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 カトマンズの計画停電の時間帯が 夕方6時から8時まで際には 電気が来るまでの
 間、近所を散策することにしている。
 今、お気に入りの場所は カトマンズのタパタリのバグマティ川沿いに建つ
 寺院周辺である。
 このあたりに建つ寺院は 19世紀初頭から中期にかけて建てられたものが多い。
 ラーマ寺院、ナラヤン寺院は サハ家の王を幽閉し、ラナ家の専制政治の創始者
 ラムバハドール・ラナの建てたものであるし、その先にあるマハデヴィ寺院は
 サハ家の三代目の王の王妃が 亡き王を偲んで建てたものだ。

 このあたり 多くの古い寺院が建ち並んでいるわりには 外国人観光客の姿は
 なく、快い静寂が 寺院の敷地内を覆っている。
 そんな寺院の一隅で 夕方になると 夕餉の支度を始める若者がいる。
 この寺を囲む無料宿泊所に住みついて若者である。
 カトマンズのこうした寺院を囲む建物は サドゥーや貧しい人たちの生活場所に
 なっている。
 早くに住みついたものは 建物付属の小さな部屋に住んでいるし、部屋を手に入れる
 ことの出来なかったものは 雨露をしのげる回廊のような場所に寝泊りしている。
 この若者もこうした人々の中の一人である。

 インドで働いていたが 仕事を失い、村にも帰ることも出来ず、カトマンズに
 やってきて どうにか日雇い仕事で食いつないでいる様子だった。
 グルン族の若者で 村の人間の素朴な性格は まだまだ失われていないようだった。

 夕方6時を過ぎると 夕餉の支度をいつも始めるようだ。
 レンガと石で簡易なかまどを造り、近くから、木切れを拾ってきて 燃料にしている。
 すぐ近くには 24時間地下水の出る水場もある。

 このグルン族の若者と話をしながら、彼が作っている料理を眺める。
 ご飯のほうはもう炊き上がり、彼の脇に置いてある。
 おかずは 今 作っているもの1品だ。
 トマトと大きめの唐辛子をジラと呼ばれる香辛料で味付けした質素なおかずである。
 ご飯とこのおかずで栄養のほうは大丈夫なのかと心配になる。
 普通は これにダールという豆汁と加えれば、ダール・バート・タルカリ(豆汁・飯・
 野菜カレー)というネパール人の一般的なメニューになる。
 この若者の夕食には タンパク源になるダール(豆汁)がない。
 ダールを料理するには 圧力鍋がいる。それがなければ、豆が煮込まれるまでに
 時間がかかってしまう。
 若者の持っている料理道具の中には圧力鍋はない。
 金目のものを持って、こんな回廊での暮らしは出来ない。
 彼が仕事に出ている間に 盗まれてしまうこともあるからだ。

 彼の作って食べる料理を見ながら、食とは何だろうと考えてしまう。
 ネパールやインドでの庶民たちの食事を見るにつけ、贅沢な食事を志向しなくなって
 いる私であるが、彼の夕食の献立を見ていると、生きていくための最低のものを
 食べていることがわかる。
 こうした食事を見ていると 贅沢な食事に対する罪悪感のようなものを感じるように
 なってしまう。
 私はこの国の人間ではないから、この若者のような食事をしていると 
 必ず栄養失調になってしまう。
 彼らは米の飯でお腹を一杯にする。

 昔、キルティプールというカトマンズ公害の町に住んでいたことがあるが、
 ネパール人並の食事をしていて 半年で10キロばかり痩せてしまったことがある。
 彼のような食事の形は無理だが、外で食べるときには カトマンズ市民が
 たむろするようなローカルレストランでローカルなものを食べることにしている。
 ここ何年か、カトマンズにある日本食レストラン、西洋人の集まるタメルあたりの
 洋食レストランで食事をしたことはない。
 カトマンズの庶民たちの生活、特に食生活を見ていると どうしてもそんな場所へと
 足を運ぶ気持ちにはなれない。

 グルメ、グルメと狂ったように取り上げているテレビ番組、それに群がる無節操な
 日本人を思い出すにつけ、やはり この世の中は 何が間違っていると感じてしまう。
 海外旅行に民族移動のように出かけ、日本人たちは何を見てくるのだろう。
 そこで育ったと思う国際感覚とは何だろう。

 ストリートチルドレンの援助のためにやってきた日本のNGOの連中が 
 夜な夜な日本食レストランで ビール片手に食事をする。
 この人たちにとって 社会の最下層で生活する人々の姿はどう映っているのか
 疑問が湧いてくる。
 想像力の枯渇したところからは どんな共感性も生まれては来ない。
 心の病んでいる日本人が ネパールにやってきても人間を共感的に見つめることは
 出来ないだろう。
 お金が解決するものはものの世界だけで 心の問題は解決してくれない。


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    ブータン  ブータンの帯 ケラ     1980年代後半


 1980年代後半に織られたブータンの帯 ケラ、もうこの時代に入ると
 織物のケラとしての魅力はない。
 このケラで 紋様の織り込みに使われている糸は インドからのアクリル毛糸である。
 ブータンの女性用民族衣装 キラのための帯として織られたというより
 外国人観光客用の土産物として織られている。
 もうこの時代には 幅広の帯 ケラはブータンでは使われなくなっているのである。

 両面縫い取り織りの技法を使った紋様の織り込みも 同じ形の紋様の繰り返しが多く、
 明らかに手抜きである。
 手早く、簡単に織り上げるという安易な姿勢が見えている。
 別に紹介したいようなケラではないが 資料として紹介した。


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 コンピューター部品を購入し、小雨の降る中、家まで持ち帰り、すぐさま 部品を
 組み立て始めているうちに 夕方の6時近くになってしまった。
 今日(6月30日)の計画停電は 夕方6時から8時までの2時間、終わっていない
 コンピューターのセッティングをそのままにして、バグマティ川沿いの道を 橋に
 向かって 散歩することにした。

 雨上がりの夕刻、雲の変化の模様が美しく、それが心を打つ。
 東西南北 山に囲まれたカトマンズ盆地、その山々の上にかかる雲の動き、
 光の当たる色合いの変化に惹きつけられながら、ゆっくりと歩いていく。
 カトマンズとパタンに架かるバグマティ橋の中間に佇み、西の空を眺める。
 沈み行く夕陽が 雲に神々しい色彩を与え、このカトマンズ盆地が 神々の棲む地で
 あったことを十分に彷彿させてくれる。

 橋を渡り終え、ラーマ寺院に向かって歩き始めると、ラーマ寺院に棲みついている
 猿たちの動きが いつもと違って興奮気味だ。
 ラーマ寺院の隣にあるナラヤン寺院の中へと階段を下りて、中庭を通り過ぎ、石畳の
 敷かれた川沿いの道を 夕陽を見ながら静かな気持ちで歩いていると 猿たちが
 興奮して、動き回っている。
 こんなにこの寺院の中に猿がいたのかと思わせるほど、猿たちが集まっている。
 一体 何が起こっているのか、猿たちを興奮させるものは何かと 気にかかって
 仕方がない。
 とんでもない出来事でも起きる予兆なのだろうかと気になり始める。
 そのうち、猿たちは 寺院を囲む建物の屋根に上り、西の空を眺め始めた。
 地面近くにいた猿たちも どんどん屋根に向かって上っていく。
 夕方近く何度もこの場所を訪れているけれど、こんな猿たちの姿を見るのは
 初めてである。

 ラーマ寺院に猿が棲みついているのは あの有名なインドの叙事詩 ラーマヤナの
 中に出てくる猿の王 ハヌマンが ラーマ王子を助け、魔王からラーマ王子の妻
 シタを救い出すことに協力したことに由来する。

 あの美しい雲に向こう側に 猿たちは ラーマ王子の姿を見つけ出したのだろうか。
 西の空に広がる神々しいまでに美しい雲の姿は カトマンズが 世界の中で
 特別な場所で ここが神々の棲む町だったことを暗示している。

 この沈み行く夕陽、そして雲、その周りの山々、やはり、このカトマンズは
 神々の棲む世界の中心なのだ。
 それを感じさせてくれる場所は もう僅かしか残っていないけれど、
 この時間の この空間に佇めば、それは十分に感じられるのである。
 見ようとするものには見えるし、見ようとしないものには見えない。

 猿たちには それが見えたのである。それが感じ取れたのである。
 そして、私も今日のカトマンズの夕刻のこの場所、この時間で
 何か特別なものを感じたのである。
 私の愛したカトマンズが そこに僅かの時間であるが たち現れたのである。
 それは涙が出てきてしまうような美しい光景だった。



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