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恥 【1966 Shame】

 
元バイオリニストのヤーン(マックス・フォン・シドー)とエーヴァ(リヴ・ウルマン)は、戦争を避けて、街の中心地から離れたゴトランド島で静かに暮らしていた。

しかし、内戦が激化し、敵軍が島へ侵入してきたことで、再び狂気の渦へと投げ込まれてしまう。

凄惨な争いを目の当たりにし、平和な生活を破壊されたヤーンとエーヴァ。

気が付けば、ふたりはすっかり変わってしまっていた・・。


監督・脚本: イングマール・ベルイマン
撮影: スヴェン・ニクヴィスト
出演: リヴ・ウルマン/マックス・フォン・シドー/グンナール・ビヨルンストランド etc...



北欧の巨匠、イングマール・ベルイマンが戦争の不条理さを淡々と描き出す、ある一組の夫婦の物語でございます。

平穏に暮らしていたはずのヤーンとエーヴァの信頼関係は、戦争によって崩れかけてゆくのですね。

戦争、と一言で言い表すのは無理があるかもしれませんが、例えば、激しい爆撃音であったり、または爆風であったり、兵士たちの傲慢な態度であったりが、普段の生活に闖入してくるのですね。



「他人の悪夢に出演しているみたい」と、恐怖におののきながら呟く妻のエーヴァに、何もしてやることができない夫のヤーン。

子供を望んでいるエーヴァが、激しい爆撃から逃げ惑い、夫とともに身を小さくしながら、しくしくと泣きむせびます。

「子供がいなくて本当によかった」と。



戦争の不条理さが切々と胸に迫る、残酷なほどにリアルな心理描写

映画終盤、夫婦間に生じる「恥」に、胸の痛くなるような結末でございました。





サムソン満足度  86点 
      

狼の時刻  (DVD)

 
北海の小島に暮らす画家のユーハン(マックス・フォン・シドー)は、妻アルマ(リヴ・ウルマン)と静かな日々を送っていたが、昔の愛人ヴェロニカを忘れられず、思い悩んでいた。

ある日、古い屋敷に住む男爵家の晩餐に招待されるが、偶然にもヴェロニカを知る男爵家の人々は、奇妙な雰囲気を醸し出していた・・。

彼らの重々しさに、ユーハンは正気を失っていき、幻覚にとらわれるようになる・・。





スウェーデンが生んだ世界的巨匠、イングマール・ベルイマン監督が放つ、’妄想’と’狂気’をホラー色で染め上げた、おどろおどろしい一作でございます。



真夜中であるのに眠らず、ただじっと、夜が明けるのを待つという習慣の持ち主である、主人公ユーハンなんでありますが、妻アルマも、これ、旦那の傍らで慎ましやかに、安眠を失いながらも、愛する人を見守っているのでありますね。

日本でいうところの’丑三つ時’にあたる、’狼の時刻’を、まるで義務のように、ユーハンとアルマは耐え忍びます。



「眠らない」という行為が原因であるのか、ユーハンは、’現実’と’非現実’との区別がつかなくなっているのですね。

晩餐に招かれた古い屋敷にいるのは、天井を歩きながら話しかけてくる男や、自らの顔面の皮膚を丸ごと剥ぎ取る老婆、とこれ、奇妙奇天烈な輩ばかりでございます。



妻のアルマは正気を保っているかにも見えますが、ひょんなことから、ユーハンの日記を盗み読みしてしまい、旦那に対する信頼が揺らぎます。

「愛」とはいったい何であるのか・・ との葛藤に苛まれます。

ユーハンの奇妙な’狂気’に、妻アルマの’葛藤’がぶつけられたとき、待ち受けていたかのように、「悲劇」はもたらされます。。



白黒映像の美しさは、目を見張るほどに鮮やかで、絵的にも楽しめる一作であると思います。





サムソン満足度  84点

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蛇の卵 (DVD)

1920年代、ベルリン。

元サーカスの空中ブランコ乗りで、アメリカ系ユダヤ人のアベル(デイビッド・キャラダイン)は、巷で起こっている不可解な殺人事件の容疑者となる。

結局、容疑不十分で釈放されたアベルは、彼の死んだ兄の妻であった、マヌエラ(リヴ・ウルマン)と暮らし始める。

毎日飲み歩いて放蕩暮らしのアベルは、マヌエラとの愛に一旦は立ち直ろうとするも、生活の行き詰まりから関係も破綻してしまう・・・。





噂には聞いておりました、’北欧の巨匠’、イングマール・ベルイマン。彼の監督作をようやく観ることができたのでありますが、「淡々としたリアルさ」が散りばめられた本作は、これ、かなり好みの作風でありましたね〜。 ん〜、早くもハマりそうな、YO、KA、N。。 イヤン。。  

ハマる確率は、平成の名馬、ディープインパクトの単勝オッズ並であるのか・・ はたまた、昭和のアイドル、シブがき隊のヒット曲であるのか・・ 100%、そー、かもね。。 んんっ・・。 



本作品は、あの’ヒトラー’が蜂起する前のベルリンが舞台となっておりまして、乱れた秩序、暗澹たる街並、どうにもならない貧困、などが描かれています。

映画前半、デイビッド・キャラダイン演じるアベルが、’殺人事件の容疑者’となるのですが、作品はサスペンス形式には染まらず、アベルに尋問する刑事はといいますと、「世の中に絶望している」、といった嘆きを容疑者アベルに洩らすほどで、’殺人’までもが、暗い時代に溶け込んで消えてしまいそうな様子を呈しています。



’時代背景’が淡々と描かれてゆくなか、放蕩青年アベルと、キャバレーのショーガール、マヌエラとの関係に焦点が当てられてゆきます。

アベルにとってマヌエラは、離婚していたとはいえ、「兄の妻」であり、アベルの彼女への想いは、宙に彷徨い、混沌として、彼が、’心の拠りどころ’を得られない様は、ベルリンの不安定な街の様子とリンクしているようでもあります。



マヌエラを演じるのは、1970年代、何度かオスカーノミネートもされている’北欧の名女優’、リヴ・ウルマン。

んもう、デイビッド・キャラダインとのセリフの応酬は、おそらくアドリブであるのだろうなと想像させるほどに、’間合い’が絶妙であります。

リアルさを追求している女優さん、という印象を受けました。



街中で倒れている馬の肉をえぐり取り、売り物にしている女性のなんとも寂しそうな顔つき。。

娼館の薄汚れた一室、役立たず、と女二人にけたたましく笑われている若い黒人男性の、ぎこちない見栄。。



映画終盤、意外性のある展開に、「娯楽」の精神も垣間見ることができた、ベルイマンの狂気に満ち溢れた一作。

ん〜、こりゃこりゃ、この監督さんにはハマりそうですぅ〜。。





サムソン満足度  84点
 

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