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御父様・・・御母様・・・
いつもお側に居た時にはこんな気持ちになった事は一度も無いのに
何故にこんなに悲しいの・・・
涙を流しながら悲しむ姫
その様子を、悲しそうな顔で見ているタケル
船は、荒波を進んでいました
やがて元気を出して下さい姫様・・・
まだ出発したばかりだというのに、その様な感じですと
会いたい人に会えません・・・
そうですね・・・会う為に、御父様や御母様と別れて
荒海に出て来ているのに・・・タケルさんには本当に大変な思いを
させているというのにごめんなさいと深く頭を垂れた姫
頬を伝う涙・・・今までお城から出たことが無かった姫が
今は自分の意志で船出をしている・・・
しかも、両親に反対されていても・・・
姫は深く感じていました
両親の温かい愛情と我が身も省みないタケルの守ろうとしてくれる姿勢には
本当に嬉しかったのです・・・私、こんなにも恵まれていた環境にいたのだわ・・・
本当に今まで我が儘でごめんなさいと心の中で呟く姫
唸りをたてて迫って来た渦巻き・・・それをタケルさんの気転で
切り抜けられて、本当に良かったです・・・
心の底から反省して、心の底から嬉しさに喜ぶ姫
その顔にはとても優しい表情が溢れていました
現実離れした渦巻きの脅威に曝されたふたり・・・
今は何事も無いかのようなスムーズな進み具合でした
しばらく進むと大きな船が見えました・・・
それを見て
私達と同じ様に天の川を航海しているのだわ・・・
タケルさん・・・そうですよね・・・
しかし、タケルは姫の方を見る事も無く、険しい表情で大きな船を見ていました
姫様、あれは・・・もしかすると・・・
お気を付けて下さいと小さな声で、とても怖い
タケルさん・・・どうしたんですか・・・
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七夕の再会秘話
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姫の心からの手紙を見た両親は・・・
姫も辛かっただろうな・・・私達が気持ち良く許して上げてなくて・・・
だが、危険な荒海に、それを克服する知識を持っていない姫を
ためらい無く送り出す気持ちには成らなかった・・・
その為
色々な経験や知識を持っているタケルを側に
置いたのだが・・・今は無事に再会を果たして
無事に帰ってくることを心から願っているのだ
王様・・・その心根の優しさは痛い程分かります・・・
それが1番分かっているのは姫だと思います・・・
本当に親思いの姫ですから・・・
ですので、この後は、姫達の身に災いが無いことをお祈り致しましょう
本当に辛いですが、これも運命・・・我が子が幸せなのが1番の願い
そうだな・・・その様に諭してくれて、ようやく踏ん切りがついた
姫の安全をひたすら願うことにしよう・・・
両親は、やがて日が暮れて、キラキラと輝く星達に
そして天の川の方に手を合わせてお祈りしました
夜空の幾千万のお星様達は、更にキラキラと輝き始めました
一方、姫達は、両親の身を案じながらひたすら、天の川を
北の方に向け進んで行きました・・・
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御父様、御母様
私の我が儘をお許し下さい
最愛成る御両親様に、この様な心ない行動をしてしまい
本当に申し訳ありません
陰の方で、色々と優しい手を差しのばして下さいまして
そのことに気が付いておりましたが、知らない振りをして
更に、本当は大好きなのに、大嫌いなんて
心にも無い言葉を発してしまいました
本当にごめんなさい・・・
許して下さい・・・
私は御父様・・・御母様の娘です
本当に今まで大事に育てて下さって有り難う御座います
ですが、これで別れでは無いのです
ほんの一時お時間を下さい
悲しまないで下さいね
悲しみに暮れていたとしたら、私は身も心もズタズタになりそうです
少し旅に出たと思って下さいね
それでは行って参ります
タケルさんのような頼りになる方を付けて頂き
本当に有り難う御座います
どうぞお体を労って下さいませ
姫より・・・
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両親と私の間に立って・・・色々とご迷惑をお掛けしましたと
深々とタケルに頭を下げる姫
姫様お止め下さい・・・本当に有り難う御座いますと大粒の涙を流すタケル
タケルと姫は、同時に、お城ではどうなっているのだろうと
思いました・・・
一方
姫との別れを涙ながらに暗闇で見送った両親は
・・・王様と女王様は
深く悲しんで、歩くことも出来なくなったので侍従達は背負って
お城に連れ帰りました
大粒の涙を流しながら
姫・・・姫・・・何故に私達を残して行くんだと王様は大声で泣き叫びました
あなた・・・私達が許して、行かせたのだから・・・
ね・・・
お願い・・・それ以上嘆かないで下さい・・・と
慰める女王様・・・
タケルさんが姫をきっと守ってくれます
そうだと思うが・・・とても心配で・・・
今となってはタケルさんに任せて置くより仕方ないわね・・・
でも寂しい・・・
ふたりは・・・姫と接したくて・・・とはいえ、もう遠くに行ってしまった姫
姫の居た部屋へと向かった・・・
姫の居ない部屋に入るふたり
そこで目にした物は・・・
御父様、御母様と書かれていた封書
裏には姫よりと書かれてありました
急いで開封する
そこには・・・
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想像を絶する恐怖を体験したふたり
タケルの機転でどうにか脱出出来たが
その疲れで、グッスリと船底で眠りにつくふたり
やがて
眠りから覚めたふたりは起き上がり
無事を喜びました
しかし、その途端
タケルは姫に向かって
手をついて謝りました・・・
姫は・・・
どうして謝るの・・・
それは・・・実は・・・
私は御両親様から、姫を宜しく頼むとお願いされて居たのです
私は御両親様から頼まれておりましたが、姫様には
知らない素振りをして居りました・・・本当に申し訳ありません
激しく逆らって居られる姫様のお姿を見ていますと
御両親様から頼まれていた・・・更にお金を渡されておりますとは
言えませんでした
頂いたお金は船に積んであります・・・何か有れば
使えるかどうかは分かりませんが、役立つかと思っております
本当に騙していて申し訳ありませんと
タケルは姫様に頭を下げました
すると姫は、実は私、分かっていたわ・・・
両親の信望が厚いタケルさんですもの・・・
そして私に対して必死に良かれと説得していた状況は
恐らく両親の意向が掛かっていたのだろうと思って居りました
えっ、姫様はご存知だったのですか・・・
思わず絶句するタケル
それであればもっと早めに打ち明けるべきだったと
肩を振るわしながら涙するタケル
更に、タケルの言葉は続きました
姫様が船に乗られてから・・・
御両親様の事を
本当に分かって居られないとしたら
私は行くのを止めて、船を戻そうとしていたのです
ですが、そうではなくて、更に姫様の御両親思いの本当のお姿には
最高に感動致しました
そして、置き手紙まで置いてこられたとは・・・
流石優しい姫様と思いました・・・
私、姫様のその様な行動が・・・本当に嬉しかったのです
タケルさん・・・本当に辛かったでしょうね・・・
胸の内明らかにして下さって本当に有り難う・・・
姫の目からキラリと涙が零れました
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