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作家「山崎豊子」のベストセラー小説「沈まぬ太陽」がいよいよ映画化されました。 あの長い内容を、しかも世界のあちこちに舞台が変遷していくものをどう映画化するのか。 今年の春先にポスター(ちらしかな?)を見て、気になっていました。 現在、日航は政府から支援を受けなければならないほどに経営悪化。 そんなタイミングに日航の恥部を世にさらけ出した小説が映画化とは。 日航の経営陣がクレームを付けるのも理解できます。 でも「こんなことは現実にあるわけない」云々には思わず笑ってしまいました。 確かに小説ではフィクションとされています。 でも、多くの読者はフィクションとは思っていないはず。(私もその一人。) 過去の反省もせずに、現実逃避して否定のみをする体質そのものが今日の経営破綻を招いたのではと思えてしまいます。 (筋書きを簡単におさらい。) 時代は日本の高度成長期、日本唯一の国際線を担う会社として独占企業だった国民航空。 航空規制緩和からこの会社が100%民間企業となるのは1987年11月だからまだまだ先の出来事。 大阪行き123便が墜落したのが1985年8月だから、意外にもこの時もまだ完全民営化前でした。 仲間に推挙され、仕方なく国民航空の労働組合委員長に就任した「恩地(渡辺謙)」。 職場環境の改善に奔走した結果、経営陣から反会社的な黒幕的な存在とされてしまい、会社側の組合分断・組織力低下の画策により、露骨な嫌がらせで海外へ左遷させられてしまう。 逆に「恩地(渡辺謙)」にいろいろと知恵をつけていた同期で組合の副委員長だった「行天四郎(三浦友和)」は経営者側に取り込まれ、エリートコースへ。 会社側の誘いかけに負けず、自らの信念を貫き、カラチ〜テヘラン〜ナイロビと足掛け10年の左遷に耐えた「恩地(渡辺謙)」はようやく日本へ帰還できたものの、東京本社で閑職に追いやられる。 そんな折、「国航ジャンボ墜落事故」が起こり、閑職の仲間達が遺族係に配属されるが、久しぶりの仕事らしい仕事に生きがいを感じ、遺族達にも大いに信頼され、活躍する。 国民航空の度重なる不祥事に業を煮やした政府は再建を期し「国見(石坂浩二)」を会長に招聘し、新体制をスタートさせた。 この時、組合委員長時代や遺族係としての活躍を評価された「恩地(渡辺謙)」は会長室の部長に抜擢され、会長の「国見(石坂浩二)」とともに会社と腐敗と闘うこととなる。 腐敗が暴かれていくうちにその裏で甘い汁を吸っていた政治家達の会長「国見(石坂浩二)」降ろしが始まり、ついに国見は解任された。 「恩地(渡辺謙)」は遺族係への配置を希望するものの、またもや「行天四郎(三浦友和)」の嫌がらせを受け、再び、ナイロビへ左遷させられてしまう。 (極めて簡単ですが、こんな感じでしょうか。) 長い小説ですから約三時間に映像化しても、まだまだ語り尽くせない部分があるのは仕方なし。 原作を読んでから見ないと判らない細かな背景も多かったような気がします。 でも政治の闇と癒着したかっての日本航空の内情は実にリアルに表現されてます。 航空機事故は遺族には申し訳ないけれど結果的には企業体質が招いたもの。 天下りの役員達の責任逃れの発言からもいかに日航が腐敗していたか一目瞭然。 そんな中で、自己の信念を貫き、甘い誘惑に乗らず、仲間のためにと一人大企業に立ち向かう渡辺謙の演技は空しさを覚えるほど孤高で素晴らしい。 渡辺謙の孤高な姿とは対照的に、権力に迎合し闇の世界にどっぷりと浸かる三浦友和は、虫酸が走るほど嫌らしい役を淡々とこなしている。これも素晴らしい。 その他、豪華キャストで見所もたくさん。 わざわざ休憩を入れないで一気に見せてほしかったような気がします。 そして山崎豊子の作品はいつもそうですが何か続きがありそうな結末。 もう少しパッキと終わってくれればすっきりするのに。 最後に表題の「沈まぬ太陽」の “太陽”って、もしかしたら主人公の「恩地」のことかな。 と映画を見て感じました。 いい映画です。ぜひご覧下さい。
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本を読みました
2009/11/24(火) 午後 10:21
大喜さん、映画もなかなか良いですよ。
2009/11/24(火) 午後 11:22 [ 北のかもしか ]