過去の投稿日別表示

[ リスト | 詳細 ]

全1ページ

[1]

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

イメージ 5

イメージ 6

イメージ 7

 プラカノンにやってくると 懐かしい気持ちにさせる様々の光景に出会う。
 運河沿いに住む木造家屋の外の造られたお勝手、必要なものだけが、きちんと
 並べられている。
 人間が生きていくためにどれだけの贅沢が必要なのか 考えてしまう。

 そんな運河沿いに住む人々の生活を眺めながら、再び プラカノン運河の船着場の
 方に向かって歩き始めると 路上では 今時 一体 こんな果物を誰が買うのかと
 いった酸っぱいライチ、小さな木の実を売っているスーリンからやってきた物売りが
 座り込んでいる。
 出稼ぎにやってきた田舎の人たちが 懐かしがって買うのかもしれない。

 船着場周辺に戻ってくると 昔ながらのタイの手作りの品物を売っている。
 懐かしい東北タイ イサンで造られている竹細工もある。
 そんな店の前を 学校帰りの中学生たちが 船着場へと徒党を組んで歩いている。
 この光景も 昔風なこの店の前では 昔風の中学生のように見えてくるから、不思議だ。
 みんな楽しそうに家路へと向かっている。

 そんな光景を 私は 運河に架かる橋の下のアーケードにある昔風の氷菓子屋で
 冷たい氷菓子を食べながら、眺めている。
 プラカノンに来るたびに 帰りにはこの氷菓子屋で氷菓子を食べるのが習いと
 なってしまい、この店のおばさんとは すっかり顔見知りになってしまった。

 店のすぐ近くには たくさんの床屋が並んでいる。
 その床屋では 小さな男の子が母親に声をかけられながら、頭を刈っている。
 これも昔の日本の懐かしい光景の一つである。
 橋の下のアーケードの中は 何十年も時間の流れが止まり、昔の姿 そのままだ。
 まだバンコクには こんな世界もあるのである。
 だから、何度もこのプラカノンのこの場所に来たくなってしまうのだ。

 日本の昭和30年代の世界が このプラカノンには 残っている。
 この50年間、日本は 何を無理して頑張ってきたのだろう。
 みんな、少しも幸福になってないではないか、そんなことを問いかけたくなる。
 自分を誤魔化すのは やめたほうがいい。
 一体 何を失ったのか わからない人間は どこへ行っても求めているものを
 探し出すことは出来ないのだ。

 私の座っている屋台では 小学校から帰ってきた屋台の主人の子供たちが 
 親たちと座り込んで、おやつをのんびりと食べている。
 そして、その向こうには ここ20年変わることのない木造家屋が 建ち並んでいる。
 世の中が変わっていくより、変わっていかないことのほうが 幸せは残っていくのかもしれない。

 いつも同じ変わらない風景がそこにある。
 自分と共にあるという安心感、 それが幸福ということなのかもしれない。
 それをひたすら壊し続けてきたのが日本であり、そしてタイもそれに続こうとしている。


++ブログランキングへの協力をお願いします。++
   ** 忘れないでね **
          ↓

 にほんブログ村ランキングに参加しています。
 *面白いと思ったら下のアドレスをクリック*
 [https://www.blogmura.com/ にほんブログ村]

 人気ブログランキングに参加しています。
 *面白いと思ったら下のアドレスをクリック*
 [ http://blog.with2%2enet/in.php?590199 ]

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

 この木綿のキラも 1980年代に織られたものである。
 紋織りの技術は確かなものであるが、布の材料は インドからの化学染料で
 染められた工場生産の木綿糸が使われるようになっている。

 まだこの時代は いいかもしれない。
 材料はインドの工場生産の糸であっても 自国で織られたものを着るという習慣は
 残っていたようだ。
 1990年代に入ってくると、普段着のキラは インドからの安い布に変わっていく。
 ブータンの紋様を真似て、ジャガード織の技術を使った機械で織られた布が入って
 くるようになってくる。
 見た目には ブータンの手織りの布のように見えるが、機械織りのため織幅も広いので
 すぐにわかる。

 このキラだって、手織りであるから、キラ1枚織り上げるのに 1ヶ月以上はかかる
 はずである。
 普段着であれば、安い方がいいと思うのは 人間の当たり前の姿だ。
 もうブータンは 時間とお金に左右される国になってしまったのである。
 富裕層は 昔ながらの といっても化学染料で染められた糸を使ったキラではあるが、
 まだ手織りのキラを身につけることは出来たが、貧しい人々にとっては 
 手の届かないものになっていたはずである。
 それは日本の着物文化が廃れていったのに似ているかもしれない。

 このキラの織りの技法は 野蚕のシルクで織られたキラの中では生きている。
 しかし、野蚕のキラも 使われている野蚕のシルク糸は 
 化学染料で染められるようになっている。
 そのことは 野蚕のシルクで織られたキラの紹介の際に説明しよう。



++ブログランキングへの協力をお願いします。++
   ** 忘れないでね **
          ↓

 にほんブログ村ランキングに参加しています。
 *面白いと思ったら下のアドレスをクリック*
 [https://www.blogmura.com/ にほんブログ村]

 人気ブログランキングに参加しています。
 *面白いと思ったら下のアドレスをクリック*
 [ http://blog.with2%2enet/in.php?590199 ]

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

 水牛のいる家といっても 生きている水牛のいる家のことではない。
 水牛の頭骸骨を飾ってある家のことである。
 黄色くペンキの塗られたよく目立つ家の2階部分の壁に 水牛の頭蓋骨が 
 所狭しと 飾られている。
 ふと目を向けると ちょっとぎょっとする光景である。
 タイ人には どこかこんなグロテスクなものを好むところがある。
 何か信仰の対象なのかと この家の持ち主に訊いてみるが、そうではないという。

 タイでは 牛の肉は食べても 水牛の肉は食べないと聞いている。
 水牛は農作業の手伝いをする生き物だから、食べないという人もいる。
 本当のところ、どうだかわからないが、私はタイでは水牛の肉を食べたことはない。

 タイでは家畜、特に牛などの堵殺・解体をするのは 何十年か前に パキスタンから
 やってきたイスラム教徒であるという。
 記憶によれば、ベトナム戦争当時、タイに駐留するアメリカ兵のために 牛肉の需要が
 増え、その仕事を受け持ったのが パキスタンから移民してきたイスラム教徒だという。
 もしかしたら、彼らは水牛の堵殺・解体もしているかもしれない。

 水牛料理といえば、カトマンズに古い時代から住み着いているネワール族の得意とする
 料理である。
 私もカトマンズに行くと ネワール料理店で セクワ(水牛のヒレ肉の油いため)、
 ツウェラ(水牛のあぶり肉の和え物)、水牛肉の煮込み、あるいはモモと呼ばれる
 水牛肉の入った蒸し餃子をよく食べる。
 牛肉に比べると硬い肉だが、カトマンズのネワール族を すい牛肉を上手に料理する。
 水牛は食用のためのもので 農作業には使われない。
 ネパールやインドでは 農作業に使われるのは牛の方が多い。

 インドでは 牛は神様と同じだから、食べないが、同じインドでもダージリンのような
 植民地時代 イギリス人の保養地では、牛肉を食べる習慣が残っている。
 インドにいるイスラム教徒は 好んで水牛肉を食べるようだ。
 カルカッタでは イスラム教徒の経営する牛カレーの店があるが、
 水牛肉を使っているのか、牛肉を使っているのか 定かでない。
 インドの牛肉は 水牛肉と同じくらいに硬いから 区別がつかない。

 日本の柔らかい牛肉に慣れている舌には インドやタイの牛肉は 牛肉の匂いがなく、
 言われれば、牛肉かとわかる程度のものだ。
 だから、水牛肉を牛肉だといわれても 区別がつかないとところがある。
 それでも タイでは質の高い肉牛が飼育されているから、インドのものと比べると 
 格段に美味しい。

 水牛の話からそれてしまったが、タイでは鈍い動物の代表のように言われる水牛だが
 結構大切にされているようだ。
 チョンブリ県で行われている水牛を使ったレースは 有名らしい。
 ただ 近頃では 水牛を使っての農作業は 耕運機に変わり、水牛の数も激減している
 らしい。
 沼地で水牛と戯れる子供たちの姿は タイやラオスの田舎を象徴する光景であったが、
 そんな光景を見かけることもなくなってしまった。

 同じ水牛でも ヒンズー教の国では 悪魔の乗り物を引く邪悪な動物、
 タイでは 少し抜けていて間抜けな愛すべき動物、国によって受け止め方は
 違うものである。



++ブログランキングへの協力をお願いします。++
   ** 忘れないでね **
          ↓

 にほんブログ村ランキングに参加しています。
 *面白いと思ったら下のアドレスをクリック*
 [https://www.blogmura.com/ にほんブログ村]

 人気ブログランキングに参加しています。
 *面白いと思ったら下のアドレスをクリック*
 [ http://blog.with2%2enet/in.php?590199 ]

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

 このキラは 前回紹介したキラと同じ素材、同じ色の組み合わせを使って織られて
 いるが、迫ってくるものが違う。
 糸は インドからの工場生産の染め糸であるが、織り手の織物に対する姿勢が違う。
 美しいもの、工夫を施したものを織り上げようという織り手の心が伝わってくるような
 気がする。
 紋様として織り込まれている図柄も 同じものの繰り返しではなく 形を変えながら、
 織り込んでいる。
 気が 入っているのである。

 両サイドの縦縞も美しい。
 織物にはセンスが必要なことがよくわかる。
 同じ素材と同じ色の組み合わせを使っても 訴えるものがこれだけ違うのである。
 工芸の世界では このことが重要な要素なのかもしれない。
 特に着るものであれば、着る人に合わせて、一番いいものを織り上げるという気持ちが
 大切である。
 ブータンの織物の世界では これは基本的な事柄だったのだろう。
 織る人も着る人も相手の顔が見えている。これが大切なのだ。

 今の世界では 大半のものが大量生産で お互いに顔が見えない中で物が作られている。
 安いものが簡単に手に入るということでは 便利なのだろうが、人と物との暖かい
 係わりは失われてしまっている。

 前回紹介した木綿のキラは 注文によって織られたものではなく、市場で不特定の
 相手に売るために織られたものだろう。
 相手の顔が見えなければ、手抜きが出てくるのは当然なのかもしれない。

 市場で不特定の相手に 売るために織られるようになるにしたがって、
 ブータンの誠実で心のこもった織物の世界が変わっていくのは 目に見えているのである。
 仕方がないといえば 仕方がないのだろう。
 時代は急ぎ足で進んでいっているのである。


++ブログランキングへの協力をお願いします。++
   ** 忘れないでね **
          ↓

 にほんブログ村ランキングに参加しています。
 *面白いと思ったら下のアドレスをクリック*
 [https://www.blogmura.com/ にほんブログ村]

 人気ブログランキングに参加しています。
 *面白いと思ったら下のアドレスをクリック*
 [ http://blog.with2%2enet/in.php?590199 ]

全1ページ

[1]


.
hikaruno
hikaruno
男性 / A型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について

標準グループ

美術・工芸

日本の政治

海外情報

ニュース

1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
友だち(5)
  • はーちゃん
  • ピタル…☆
  • アジアや世界の歴史や環境を学ぶ
  • ミーヤー
  • yag*o*ama
友だち一覧

過去の記事一覧

スマートフォンで見る

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

スマートフォン版Yahoo!ブログにアクセス!

よしもとブログランキング

もっと見る

プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事