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 ラオスのビエンチャンにタイビザを取りに行ってきます。
 今晩の夜行列車でバンコクを立ち、東北タイのノンカイへと向かいます。
 他国に住んでいるとビザの問題は鬱陶しいものです。
 ビエンチャンには行ったことがあるのですが、
 再び行った時にどういう印象が新しく生まれてくるのか楽しみはあります。
 でも、やっぱり鬱陶しいな。
 ノンカイへの10時間の汽車旅、タイ・ラオス友好橋を渡ってラオスに、
 そしてそこから、バスか、乗り合いバスでビエンチャンへ。

 まあ、とにかくビエンチャンへ行ってきます。
 3,4日ブログの更新が出来ませんが、
 帰ってきたら、ビエンチャンのことをアップします。 
 それでは 行って来ます。



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 シェイフ・アフマドの息子チェーンも 父シェイフ・アフマドの資質、
 外交・政治的手腕を受け継ぎ、プラサートトーン王に仕え、
 右外務部でその力を発揮するようになる。
 プラサートン王の27年にも渡る治世は、
 シェイフ・アフマドの息子たちが王宮の中で勢力を拡げていくには
 十分な年月であった。
 プラサートトーン王の庇護の下、アフマドの息子たちは、王族・貴族との通婚を
 繰り返し、権力の中枢へと入り込んでいったのだ。

 プラサートトーン王死後も王位継承の争いが起こり、
 プラサートトーン王の息子チャイも即位後3ヶ月で、
 父の弟スタンマラーチャーと腹違いの弟ナーラーイによって殺され、
 その後、王位に就いたスタンマラーチャーも即位後3ヶ月で殺され、
 ナーラーイ王の治世にいたるのである。歴史は繰り返すのである。

 しかし、アフマドの息子たちは 
 それには影響されないぐらいの土台をアユタヤの地に築き上げていたのだ。
 以後200年以上に渡って存続していくアユタヤの王朝史は、
 彼らのタイへの同化の歴史であり、アフマド一族の繁栄の歴史でもある。
 シェイフ・アフマドの曾孫にあたるチャオプラヤー・ベットピチャイは仏教に
 改宗し、その息子の一人チェーンは 
 アユタヤ最後のプラヤー・チュラーラーチャモントリー(イスラム最高指導者)、
 もう一人の息子セーン チャオプラヤー・マハセーナは仏教徒に改宗した。
 このセーンが、チャックリ王朝の中で王家をも凌ぐといわれ、
 その権勢を誇ったブンナーク家の始祖である。
 イスラム法から見ても仏教徒に改宗することは、死罪に値することだが
 より深く権力の中枢の中に入っていくためには、
 どうしても通り抜けなくてはならない敷居だったのだ。
 ペルシャからやってきたイスラム教徒たちの権力の中枢部に入っていく
 一つの戦略であったのかもしれない。
 そのくらいの厳しい決意がペルシャからのイスラム教徒にはあったという
 証拠にもなるだろう。

 王家との結婚を繰り返しながら、
 アフマドの子孫 ブンナーク家は権力の極みまで上り詰めてゆく。
 あのタイの名君として誉れの高いラーマ5世の15歳での即位も、
 ラーマ4世ではなく、王の摂政であったチュワン・ブンナークの管轄の下に
 行われ、副王の任命も王でなく、摂政チュワン・ブンナークの承認を受け、
 ウィチャイチャーン副王が即位するという有様だったのである。
 ラーマ5世が自分の考え、方針を盛り込んだ有名なチャックリ改革を
 実行できるようになるには、
 摂政のチュワン・ブンナークと副王のウィチャイチャーンの死まで
 待たねばならなかったのである。
 
 その後、ブンナーク家の力を排除するための改革に手をつけていくのだ。
 ブンナーク家にとっての最大の痛手は、ラーマ5世による奴隷制の廃止である。
 その当時、奴隷は王侯・貴族の主要な財産であった。
 ブンナーク家も奴隷を多く抱えることによって 莫大な利益を上げていたのである。
 この奴隷制の廃止によって、ブンナーク家も没落していくのである。
 チャックリ王朝に入ると、海外貿易は衰退していく。
 ペルシャのイスラム商人の役割も終わりを迎えたのである。

 しかし、シェイフ・アフマドは、墓場の影で笑っているであろう。
 遠く故国を離れ、タイの地で一泡吹かせたのである。
 考えてみれば、300年にも渡って、シェイフ・アフマドの野望・執念は
 生き続け、権力を左右するところまで行き着いた一族の持続には、舌を巻かざるを得ない。
 今なお、笑い続けているシェイフ・アフマドの姿が、思い浮かぶようである。


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 山田長政がリゴットへ左遷され、その力を失い、暗殺されるまでの1年間、
 シェイフ・アフマドはどうしていたのであろうか。

 新たな権力者が プラチャオ・プラサートトーンであることが確実になるに従って、
 策略家でもあるイスラム商人シェイフ・アフマドは、
 策略家であるプラサートトーンとの関わりを深めていったに違いない。
 貿易の利権を我が物にするには、すべてが整いつつあった。
 山田長政左遷、暗殺にもシェイフ・アフマドの入れ知恵があったのかもしれない。
 彼には、イスラム教徒同士のつながりをソンクラー、パッタニにも持っていたはずだ。

 彼はアラビア人、ペルシャ人、マレー人、インド人などの貿易商を管理する大蔵省
 右外務部の地位、
 そして、中国、ベトナムを除く貿易商を管理する中外務の長でもあった。

 アユタヤでの貿易を独占したいシェイフ・アフマドの思惑と、
 日本人傭兵を一掃したいというプラサートトーンの思惑は
 一致し、協力体勢が生まれてくるのである。

 1629年 アユタヤ王プラサートトーンは、王位に就くと、
 アユタヤで最も大きな外国人移住区日本人町と
 チャオプリヤ川を上ってくる貿易船からの税を徴収していた日本人傭兵の
 影響力をそぐために、貿易を王室のみに許可する専制貿易に変えていった。
 王政の中枢に入り込んで、プラサートトーンとの協力体制を作り上げていた
 アフマドにとっては、この変化はなんら影響を与えるものではなかった。

 これからがアフマドの本領発揮なのだ。
 1630年 アユタヤ管理の不手際から、日本の貿易船がアユタヤから
 チャオプリヤ川を少し下ったワット・パナンチューンという仏教寺院の前に
 強制的に停泊させられてしまう。
 これには、アフマドの策略であったのではなかろうか。
 日本の貿易船は出航できず、大変な損害になることを日本人町の商人たちは
 心配し、中外務の長であるアフマドに抗議したが受け入れられなかった。
 これに逆上した日本人は兵を集め、王宮を占拠し、
 プラサートトーン王を人質にして立て篭もったが、
 アフマドの指示の元に、日頃から日本人の台頭に不満を持っていた華僑、アラビア人
 王の兵が集められ、義勇軍を結成して、日本人を王宮から追い出した。

 このプラサートトーンとアフマドの策略に乗せられた日本人、そして日本人町は、
 謀反の怖れありということで、徹底的に掃討され、
 日本人町も完全に焼き払われてしまうことになった。
 この結果にほくそ笑んでいたのは、アユタヤ王プラサートトーンとアフマドであった。
 アフマドはこの日本人傭兵を掃討し、日本人町を焼き払ったことで、位を上げ、
 プラサートトーン王とはますます親密になっていくのである。

 これを機にアユタヤ貿易はイスラム商人と華僑の手に移っていくのである。
 王宮の中で安定した地位を手に入れたシェイフ・アフマドは、
 一族の将来を 3人の息子のうちの一人チェーンに託し、
 1631年89歳の生涯を終えたのである。
 アユタヤの地に根を下ろすという執念はいかほどのものであったろうか。
 そのあくなき執念は、彼の子孫にも受け継がれていくのである。
 シェイフ・アフマドの戦いは、始まったばかりなのである。
 
 一方山田長政の子孫は、今は残っていない。



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