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 スーン・ダーラの雑踏を抜け、地方へ向かうバスの小さな切符売り場、
 バスに乗り込む乗客たちが腹ごしらえする小汚い食堂の並ぶ一廓を通り過ぎ、
 ツリップレソールへと向かう下り坂を歩き始める。
 道の向こう側はネパール軍の宿舎、その下には名ばかりの国立競技場、
 そちら側は人気もないので夜になると歩かない。

 少し歩くと 暗闇の中に浮かぶインド人の果物屋、インド人の果物屋は
 ネパール人の果物屋と違って、ディスプレイに気を使っている。
 ネパール人とインド人の美的感覚の違いが 店造りにも違いを見せている。
 ネパール人の店は どんな店であっても 整理整頓などお構いなしに 
 品物が店の中に投げ込まれているといった感じである。

 この果物屋も 最初は自転車での果物の行商をしながら、
 何年もかけてお金を貯め、ここまでたどり着いたのだろう。
 ネパール人には、自転車での行商など恥ずかしくて出来ないと言う気持ちが
 絶えずある。
 しかし、この頃では生活が苦しく、地方からやって来たネパール人が
 荷車を使っての行商には手を出し始めているが、昔からのカトマンズ住民は
 近所、知り合いに恥ずかしいという気持ちから、やはり手を出さない。

 この店を通り過ぎると、電気の灯りのない暗闇の中の道である。
 舗装の崩れた歩道で転ばぬように、後ろ方やってくる足音に神経を使いながら、
 歩いていく。
 足音が聞こえてくれば、後ろを振り向いて相手を確かめる。

 ツリップレソールの交差点まで来れば、明るくなる。
 ここにはカトマンズで一番大きなショッピングセンター 
 ワールドトレードセンターがある。
 外国からの輸入品を扱う店が数多く入り込んでいる。
 庶民とは無縁の場所である。
 夜も8時過ぎになると、客の姿もまばらである。

 信号のない交差点を左に曲がると、道はカトマンズとパタンを架かる
 バグマティ橋へと向かう。
 ゴルカ王朝時代にサハ家の王から権力を奪い、ラナ家を起こし、
 摂政政治を始めたジャング・バハドール・ラナの建てたナラヤン寺院、
 ラーマ寺院を過ぎるとタパタリ交差点に至る。
 ここまでの道も暗闇の中で、黒い人影と行き交うだけだ。

 ここまで来ると、やっと家の近くにまで戻ってきたという安堵感がある。
 橋に向かって交差点を右に曲がると、小さな広場があり、
 そこは 出稼ぎのインド人たち の溜まり場、交流の場所にもなっている。
 暗闇の中でインド人たちが おしゃべりをしている。

 それを横目に見ながら、足を進め、バグマティ橋の上に立ち、
 バグマティ川の水の流れ、街の明かり、カトマンズ盆地を囲む山々に目を向ける。
 この橋の上に立つと、過ぎ去った25年の月日へと心が向かっていく。
 あっという間の25年だった。
 自分の心はそれほど変わってはいないのに、肉体も周りの世界も
 変わってしまっている。
 私の心だけが、時代に取り残されてしまったという想いすらしてくる。

 橋を渡れば、パタン、私の生活場所だ。
 いつものように橋のたもとの野菜市場では 人々は夕げのおかずを買い求めている。
 心の和む光景である。
 この市場には電気は来ているようだが、私の住んでいるあたりは まだ闇の中である。
 重い足を引きずりながら、家路へと向かう。

    *** 写真は夕暮れどきのもの ***


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 旧王宮に近いこの橋を渡ると カリマティという場所に出る。
 カリマティも ビシュヌマティ川をはさんで隣にあるテクも物騒なところである。
 テクに近いバグマティ川沿いには ビニールを張ったバッラクの建ち並ぶスラムがある。
 明るいうちは 別に問題はないが 夜遅くなると、強盗も出るような場所だ。
 夜8時を過ぎれば、歩きたくない場所のひとつだ。

 25年前、カトマンズ郊外のキルティプールという小さな町に住んでいた頃、
 自転車に乗って、よくカトマンズに出かけたものだ。
 バソンタプールの旧王宮広場の一角にネパール人の知り合いがいて、その知り合いに
 会いに キルティプールの丘の上から、カリマティまでやって来て、この橋を渡り、
 旧王宮広場までの上り坂を上って行ったものだが、遅くなるとこの橋を渡って、
 キルティプールへ帰って行くことはなかった。
 この橋、周辺は貧民窟という雰囲気があったのである。

 雨期最後の雨と思いながらも、よく雨が降るカトマンズだ。
 そんな日に再び、この橋に行ってみた。
 今回はしとしとと雨が降る中を旧王宮広場から下って橋に向かった。
 こんな雨の中で 橋の上で露店を開き、日々の糧を求める人たちはどうするのだろうと
 気になったからだ。

 橋に近づいていくと、いつもの賑わいはない。
 雨の中では仕事にならず、手回しミシンで仕事をする路上の仕立て屋の姿も、
 中国衣料の露店もない。
 あるのは野菜売りの姿だけである。
 朝 仕入れた野菜だけは売ってしまわないと、痛んでしまう。
 僅かの利益だけで 生活の糧を得ている人にとっては、雨の日でも休むことは
 できない。

 路上の物売りたちは 傘をさして、商いに励んでいるが、いつもほどの人通りはない。
 傘をささず、ビニール袋をかぶって頑張っている人もいる。
 いかにも村から出てきた人といった様子だ。

 雨が降ると傘をさすというのが 当たり前の姿であるが、25年前のネパールでは
 傘は高級品で 誰でも持っているというものではなかった。
 あってもインド製の黒い傘が 各家庭に1本あれば、いいほうだった。
 家の誰かが 傘を持って出かければ それまでである。
 雨が止むまで雨宿りを決め込む人、雨の中を濡れながら、歩いていく人、
 そんな姿をよく見かけた。
 今は中国からの見栄えのよい安い傘が 巷に出回るようになり、
 皆 傘をさして 街中を動き回っている。

 この小さな橋の上の市場でも 昔風の黒い傘ではなく、色とりどりの傘をさして、
 商いに精をだしている。道行く人もそうである。

 雨も小降りになり、物売りたちは増え始め、路上にビニールを敷き、野菜を並べ始め、
 少しずつ、活気も出てくる。
 母親に抱かれている幼児にカメラを向け、写真を撮り、その写真を見せると、
 その母親は 姑に 「おばあちゃん、この子の写真を観て」と声をかける。
 孫の写真を見て、おばあちゃんも喜んでいる。
 そのおばあちゃんの写真も1枚、撮る。

 カメラを向けると 嫌がる人、嫌がらずにポーズをとる人といろいろだ。
 男や子供は大体嫌がらないが、女は逃げ出すもの、顔を背けるものが多い。

 マガール、グルン、タマン、ネワール、チェットリ、ダマイ、カミと
 この橋の上には 多くの民族・カーストの人たちが 集まっている。
 それを眺めに来るだけでも 楽しい橋の上である。
 私も 橋の上の野菜売りから 青葱を二束10ルピーで買って、家に向かった。
 今日の夕食は 鶏肉すき焼き丼だ。
 



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