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ミサイル防衛システム発動に対する抗議・要請文
内閣総理大臣 麻生 太郎 様
防衛大臣 浜田 靖一 様
朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)の人工衛星ロケット発射に対応して、ミサイル防衛システムを発動し、不測の事態がおきれば迎撃するという「破壊措置命令」が出され、イージス艦やPAC3ミサイルが戦後初めて実戦配備されたことに対し、この間、何度か発動中止の要請や抗議を行いました。
政府はミサイルでも人工衛星でも国連決議に違反すると声高に言い、危機を煽ってきました。しかし、北朝鮮は、宇宙条約と宇宙空間に打ち上げられた物体の登録に関する条約に加盟し、国際民間航空機関や国際海事機関へ発射の情報提供を行っています。また、ミサイルでも人工衛星でも国連決議違反としていますが、国連決議を正確に読めば弾道ミサイル計画の停止を求めているのであって、平和目的の人工衛星なら非難されるべきものではありません。日本の人工衛星は何の問題もせず、また、宇宙の軍事利用に道を開く宇宙基本法の制定など、日本の軍事化には一切言及せず、北朝鮮だけ敵視し、脅威をあおるのは多くの人たちに誤解を与え、排外主義を植えつけるものに他なりません。
今回の、ミサイル防衛システムの発動の真の狙いは、自治体や民間企業も巻き込んだ、日本の有事体制構築のための壮大な実験と、日米両政府が進めてきたミサイル防衛システムの世界初の実動訓練です。4月4日の朝日新聞では、「今までPAC3をここまでおおっぴらに展開したことはなかった。BMDシステムにとっては壮大な訓練だ」という防衛省幹部の発言を掲載しています。また、ゲーツ国防長官は「今回の事態のプラス面は、日米間の運用上の調整や協力を改善する機会でもあることだ」と発言したと報じています。
私たちは、ミサイル防衛システムに反対をしてきました。ミサイル防衛システムは、「防衛」とは名ばかりで、盾と矛の関係にあたり、常に相手の軍事力を上回ることが必要とされます。その意味で、軍拡と地域の不安定化と緊張をもたらします。また開発のための巨額の費用は軍事産業を潤しそれに群がる政治家や官僚の利権の温床になります。更に今回の事態で明らかになったように、自治体や住民を巻き込んだ有事体制を構築し、戦争体制に向かわせるものです。何よりも平和憲法の理念を破壊するものです。
日本政府は、一貫して北朝鮮への敵視政策を続けてきました。「拉致問題」を口実に強硬姿勢をとり続け、日朝の対話の糸口もないまま、一方的に制裁や軍事的圧力で対処しようとしています。このような態度は、北朝鮮を更に追い込み、軍事的な対応をエスカレートさせることになります。
日本政府がやるべきことは、日朝の不幸な歴史を清算し、対話による平和構築を始めることです。更に、在日米軍の存在や自衛隊の軍事力強化の政策をやめ、地域の軍縮へと向かうことです。
今後一切、今回のような一方的な北朝鮮脅威を煽り、軍事的な対応をしないよう強く申し入れます。
2009年4月6日
不戦へのネットワーク
代表 水田 洋 (名古屋大学名誉教授)
名古屋市昭和区鶴舞3−8−10
労働文化センター2F
Tel 052-731-7517 Fax 052-875-5130
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