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12月の当直でのこと
「先生今日救急車とれないからね!」
病院に着いたので救急外来に顔を出したら、あいさつもまだしてないのに主任さんからいきなりこの一言です。満床でもちろん重症用の部屋はひとつもないとのこと。少し寒くなってくると満床に近いことはざらなのですが“今年はちょっと早いのかな?”程度に思ってその日の仕事は開始。
「じゃあ外来もしめちゃおうよ」 とか冗談でいってみるけれども、 実際入院適応の患者さんが来たらお手上げ という笑えない状態。
昼ぐらいに少し時間ができたので病棟にいってみると、なぜか重症部屋に一人も患者さんがいない。
“??なんだ病室空いてるじゃん”
と思ってナースステーションをみるとそこは 車椅子に乗った老人の患者さんがいっぱいになっていて食事を食べていました。
なんのことはない重症部屋は老人に占領されていたのです。
これはその人達が重症ということではなく、 問題行動が多すぎて目が離せないからで、仕方がないといえば仕方がないのですが、
こういった老人患者さんの引き受け先の病院をみつけることはかなり困難です。
老人の受け入れ先がないということは医療崩壊なんてことが叫ばれるまえから(少なくとも都内の病院では)すでに日常茶飯事だったのですが、重症部屋の全部が(重症じゃない)老人でうまっているということが起きているのは、偶然にしても異常です。
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同じ日に救急隊から転送の依頼があるとのことだったので電話を受けたのですが、
依頼先はなんと新宿の某大学病院(!)あまりに意外だったので最初はウソ電話とおもってしまいました。
(筆者注:なぜか当直をやってるとマンションの勧誘の電話がかかってくるのですが、こちらにつなぐ為に大学病院だとウソをつくという迷惑行為が当たり前に行われています)
実際は救急隊の電話がウソなわきゃないんですが、ここ足立区です。埼玉の一歩手前です。
この病院かけるまでに すでに6件に断られていたということですが、うちが7件目になりました。すみません本当に(救急に対応できる)病室はないんです。そのあと果たしてどうなったのかはわかりません。埼玉まで行ってしまったんでしょうか? とりあえず新聞には載ってなかったと思います。
今年の12月はあまり寒くなく重症の患者さんは割合少ない印象がありました。でも病院は満床が当たり前の状態です。はたしてこの冬はどうなってしまうのでしょうか?
在宅でみることができない老人はたしかに存在しています。
じゃあその人達がいるのはどこかといえば、以前のような老人病院ではありません。救急病院です。
片寄ったものの見方かもしれませんが、 老人病院をへらしても先に崩壊するのはおそらく救急医療のほうです。
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