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【changeling】=取り替え子 (おとぎ話で妖精たちがかわいい子と取り替えていった)醜い子 ※アクセントは語尾が↑。(↓と思ってましたが。) (一部ネタバレがありますのでご了承ください。) 主演の「アンジェリーナ・ジョリー」が今年のアカデミー賞の主演女優賞を獲得し、興味を感じて見てきました。 結果は...素晴らしいの一言。 ストーリーは想像していたものと全然違い、意外な展開で進み、お涙ちょうだいという場面も若干あったものの、終わった後も「うーん」としばらく言葉もでず、考えさせられる名作です。 最近では、そうですね、いつ以来の感覚だろう。 「グリーン・マイル」かな?違うな。 「タイタニック」か「シンドラーのリスト」以来かも。 物語の背景は、1928年のロサンゼルス。 日本では昭和3年、昭和の初めです。 舞台セットとCGの合成画面だと思いますが、なかなか良くできています。 ごく自然な感じで、服装も当時の古着を大量に集めて研究したというだけあって、現在とはひと味違う新鮮さを感じます。 主人公「クリスティン・コリンズ」(アンジェリーナ・ジョリー)は、まだ差別社会まっただ中のアメリカで、社会的に認められていない「シングルマザー」。 そんな中でしっかり自立して、電話会社主任という社会的地位を得て、一軒家を所有するなんてきっと当時としては極めて珍しい女性だったのではないでしょうか? そんな彼女の生き甲斐の愛息「ウォルター」が突如、行方不明に。 という感じで物語は始まっていくのですが、しかしこの後のロサンジェルス市警(LAPD)の対応に??????.....というか無性に怒りを覚える展開となります。 映画の冒頭で、マルコヴィッチ扮するブリーグレブ牧師さんからも、不正や収賄、マフィアとの繋がり等、めちゃくちゃ非難されているロス市警ですが、クリスティンが行方不明で警察に電話するも「子どもは99%翌朝までに家に戻るから」と言って、行方不明から24時間は捜索はしないとまったくやる気なし。 結局、翌日から捜査を始めることになるものの、時既に遅しで全く手がかりなし。 事件は暗礁に乗り上げます。 クリスティンの必死の努力もむなしく5ヶ月が経過したある日、ロス市警から「息子さんが見つかりました!」との朗報が。 喜びで涙溢れるクリスティンと祝福する職場の仲間達、押し寄せる報道陣に得意満面のロス市警...とまあ、「おーよかったよかった」という展開になって、親子がいよいよ再会することに。 ところが再会した息子が実は全然違う子どもで...とここまでは予告編で折込み済。 しかし、そこからの展開が何て言いますか、見ている人を間違いなく怒りパワー100%にします。 昔のことだからDNA鑑定はもちろんないにしろ、写真や特長、血液型等でわかるはず。 たった5ヶ月で母親が見て、我が子をわからなくなる事って信じられますか?! それが母親が久しぶりにあって動揺しているからだって?! ロス市警は結局、子どもに間違いないとと半ば強制して引き取らせます。 子どもも子ども。名前も住所も嘘を言い、平然とクリスティンをママと呼ぶ...。 うーん、信じられない。 確かに言葉使い、礼儀作法が違ってたくらいならあり得るかもしれない。 でも身長が7cm低くなって、ユダヤ教の割札までされていて..。 それでも間違いないと言い切り、医師まで派遣して医学的にあり得ると押し切ろうとするロス市警。しかもこれが事実とは本当にこわい話だ。 いくらマスコミに叩かれたからと言って、いくら焦ってたといったって警察が間違える? 私には単に年齢が一致した迷子を単にあつらえ、「チェンジリング」(替え玉)として安易にけりをつけようとしていたとしか思えません。 もしかしたら、自分のことを何も言わない子どもに、しびれを切らした警察が「君はもしかしたら、ロスのウォルターか?」と誘導したのかもしれませんが....。(これ私の想像) 何とか自分の子どもでないことを警察に認めてもらうために、クリスティンは必死です。 歯医者から歯の治療痕の証明もらったり、学校の担任から発言してもらったり...。 しかし、そこまでしなくてもみんなも言うんだから「違う」のは間違いないのに。 結局、あまりにもしつこい(自分のこどもだから当たり前なんだけど)ので、ロス市警は彼女を警察に呼び出し、今で言うモンスタークレイマーに強引に仕立て上げ、徹底的に罵倒した挙げ句、それでも言うことを聞かないので(聞く訳ないのですが)、最後は無理矢理、職権を乱用して精神病院に強制収容という事態に。ありゃりゃ最悪。 運良く、ロス市警を批判していた牧師が気づいてくれて、警察と直談判し、解放されることになるけれども、ここからロス市警察との「自分の正当性と子どもを取り戻す」戦いが始まります。 それとともに警察の根本的な腐敗問題に鋭くメスを入れる市民運動のきっかけとなっていきます。 ここまでは何となく想定内でしたが、ここからひょんなことから違う事件が絡んできて複雑化します。 この事件の解明とともに、誘拐事件との関連性も表面化し、ウォルターが殺されている(かもしれない)ということになり、警察も「でっちあげ替え玉事件」を認めざる得なくなってしまい、母親のクリスティンの勝利という筋書きとなるのですが、彼女は最後まで子どもの生存を信じ、待ち続けます。 最後はなんだか北朝鮮の拉致事件がオーバーラップしてきて悲しくなってしまいました。 彼女は何と96歳まで長生きし、70年近く、突然消えた我が子を探し続けて死を迎えたそうです。 (早死にしたという情報もありますが。) 替え玉となった子どもは、映画では母親に引き取られていきましたが、本当はその後、施設に入ったよう。 あの母親は継母で(映画ではそんな感じはしませんでしたが)、折り合いが悪かったのが原因らしいです。 映画でも母親に反発していたのでそのことは想像できるのですが、わずか9歳で無表情に淡々と替え玉をこなすあの子は何て子だろう? あの子の将来に末恐ろしいものを感じて思わず身震いをしてしまいました。 しかし、子どもへの愛のため、たった一人で巨大組織であるロス市警に立ち向かう母親クリスティンを演じたアンジーはすごいの一言で、主演女優賞受賞はお見事。 セクシーさと強さが売り物だった「トゥームレイダース」のイメージを捨てさせるほど激ヤセし、役づくりに徹した努力と演技は、彼女が本格的な名女優へとステップアップする契機としての作品になるかもしれません。 アカデミー賞は獲れなかったけど、こんな名作を作った監督のクリント・イーストウッドもお見事。間違いなく、後世に残る名作中の名作となるでしょう。 でも、私は、あのアンジーの真っ赤な「たらこくちびる」はやっぱり苦手だなあ。 (長くなりました。最後まで読んでくれてありがとうございます。)
※この事件の背景となるのは「ゴードン・ノースコット事件」です。 ネットで調べると背景が詳細にわかりますよ。 |

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最後まで興味を持って読ませていただきました
心が張り裂けるような悲しい話ですね
2009/3/6(金) 午後 11:40
おぉ!ご覧になったんですね。
アンジーのたらこ唇は私も苦手ですが、予告を見て非常に興味をそそられていました。ネタばらしありがとうございます(笑)
次回お会いしたときに、詳細を!
2009/3/7(土) 午前 1:57 [ サリー ]
根室(今は神戸かな?)DAIKIさん、いつもありがとうございます。悲しくて言葉がでませんよ。是非見てください。
2009/3/7(土) 午前 10:44 [ 北のかもしか ]
サリーさんこんにちは。ありがとうございます。最近はいろいろなところで大活躍ですね。根室革命頑張りましょう。是非、みてください。
2009/3/7(土) 午前 10:46 [ 北のかもしか ]