|
核とミサイル防衛にNO!キャンペーン、戦争協力させない東京ネットワーク有志は、2008年1月15日付で、東京都に、PAC3移動展開訓練についての添付した質問を出した。14日夜からから15日朝にかけて、新宿御苑で訓練が行われている最中に都に質問書を送ったことになる。そして、21日に、国民保護担当の矢野一郎参事と面談した。以下、矢野参事の語ったことです。あくまで参加した者のメモなので、正確性を欠いているかもしれません。その点は、取り扱いの際に留意してください。
※ ※ ※
防衛省から都立公園を使用するという話は防衛省からきている。具体的には「直前」にならないとわからない。
「直前」とは何時かも含め、防衛省との調整については、防衛省から言うなといわれているので、言えない。受けるのは当然。調査であって訓練ではない。調査目的とかを防衛省に聞く考えはない。調整の話の中で聞くかもしれない。調査で展開の候補地を選ぶのだろう。その後、候補地で訓練することになるかなどは聞いていない。聞く気もない。防衛省が決めること。新宿御苑での調査を、都は誰も見に行っていない。見に行ってないし、どういうことをやったのかを確認する気もないが、新聞報道で分かるし、新宿御苑で行われた調査と同じく、測量と通信検証だ。新宿御苑の調査の成果を防衛省に聞く気もない。「安全が脅かされている場合」のことだから、協力するのは当たり前。都立公園法、条例などで、使ってはいけないとは書いていないし、抵触しないと考えている。文書回答はする気はないし、もう会わない。
※ ※ ※
ということで、文書回答は拒否されてしまった。すっかり防衛省のいう通りにするのが緊急事態では当たり前という危機管理の論理に染まっていて、法や都条例を尊重するという建前すら放棄しているのには改めて驚かされた。ただ、面談して、調査→候補地選定→本格移動訓練の流れだということがハッキリした。練馬駐屯地、市ヶ谷駐屯地、代々木公園などにも、はじめは「調査」という形で展開訓練が行われると思われる。大規模な車列を作って、ミサイルを持ち込むというのには、随分、まだ余裕があるのではないか。その分、訓練をさせないような働きかけをする時間があるといえる。今後も、都に誠意ある回答と、再面談を求めていきたい。
※ ※ ※
-------------------------------------------------------------------------
2008年1月15日
東京都知事 石原慎太郎 様
核とミサイル防衛にNO!キャンペーン
戦争協力させない東京ネットワーク有志
防衛省によるPAC3ミサイルの都心への移動展開訓練に伴う都立公園の占用を許可しないことを求める要請と質問状
(1)貴職は防衛省・自衛隊がミサイル防衛(以下MDと略記)を推進し、2007年3月に埼玉県入間市にある航空自衛隊入間基地にPAC3ミサイルを配備したことをご存知でしょう。そして、移動展開訓練を陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地(防衛省・新宿区)、陸上自衛隊練馬駐屯地(練馬区)、新宿御苑(環境省・新宿区)の外、貴職が管理運営している都立代々木公園(渋谷区)、晴海埠頭(中央区)、日比谷公園(千代田区)、お台場海浜公園(港区)などの約10個所で実施するとの計画についても、既に聞き及んでいるはずです。
(2)しかし、貴職は、福士敬子都議から提出された文書質問(第3回都議会定例会)への11月末の回答で、「防衛省から連絡があれば、具体的な内容を見た上で、都として適切に判断します」などと連絡待ちの姿勢に終始しています。また、「迎撃の必要性と影響については、政府が判断すべきものと考えています」などと、住民(都民)の生命と安全を考えるべき自治体の長としての責任を放棄しているとしか考えられない態度を示されています。
(3)日本政府は、MDをアメリカ政府と共同開発し、配備を進め、2007年11月29 日には千葉県習志野演習場にもPAC3配備を開始し、2007年度末までに武山駐屯地(神奈川県横須賀市)、霞ヶ浦駐屯地(茨城県土浦市)にもPAC3を配備しようとしています。
MDの装備予算は、当面でも1兆円にも及ぶと見積もられています。守屋元防衛次官と防衛産業との癒着が問題になっていますが、MDをめぐる利権についても防衛省幹部と防衛産業の癒着があると思われます。
またMDは、弾道ミサイル攻撃に対する「防衛」のための「盾」のように言われていますが、「盾」は「矛」とセットのものです。アメリカ政府は、2003年、イラクに対して国際法に反する「先制攻撃」を行ないました。MDは、そうしたアメリカによる「先制攻撃」に対する反撃として想定される弾道ミサイル攻撃を想定したものです。このことからすれば、日本政府は朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が発射する弾道ミサイルを迎撃するとしていますが、アメリカによる北朝鮮への「先制攻撃」を想定した迎撃態勢の構築ということになります。
このような現実に弾道ミサイル攻撃が想定される状況では、「武力攻撃事態法」が発動されていると思われます。その下で、PAC3の移動展開は、都民に知らされることなく、秘密裏に行なわれることは必至です。しかも、迎撃で守るのは、政経中枢機能で、住民の安全ではありません。それどころか、日本政府は、集団的自衛権の行使を禁じたこれまでの憲法解釈を見直して、アメリカに向かう弾道ミサイルを撃ち落すことを可能にしようという目論みも行なっています。
そもそも、大気圏外からマッハ20もの超音速で飛来する弾道ミサイルに迎撃ミサイルを当てることは、ハイテク技術をもってしても困難といわれています。撃墜しても、爆破や落下物により、住民に多大な被害が生じることが予想されます。また、発射の際の爆風やレーダー波による被害も、指摘されています。
不透明な防衛利権を拡大し、アメリカによる「先制攻撃」をやりやすくして、撃墜してもしなくとも住民に多大な被害を及ぼす状況に、知らないうちに住民を晒すMD態勢の構築でなく、対話による平和こそを平和をこそ目指すべきではないでしょうか。都としても、独自の自治体外交により、対話による平和で都民の安全を守る取り組みを推進することも考えられるはずです。
(4)展開訓練では、PAC3、1基につき5台のセット(最重量トレーラーは約50トン)で行なわれ、その他に隊員の輸送トラック、警備の軽装甲軌道車や高機動車、発射機の設置台の基礎固めを行なうユンボなど、10〜30台の移動が行なわれると予想されます。それも1団でなく、複数ルートを通る可能性が大きいといわれています。交通渋滞だけでなく、道路が重量に耐えられず、ガスや水道などのライフラインを破損させるおそれなど、様々な問題が起きる危険性があります。
また、移動先で発射を想定した演習を行なうとすれば、飛来する弾道ミサイルを探知するために電磁波が発しられる可能性もあります。強力な電磁波が引き起こす健康被害の問題も生じます。
(5)以上の観点からすれば、貴職は、政府に対して、PAC3の移動展開訓練を承諾することなく、少なくとも都立公園の占用許可を断り、都民の安全を最優先で守る責任を果たすべきしょう。
そこで私たちは、以下のとおり要請し、質問をいたします。
1月21日までに、ご回答、いただけることを求めます。
<要請事項>
①自衛隊のPAC3の都心への移動展開訓練に、反対を表明してください。
②自衛隊の都立公園の占用要請を許可しないでください。
③都は、自治体として、平和と対話を重んじる都市外交(国際交流)を推進してください。
④防衛省・自衛隊、政府から、移動展開訓練に関する申請や事前折衝を受けた場合、その情報を、私たちに包み隠さず公開・説明し、都民にも情報を広く開示してください。
<質問事項>
(a)防衛省・自衛隊、あるいは政府から、PAC3移動展開訓練に関する都立公園の占用申請または事前説明を受けましたか。あったとしたら、その内容を教えてください。
(b)その際、公園の利用制限や禁止(時間・区域)、警備(自衛隊や警察による)について、いかなる説明がありましたか。それに対して、貴職は、どのような主張や条件を提示したのでしょうか。
申請も事前説明もいまだにない場合、もし、それらがあったら、どのような主張や条件を提示しますか。
(c)都立公園の利用目的と軍事目的は矛盾しており、都立公園の軍事利用は不適切だと考えられますが、そうでないとお考えならば、その理由をお聞かせください。
(d)重車両を都道などに走らせ、都立公園を使用して、公物を破壊したり、原状回復不能の場合、どのような補償をするという説明がありましたか。それに対して、貴職は、どうお考えでしょうか。
(e)PAC3発射には強烈なレーダー波や爆風の衝撃が周辺を襲い、都民の安全を脅かす可能性がありますが、どのような説明を受けていますか。それに対して、貴職は、どのようにお考えですか。
今回の訓練でも、発射の影響予測を割り出すために、自衛隊が公園外の公道などにも展開する可能性がありますが、それについてはどのようにお考えですか。
(f)今回の訓練の動きは、公園の占用許可の問題だけでなく、住民の生活に様々な影響を及ぼすものです。その点からすれば、区市町村の意見を聴取すべきではないでしょうか。そのお考えはありませんか。
|