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 カトマンズ盆地の中を流れる聖なる川 バグマティ川のテクに近い岸辺は
 ゴミの捨て場所になっている。
 この辺りには その捨てられたゴミの山の中から、廃品を探し出し、それを売って
 生活の糧にする人々が集まる。
 ビニールの袋、古着、段ボール箱、ペットボトル、売れるものは何でも探し出し、
 買い取り業者に売る。
 カトマンズにやってきても 定職につくことの出来ない人たちが得ることの出来る
 最後の仕事だ。

 20年前のカトマンズでは、こんな仕事は成り立たなかった。
 使えるものは最後まで使うというのが、当時のカトマンズの人々にとっては、
 当たり前のことだった。
 郵便局を利用して海外に荷を送ろうとすれば、段ボール箱は必需品だったから、
 ネパールでもインドでも、段ボール箱は 食料品店や雑貨屋へ行き、お金を出して
 買うものだった。
 古着だって、穴が開いても、継ぎをあて、最後の最後まで使いきるものだったし、
 ビニールのペットボトルなど、農作業に行く際の水筒代わりにもなったし、農作業の
 合間に飲むジャール(どぶろく)の入れ物にもなった。
 ビニール袋は、昼食用の煎った豆やチューラ(乾し飯)を入れるにも便利だった。

 それが今では、多くの廃品集めの人々の生活を支えるほどのゴミの量になってしまった。
 この頃では、何かを買えば、必ずビニールの袋に入れてくれる。
 20年前は、ビニールの袋は、お金を出して買うものだった。

 ゴミの増大は カトマンズに人が増えたからという理由だけでなく、
 カトマンズが自由主義経済の中に取り込まれ、
 消費至上主義が入り込んできたことにもよる。

 日本だってそうだ。エコーエコーを叫びながら、新聞の綴じ込み広告の紙は
 相変わらずの量だし、スーパーでものを買ってくれば、ビニール類のゴミは
 瞬く間に溜まってしまう。
 企業は、エコーにどう貢献してるというのだろう。
 国民に対して、エコーエコーと叫ぶだけでなく、ゴミを生み出す元凶はどこにあるのか、
 見極める必要があるだろう。

 一時レジ袋のことで騒がれたが、レジ袋の原料は、石油の精製の中で出てくる
 あまりもので、レジ袋の廃止はエコーには貢献せず、その代わりに造られている
 エコーバッグのほうが、余程問題だということが明らかになってきている。

 気分だけのエコー流行では、何も解決していかないことが良くわかるし、
 それを主導する政府のいい加減さも良く見える。
 スーパーで食料品を詰めるために使われているビニール類の器、広告用の紙など、
 生産活動につながるものは、景気を冷え込ませるという理由で眼を閉ざし、
 国民だけにエコーを要求するのでは、片手落ちである。
 国民をあおって、無駄なものを買わせることが、資本主義、自由主義の原点なら、
 いつまで経っても、本物のエコーなど生まれては来ない。

 国民もエコーエコーを一緒になって騒ぐのではなく、無駄なものと必需品を正しく
 見分ける姿勢を育てる必要があるだろう。
 節度のない消費を改めることなく、エコーなど不可能なのは明らかなことだ。
 使えるものを捨て、新しいものばかりを追い求める国民の消費主義を改めることなく、
 どうエコーに取り組むというのだろう。
 この日本のこと、日本の国民のことが、ますますわからなくなってくる。


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 ブータン女性用民族衣装 ノシェム 青い色の地の上に模様を織り込まれたものを
 ノシェムと呼び、白地の上に模様を織り込んだものをクシュタラと呼ぶ。
 化学染料がブータンに入り込んで来て、色彩鮮やかな文様と地の色との対比が、
 生かされるようになると、ノシェムが織られることが多くなってきたようだ。

 このノシェムは 化学染料がインドからブータンに入り始めた初期に
 織られたもののようだ。
 模様を織り込むためのシルク糸も光沢があり、1970年以降に使われているものとは
 違っている。
 1950年以前のものであれば、イギリスからの化学染料であるかもしれない。

 25年前に仕事をやめ、海外に住みたいと思った時に、ブータンはどうかと
 考えたこともあった。
 いろいろなところに問い合わせてみると、ブータン滞在には1日200ドル以上が
 必要だとわかり、諦め、結局ネパールということになった。
 ブータンには行けなかったけれど、今でもブータンの布とかかわりを持っているのは
 何か縁があるのだろう。

 ネパールも同じように25年経った今も主な生活場所の一つだ。
 3年の滞在の予定が、どんどん延びて、第2の故郷のような存在になっている。


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