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昨晩は、病院でうってもらったステロイドの注射が効いているのか、眠っていることが多く、

時々倒れこむように寝返りをしていたクロス。

「もし、痙攣が起きたら使ってね。」

そう言われて渡された座薬も使わずに朝を迎えた。

多分、クロスはまだ自分の体がどうなっちゃっているのかを受け入れることができないんだと思う。

夜中におしっこをしたくなったのに、自分で体が支えられず、結局散々もんどりうちながら、

最後は諦めて寝たままおしっこをした。

家の中ではおしっこをしなかったクロスも、亡くなる1年前は家の中で粗相をすることも増えていた。

それでも、寝たままおしっこをするという感覚は、自分の中で許せないんだと思う。亡くなるまで、おしっこを

する寸前に、多少暴れながらしょうがなくおしっこをする状態だった。


かかりつけの先生の見立ても、昨日の先生と大して変わらなかった。

だけど、硬直した体をそのままにしておくと、本当に動かなくなっちゃうから、少しの時間でもいいから、

1日に何度かをマッサージし、血行をよくしてあげたほうがいいと、マッサージの仕方を教わる。

足の麻痺の他に、クロスは首もおかしな方向に向いたままだったため、自力でのトイレは多分難しい。

いつもしてもらっている病院の中のトリマーさんが偶然いらっしゃって、クロスのお腹とお尻周りを

綺麗に刈り込んでくれた。

皮肉なもんだよね、明日、トリミングだったのに・・・

「どうしちゃったの?」

トリマーさん、変わり果てたクロスに話しかけながら、世話をしやすいようにしてくれた。

「元気になるんだよ。そしてまたおいで。クロスはいい子だからお世話するのが好きでね、私。」

私もそれまでなんとなく気が張ってたのかな・・・

その言葉聞いたら、涙が止まらなくなった。

そこで、先生とこれからのクロスの治療について話し合った。

「とにかく、痛みや苦しいのを薬とか点滴で何とかできるのなら、なんでもしてあげたいと思います。

だけど、出来れば、家族で看取りたいんです。」

すでに食欲はなくなっているクロスのために、口に垂らすタイプの薬をもらい、とにかく何か口に入れた

ほうがいいから、クロスが好きなものをペースト状にしてあげてみてと・・・


家に帰ったクロスは相変わらず、ほとんど眠っている状態。

時々注射器で水を飲ませると飲んでくれた。ただ、病院で飲ませてもらったシロップ状の薬とペーストのフード

は吐いてしまった。そのとき、一昨日の夜に食べたさつまいもの残骸が出てきたのを見た。

前日、病院の診察台で朝に食べたものをすべて吐き出したはずなのに、それより前の食べ物が出てくる・・・

私や先生たちが思っているよりも、もっともっと状況は悪いような気がした。



その夜、クロスは時々思いついたように鳴き声を上げるようになった。

1時間に1回くらい・・・

なんとなくうなされたりしているのかなぁ・・・

早めに寝たほうがいいということで、早く寝室に行った私たちだったが、夜中の1時半、クロスが鳴き出したため、

私だけ別の部屋で休むことにした。

それから朝まで、クロスは何かにとりつかれたように、ずっとずっと鳴き続けた。

苦しいのか、痛いのか、さみしいのか・・・

全くわからない。だけどただただ鳴き続けた。

「クロス、あまり苦しかったら、無理しないでいいよ。」

そんな言葉をかけながら、思い出したんだ。

何日か前、私の夢に珍しく小太郎が出てきた。

見たい時には全く出てこないくせに、何で今更なんだ?なんてあんまり深く考えていなかったんだけど。

「もし、クロスが病気とかで苦しむようなことがあったら、アンタ迎えにきてあげてね。」

10年前、小太郎が亡くなったとき、最後の挨拶にそんなことを言っていたのを思い出した。

こういう時、本当に人間てろくなこと考えないんだなって思う。

何日か前から、何かにとりつかれたように家の片付けをし始めた私。いりそうなものも使っていないのなら

潔く捨てようと、でっかいゴミ袋何個分にもなる片付けをした。

もしかしたら、私、クロスがいなくなるってこと、薄々感じてたんじゃないかな・・・

こうなっちゃうこと、ある程度予測できるような前兆が、今思うとたくさんあったような気がする。

飼い主にしかわからないクロスの変化、いろいろ感じてたじゃないか。

「な〜〜んか最近、クロスがおかしいんだよねぇ。」

クロスが大好きな旦那でさえ、

「病院では大丈夫だって言ってるんでしょ?クロスだって年だしね。色々出てくる年だよ。」

そう言っていた。ここ半年位、急にいろんなところにガタが出てきたクロス。

いよいよクロスも年だなと思いつつも、まだまだ別れを意識する年ではないと思っていた。

だけど、ここ1週間ほど、なんとなくクロスの様子がおかしい・・・どこが?って言われるとわかんないんだけど、

とにかく年だけじゃないような気がするんだ。



鳴き続けるクロスを抱っこしながら、結局一睡もせずに朝を迎えた。

クロスも寝たいはずだけど、とにかくずっと鳴いている状態。

これは明後日の病院を待たずに、今日行こう。

とにかくクロスが心配だし、もしかしたら、残された時間もそう多くないような気がしていた。

それが来るのが怖い。

昼間、まだ手のかかる次男を抱えながら、クロスの世話なんてできるんだろうか。

これは一時預かり保育を利用したほうがいいのか?

週末に控えた長男のピアノの発表会は大丈夫か?

何だか、私って、こんな状態でも1つのことだけを考え続けることはできないのだろうか。

意外とメンタル的な面では強いと思っていた自分が、こんなにも弱いもんだと思うと、何だか嫌になってきた。

「クロス、こんな飼い主でゴメンよ。」

せめてもの救いが、クロスが倒れてからずっと天気が悪かったこと。

次男坊と2人、家になかに缶詰になっていた。

不思議と次男坊も、いつものきかん坊はどこかにしまっているようで・・・

そして心なしか、いつもよりもゆっくり昼寝をしてくれていた。

そのあたり、クロスは泣き疲れて、時々発作みたいな暴れ方をし、苦しそうな息をしていた。

家から1分の会社に勤める40歳児。

時々、銀行の帰りと言いながら、クロスの様子を見に帰ってきている。

本当は一緒にいたいんだろうなぁ・・・

※クロス1歳。まだ長男誕生前。


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