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先日芥川賞を受賞した「コンビニ人間」を今読み進めています。 |
サムソンのBOOK雑記
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主に小説本について、なんやかや書いてます〜。。
コメント(4)
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久しぶりに金原ひとみの本を読んでみた。 綿矢りさと共に、20歳で芥川賞を受賞したのは2004年なんですね。 受賞作『蛇にピアス』に衝撃を受け、その後新作が出るたびに、新刊で買って読んでいました。 『アッシュベイビー』、『AMEBIC アミービック』、『オートフィクション』と、感性で書き殴ったような、瑞々しくも猥雑な文体がまた、刺激的でしたね。 今回久々に読んだ『憂鬱たち』は、短編集なのですが、主人公は神田憂という神経質な女性で、精神科に行こう行こうと思いながらもなかなか行けないという、一貫した設定があるんですね。 主人公の女性は金原ひとみの生き写し? なのかどうか判りませんけど、この著書の面白味は、怒涛のように湧き上がる「被害妄想」なんですね。 悪いほうに悪いほうに考え、負のスパイラルに陥る主人公のなんとまあ、滑稽なこと。 でも被害妄想って、少なからず誰もが持ち合わせる感情だとも思うので、神田憂の「憂鬱」はとても他人事には思えず、でも本書では、負の感情を思いっきりブッラク・コメディに仕上げているんですね。 人が共存して生きる上で、欠かすことができない「ユーモア」という要素。 生きてるのなんて、冗談でしょ? ぐらいのユーモアというか、笑ってやり過ごしてしまえ的な姿勢って、大事だよな〜って、思ったりもして。 シビアな状況に置かれた時こそ、ユーモアで、冗談で、はぐらかす。 なかなかできないかもしれないですけどね。(笑) 真面目さと不真面目さは、紙一重。 金原ひとみの感性、そして技巧も存分に堪能できる、面白みのある一冊でございました。
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もう何年も前に芥川賞を受賞した作家、平野啓一郎。 なんとなく、先入観で彼の本を手に取ることはなかったのですが、この間初めて読んだのが、『顔のない裸体たち』という作品。 お話としては、平凡な女性の中学校教師が、出会い系サイトで知り合った男に、性の奴隷にされゆくというものなんですね。 インターネット空間というものが、この物語の大きな鍵となるのですが、興味深かったのは、女性教師の思春期から、成人するまでの心の成長、あるいは、成長できなかったところ、だったりするんですね。 男性の作家さんが、よくもまあ、こんなにもリアルに女性の心情を書けるな〜、と、感嘆することしきり、だったんですけどね。 変態的な性の描写も色濃い小説で、女性教師の恋愛感情が、出会い系サイトで知り合った男に踏みにじられる過程は、けっこう衝撃的だったりもするんですよね。 歪んだ性、というものは、オトコだったら一度は憧れる? ものだったりするのかもしれませんが、まあ、最近は歪んだ性どころか、真っ当な性のほうも、からきし駄目で。 以前に、アナウンサーの羽鳥さんが、女性や恋愛に興味がない、というので周りからいじられるTV番組を見たんですが、なんか、自分もいじられてるみたいで・・。 でもまあ、年齢的に(自分は30代後半)、女性や恋愛への興味が薄れゆくのも、自然なことかな〜と思うんですけどね。 晩婚化とか、生涯未婚率の高さとかで、「恋愛年齢」も高くなりつつあるのでしょうか。 こんなこと言うと白い目で見られそうなんですが、自分はいま、余生を生きてるような感覚なんですよね。 でも悲観してるわけでなく、自分でも納得の、というか自然なライフスタイルで、必ずしも前を向いていなければいけない、ってことはないと思うんですよね。 停滞してても、いいはずなんですよ。 まあ、若い人はあんまり停滞しないほうがいいとは思いますけど。 つらつらと思ったことを書いてしまっていますが、この小説で怖いのは、インターネット空間なんですよね。 って、いきなり話が戻りましたが・・。 自分がパソコンを使い始めたのは、20代前半だったんですけど、今の若い人、とくに中学生とか高校生(男子)は、どういう風にパソコンを使ってるんでしょうね? 過激エロ動画見放題の現状が、今そこにあると思うんですけど・・。 そういうのって、巡り巡って、少子化問題とかに繋がらないんですかね。 (女性に興味を失う、性の簡易化、など) パソコンの登場は、人類に多大な影響を与えた、もしくはこれから与えると言っても、過言ではないと思うんですよね。 そんなことを言いながら、自分はスマホにはまったく興味がない、時代遅れ人間でもあるのですが・・。 (SuicaもEdyも使ったことないです。 あしからず・・。)
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久々に、陶酔を味わった一冊、中村文則著 『掏摸(スリ)』。 中村さんの著書は、デビュー作の『銃』、『遮光』、芥川賞を獲った『土の中の子供』、に次いで、手に取ったのは4冊目だったんですよね。 文字通り、スリを生業にしてる男が主人公で、怪しまれないために恰好だけは、高価な物を身にまとっているんですね。 家族も知り合いもなく、「身元」が無いために、ヤクザ?のような悪党に利用されてしまうわけなんですが・・。 まず本書の魅力の一つとしては、スリ・マニュアルになる恐れもあるのでは? と心配したくなるほどの、財布をスる描写なんですよね。 主人公の男の、冷静な人間観察、タイミング、指先のテクニックなど、んもうこれ、思わず真似したくなってしまうほど。(危ない、危ない) 財布にいくら入ってた、クレジットカードにキャッシュカードに、免許証に、レシート云々。 スーパーで万引きする母子に出会ったりもするのですが、のちに児童虐待の実態も描かれたりと、本書は現実社会の、身近な「闇」を巧妙に切り取っているんですね。 おぉ、と思った一文に、「雨が止んだから、傘を自転車のカゴに捨てた」 というような描写があるんですね。 普通は、持ち帰りますよね。 主人公の男の、世の中を捨てた感じ、さらに言ってしまえば、「生」に執着していない感じが、まあ、こういう犯罪小説だからなんでしょうけど、妙にカッコイイんですね。 現実に限りなく擦り寄りながらも、でも、一般的ではない現実、、でも、非現実的ではないんですよね、全然。 この描写力、影響されたら危険ですよぉ。 むむむ。
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久しぶりに本の話でも。 数年前に芥川賞を受賞されている絲山秋子さんは最近、お気に入りの作家さんで、彼女のデビュー作を先日読み終えました。 まあ、お話としては、絵画のコンクールで賞をとったことを機に仕事を辞め、その日暮らしをしている女性が主人公なのですね。 自殺をほのめかしてきたいとこをアパートに呼び寄せ、二人の同居生活が軸となって、 都議会議員、ヤクザ、出会い系サイトで知り合った「痴漢」などとの関係を描いてゆくのですね。 都議会議員はED(勃起障害)であったり、「痴漢」の男とは映画館で公然お触りプレイをしたり、 同居のいとことは間違って性的な関係になりかけたり、とこれ、なにげにリアルなエロが描かれた小説であったりもします。 この本で自分がなにげに共感できてしまったのは、主人公の女性が絵画の賞を獲ったことを機に、仕事を辞めていること、であったりするんですね。 女性の年齢はわかりませんけど、人生において何かを諦めてしまっている感じがこれ、リアルで、惹かれてしまうのが否めないんですよね。 ここからちょっと、私的な雑感になってしまうんですが、、最近思うのが、日々の生活に対して手応えがない、ということ。 20代の頃は忙しく働き、酒も飲み、車も乗って、「一人前のオトナ」になることがひとつの目標であったりしました。 30を過ぎたあたりから、しんどさが増して、「会社にしがみつくこと」の是非を毎日のように考えていました。 今ももちろん働いてはいますが、負担の少ない仕事。 仕事を変えた一番の理由は、「結婚しなくてもいいのでは?」 という疑問が、世間的にOKな雰囲気になっていたこと。 数字的にみても、恋愛や結婚をしないひと、さらには酒を飲まないひと、車に乗らないひとなどが増え、「自分の感覚」と「世間の感覚」が一致してしまったのがこれ、金銭への執着の薄れに繋がってしまいました。 たとえば、彼女に急に会いたくなって、自転車をかっ飛ばして夜中のファミレスで待ち合わせするなんてエネルギーはもう、正直ないんですね。(汗) ま、今恋愛をするのなら、もっと違う形で(落ち着いた感じで)すればよいのかとも思いますが、いまのところはその気持ちは皆無なんですね。 職場の年輩の方からは、「女を作れ」 と散々言われているのですが。(苦笑) 女性関係だけでなく、仕事では出世欲、ざっくり言えば向上心のようなものが、必要なくなってしまったんですよね。 でもこれは、20代の頃に自分が欲しかった「安定」でもあるのですね。 出世はしませんでしたが。(苦笑) なんというか、上へ上へ、という20代の頃とはまた違った感覚で、充実した30代、40代を過ごせる確証が今、見当たらないというか・・。 まさにこれが、「歳をとった」ということなのでしょうか。 人間、無いものねだりの生き物なんだな、、と自分自身で実感してる今日この頃でございます。 ま、、今のご時世、仕事があるだけで大変有り難いのですけどね。 今日は一日中雨だったせいか、湿度たっぷりの記事になってしまいましたが・・。 あっ、、そういえば数時間前まで、競馬を外して凹んでいたんだった。 そうだ、そうだ。 いつか獲りたい、マン馬券。 そして狙うは、マンホール。(?) んんっ・・。
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