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『静かに』

勇治さんの制止に4人は耳を澄ました。

『ガー、ゲー、ゴー』

大関山の山頂近くの水源。標高約850m。

『これが、ベッコウサンショウウオの鳴き声です』

落ち葉が濡れてコケがはえてどこかでポタッ、、、ポタッと水滴の落ちる程度のかすかな水源となっている大きな岩の狭い隙間から鳴き声が聞こえる。

カエルでもない、カラスでもない、摩訶不思議な声である。

今回はベッコウサンショウウオの孵化を見にきた。

オタマジャクシが卵から孵化するのとほとんど同じように孵化し、すぐに岩の中に帰っていくらしく、ひょっとしたらその現場に行き会うかもしれなかった。

『どこにも無かバイ、オランバイ』

とあきらめてそろそろ帰ろうかと思い始めたときに勇治さんの制止が入った。

『デジカメのムービーモードで音をとることが出来たはずバイ』

慣れないムービーモードにしてスイッチを押し続けた。

写したつもりだがどうもおかしい。

再生してみるがやはりおかしい。

音の記憶として残すとするか。

あっちの岩とこっちの岩で鳴きあっている。

『ガー、ゲー、ゴー』

ひょっとすると恋の季節。今後産卵するのかも知れない。ラブコールしているのかもしれない。

『ゲー、ゴー、ゲー、ゲー、ゲー』

私も似てない鳴き声を出してみるとさらに応えてくる。

サンショウウオを見るよりもうんと珍しい鳴き声を聞くという体験をしたのかもしれない。

道無き林を抜けて山道を少し登ると大関山頂だ。

『大野はどっちに行けば良いですかネ?』

黒い大きなワゴン車に乗った人に尋ねられた。

この付近に詳しい勇治さんは先に山頂に登っていて、よくわからない4人に尋ねてきた。

『多分、下の三叉路を右に行けばいいと思いますよ』

私は確信の無い答えを首をひねりながら答えた。

道を間違えても大野か古石に行くのだから、車だったらどっちに行ったにせよ最後には大野に行くのだろうから、先ほどの返答は大間違いではないと頭の片隅で納得して山頂に向った。

『勇治さーん』

『勇治さーん』

『はーい。ここ、ここ』

拝殿の中から声がする。

2礼2柏手1礼でおまいりをして横のほこらに行った。

貝殻や真珠貝の殻など海のものが置いてある。

薄板上の岩で組み上げたほこらは地元山の神様の特徴。

『今岡さーん。帰るバイ』

何の面白みも無いほこらにとりつかれたように写真を写している。

明日までも捕り続けそうな感じなので呼びかけたら、、。おとなしく出てきた。

『この付近に乗ればゴットン、ゴットン音がすっとですヨ』

横が3mくらいの左端に乗ってジャンプするつもりで上下すると

『ドン、ドン』

とゴットン岩が鳴る。

今日は古石一帯が祭りである。

勇治さんは岩之上神社の祭りで昼前から飲んでいるが、急な斜面を登ったり下ったり素早い歩きはさすがである。運動不足の私はすぐに遅れをとってしまう。

写真は古石には少ない山頂近くの原生林の中にあるサンショウウオの住む水源である。

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