのような戦争体制構築の一環なのです。政府の戦争体制づくりー国民総動員を積極的に支えるものなのです。
 
今回のミサイル防衛発動はアメリカ以外に唯一ミサイル防衛システムを導入した日本とアメリカの共同実戦訓練と世界に向けたアピールだったのです。
 ミサイル防衛発動は訓練にとどまらないものでした。北朝鮮の発射する「ミサイル」を直接標的にしたものであり、迎撃を行えば宣戦布告と同じことであり、戦争状態に突入するといったきわめて危険な行為、軍事行動に日本政府と自衛隊が踏み切ったのです。
 実際に北朝鮮は報復の可能性を表明し、極東地域は一触即発の軍事的緊張がたかまったのです。4日の二回の自衛隊「誤報」は戦争突入への極めて高い緊張のなかで生み出されたものなのです。

 国民の不安を駆り立てながら、ミサイル防衛の更なる拡大―軍拡路線に政府―防衛省は踏み込もうとしています。東北地方選出自民党国会議員は防衛事務次官にPAC3の東北配備を要請し、次官は配備の方向性を示しました。自民党からは偵察衛星打ち上げが言われ、防衛省は赤外線センサーの研究、開発にはいることを明らかにしました。
 今回の事態で生み出されたものは自衛隊の軍拡へのゴーサインと北朝鮮への更なる排外主義的な恐怖感を国民に植え付けるということであり、戦争体制に国民を動員する体制をつくったことです。
 空前の経済危機によって三月末から非正規労働者の一層の解雇と正社員も含めた失業問題の拡大による不安の拡大、ロンドンでの金融サミットというこの時期に対外的恐怖をあおっての戦争体制作りと軍拡は60数年前の日本の姿を見るかのようです。
 国民の支持がほとんどないに等しい麻生政権によるこのような危険な行為に加担するような今回の愛知県の対応は県民の安全な暮らしを守る立場いって認められるものではありません。
 戦争につながるような政策や行為は拒否すべきです。戦争が起こったときの対処をどうこうするのではなく、戦争を日本が起こさないように、平和外交を積極的に推進するよう政府に働きかけるのが県民の安全を第一に考える愛知県の取るべき対応ではないでしょうか。
 「国民保護法」の愛知県の実施計画策定を撤回し、今後今回のような政府―防衛省の戦争騒ぎに参加しないことを強く求めます。
戦争準備の軍拡をしないことを政府に求めることを要請します。

以上のないようにあわせて愛知県がすすめる航空宇宙産業推進についても平和を進める観点からの見直しを求めます。
日本の航空宇宙産業売り上げの半分以上が自衛隊装備関係であることは県も承知しているでしょう。さらに北朝鮮の人工衛星打ち上げがミサイル開発と同じというのと同様に日本のロケット産業も世界的常識からみれば大陸間弾道弾開発と実用段階にあるということです。ロケット産業も含めると軍事関連は航空宇宙産業の大半を占めます。かってない経済危機で民間航空関連の成長の展望を見込めないのは明らかです。軍需関連その比率が高まるのは間違いありません。輸出三原則の解除を求める声が防衛産業界から強くおこっているのはそのためです。
 ミサイル防衛関連でも配備拡大で潤うのはPAC3生産の三菱重工です。衛星開発では三菱電機も大きな役割をはたします。
 愛知県の航空宇宙産業育成方針は民間ジェット機開発を名目としても実際には軍需産業の育成拡大につながるものであり、愛知県をはじめとした東海地方が日本有数の軍需産業地帯になることになります。
 平和で安全な暮らしを求める私たちは、戦争に直結する軍需産業の拡大にも反対です。

 愛知県は平和で安全な市民生活を保障する自治体として、戦争に関連するような法律や計画の整備に参加しないでください。
 憲法9条にそった行政を常におこなうことを強く求めます。

2009年4月6日
 連絡先 名古屋市昭和区鶴舞3−8−10 労働文化センター2F 052−731−7517

【反戦の視点・その77】 第7回 愚かしい海賊派兵を阻止しよう2より続き

●私たちにとって不可欠の視点の確立

 護衛艦「さみだれ」と「さざなみ」はすでに「海賊対処」活動を始めた。こういう社説がある。
 〈歴史をひもとけば、海賊をめぐって国家間の戦争に発展した例がある。「海賊対処は警察活動で、憲法問題は生じない」とする政府の説明は、あくまでも派遣する側の論理だ。
自衛隊は強力な実力組織であり、沿岸諸国から見れば軍隊にほかならない。/海賊問題は陸の問題であるといわれる。今回の派遣が他国への介入の側面を持つことを自覚しておくべきだ。/無政府状態のソマリアに警察機能が期待できないのは分かる。が、軍艦による威嚇だけでは決定打にはならない。力の対処に終わりがないことは、米国が押し進めた対テロ戦争で証明されたはずだ。/ソマリア沖の海賊は元漁民が多く、高度に組織され、すでに地場産業化しているとの指摘さえある。それを招いた責任は国際社会にもある。/産業を壊滅させた内戦の遠因は東西冷戦だ。ソマリアは国連が人道目的の武力介入を初めて認めた地でもある。
米国が主導した二度の国連平和維持活動(PKO)は失敗に終わり、その後、ソマリアは事実上放置され続けた。過去の反省に立ち、ソマリア本土を視野に入れた明確な出口戦略を持たなければ、問題は終わらない。硬軟両面の行動が各国に求められる。〉   (3月14日付『愛媛新聞』)

 全国紙・地方紙の社説の中で、「自衛隊は強力な実力組織であり、沿岸諸国から見れば軍隊にほかならない。今回の派遣が他国への介入の側面を持つことを自覚しておくべきだ。」と指摘したものは他に見出せない。また「ソマリア沖の海賊は元漁民が多く、高度に組織され、すでに地場産業化しているとの指摘さえある。それを招いた責任は国際社会にもある。/産業を壊滅させた内戦の遠因は東西冷戦だ。ソマリアは国連が人道目的の武力介入を初めて認めた地でもある。米国が主導した二度の国連平和維持活動(PKO)は失敗に終わり、その後、ソマリアは事実上放置され続けた。過去の反省に立ち、ソマリア本土を視野に入れた明確な出口戦略を持たなければ、問題は終わらない。」という部分は筆者が繰り返してきた主張に近い。同日付『新潟日報』にはこうある。
 〈自由貿易の恩恵を享受している日本が、海賊の横行に手をこまねいているのは責任放棄だ。国連海洋法条約も海賊抑止への協力を求めている。政府はこう主張して派遣を強行した。/もっともらしく聞こえるが、前提が間違っている。海洋法条約100条が各国に要請しているのは「可能な範囲での協力」である。/憲法九条を有する日本がまず考えるべきは「日本が可能な海賊抑止への協力とは何か」であろう。実力部隊である海自を派遣しなければ国際的な貢献を果たせないとする考え方は、外交力のなさの裏返しといわねばならない。/なし崩し的な海外派遣が続き、この問題への国民の関心が薄れてしまうのではと憂慮する。「国益」の名の下に自衛隊の海外派遣を常態化することが許されるのかどうか。/緊急避難的な「とりあえず派遣」は政治の貧困以外の何ものでもない。政府の猛省を促したい。〉

 ※ 第100条 海賊行為の抑止のための協力の義務
   すべての国は、最大限に可能な範囲で、公海その他いずれの国の管轄権にも服さない場所における海賊行為の抑止に協力する。

●戦争国家化の完成をはばみ、平和的生存権を高く掲げて、9条実現のために努力しよう

 大きく深呼吸して頭を整理しよう。湾岸戦争終結直後の掃海艇など6隻の派遣(1991年)に始まり、度重なるPKO(国連平和維持活動)派兵(ゴラン派兵は続いている)、米ブッシュ前政権のアフガン・イラク戦争に加担して強行された海自艦隊のインド洋・アラビア海派遣(続行中)、イラクへの陸上自衛隊の派兵、クウェート─イラク間の米兵・米軍需物資輸送のための航空自衛隊派兵、かてて加えて海賊派兵……。これまで足掛け18年間、この国は海外派兵を続けてきた。自衛隊の活動(作戦)は外へ外へと広がってきたのである。それと同時に、周辺事態法(1999年)、武力攻撃事態法(2003年)など戦争法体系が整備され、2004年、戦時の国内治安維持のために国民保護法も制定された。
 この国はすでに戦争を始めていて、その既成事実を追認し恒常化するための法整備が続いている。海賊対処法は海外派兵恒久(一般)法への踏み段である。政府・与党は「海賊対処」を口実に、「危害射撃」容認で武器使用基準を大幅に緩和して9条2項を突き崩し、それを海自の活動一般に、そして陸自、空自に広げるつもりである。

 残念ながら、9条の文言を守るだけで戦争への道を断つことはできない。9条が日々突き崩されている眼前の現実に立ち向かうことなく、「9条を守る」ことはできないのである。海外派兵は困るから9条は変えてほしくないが、自衛隊は「専守防衛」の立場で自分たち(あるいは「日本」を)を守って欲しいというのは、虫のいい話であり、自己矛盾である。その考えは、9条は〈あっても〉、あるいは9条が〈あるにもかかわらず〉、海外派兵が強行されている現実に目をつぶっている。防衛庁が防衛省に格上げされたことに伴い、海外派兵は自衛隊の本来任務になった。自衛隊はとっくに「専守防衛」などかなぐり捨てていたのだが、海外派兵の本来任務化によってそれを追認して開き直ったのである。
 そのうえ、治安出動(市民による抵抗の鎮圧)も、もともと自衛隊の本来任務である(自衛隊法3条〔自衛隊の任務〕)。反戦運動が高揚して体制を脅かしたり、戦時に治安が危うくなったりすれば、自衛隊は市民に銃を向ける。「必要に応じ、公共の秩序の維持に当たる」(同3条)。そのために自衛隊の情報保全隊は日々市民の動向を監視しているのである。自衛隊が守るのは支配(統治)機構=政府の行政システムであり、被支配者である私たちではないことを肝に銘じたい。

 被支配者である市民は本質的に支配機構の敵対者である。だからこそ、治安出動が自衛隊の本来任務なのである。それゆえ、巨大で強力な国家の暴力装置である自衛隊に私たち市民が守られることを期待するのは、政府の宣伝に踊らされた倒錯の心理である。
 9条を変えさせてはならないが、「9条を守れば戦争を防止できる」と信じるのは迷信である。歴代保守政権は、9条の文言を変えることなく、自衛隊を世界有数の軍隊に肥大させ、すでに海外で戦争をしている。9条の明文改憲は、これまで執拗に続けられてきた解釈改憲の総仕上げなのであって、明文改憲で突然9条が殺されるわけではない。9条はすでに息も絶え絶えである。

 しかし昨年4月17日のイラク派兵差止訴訟名古屋高裁控訴審判決(確定)は、
イラクにおける空自の活動を「憲法9条1項(戦争放棄)違反」とする画期的な判断を示した。判決はさらに、憲法前文が明記する平和的生存権を「全ての人権の基礎にある基底的権利」であるとし、法的な「具体的権利性」を認めた。この劇的な市民の勝利は戦争に反対するすべての市民を勇気づけている。息も絶え絶えの9条をよみがえらせ実現することは私たちが果たすべき義務である。

 海賊派兵の中止を求め、海賊対処法の成立を阻止しよう! 眼前の「日本の戦争」を凝視しともに努力を続けようではないか!

【付記】海賊対処法案は4月14日、衆院本会議で審議入りする。海賊派兵と海賊対処法案への批判は今後も続けるが、ミサイル防衛を強化し臨戦意識を高揚させるための「飛翔体迎撃」騒動も起きているので、断続もあり得ることをお断りしておきたい。

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