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本日は、伊達の詩友であった広田修氏からの挽詩を記載します。
なおこの詩は前回の晩詩と共に、広田氏の第二詩集『Vary』に掲載されているものです。そして我々夫婦にとって、とても有難い詩であります。


        『 未 来 ーD.K.へ 』


君は静かに「消えていった」。君は「消えていった」という言葉を望むだろう。だが私はこう思うのだ−−−−君は「殺された」と。そして君を殺したものに、僕もまた殺されかけている。だが君を殺したものはいったい誰だ?それは誰でもないのだ。罪を負う主体が存在しない無責任で物質的な混沌が、にもかかわらず持っている無窮の権力でもって、君の身体を疲弊した密林に迷い込ませた。君の食料は棘だらけで毒だらけで、全てが負傷していく密林でもはや地に斃れるしか行き場がなくなったのだ。


君は沈黙しながらも、この社会という物質的な混沌の中に巻き込まれ、至る所に壁が聳え立っては崩れ去り、不意の火災が起きては焼跡を作り、「事件」と名付けられるべき衝撃の数々が泉のように湧いてくるのを現に生き抜いた。
暴力的な事件は例えば陽射しのように毎日降り注ぐものだっただろう。
だが君は自分の詩を生きるための根拠として、動力として、未来へと向かう無数の行動の種として、一層育んでいったのだ。


詩とは愛であり、優しさであり、強さであり、知ることであり、感じることであった。どんな密林であっても、君の中には強固な詩があることによって生き抜くことができた。社会からの混沌的な暴力を受けても、君の中の詩は揺らぐことはなかった。社会が無機質の不条理な岩のようなものであったとするなら、君の詩は生命を持った他者や自己へのまなざしそのものであった。君の死は君の詩の完成ではなかったか。社会を生き抜いた君は社会に殺される直前に君の詩を完成させたはずだ。自らの存在と倫理の根拠としての詩を完成させて、その安堵の中で斃れたはずである。


僕もまたこの物質的な暴力が渦巻く社会を生きながら、自らの詩を、その若い情熱、繊細な愛を一層育んでいこうと思う。君の生きざまはまさに僕の生きざまの根拠となるだろう。君の詩を貫く原理は僕がこの社会を生きていく原理となるだろう。君という一人の人間が作り上げた詩の容量は無限であり、その原理は困難を乗り越える指標となるだろう。僕もまた、常に君の詩、そして自分の詩という原点に立ち返りながら、単純に社会の下僕となることなく、社会すら包み込む大きな愛として、大きなまなざしとして生きていきたい。僕の詩が完成するとき、再び僕は君と互いに互いの詩を読み合いたい。そのとき君はどんな笑顔を見せてくれるだろうか。



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