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 カトマンズの旧王宮広場の中に カトマンズダップ寺院と呼ばれる寺院がある。
 言い伝えによれば、この寺院は1本の巨木を使って建てられ、700年の年月を
 経ていると言われ、カトマンズの街の名前もこの寺院に由来するとされている。
 ネワール族のマッラ王朝時代には 重要な儀式の祭事場として使用されていたようだ。

 私はこの広場周辺が好きで、たびたびこの場所にやって来ては 
 道行く人々を眺める。
 路上の野菜売りのおばあさん、長い歴史を経た木造の建物の1階で昔ながらの
 商いをする商人たち、そして買い物にやってくる人たち、その動きがごく自然で
 心が休まるのである。
 夕暮れ時のこの広場に 夕闇が少しずつ、迫ってくる、
 その頃が1番人が 自然に息づいていることを感じる時間である。

 停電ばかりのカトマンズ、暗くなる前に家に辿りつく必要がある。
 バスを使って帰るか、裏通りを通って帰るか、時計を見ながら考える。
 今日は このあたりは 停電ではないようだ。
 それではと思い、古い家並みの続く下町情緒を味わいながら、変えることに決めた。

 ゆっくり、ゆっくりと 人々の姿を眺め、夕闇の中で変り行く街並みの色合いを
 楽しみながら歩いていく。
 男の子が 母親に頼まれて 路上に置かれた一山10ルピー、5ルピーの野菜の山の
 店番をしている。
 少し先に行くと 裸電球の明かりに照らされた昔からの生活の道具、莚、竹で作った籠、
 箒、藁靴が並べられている店があり、懐かしさを感じさせる。
 そんな時代遅れの店の前では 人の流れなどお構いなしに 1匹の犬が気持ちよさそう 
 に眠っている。
 その反対側の雑貨屋では ネワール族の女が座り込んで商いに精を出している。
 存在感のある女性である。
 話をすると、ネワール族の農民カースト マハルザンの女性だった。
 マハルザンの女は 皆どういうわけか 堂々としている。
 この下町の裏通りの時間があたかも 異質な時間の中にあるようだ。

 静かに穏やかに迫ってくる夕闇の中で 残り少ない陽の光を惜しむように
 寺院の前の小さな広場で子供たちが遊び呆け、その脇では二人の無表情な老女が
 ただただ 座り込んでいる。
 近くにいたネワール族の若い女性が ネワール語は話せるかと訊くので
 ネワール語で「ネワール語はわからない」と話すと、その会話を
 耳にした一人の老女が突然 笑い声を上げた。

 薄闇は 濃い闇へと変ってきている中を歩いていくと、
 古い時代がかった建物に 何人かの人が座り込んでいる。
 それを写真に撮っていると 中にいた女性が笑いかけ、入ってくるように声を
 かけてくる。
 チェットリ族の親子だった。
 生まれはカトマンズから離れたジリの近くの村から カトマンズにやって来たと言う。
 彼女にも農民の匂いが漂っている。

 下町の裏通りに再び戻って歩き始めると 通りはすっかり闇に包まれ、
 電気の明かりが 幻想的な世界を創り上げている。
 今 自分がこの場所にいることが 夢のようであり、現実のことのようには思えない。
 世界は100年も昔に 時間は遡行し、突然 その場所に取り残されたという想いに
 捉えられてしまう。
 こんなことは 予想もしていなかった今の自分がいる。
 それが自分にとって よいことなのかどうかは 今もってわからない。
 時間の流れに 身を任せるだけである。


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 ネパールで1番重要な関係は 血族関係である。
 多くの民族、様々のカーストを含むネパールでは 血族だけが信頼に値するものと
 いってよいだろう。
 子供たちを見ていても 日本の子供たちに比べると 兄弟や親戚の子供同士の情愛は
 濃厚だし、親たちの血族とのつながりの深さを手本にしながら、子供たちも育って
 いくのだろう。
 親たちの兄弟の子供たち同士も 日本で言えば 従兄弟ということになるが、
 ネパールでは 兄弟、姉妹のような呼び方をする。
 「僕の弟、お兄さん」「私の姉、妹」と言われても 同じ親から生まれたのかどうかを
 確かめる必要がある。
 この辺の関係までは 何かことが起こったときには助け合いの対象になる。

 幼い兄弟姉妹を見ていても 日本とは違う深い情愛のようなものを感じてしまう。
 姉や兄が 弟や妹の面倒を見るのは当然と言う姿がそこにはある。
 ネパールでも財産やお金が絡めば 争いになることもあるが、日本のように殺人まで
 発展したという話は あまり聞かない。

 貧しいもの同士、争いよりは協力し合うことの方がはるかに大切なことだし、
 これがなければ、貧しいものたちはネパールでは生きていけない。
 こうした血族関係の深さが 政治的にも社会的にも混乱している中でも 人々の
 心の安定を保っている秘訣なのだろう。

 日本では 兄弟は他人の始まりと言うくらいに すっかり薄くなってしまったが、
 それ以上に薄くなってしまったのは親子関係なのかもしれない。
 親が兄弟同士の情愛を育てることが出来なくなっているのである。

 カトマンズの中の貧しい人たちの住む地域を歩いていると、幼いもの同士が
 肩を寄せ合い支えあっている姿を見ることが多く、ほっとするところがある。
 むしろ中産階級と呼ばれる子供たちの方が 兄弟、姉妹といっても素っ気ないものを
 感じる。

 人間、貧しい生活の中で 何が大切で 誰が 自分たちを助けてくれるのかを
 貧しい人たちは 金持ち以上に 本能的に知っているのだ。
 そういう意味では カトマンズのほうが 日本よりはるかに正常な社会と思える。
 だから、ネパール人の貧しい暮らしを見ていても、その中に生きる子供たちの姿を
 見ていても不幸という感じがしない。
 むしろ、何が大切なことかを忘れて生活している日本人の方が 余程不幸に
 見えてくる。
 もう日本人は 動物が持っている自然の感情、本能というものが 
 壊れかかっているのではと思えてくる。

 カトマンズで 子供たちの幼いものへのかかわりや表情を見ていると、
 動物としての人間の大切なものが充分に機能していることを感じる。



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 カトマンズはどちらかというと商人の町であるが、その隣に位置するパタンの町は
 どちらかというと職人の町である。
 又、カトマンズやバクタプールに比べると仏教徒の数も圧倒的に多い。
 大体において 仏教とは 職人であることが多い。
 サッキャ・カースト、バジャチャーレ・カーストも職人の仕事をこなし、
 金細工、銀細工、仏像の鋳造などは 彼らの仕事だし、他国からやって来た人々が
 サキャ・カーストとの混血によって生まれたといわれるウダースと呼ばれる職業集団も
 仏教徒である。
 木工芸を職とするシルパカール、銅製品を造るタムラカール、お菓子やロティ作りの
 職人シラリック、チベット貿易に従事したトゥラダー、大工仕事のシンドゥラカール、
 コンサカールなどは ネワール族の職人カーストの中では上位に属する。

 パタンの支配カーストはシュレスタ・カーストに属する人たちであるが、
 数の上では 仏教徒のほうが大多数を占め、経済的にも優位を保っていたのだろう。
 パタンの王宮を除けば、仏教徒によって建てられた寺院の数も 仏教徒のものが
 圧倒的に多い。
 貿易、工芸に従事する仏教徒によって ネワール文化は隆盛を誇ったといっても
 いいだろう。

 そんなパタンの路地を歩いていると、シルパカールの板を削るのみの音や
 仏像をつくるガスバーナーを使う音が聞こえてくる。
 この頃では ネワール族のバジャチャーレ、サキャ、タムラカール、シルパカールが
 作業場の主人になり、農民カーストのマハルザンや近郊の村に住むタマン族を職人と
 して使っていることが多くなっている。
 中にはバウン族の職人もいる。

 路地を歩いていて、木工芸の作業場を覗き込んでいると 作業場の主人らしい人が
 話しかけてきて、いろいろ話を訊いていると、彼はウダースの職人カーストの中の
 タムラカールで彼の祖父の代から、木工芸に仕事を変えたという。
 2階に上がれというので 上がりこんでみると、日本の森元首相と並んで写っている
 彼の娘の写真には驚いてしまった。
 彼女はカトマンズ郊外の学校づくりにかかわり、その後援者が 森元首相の知り合い
 だったことから、一緒に写真を撮ることになったようだ。
 その作業場で働いていた職人たちも木工の郷 ブンガマティからやってきている職人
 だった。

 パタンの路地を歩いていれば、こうした工芸の作業場に出会うことが多い。
 カトマンズは 商業地域で 工芸品は目にしても 実際に造っている場所はない。
 大半はパタンで造られ、カトマンズに運ばれてくるのである。
 まだまだカースト意識の高いカトマンズ、パタンであるが ものづくりの世界では
 ネワールの職人カースト ウダースたちは 今ではものの売り手となり、作り手では
 なくなってきているようだ。
 職人たちの1日の日当が 400ルピーにもなるのなら、カースト意識を超えて、
 器用な人たちは 抵抗なく職人の仕事に手を出すようになってきている。
 こうしたことから カースト意識が崩れてくればいいのだが、まだまだ カーストが
 なくるまでには時間がかかりそうである。


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