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▼イラク戦闘、首都へ拡大 マフディ軍活発化
(2008年03月27日06時09分 朝日新聞)
http://www.asahi.com/international/update/0327/TKY200803260428.html
イラク南部バスラで25日に本格的に始まった、イスラム教シーア派の反米強硬指導者サドル師の民兵組織マフディ軍の一部による武力攻勢は、イラク治安部隊などの掃討作戦にもかかわらず、26日も続いた。戦闘はバスラ周辺や首都バグダッドに飛び火し、犠牲者が増加。衝突はさらに拡大する様相を見せる。昨年後半以降、治安改善の大きな要因だったマフディ軍の停戦が終わったことで、イラクが事実上の内戦状態に再び陥る可能性も出てきた。
首都バグダッドでは26日、政府施設や大使館が集中する中心部のグリーンゾーン(米軍管理区域)にロケット弾が着弾し、米国人3人が負傷。AFP通信によると、シーア派の反米強硬指導者サドル師派が拠点にしているサドルシティー地区でも、前日に続く衝突で、民間人4人を含む20人が死亡、115人が負傷した。
バスラでも戦闘は続いており、中心部の犯罪者収容施設にロケット弾が撃ち込まれた。2日間の合計の死者数は約40人になり、負傷者も200人に達している。また衝突はバスラから周辺都市に広がっている。
イラクの治安は昨年後半以降、米軍に協力し、国際テロ組織アルカイダの掃討作戦に参加する覚醒(かくせい)評議会の活動や米軍増派、マフディ軍の活動停止による相乗効果で大きく改善した。今年1月には、イラク戦争開戦以来、月間の民間人犠牲者数が初めて500人を下回った。
しかしマフディ軍の停戦中、バスラをはじめとするシーア派の勢力地域で、対立するイスラム最高評議会(シーア派)の民兵組織などが勢力を伸長。これに不満を募らせていたマフディ軍の過激勢力が分派し、今月半ばからイラク治安部隊と衝突するようになった。
イラク治安部隊は、治安悪化に拍車がかかる前にマフディ軍の動きを止めるため、掃討作戦を開始。これに米軍も加わっているとみられる。だが武力衝突はむしろ拡大する様相を見せており、治安の一層の悪化は避けられない情勢になってきた。
イラク治安部隊や駐留米軍は今回の掃討作戦について「サドル師の停戦指示を無視している過激勢力だけを対象にした作戦」と説明。マリキ首相は26日、戦闘を続けている過激勢力に対し、72時間以内に武器を捨て投降するよう呼びかけた。
一方、米軍の報道官は「イランの影響力がバスラで働いている」と指摘。シーア派国家イランが関与しているとの見方を示した。
■イラク治安改善の3大要素■
●覚醒(かくせい)評議会
06年半ば、イラク西部アンバル州でスンニ派部族が結成。米軍から武器や給与を支給され、国際テロ組織アルカイダの掃討作戦に協力。
現在、バグダッド周辺や北東部ディヤラ州にかけて約130の評議会が結成され、約8万人が米軍に協力。
●米軍増派
07年前半に3万人増派。バグダッドなど都市部を中心にアルカイダの徹底的な掃討作戦を展開。
●マフディ軍戦闘行為停止
07年8月末、イスラム教シーア派の反米強硬派指導者ムクタダ・サドル師率いる民兵組織マフディ軍が、民間人を巻き込む抗争事件を起こし、サドル師は戦闘行為の半年間停止を宣言。
今年2月、停止期間を半年間延長することを決めたが、この決定を不服とする組織内の過激勢力を抑えることができず、サドル師は3月に入り、「組織が分裂した」と支持者に公表。
▼マリキ・イラク首相:「72時間以内武装解除を」マフディ軍に最後通告
(2008年3月27日 東京朝刊 毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/world/news/20080327ddm007030098000c.html
【カイロ高橋宗男】イラク南部バスラで対米強硬派、サドル師派の民兵組織マフディ軍の掃討作戦を指揮しているマリキ首相は26日、同軍に対し「72時間以内の武装解除」を求める最後通告を行った。首相は同軍が応じない場合、「厳しい処罰」を受けることになると警告している。
ロイター通信によると25日朝にバスラで始まった作戦に呼応する形で、首都バグダッドのサドルシティーでも治安部隊とマフディ軍が衝突。病院筋は女性や子どもを含む15人が死亡、140人以上が負傷したと話している。25日からの死者数は55人に上った。
政府施設や大使館などが集中するグリーンゾーン(米軍管理区域)にも26日、ロケット弾や迫撃砲弾が多数撃ち込まれ、米政府職員3人が重傷を負った。また、ナシリヤなど南部の各都市には外出禁止令が敷かれている。
サドル師派は25日、攻撃停止を政府に要求。24日から始めた抗議の座り込みを全土に拡大するよう支持者に呼びかけた。サドル師は声明で「政府が要求を顧みなければ、全土で民衆による反乱を宣言する」と警告した。
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