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郊外の街に住む主婦のサラ(ケイト・ウィンスレット)は、近所の公園で、司法試験の合格を目指す主夫ブラッド(パトリック・ウィルソン)と出会った。

いつしか二人はお互いに惹かれあい、気持ちを抑えられなくなってゆく。

そんな中、街では元受刑者のロニー(ジャッキー・アール・ヘイリー)が釈放され、話題となっていた。

ブラッドの友達で元警官のラリー(ノア・エメリッヒ)は、子供たちを守るために、ロニーを糾弾するビラを街中に貼り回っていた。

周囲から拒絶される息子ロニーを、母親のメイ(フィリス・サマーヴィル)は、温かく見守っていたが・・。





シニカル感を漂わせながらも、深い視点から描き出された’人間の真の姿’に、心が激しく揺さぶられる、ヒューマンドラマの大傑作、でございます。



本作品では、ケイト・ウィンスレット演じるサラと、パトリック・ウィルソン演じるブラッドとの、「不倫愛」がストーリーの軸となっています。

しかしながら、’二人の行方’を追いかける恋物語だけにとどまってはおらず、どちらかといえば、いくつかある’サブストーリー’の方に、面白みが多分に含まれている気がいたします。



幼児への’性的犯罪’で刑に服していたロニーは、刑期を終え、一住民として街に戻ったものの、周囲からは、危険人物扱いを受けてしまいます。

ロニーの母親であるメイは、自らの老いから、息子の将来を心配し、新聞広告で恋人の募集欄に応募をします。

しばらくして、ロニーにデートの相手が見つかると、メイは気を遣って、離れの街のレストランに予約を入れます。

ロニーのデートの相手は、精神的にやや不安定で、発作を繰り返しているという弱い女性でしたが、ロニーは紳士的に、優しさをもって彼女に語りかけます。

レストランからの帰りの車の中で、彼女は、ロニーに対して好意を示します。

もう一度会いたい、というニュアンスの言葉を、精一杯に表現している彼女の真横で、ロニーはというと、あろうことか、自らの性器を激しく手で擦りあげている最中でありました。

己の異常な性欲に対して、悔しさを、顔一面に滲ませながら。。



ロニーを演じたのは、本作品で助演男優賞ノミネートを果たした、ジャッキー・アール・ヘイリー、であります。

デヴィッド・フィンチャー監督作『セブン』で、連続殺人犯を演じたときのケヴィン・スペイシーにどことなく似た感じの、’内に秘められた狂気’が醸し出された演技力は、本作品の中で際立っていたと思います。



映画終盤、ロニーの母親であるメイが亡くなり、彼は動揺から、激しく家の中で暴れまわります。

自宅を飛び出し、近くの公園のベンチで泣きじゃくっていたロニーのもとに、前々から彼に対して嫌がらせをしていた、元警官のラリーが駆けつけます。

謝罪の言葉とともに、ベンチに近寄るラリーでしたが、彼はロニーの姿を見て、茫然自失としてしまいます。

思わず涙が溢れ出てきてしまいそうになったほど、驚きに満ちた、衝撃のラストシーンでございました。



随分と偏った記事になってしまいましたが、主要人物のキャラクター、各々の’人間らしさ’を真摯に見つめ、掘り下げたであろう、トッド・フィールド監督の「視点」あればこその、驚きと衝撃であり、各映画賞からの絶賛を浴びるにふさわしい、「大傑作」であると思います。





サムソン満足度  97点
 

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    当地での上映はこれからで、楽しみにしているところなのですが、サムソンさんも満足されたようですし、衝撃のラストも興味深々ですね〜。 早く観たいっっ;;;

    kim

    2007/8/19(日) 午後 6:16

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    kimさん、ども♪ お〜、これからなのですね。 これはかなりイイですよ ^^;
    ヒューマンドラマの傑作ですねェ。
    ご覧になりましたら、感想お聞かせくださいまし〜。

    サムソン

    2007/8/19(日) 午後 10:49

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    観てきました〜〜。これは確かに傑作です。今年観た作品でもかなり上位に位置するくらい良かったです!
    しかしケイトさんは体当たり演技でしたね!!^^
    TBさせて下さいね〜

    SHIGE

    2007/8/22(水) 午前 0:46

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    SHIGEさん、ども♪ おお、ご覧になられましたか〜〜。
    んもう、傑作ですよね〜。 ケイト・ウィンスレット、記事にはあまりしてませんが、イイですよね〜。 お気にです!
    TBどうもです〜♪

    サムソン

    2007/8/22(水) 午後 10:49

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    なるほど、変人っぽいところは、ケビン・スペイシーに似てますね。
    ただ、ケビンの方が、大物の風格があるような気がするのですが。。。
    もっとも、単なるド変態と異常殺人犯ですから、格は違いますよね。
    私は、「ホリデイ」でしか知らなかったケイトの大胆なシーンが驚きでした。
    これからも、そういう彼女には期待したいと思います。(^^)V
    TBさせてください。

    ■Doobie■

    2007/9/9(日) 午後 11:29

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    Doobieさん、ども♪ んまあ、たしかにケビンさんの方が風格ありますよね。 ジャッキーさんにはこれから、幅の広い芝居で「格」をつけてもらいたいですねぇ。
    ケイトは大胆でしたよね。 肉付きいいし。。 ^^;
    TBどうもです〜。

    サムソン

    2007/9/10(月) 午後 11:11

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    私もやっと観ることができたのですが、難しい映画でしたよ〜(^^;
    サムソンさんの記事にある”各々の’人間らしさ’を真摯に見つめ、掘り下げたであろう、トッド・フィールド監督の「視点」あればこその、驚きと衝撃”っていうのは、ほんとそうでした。
    私的には何度も観たいタイプではありませんが、凄い映画でした!
    TBさせてくださいね。

    kim

    2007/9/21(金) 午後 1:24

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    kimさん、ども♪ ほんと、「すごい」映画でしたね〜。
    猛暑の夏、観に行こうかどうしようか迷ったあげく、結局観に行って、大満足した映画でした〜。 いや〜。。 (^。^;
    TB、どうもです〜♪

    サムソン

    2007/9/21(金) 午後 10:35

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    おぉ〜高評価ですね。
    単なる不倫ものに終わっていないのが面白かったですね。
    主演の2人以外のエピソードがよかったです。
    TBさせてもらいますね。

    くみょん

    2008/1/19(土) 午前 3:07

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    くみょんさん、ども♪ はい〜、これはかなり満足した映画ですねぇ ^^;
    そそ、いろんなエピソードがバランスよくてGoodでした。
    TBどもです〜〜。

    サムソン

    2008/1/19(土) 午後 4:57

  • DVDが出ましたのでやっと観る事が出来ました。
    この映画は私も好きですね。。中身はずきずきするようなものなのですけど、それでも生きていく人間たちへあったかい視線をトッド・フィールド監督は注いでいるように感じられまして。。
    トラバさせて下さいませ^^

    恋

    2008/2/11(月) 午前 9:53

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    恋さん、ども♪ そそ、あたたかい視線がありますよね〜。
    トッド・フィールド監督、これからも益々活躍してほしいです。
    TB、どうもです〜。 ^^

    サムソン

    2008/2/11(月) 午後 1:27

  • 97点、高いですね!でもラストは衝撃・・・というか哀しいというか・・・なんともいえないラストでした。2人の物語だけでなくロニーを並行してみせてるのが良かったです。TBお返ししますね

    LAGUNA

    2008/4/13(日) 午前 1:05

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    らぐなさん、ども♪ はい〜、衝撃でもあり、悲しげなラストでもありましたねぇ。
    ストーリーが並行しているところ、よかったですよね。 TB、どもです ^^

    サムソン

    2008/4/13(日) 午後 1:33

  • こんばんはw
    ロニーのほうのストーリーが印象的でしたね!
    不器用でも生きている姿にホッさせられる所もあったり…
    TBお返ししますね〜♪

    R*alph

    2008/5/3(土) 午後 10:35

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    ラルフさん、ども♪ そーそー、不器用な姿にほっとさせられるって、ありますね〜。
    ジャッキー・アール・ヘイリー、お見事でした。
    TB、どもです〜〜。 ^^

    サムソン

    2008/5/4(日) 午前 0:00

  • それぞれの生き難さが悲喜劇として描かれていて、面白かったです。
    上の写真、いいですね!何が一番大事か、誰に本当に愛されてるのか、いろいろ考えてしまう映画でした。ハー、でも生きてくのってみんな大変なんだなーと。TBお返ししますね。

    かりおか

    2008/5/17(土) 午後 2:21

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    かりおかさん、ども♪ はい〜、それぞれの生きづらさ、見応えあるドラマに仕上がってましたね。
    はい、生きてゆくのって、大変ですね。。 まあ、お気楽に。。 ^^;
    TB、どもです〜〜。 ^^

    サムソン

    2008/5/17(土) 午後 9:50

  • 偏見で人を決めつけるのは、良くないと思いつつ、プールに現れたロニーの姿を見ると、やはり、近所にいて欲しくないと思ってしまいました。彼の欲望は、自分でも制御できないもののようで、なんだか哀れでしたねーーー(TT)

    kuu

    2008/8/11(月) 午後 5:00

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    Kuuさん、ども♪ んん〜〜、やはりロニーには近所にいて欲しくないですか〜。 ^^;
    彼の欲望の制御の利かなさはもう、哀れなシーンもでてきましたねぇ。 (T−T)ウゥッ
    TB、どもです〜〜、、 ^^;

    サムソン

    2008/8/11(月) 午後 10:34

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