|
カトマンズの先住民族 ネワール族は 木彫りの名手である。
しかし、誰でも木彫りをするというわけではない。
ネワール族にはカースト制があり、今から数百年前のマッラ王朝時代、
ジャスティス・マッラ王は その仕事の種類によって 64の職業カーストに分け、
それを ヒンズー教のカーストにしたがって 上下関係に分けていったようだ。
そのカーストの中にウダースと呼ばれる仏教徒の職人集団があり、
タムラカール(銅・真鍮職人)、シラッパカール(木彫り職人)、
ラーズカルニカール(お菓子職人)など多くの仏教徒職人カーストがいた。
その中のシラッパカールという職人カーストの人たちが 木彫り職人だったのである。
今では ネパールの木彫りといえば、カトマンズ郊外のブンガマティという村が有名で
そこでは カーストにこだわらず、ブンガマティの村に住んでいる村人たちの大半は
木彫りの仕事に従事するようである。
カトマンズ、パタン、バクタプールの町を歩いていると、
今から百年以上前に作られた木彫りを施した窓や玄関の戸などをよく見かける。
寺院などは 信仰の対象になるから凝ったものが多いが、
住居などにも素晴らしい木彫りが当たり前のように施されていることも多い。
その木彫りを施された入り口が カザと呼ばれる軽い昼食を食べさせるローカルな食堂で
あったりする。
何気ない場所に百年以上前の木彫りの手仕事があったりするが、
建物の老巧化が激しく、この木彫り細工もいつまで見ることが出来るのかと
心配になったりする。
寺院などは 世界遺産をいうことで それなりの援助もあるのだろうが、
一般住宅ということになれば、持ち主の財力に期待するより仕方がないのだろう。
昔のカトマンズの人々は 儲けたお金は 寺院に喜捨したり
自分の家を 木彫り細工で飾りつけるということに心を向けたのだろう。
唯一の楽しみはといえば、祭りや親戚縁者との行事の中で、出会い、酒を酌み交わし、
太鼓や笛に合わせて踊ることだったのだろう。
今は 余分なお金が出来れば、株だの土地を買うだのして 投資にお金を回すようだ。
過剰なお金が社会の中で ぐるぐると回っていくことがなくなったのである。
金持ちがお金を使うことで 巡り巡って、いつかは貧乏人のところに到達するという
形がどんどん失われてきている。
金持ちたちは 郊外の近代的な家を買い、昔ながらの美しい木彫りの工芸には
興味を示さなくなっている。
本宅は郊外、昔から住んでいた家は、賃貸しにするといった形になり、
古い住居は荒れる一方である。
60年近く前のカトマンズの大地震でも生き残った建物も
次の地震ではどうなるのか 予測も出来ない。
いや、今の状態の家屋を見れば、崩壊してしまうことは見えているだろう。
それも歴史が定めた運命であると思えば、仕方のないことだろう。
今は まだ残る古い木彫り細工を見ながら、古い時代のカトマンズの名残を
感じることは出来る。
ネワール族の職人文化や共同体を見るにつけ、この民族の文化的な豊かさには
いつもながらに心を動かされてしまう。
++ブログランキングへの協力をお願いします。++
** 忘れないでね **
↓
にほんブログ村ランキングに参加しています。
*面白いと思ったら下のアドレスをクリック*
[https://www.blogmura.com/ にほんブログ村]
人気ブログランキングに参加しています。
*面白いと思ったら下のアドレスをクリック*
[ http://blog.with2%2enet/in.php?590199 ]
|