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 東京での生活が2週間を超えると 気持ちがバンコクやカトマンズへと向き始める。
 部屋の中での仕事が多くなると 心まで硬直してくる。
 かといって 近所を散策しても 日本の自然の変化には心を奪われることもあるが、
 街を歩いていても 人間を眺める楽しさはない。
 日本では 道は 人が歩く場所以外の何ものでもなく、そこには人間ドラマがなく、
 人間が生きて生活している喜怒哀楽を感じることはない。

 バンコクで住んでいる部屋から出ると、建物の入り口周辺には 行商の果物売りを
 見かけることが多いし、いつも買う果物売りなら、商売はどうだいと声をかける。
 ときどき 惣菜を買いに行く橋の下では 昼間の忙しい商いの後、東北タイ料理の
 惣菜を売っているお姉さんが寝椅子に寝転がって 身体を休めている、路上では
 東北タイからやってきたおじさんが 昔風のタイのお菓子を売っている。
 街のどこにも 人間模様があり、みんな 頑張って生きているなと勇気付けられる
 ことも多い。

 路上でそれぞれの人々が 自分のペースで生活し、生活の糧を得ている姿が 
 時間に追われる先進諸国から来た人々に安らぎを与えるのかもしれない。
 タイで長期滞在を考えている人たちも 路上を生活の場所をしている人々に眼を向け、
 姿を眺めているだけでも 異文化を理解する機会になり、タイでの生活にも飽きが
 こないだろう。

 日本の路上は あまりに味気ない。
 道路交通法、保健法の厳しい日本では 路上は人々の安らぎの場所にならないし、
 近所の公園でも同じことだ。
 規則ばかりを作り、規則が出来れば それを守ることばかりを考えているうちに
 生活の中から生気が失われ、人と人とが係わりあう機会が失われていく。
 規則ずくめの生活は ますます柔軟な人間関係を喪失させていくだろう。
 律儀な日本人は規則が出来れば 規則を守らせることに汲々とし、柔軟な対応を
 忘れていく。
 生活そのものが マニュアルの世界に変わり、自立的な豊かな思考はなくなってしまう
 怖さには気がつかない。
 みんな こんな日本の姿を望んでいるのだろうか。

 東京の路上を歩いていても 人間を眺める楽しさは生まれてこない。
 気分転換に外に出かけても 皆 表情が硬く、鎧を身につけているように感じてしまう。
 東京にいる自分だって 同じような姿になっているに違いない。

 バンコクやカトマンズでなら 見知らぬ人々に対して気楽に話しかけることが多い
 私であるが、日本ではそんなことはほとんど不可能で 同じことをすれば
 警戒されるだけである。
 せいぜい 道を訊くことが出来るぐらいのものである。
 だから 日本に帰ってきても 今の日本人が 何を感じ、何を考えているのか 
 直接 知ることは難しい。
 同じ場所で生きていても共生しているという気持ちが湧いてこない。
 人は人、自分は自分 関係はない。
 こうした発想が 今の日本を形作ってきたのかもしれない。
 相対的貧困率の増大も 格差社会も 自分とは関係なければ、関心を持たない。
 他人のことなどどうでもいい、別に自分は困っていないのだから。
 こんな中では 他者に対する共感性、思いやりは育っていかないだろう。

 テレビでは 海外の発達途上国の貧困のことを報道し、日本人の援助を求めているが、
 もっと自分たちの足元をしっかり見つめる必要があるのではないか。
 日本の貧困の現実を逆にそらす結果になっているのではと気にかかる。
 世界にはこんなに貧しい人がいるのだから、我慢しなさい、あなたは彼らに比べれば
 まだ幸せですよといっているようだ。
 何が幸福か不幸かは その国の現実に深く眼を向けない限り、見えては来ないものだ。



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閉じる コメント(6)

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「テレビでは 海外の発達途上国の貧困のことを報道し、日本人の援助を求めているが、
もっと自分たちの足元をしっかり見つめる必要があるのではないか。」ここの部分は同感です

海外援助をやっきになっていられる人は時々いて、ご自分がどれだけ高邁な理想のもとで、行動しているかを伝えようとなさるけれど
ゴミは拾わないし、重い荷物の人が乗ってこられても平気だ。

今日映画で、10年前の羽田を表現するのに、バンコクの飛行場が使われたと聞きました
まだ、バンコクは、あなたにとってノスタルジアが漂う国なんですね

2009/10/25(日) 午後 3:30 poetryfish9

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自分の国のことも解決できないのに 他の国に行って出来ることとは
何でしょう。
自分の国をしっかり見つめ、問題を解決し、本当にゆとりが
生まれたところで そのノウハウを伝えていけば、いいのですが、
外へ外へと眼を向けさせ、足元を見つめさせないように
しているとも感じられます。

バンコクの空港といっても 新空港ではなく ドンムアン空港で
しょうね。
私にとっても 思い出深い空港で 暖かみを感じさせる空港でした。

2009/10/25(日) 午後 4:39 [ hikaruno ]

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コロニーに入れば、お仲間、お友達。

コロニー以外は部外者・よそ者。

見えない防御壁を感じているのかもしれないですネ。

日本は島国だったので、防御壁が存在せず、意識も無かった。
また、単一民族で、単一言語・・・・・極めて、珍しい民族と国家。

大陸の国民とは違うし、国境があり、政治があるが、血縁を大切にする文化が存在する。

建前と本音社会が存在する。

日本の今までが、特殊すぎたのでは???

隣に、中国人が居たり、黒人が居たり、金髪が居たり、・・・・国際化になってゆく過程。

日本が、いつまでも、鎖国で居られない。
日本国民も意識変化をする事を必要に迫られている。

良し悪しとは別次元の話である。

2009/10/26(月) 午前 11:59 [ がらくた・おやじ ]

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夜遅く近所のスーパーに行くと 外国人の姿をよく見かけるように
なりました。
日本人が 日本人としてのアイデンティティを失ってしまうと
大変なことになりそうです。
自分が世界の中で どういう位置にあるのか 関心を失うと
流れに任せて生きるより 仕方ありません。

血縁を大切にするのは インド人やネパール人のほうが強いですね。
貧しい人間が 唯一頼ることが出来るのが 血縁だからです。
日本でも 血縁を大切にしていたのは貧しい村で 地方が少数派に
なっていくにしたがって、家族・血縁関係が弱まってきたのでは。

2009/10/26(月) 午後 0:39 [ hikaruno ]

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そうですよ。
サファン・フアチャンで この橋を越えてアジアホテルまで行き、
アジアホテルを左に曲がる道を10分ぐらい歩くと
下町の市場のある通りにぶつかります。

2009/10/26(月) 午後 6:55 [ hikaruno ]

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はじめまして。

そうですね、
だいたい日本人は、
感情を表に出さない民族だと思います。

私は初めてイタリアに行ったとき、
そういう意味で、とっても居心地が良かったです。
私の故郷のように感じました。

2013/9/21(土) 午前 3:10 [ 玉子 ]


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