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芸術

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30歳という若さでパリに没した画家「佐伯祐三」展が道立近代美術館で開催されています。

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これは、没後80年を記念し、大阪そごうデパートで昨年の開催された展覧会が、全国を巡回し、今回札幌へやってきたもの。
佐伯祐三の絶大なる信奉者であった山本発次郎氏の所蔵品の寄贈を受け、日本で最大の佐伯コレクションを有する大阪市立近代美術館建設準備室の所蔵作品を中心に約100点が展示されています。

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佐伯祐三との出会いは、私が大学生の頃まで遡ります。
当時は滅多にデパートなんて行きませんでしたが、偶然立ち寄った新宿伊勢丹に当時あった伊勢丹美術館で「モンマルトルの画家たち展」(だったと思う。間違っているかもしれません??)が開催されていていました。
数年前にフランスへ行っていたこともあり、興味を覚え、ふらっと覗いて見ました。
どのような絵があったのか全く覚えていないのですが、唯一覚えているのは、販売されていた「佐伯祐三全画集」。
一枚一枚めくっていく度に、パリの何気ない身近な風景や建物を重厚な色彩と激しい筆使いで表現していく佐伯祐三の作品に圧倒されていきます。
この画集が欲しくてたまらなくなり、しばらく迷っていました。
しかし、定価は何と10万円で貧乏学生だった私には買えるはずもありません。
結局、絵はがきを数枚購入しただけでした。
このことを契機に「佐伯祐三」が私の心にしっかりと刻まれました。

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〔経歴〕
佐伯祐三は、大阪のお寺の次男として生まれます。
東京美術学校(現在の東京芸術大学)に学び、25歳でフランスへ渡っています。
この頃の作品はどちらかと言うと穏やかな作風だと思います。

当時の巨匠ヴラマンクを訪ね、「このアカデミック!」と怒声を浴びたという佐伯ファンなら誰でも知っている有名な体験が佐伯の画風を大きく変貌させるきっかけとなります。
この後、さらにユトリロの影響を受けつつ独自の画風を確立していくことになります。
ちょっと遠目の風景画は何となくユトリロに似た感じがあるのはそのせいなのですね。

その後、健康を害した佐伯は帰国し、新宿下落合の風景画等を描きながら、仲間とともに「1930年協会」を設立し、活躍します。
しかし、日本の風景画を描けば描くほど、佐伯の心にパリへの思いが燃え上っていきます。
とうとうこの思いを断ち切ることができず、翌年再びパリに渡ります。
この「落合風景」を含む一連の作品がは何か一抹の寂しさを感じさせるのはそのせいかもしれません。

この後、まるで死を急ぐように、佐伯は長時間、街頭に立ち尽くして絵を描き続けます。
屋外で絵を描くことは、徐々に佐伯の体力を奪い、病状を悪化させます。
とうとう精神面でも不安定になり、自殺未遂を経て、精神病院へ入院しますが、一切の食事を拒み、わずか30歳で短い生涯を終えました。


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展覧会は、5つのセクションに分類されています。

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第1章 凝視する自己・自画像の時代〜東京美術学校時代からパリに行くまで〜
    表情も絵そのものも穏やかな「自画像」です。

第2章 ヴラマンクとの出会い  〜第1次パリ時代〜
    ヴラマンクから怒声を浴びせられ、新たに画風を模索する「立てる自画像」
精神性的に混乱しているのか「表情」が意図的に削られています。

第3章 帰国時代
    何となく心の寂しさを感じさせる「滞船」

第4章 燃え上がる熱情、パリ  〜第2次パリ時代〜
佐伯祐三が激しさが作品の溢れ、個性が開花し、一番充実していた時期かもしれません。

第5章 画家・佐伯祐三、最後の3ヶ月。モラン、そして死
病院の中で描いた「郵便配達夫」には悟りのようなものも感じます。

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出口では、佐伯祐三の絵を気に入り、蒐集した山本発次郎氏に関するVTRが流されていました。
佐伯の死後、佐伯の絵を知って、蒐集を続けた山本発次郎氏は、晩年の作品をほとんどを手に入れ、戦前には画集も出版しました。
戦争時、絵を疎開させようと何とか一部の絵が疎開できたその夜に空襲があり、疎開に間に合わなかった多くの絵が灰となってしまいました。
灰となった絵を見て、山本氏は「すべての絵を疎開させたかった。」と悔しがったそうです。
それでもまだ戦禍を免れた佐伯祐三の絵がこうして私たちを感動させ、失われた作品も山本氏の残して画集のおかげで目にすることができます。
そんな彼の功績は絶大で、彼の存在がなければ佐伯祐三の今日の評価はなかったかもしれません。
そして、父の遺志を継いだ息子さんは昭和58年、その山発コレクションを大阪市に一括寄贈しました。
大阪市が美術館を建設したらおそらくもう貸出されることはないかも知れない、不世出の天才画家「佐伯祐三」の芸術を是非今のうちにご鑑賞ください。

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美術館の前庭では桜が満開です。

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北海道の季節では春が一番好きです。

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