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 入国審査も税関も 何事もなく スムーズに通過し、煙草を吸いに空港の建物の外へ
 出る。
 台風の影響が残っているせいか 10月の日本なのに意外と蒸し暑い。
 風はほとんど吹いていない。
 台風がやってきたなど嘘のようである。
 成田空港の入国の際には 喫煙場所がなく、煙草を吸う人間には不親切な空港である。
 空港の外の喫煙室も 見回したところ 一箇所だけだ。

 喫煙室に入り、のんびり煙草を吸っていると 一人の日本人が話しかけてくる。
 航空機内で 隣の座席のタイ人との会話を聞いていたらしく、
 「タイ語が上手ですね。」と声をかけてくる。
 50歳近い年齢だろうか、ここ10年ぐらい 仕事のためにタイを行き来しているという話で
 1年 の半分はタイに滞在していると言う。
 こんなものを作っていると言いながら、取り出したものは 極細の銅線をコイル状に
 巻いた器具で、リュウマチに悩む人が痛む箇所にこの器具を当てて置くと痛みが
 消えるという話である。
 それをタイで生産しているらしく、タイの寺院にも寄贈してきたと言う。
 少し、詐欺師めいた雰囲気を持った男だった。
 どういう理由で 効果があるという説明はなく どうも説得力はない。

 京成電車に乗り込み、出発を待つ。
 電車に乗り込み、大勢の日本人に囲まれると 日本に帰ってきたという実感が湧く。
 隣には 年配の外国人夫婦が座りこんでくる。
 話しかけると カナダからやって来ており、JR上野駅から新幹線で秋田へ向かうと
 言っている。
 ご主人は 秋田で開かれる老人問題の会議に参加し、奥さんは温泉を楽しみにしている。
 秋田訪問の後は 再び東京、その後はお決まりの京都見物らしい。
 初めて日本にやってきたような外国人旅行者が近くにいると 出来るだけ話しかける
 ようにしている。
 異国で声をかけてもらえると 緊張や不安が軽減することもある。
 騙そうと思って近づいてくる人間は困るけれど、親切心から声をかけてもらえると
 助かることも多い。
 インドやネパールを旅していたときに受けた親切は いつまで経っても忘れないものだ。

 京成電車沿いの千葉の田園風景の中を電車は走っていく。
 昔ながらの灰色の瓦屋根の農家を見ていると 遠い故郷の景色が思い浮かんでくる。
 白壁に素焼きの灰色の瓦屋根の木造家屋 それが私にとっての 日本の家屋である。

 電車は 京成船橋駅へと滑り込んでいく。
 ここでJR船橋駅に乗り換えだ。外出るともう夕暮れである。
 JR船橋駅のホームに立つと 西の空が 夕焼けで染まっている。
 夕焼けを眺めているうちに こんな歌が ふと浮かんできた。
 40年近く前によく耳にしていた友部正人の『一本道』である。
 40年前に立っていた自分の地平も 今も 結局同じ地平にあり、少しも前に進んで
 いないような気がしてくる。
 変わったのは年を取った自分と世の中だけである。


    一本道 / 友部正人    
     
            友部正人 作詞・作曲


     ふと後をふり返ると
     そこには夕焼けがありました
     本当に何年ぶりのこと
     そこには夕焼けがありました

     あれからどの位たったのか
     あれからどの位たったのか

     ひとつ足を踏み出すごとに
     影は後に伸びていきます
     悲しい毒ははるかな海を染め
     今日も一日が終わろうとしています
     しんせい一箱分の一日を
     指でひねってごみ箱の中

     僕は今 阿佐ヶ谷の駅に立ち
     電車を待っているところ
     何もなかった事にしましょうと
     今日も日が暮れました
     ああ中央線よ空を飛んで
     あの娘の胸に突き刺され

     どこに行くのかこの一本道
     西も東もわからない
     行けども行けども見知らぬ街で
     これが東京というものかしら
     たずねてみても誰も答えちゃくれない
     だから僕はもう聞かないよ

     お銚子すき間からのぞいてみると
     そこには幸せがありました
     幸せはホッペタを寄せ合って
     二人お酒をのんでました
     その時月が話しかけます
     もうすぐ夜が明けますよ

 一本道 / 友部正人
 http://www.youtube.com/watch?v=nDOykhBu04I&feature=related


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 飛行場の中で搭乗口に近いあたりは 節電のためか薄暗い。
 乗る飛行機の搭乗口の待合室で 搭乗の案内を待つ。
 土産物を買いに行っていた例の長期海外生活希望の日本人男性もやってくる。
 免税店でお土産に煙草を買ってきている。
 私も日本では煙草は高いので 日本の煙草1カートンと外国煙草1カートンを
 買ってきた。
 セブンスターは1カートン 560バーツ、ラッキーストライクは1カートン
 500バーツ、日本での煙草の値段の半額以下である。
 しかし、タイの国内でも、免税店でも 売られている煙草に印刷されている写真が
 醜悪なのである。
 バンコクでは レストランや公共の場所では禁煙である。
 政府一丸になって 煙草の健康被害を訴えている。
 その一つの姿が タイで売られている煙草のパッケージに印刷された醜悪な写真である。
 国内向けの煙草であれば、タイ政府の方針であるから仕方がないが、免税店で売られる
 土産用の煙草まで同じであるというのは どうも行き過ぎである。

 そんな話をしているうちに搭乗時間がやってきた。
 座席は通路側である。
 予約したときには 窓際の席だったが、ノースウェストのホームページにある座席の
 変更のところで通路側に空きがあったので変更したのである。
 つい最近 ノースウェスト航空とデルタ航空が合併し、航空機がデルタ航空のものに
 変わってしまった。
 航空機も小さくなり、230人乗りの航空機になってしまった。
 以前は 座席ごとに液晶テレビがついており、液晶テレビで映画を見て 時間を
 つぶしているうちに 目的地に到着ということで 6時間という飛行も気に
 ならなかったが デルタ航空の航空機に変わってからは 昔のタイプのもので
 それも通路上に小さなテレビを備え付けているだけで 上映される映画も見る気には
 なれない。

 そんな飛行機に乗ると 気になるのは隣の座席に座る人間である。
 座席に気の合いそうな人間が座ると 話がはずみ、飛行時間も短く感じられる。
 今回 私の座席の隣にやってきたのは 日本語を話すタイ人だった。
 日本で生活を始めて10年以上になるタイ人である。年齢は45歳前後である。
 非常に当たりが柔らかく、遠慮深く謙虚な物腰に好感が持てた。

 最初は互いに日本語で話していたが やはり彼にとっては タイ語の方が楽らしく、
 いつの間にか 会話はタイ語に変わってしまった。

 バンコクで生まれたタイ人で 父親は中国人、母親はタイ人 だから彼の血は
 50%タイ人ということになる。
 早くに両親を亡くし、随分苦労したらしい。
 若いときは サウジアラビアに2年、イエメンに2年出稼ぎにも行っていたらしい。
 奥さんは 日本人の父親とタイ人の母親との混血で 彼の言葉では 日系ということになる。
 奥さんの父親が働いていた大手日系企業に彼も働いていたことから、奥さんと知り合い、
 結婚すること機会を得たらしい。
 奥さんの父親が 日本に帰国するときに 彼の家族も一緒に日本にやって来て、
 自動車関係の仕事に就職したが、自動車産業の不況の影響を受け、仕事も減り、
 夫婦共稼ぎの生活だ。
 娘はやっと小学1年生、可愛くてたまらないらしく、娘が大きくなるまで 頑張り、
 それからタイに帰国するかどうか 迷っている様子である。
 奥さんもバンコクで生まれ、バンコクで育ったから、母国語はタイ語で 
 日本で生活するようになっても 家庭ではタイ語中心の生活らしい。
 そのために 娘の日本語の習得が遅れることを心配している。
 バンコクでは わずかばかりの土地を買い、家も建て 彼の兄が1階に食堂を開き
 ながら、家を見ていてくれているようだが、心配だから 1年に1回 様子を見に
 タイに帰国している。

 お金を稼ぐために日本に居続けることが 彼の家族にとって幸せなのか、
 出来るだけ早く帰国して バンコクでの生活の基礎を築くことがいいのかどうかは
 迷うところである。
 彼にとっての1番の関心は 娘の教育のことである。
 子供も日本に長く住めば住むほど、日本から離れたくなくなるだろうし、
 彼は 逆に行く行くは タイでの生活を望んでいる。
 娘が大きくなるにしたがって、いろんな問題が起きてくるのではと心配にもなる。
 これからの日本が 彼の家族にとって 生きやすい国になっていくのかどうかは
 わからない。
 私から見れば、タイのほうが生きやすいのではと思うが、経済的な問題を解決して
 いかないことには タイでの生活も大変だとも思う。
 彼の幸せ、家族の幸せ それをどこで折り合いをつけるのか 判断は難しい。

 そんなことを話し、その後一眠りしているうちに 飛行機は成田に近づいてきた。
 多少の飛行機の揺れはあったが、台風の影響は全く感じられず、雲はあるが、
 青空も広がっている。

 どうにか何事もなく飛行機は 成田空港に着陸した。



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