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クロスが我が家に来たのは、いまや10歳児に成長した長男が生まれる1年前。

結婚して3年間子供が出来ないという現実に、どこか覚悟を決めていたのか、はたまた当時29歳だった

旦那の感じた運命が強かったのか・・・

クロスは、我が家の長男が我が家に来るちょうど1年前に我が家にやってきた。

いい意味でも、悪い意味でも、長男にとってクロスは、うまれて初めて目にする、接する人間以外の生き物。


我が家の長男、霊感があるかどうかは分からない。

だけど、次男を妊娠するかしないかの頃、

「ママのおなかに赤ちゃんがいる!!」

といったり、何となく虫の知らせ的なものに敏感だった。

そんな長男が、クロスの体調が不安定になる少し前から、自分のDSでクロスの写真を撮り、

「クロスがいなくなっちゃったら、写真撮れないから・・・。」

といってみたり、事あるごとに出かけるときに、

「クロスを連れて行かないの?かわいそうだよ!」

と言ったり・・・

とにかく、少し年をとったクロスの変調を、私以上に気にするようになっていた。

それでなくても、10歳の壁と呼ばれる年齢を迎えようとしている長男にとって、自分を取り巻く家族がいなくなる

ということに関しては、本当にナイーブになっていた。

クロスが倒れた日、ぐ〜たらはクロスの体調だけを心配していられないという現実を目の当たりにする。

「クロス・・・死んじゃうの?」

涙は流さないまでも、明るいだけが取り柄の長男の表情が曇る。

これは、クロスの体調を気遣う以上に、クロスがいつまでも元気ではないということを、クッションを用いながら

説明しなくちゃいけない・・・

クロスを飼い始めた頃、夫婦2人だけだった私たちには2人の子供が出来た。

飼い主という立場以上に、母という立場の重さに何となく息苦しさを感じた夜だった。


クロスは、病院から帰って、簡易に作られたベッドの中で静かに横になっていた。

それでも、家族が見えるように、自由が利かない足でも自分の居場所を自分で替えながら・・・

帰りの車の中で、私と旦那が数少ない話の中で導き出した答え・・・

「クロスがどんな状態であれ、どんな金額がかかろうと、苦痛といわれるものをとりのぞいてあげたい・・・。」

その答えをかみ締めながら、長男にクロスのことを含めた命の話をしてみた。

どんな内容かはよく覚えていないけど、クロスは人間と同じ長さは生きれないということ。

クロスの体はとても厳しい状態だということ。

だけど、クロスはとてもがんばっているということ・・・

長男は静かにクロスの顔をのぞいていた。


翌日から、長男はクロスの体調を心配しながら、

「クロス〜!俺が帰ってくるまで生きてるんだぞ〜〜!!」

といいながら出かけていき、ただいまの前に、

「クロス、生きてる〜〜!?」

という挨拶で帰ってきた。

クロスがなくなってからあった小学校の個人面談で、

「○(長男)さん、おうちの犬が具合が悪くなったことをすぐ教えてくれました。毎日その様子を話しながら

悲しいんだろうけど、「クロスは頑張ってるんだ」と言ってました。とっても心配しているようでした。」

倒れた翌日、学校から帰ってきた彼は、

「俺さ(←少し男っぽい口調になりました)、クロスが心配で学校で泣いちゃった・・・。

誰にもみられないようにだけど。」


クロスが倒れた翌日、少し容態が悪化したクロスを見ながら長男の心配はマックスになっていた。

これは、ちょっと突っついたらきっと泣いてしまうだろうと・・・・

だけど、自分の弱さを人に見られることを徐々に嫌がる年齢にさしかかった長男。

「○(長男)、泣きなかったら泣いたほうがいい。思ったことを押し殺すのはよくないことだから・・・。

実は、母ちゃんも心配で心配でしょうがないんだ。」

そういった私の言葉がきっかけになったのか、彼は堰を切ったように泣き出した。

彼なりに、一生懸命我慢をしていたんだと思うと、切なくて切なくて、私も旦那も泣いた。

本当は、こういうとき、泣かないほうがいいんだよね、クロス。

だけどさ、ぐ〜たらもやっぱり人間だったわ。

不安で、不安で、1口も食事がのどを通らなかった・・・

お酒も全く飲みたいとは思えなかった。

長男は、とにかく泣いて泣いて、泣きつかれて眠った。

いつもは、兄ちゃんが泣いてる姿を見ると、自分も泣き出して、親もお手上げ状態な次男。

不思議と、そんな姿を冷静に見たか見ない振りをして、自分は自分の好きなことをしていた。

その夜、子供たちが眠った後、私は体の自由が利かないクロスが入ったベッドを枕元に置きながら、

一晩中、スマホで検索し続けた。

「犬 麻痺 脳神経」

と・・・・

明け方近くになり、ぐ〜たらの頭の中には、長期間の寝たきりになるであろうクロスの介護生活を

シュミレーションしていた。

足に麻痺があり、寝たきりになっても、クロスとの別れはそんなに近くではない・・・はずと・・・


※写真は長男が1歳半あたり。今の家に入る前にアパート暮らしをしていた頃。



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