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 12月29日 国立チュラロンコン大学付属病院での肺疾患の専門医による診断の
 日がやって来た。
 23日の一般的な健康診断の結果 レントゲン検査の結果が 思わしくなかった。
 肺に陰があり、その上、胸水も見られるということだった。
 それで 24日の昼前に そのことを 血はつながっていないが タイで9歳の時
 から20歳過ぎまで育てた28歳になる息子に伝えた。
 レストランの仕事は 午後4時からなので 大急ぎで様子を聞きにかけつけてきた。
 レストランの仕事納めは 12月27日、28日からはレストランのオーナーの
 田舎で過ごすのが 従業員たちの定例の行事になっている。
 てっきり オーナーの田舎へと行っていると思っていたら、29日の午前中に
 電話をかけてきて、オーナーの田舎へ行くのはキャンセルしたから、病院に付き添うと
 言ってきた。

 29日の専門医との約束の時間は 午後12時半から1時半までの予定である。
 二人で待合室に座り込んで 診察までの時間を待つ。
 午後1時近くなって 名前が呼ばれ 診察が行われる診察室の並ぶ別の待合室で
 診察を待つ。
 診察室へ入るように 看護婦さんに指示され、診察室で専門医を待っているが
 専門医はなかなかやってこない。

 やっときた専門医は 40歳前後の医師で 白衣など身につけておらず、
 淡いグリーンのシャツにネクタイを締めた格好で 見た目は医者らしく見えない。
 医学を学んだのは アメリカの大学でのようだ。
 レントゲン写真を見ながら 診断してくれる。
 聴診器を使っての診察、指を使って 肺部分の音を確かめるという診察も
 丁寧にやってくれる。
 レントゲン写真、病状の経過からすると 1番 可能性のある病名は 肺結核で
 あると言う。
 途中 チュラロンコン大学の医学部で学んでいるインターン生が 3人入ってくる。
 専門医は大学の教授でもあるらしく レントゲン写真を見せ、病状を判断させている。
 私は いわゆる彼らの実験台になってしまった。

 病名をしっかり確かめるために 29日は 喀痰検査を行うことになった。
 結核であれば、病原菌に合わせて薬を何種類か選び、数カ月から1年に渡る
 薬物治療ということになる。
 病原菌の培養ということで 結果が出るまで 時間がかかりそうである。
 診察は 2階のフロアだったが、喀痰検査は 4階のフロア、そこへ 容器にいれた
 痰を持っていく。
 検査費用は 60バーツである。

 喀痰検査の簡単な検査が出るのを待っていたが、専門医の診察時間は 午後1時から
 3時まで、検査結果が出るには 間に合わなかった。
 結局 30日の午前9時に 胸水の中に含まれている細菌や癌細胞を検査するために
 試験穿刺という方法で胸水を取り出すこと、そして 胸膜針生検という方法を使って、
 胸膜細胞を取り出し、感染の具合を確かめることになった。

 レントゲン写真は受付に預け、30日に二つの検査を受ける場所と検査のことを
 書いた書類を受け取った。
 国立チュラロンコン病院の敷地は広く、検査をする場所がどこなのか確かめるために
 タイの息子とともに 場所を確かめた。
 確かめた後、歩いて 二人でBTSの高架鉄道のラーチャ・ダムリ駅ヘ向かい、
 電車に乗って ナショナルスタジアム駅に帰ってきた。
 胸水を検査のために抜く、胸膜の細胞を取り出すという外科処理があることから、
 取り出した胸水や胸膜の組織を 各ラボトリーに運ぶ仕事もあり、30日の朝8時に
 息子は再びやって来ることになった。
 二人で遅い昼食を済ませると、息子は 自分のアパートへと帰っていった。

 29日の夕方に 日本から知り合いがやって来ることになっている。
 宿泊するホテルが決まっているので ホテルの方へ電話をかけ、到着したら、
 電話をくれるようにことづけた。
 それまで 疲労回復のための一眠りを始めた。


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 私が幼い時から よく食べていた果物といえば、蜜柑である。
 生家が蜜柑農家だったおかげで 蜜柑を食べることには苦労しなかった。
 生家では 温州みかん、八朔、安政柑、ネーブル、甘夏なども栽培していたが、
 剥きやすいこともあって、もっぱら食べるのは 温州蜜柑だった。
 小さい頃は あまり食べ過ぎて 掌が黄色くなるぐらいだった。

 田舎だったということもあり、果物には恵まれていた。
 桃、柿、無花果、梨、枇杷などはよく食べた。
 いつも腹を空かせていたから おやつ替わりになったようである。

 日本を離れて ネパールやインド、タイ生活するようになっても 果物の中で
 気になる果物は やはり蜜柑だった。
 蜜柑のことを ネパールではスンタラ、インドではサンタラ、タイではソムと呼んで
 いる。
 ネパールの蜜柑 スンタラは 実が小さく 皮が厚く、その上、種も多くて、
 食べづらいが 甘みはある。
 インドの蜜柑 サンタラは インドで買って食べれば、甘くて少し酸味があって、
 美味しい蜜柑であるが、インドからネパールに輸入されているものは 熟れていない
 うちに運ばれて来るので 甘みにはかける。

 タイの蜜柑は 昔は ソム・キアオ・ワンという銘柄の蜜柑で 甘みだけで酸味のない
 蜜柑だったが ここ10年前から ソム・サイ・ナムプン(蜂蜜が入っているように
 甘い蜜柑)が栽培されるようになり、この蜜柑は 名前の通り甘さも濃厚で、
 適度な酸味もある美味しい蜜柑である。
 10年前に出た頃は 高級蜜柑ということで結構値段も高かったが 近ごろは
 この蜜柑を栽培する農家が増え、昨日買った小振りの蜜柑なら 1キロ20バーツ 
 約55円という安さまでになっている。
 この蜜柑が出まわるのは 11月中旬頃から2月初め頃までだ。
 
 ネパール、インド、タイで生活していても 蜜柑があれば 果物に関しては満足して
 いる。

 それに引き換え、亜熱帯のアジアであれば、1年中 手に入る安い果物 バナナ、
 昔から バナナには 余程のことがない限り、手をだすことはなかった。
 汁気のない果物は 果物といった感じがしない。
 私にとって 果物の条件は ジューシーであることだ。
 フィリピンあたりから輸入されてくるあの長いバナナ1本食べ切ることも苦痛だった。

 しかし、最近 体調が思わしくなく、食欲が減退気味なので 果物としてではなく、
 栄養補給用の食べ物として バナナに手を出すようになった。
 日本でよく見かけるその長いバナナには興味はないが、モンキーバナナと呼ばれている
 小振りの親指程度のバナナは その大きさ、癖のない甘さといい、実に食べやすく、
 食欲を感じないときには 食事替わりにパクパクと食べている。
 15,6本のバナナのついた房が 二つで15バーツ 約40円という安さだ。

 タイではバナナを油で揚げる、炭火で焼くなど 多彩な料理法がある。
 インドも 南インドに行くと あまり甘くないバナナの天ぷらがある。
 南インドのミルクのたっぷり入った甘いナチュラルコーヒーと一緒に食べれば、
 3時のおやつには 最適である。


  ***

  今日は 昼過ぎに 国立チュラロンコン病院で専門医による診察がある。
  12月21日に血液、尿、レントゲン検査 23日一般医師による所見、
  そして 今日が専門医による診断、ここに到るまで 治療は一切ない。
  体調が悪いから 病院にやって来ているからで 重症患者なら命にかかわる対応だと
  思う。
  ちょっと辛い10日間だったが 今日で何らかの治療を受けることが出来るのだろうか。
  返す返すも 旅行保険をかけてこなかったのは 大きなミスである。
  旅行保険でもない限り、タイでは 1流の私立病院で治療を受けることなど
  不可能である。
  


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バンコク 朝の散歩

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 昨日 降った激しい雨のせいか 朝の空気が 心持ち爽やかに感じられる。
 マンションの前の通りで 何か 朝ご飯を食べようと思い、通りを歩いてみるが
 今日は 日曜日、屋台はほとんどと言ってもよいくらい、閉じている。
 
 あのカンボジア・タイ国境の県 ブリラムにある村からやって来ていると 
 行きつけの屋台のラーメン屋のおばさんは 新年を田舎で迎えるために 田舎へ
 帰ったのだろうか。
 昔は ピー・マイといえば 4月のソンクラン(水かけ祭り)だったが、
 今では西洋暦の新年にも バンコクで働いている出稼ぎの人たちが 田舎へ帰るのも
 習慣になってしまった。

 クリスマスのイルミネーションの派手さの中で忘れていたが、年末年始のほうが
 屋台を利用する私にとっては 大きな問題である。
 年末から新年にかけて 1週間くらい 屋台の商いは 影響を受け、寂しくなる。

 センセーブ運河を超えて、下町の市場に行くと 市場の中にある中国人のための
 道教の廟も 新年の祝のためか 飾り付けに余念がなかった。

 市場からイスラム教徒のチャム族の住む集落 バーン・クルアへと足を延ばす。
 集落の入口にあるモスクの前には 知り合いのチャム族のおばさんがいて、
 挨拶をかわす。
 この集落に住むチャム族は 今から200年ほど前にカンボジアからやって来て
 住み着いた人々で カンボジア政府とタイ政府の関係が悪化していることには
 頭を悩ませているようだった。
 彼らは 国王には忠実であるが、政府に対しては批判的である。

 のんびりと集落に沿って流れるセンセーブ運河の脇に造られた遊歩道を歩いて、
 大型スーパーのロータスに向かう。
 速く歩くと 息が切れるのでゆっくりと歩く。
 具合が悪いと言って 動かずにいると そのうち動けなくなってしまうのではと
 いう気持ちになるから、動くようにしている。

 北バーン・クルアの端まで来ると センセーブ運河に橋がかかっている。
 この橋を超えると 大型スーパー ロータスの敷地の中に入る。

 すっかり忘れていたが このスーパーの前の空き地では 午前中 月曜日を除いて、
 朝市が立つ。
 別段 特別なものが売られているわけではなく、野菜、肉、魚等が 安い値段で
 売られている。
 大型スーパーのロータスが出来る前は この場所は 小さな市場で 近所に住む人や
 屋台の商いの人相手の市場だった。
 そんな名残を感じさせる朝市の姿である。
 しかし、あまり買い物客の姿もなく、多くの人たちは 冷房の効いている
 小奇麗なロータスへと惹かれていくようだ。

 私もロータスには用事があった。
 ロータスの中にある出店のチェーン店 BOOTSで総合ビタミン剤とカルシウムの
 錠剤を買うためである。
 体内の成分のバランスをよくすれば、漢方の効き目もいいのではと思ったからだ。
 来年の1月には どうしても ネパールに行き、引き上げのための片付けを済ませて
 こなくてはならない。

 日本にいるときは 来年のネパール滞在は 3ヶ月と考えていたが、ネパールの
 医療事情を考えると 長くても10日以内の滞在にする必要がある。
 どちらにしても 29日の国立チュラロンコン病院での専門医の診察次第で
 はっきりしたことはわかるだろう。
 今の大きな課題はネパールに行くこと それだけであるから、そのためにも 
 今の体調だけでも維持して置く必要がある。



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 朝 起きると いつも息苦しい。
 息苦しさを感じるから 目が覚めるのかもしれない。

 昨日 中華街のヤワラートの漢方薬の店で調合してもらった漢方薬の材料を
 煮ようと思うが 適当な鍋がない。
 土鍋で煮出すのが1番いいだろうと センセーブ運河の向こうがわにある市場へ
 土鍋を求めて歩き始める。
 歩いていても 息苦しく 肺の半分しか 機能していない気がする。
 午前中 咳も1番 多く出る。
 いつも 朝はこんな調子で 動き回っているうちに 昼過ぎから調子がよくなる。

 市場の中に入っていくと 新年を祝う準備のためか 市場で商いをする中国人たちの
 信仰する道教の催しの会場が設置されている。
 市場で 昔ながらの生活日常品を売る店の前に タイ風な土鍋が売られている。
 七輪とセットのようだ。
 土鍋を触ってみると 土鍋の火にかける下の面が 平ではなく 部屋にある
 電気コンロにはかけることが出来ない。
 市場の中で適当なものを探すが見つからず、近所の大型スーパーのロータス、
 東急デパートのスーパーでも適当なものはなかった。

 ステンレス製でも熱効率のいい鍋ならいいだろうと BTSの高架電車に乗って 
 シーロム道路のサラデーン駅に行った。 
 昔 ロビンソンデパートだったビルが アウトレット安売りの店になっており、
 そこで格好の良いステンレスの鍋を安く売っていたので それを手に入れることに
 した。
 毎日 付き合う鍋なら、それなりのものがいいだろうと思い、ちょっと踏ん張って
 いいものを買った。
 値段は 550バーツ 日本円で1500円、ちょっと贅沢をしたが、シチューでも
 煮ているような気分にもなれる。

 少し重い鍋を下げて 再び 高架電車に乗り 帰ってきた。
 そして、早速 昨日 手に入れた漢方薬の1日分の包を取り出し、買ってきた鍋に入れ、
 コップ3,4杯分の水を加え、漢方の材料を煮出し始めた。
 流石に 臭いは凄く、その臭いだけで 出来上がる液体の不味さが想像できる。
 強火で沸騰させたあと、あとは弱火で1時間ばかり 煮れば十分のようだ。

 朝から 動き回っていたので疲れを感じていたので 鍋はそのまま弱火で
 煮たままにして 昼寝をすることにした。
 1時間半ばかり寝ていると 部屋に漢方の材料を煮出しているその臭いが気になり、
 目が覚める。
 すっかり 出来上がったようだ。
 少し大きめのコーヒーカップに煮出した液体を入れ、飲んでみるが 本当に不味い。
 「良薬 口に苦し」で その分効果があればよいが 一体どうなのだろう。
 1回飲んでみたくらいではよく分からないが、利尿剤としての効果はあるようだ。
 しかし、それが肺の下に溜まった胸水の排出に効果があるのかどうかは わからない。
 ただ トイレに行く回数が増えたことは確かである。

 あまりに不味い煮出した漢方の液を飲み干していると 急に雨が降り出した。
 乾期のバンコクでは 珍しい雨だ。
 雨は どんどん勢いを増し、土砂降りへと変わっていく。
 この雨を眺めているだけで 心のなかに溜まっているものが洗われていくような
 気持ちになる。
 こんな具合に身体の中の毒素も 流れ出してくれれば ありがたいのだが。



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 今日も中華街 ヤワラートへ行ってみることにした。
 体調を崩すことでもなければ 中華街の漢方の店に行くこともなかったし、
 真剣に調べてみる気も起きなかっただろう。

 今日は昼を過ぎても 気温は上がらず、変に曇っているおかしな天気である。
 昼過ぎの1時前に 中華街 ヤワラート方面に向かう73番の冷房付きバスを
 バス停 ナショナルスタジアムで待つが、王族の誰かの行幸があったのか 
 交通規制が行われ、いつまで待ってもバスはやってこない。
 結局やって来たのは 1時間後の午後2時近くなってからである。

 始めにやって来た73番のバスは混んでいたので 乗り込まず、
 次にやって来たバスでのんびり座ってヤワラートまで行くことが出来た。
 ヤワラートのバス停の先に 大きな漢方の店がある。
 昨日は 病状に合わせて漢方の材料を組み合わせる漢方医がいなかったが 今日は
 いるということで 漢方薬を作ってもらうことにした。
 人の良さそうな中国人の漢方医であるが 実力の方はどうなのだろう。
 どこかしら 頼りなさもある。

 インターネットで販売されている腹水丸という胸水や腹水を体外に出す漢方薬を
 探していたのであるが どうもないようなので 試しに調合してもらうことにした。
 自分の身体を実験台にして これから色々試してみなくてはならない。
 右手と左手の脈を見て、そして舌の状態を見て健康状態を確かめるようだ。
 私の方からも 今の私の病状を伝え、肺の下に溜まっている胸水を取り除くための
 漢方薬治療が必要であることを伝える。

 肺の機能を強化するための漢方薬の材料、排泄を通して、体内の不必要な水分を
 出すための漢方の材料などを十数種類ほど組み合わせた処方箋を書いてくれる。
 診察料は 200バーツである。
 その処方箋に合わせて 漢方の材料の値段を計算するのは 店の人の仕事である。
 5日分の漢方薬の調合をすると 3千バーツ、1日につき600バーツの計算になる。
 高過ぎるというと、その中の高価な材料を1種類抜いて 1日の費用が300バーツに
 なるようにしてもらう。
 5日分の処方で 1500バーツである。

 昨日 行った店は 50バーツと安かったが まるで牛の餌ではないかと思われる
 雑草のような漢方の材料だったが、漢方医の処方したこの店の材料は 如何にも漢方と
 いった様子で調合してくれる。
 5日分の調合された漢方薬を包むための紙を5枚並べ、漢方の材料を並べて行く。
 引き出しの並んだ棚から漢方の材料を出してくる様は 見ていて楽しい。
 木の根、木の皮など 様々の材料が選ばれて行く様子を見ると 如何にも効能が
 ありそうに見えてくるから不思議である。

 十数種類の材料の組み合わされた漢方薬を 鍋にコップ3,4杯分の水を入れて、
 1時間程度 煮る。
 煮出した液を 朝1杯、夕方1杯 飲むことになる。
 まだ 昨日 煮出したものが残っているので これがなくなり次第、作ってみる
 つもりだ。
 味とその効果については 後日 報告しようと思う。



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